シアターブルック Live Archivesシリーズ遂に完結!
2年間の活動休止期間を経て、昨年12月27日に恵比寿リキッドルームで行われた”Return To The Liquid”で2年ぶりに再始動したシアターブルック。パワフルなロック魂は、個々の活動を経てさらに成熟。よりエネルギッシュなパフォーマンスに、会場のオーディエンスは熱狂しました。OTOTOYでは、彼らの復活を記念し、2005年に恵比寿リキッドルームで行われた情熱的なライブ音源を、『Live Archives』シリーズとして4ヶ月連続で販売。そして、ついに最終章『Live Archives Disc4』をリリース! 今回のDisc4には、ライブの終盤〜アンコールの模様を収録。全く色褪せないアグレッシブで生々しいサウンドを、全編通して聴き、6月にリリースされる新作を楽しみに待ちましょう!
・Live Archives Disc4(NEW!)
1.ドレッドライダー / 2.アンコールMC / 3.MAMA / 4.まばたき
・Live Archives Disc3
1.悲しみは河の中に / 2.世界で一番セクシーな一日 / 3.ありったけの愛 / 4.How do you do Mr.President
【Disc3の特集頁と佐藤タイジのインタビューはこちら】
・Live Archives Disc2
1.目覚めのLove song / 2.生理的最高 / 3.Reincanation / 4.September / 5.BABY
【Disc2の特集頁とエマーソン北村のインタビューはこちら】
・Live Archives Disc1
1.opening / 2.欲望の轍 / 3.大統領 / 4.幸せと踊る時 / 5.世界の終わり
【Disc1の特集頁と復活ライヴ "Return To The Liquid"のレポートはこちら】
購入特典 : メンバーのサイン入りアーティスト写真(photo by Naoaki Okamura)
『Live Archives』シリーズのアルバムをご購入頂いた方には、各アルバムごとに異なるメンバーのサイン入りアーティスト写真をプレゼント。アルバム購入後に下記のリンクからダウンロードください。
DIsc1 特典 : 佐藤タイジ サイン入り写真
DIsc2 特典 : エマーソン北村 サイン入り写真
DIsc3 特典 : 中條卓 サイン入り写真
DIsc4 特典 : 沼澤尚 サイン入り写真
さらに『Live Archives』シリーズを4枚すべて購入された方には、メンバー全員のサイン入り特製アーティスト写真をプレゼントします! アルバム購入後、こちらからダウンロードください。
シアターブルックは、メンバーのありったけの愛でできている!
エマーソン北村、佐藤タイジとインタビューしてきて、完結編はシアターブルックの屋台骨、ベースの中條卓とドラムの沼澤尚への直撃インタビュー。近年は、blues.the-butcher-590213等、2人で多くのバンドを支えるその最強のリズム隊が語る、シアターブルックの歴史。そしてエマーソン北村、佐藤タイジへの強い思い。全音楽ファン必見の内容。
4ヶ月に渡ってお送りしたLive Archives Discは、名曲「まばたき」でクライマックスを迎え完結する。1986年に生まれ、来年で結成25周年を向かえるシアターブルック。2010年ロックの日に発売するニュー・アルバム『Intention』は、過去最高傑作! とサンプルを手にした音楽関係者の心を震わせまくっている。まったく欠けることのない、音楽への探究心と良質な楽曲。何故彼らは、ここまで素晴らしいのか? その大きな要因を、今回のLive Archivesのインタビュー・シリーズで、目撃することが出来た。シアターブルックは、『メンバーのありったけの愛でできている!』
インタビュー&文 : JJ(Limited Express (has gone?))
中條卓の加入
——中條卓さんが、シアターブルックに入ったのは、いつ頃でしょうか?
中條卓(以下中條) : 95年ぐらいですかね。「CALM DOWN(1995年6月21日に発売のミニ・アルバム)」を出す前に、ライブのサポートを半年ぐらいやってまして、レコーディングに入ってアルバムにも参加することになって「正式にメンバーになりませんか? 」って。
——タイジさんとは、サポートする前から面識はあったのですか?
中條 : KING BEESってバンドをやってて、新宿のLOFTが西口にあった時に、シアターブルックと一緒になったことがあって。
——KING BEESって、エマーソン北村さんも手伝っていたバンド?
中條 : そうですね。エマーソンは、サポートでギターを弾いてくれたことがあったので、もっと古い付き合いなんですよね。
——当時のLOFTってどんな感じ?
中條 : 東京でアマチュア・バンドがライブをする時に新宿LOFTっていうのは特別な存在だった。老舗では渋谷には屋根裏があったんですけど、僕たちが東京でやりだした時には、もう移転する直前だった。新宿ロフトはそんなに大きくはないんですけど、歴史があって、出てる人に名前があって、自分らも成長できるみたいなね。
——KING BEESも新宿LOFTを目指してた?
中條 : 実は、昔から東京に居たわけではないので、新宿LOFTの名前は知ってましたけど、どういう場所かっていうのは知らなかったし、そこでやってすげぇみたいなのはなかったですね。当時、NEW WAVEやPUNKが東京で盛り上がってて、新宿LOFTっていうのはそういうのと凄い繋がってた。でも、僕が地元の神奈川でバンドをやっていた頃や学生の時の環境は、あんまりそういう流れじゃなくて、もっと泥臭いリズム・アンド・ブルースとかソウルだったんで、新宿LOFTとはそれほど近くなかったってのもありますね。
——エマーソンさんやタイジさんは、どっぷりNEW WAVEやPUNKですもんね。
中條 : そうだと思います。KING BEESっていうのは僕が地元でやっていたバンドとはちょっと違って、ブラック・ミュージックの要素もある所謂ロック・バンドだったんですけど、リーダーがNEW WAVEやPUNKの影響も強く受けた人だったので、LOFTへも関わっていたっていう感じですかね。
——KING BEESの時は、シアターブルックとは、よく共演されていたんですか? 当時の印象は?
中條 : タイバンしたのは3、4回だと思いますね。ハードロック色が強くて、ヴォーカルもタイジ君の地元の新見さんって方で、ハイトーン・ボイスな感じ。当時のタイジ君は、アフロ・ヘアーでファンキーなカッティングとかしてたんで、ハードロックだけど異色な感じが面白かったですね。
——KING BEESは、どうなったのですか?
中條 : そうですね。何年かやってて行き詰まりじゃないですけど、やらない時期もあったりして。そういう時にバンドの横の繋がりで、当時のシアターブルックのキーボードの若林くんが知り合いで「ベースがいないんですけど手伝いませんか? 」っていう話がきたんです。
——その話がきたときは、どう思いました?
中條 : 面白そうだなって。当時から友達まではいかなくとも知り合いではあったし、音楽的にも興味あったしね。
——エマーソンさんが加入した時には、10人ぐらいメンバーがいたっていう話を聞いたんですけど…。
中條 : いました、いました。パーカッション、DJチームや女性コーラスがいてギター2本で(笑)。
沼澤 尚の加入
——沼澤 尚さんは、どのようにして加入されたのでしょうか?
沼澤尚(以下沼澤) : 事務所から電話がかかってきたんです。でもそれより前にドラムを習いたいって、オリジナルのドラマーから電話が来たのがシアターブルックの存在を知る最初のきっかけですけど。その後、大量の資料が送られてきて、その中に「ドラマーを探してます」っていう手紙も入っていたんです。で、「ありったけの愛」でパーカッションを録音した田中倫明さんと早稲田の学祭にライブを見に行ったら「こんなかっこいいことをやってるバンドがいるんだ」ってビックリした。まだ全然アメリカにいたので、妙に日本の音楽には興味がなかった時に「え、日本てこんなかっこイイことをやってメジャーレーベルからCD出せるんだ! 」って思って。その時に一緒に来日してたベーシストが「日本てこんなことやれるの? 」って驚いてましたし。その後代々木八幡の「セオリスタジオ」で初めて皆と会って演奏したのが最初です。
——エマーソンさんは、既に加入していましたか?
沼澤 : プロデュースしてましたね。サポートで参加しながら、プロデュースして、みたいな。メンバーは四人の時で。そのセオリでの初対面セッション時にタイジ君が新曲を書いたんだけどって皆でやり始めたのが「捨てちまえ(1997年5月1日発売のシングル)」だったんです。レコーディングとしての初作業そのものはタイジ君が自ら出演した映画「アートフル・ドヂャース」のサントラの方が先でしたけど。
——シアターブルックに入るときは、アメリカにいたんですか?
沼澤 : 全然まだアメリカですね。シアターブルックの活動がメインになって来たので、2000年に自分のドラムとかを持って日本に帰ってきました。シアターブルックが出る場所、見に来ている人達、周りにいる仲間とか、皆センスが良くてそれぞれのフィールドにおいてアーティスティックで興味深い人達が多くて、その時のアメリカよりも全然刺激的でしたから。
——90年代後半ですよね。誰と共演していたんですか?
沼澤 : ROVO、ズボンズ、UA、ooioo、WRENCH、GROOVERS、スガシカオとかも対バンしてるし、GRAPEVINEとかトライセラトップスとか。アンダーグランドとオーバーグランド、クラブ系等どこでも行き来してて、いろんなバンドを見るごとに日本が一番面白い場所かもしれない、おまけに頻繁に来日する世界各国のアーチストをこんなにたくさん見れるのは東京だけなんだと思ったんです。
——アメリカと日本を行き来するのは、相当ヘビーだったんじゃないですか?
沼澤 : いや、94年あたりからずっとやってたので。まだ基本はずっとアメリカだったんですけど、シアターブルックの活動が主になってからは、半分半分になりましたね。
——二人はいつから正式メンバ—に?
中條 : 僕は、エピック・ソニーからデビューした時から。
沼澤 : 僕は『Reincarnation』ですね。だから、4、5年前ですかね? それまでは、僕とエマーソンはジャケットに顔出てないですからね。で、そろそろ皆で顔出しましょうかってなって(笑)。
中條 : メーカーの方もアーティストの演奏の制限をあまりうるさく言わなくなってきたので。沼澤さんやエマーソンは他でも活躍されてたから、そういう制限が紙の上の話ですけど、普通はあるんですよ。でもこっちは、当たり前のようにメンバーと思っているから。
沼澤 : やってるときからそうだったもんね。ジャケに顔が出始めただけっていうか。
——じゃあ、沼澤さんからしたら、入った時点で正式メンバーだよ! ぐらいの気持ちだったんですか?
沼澤 : いや、正直何も考えてなかったです。普通に皆と演奏することに変わりはないわけで。エマーソンや僕は、このバンドを手伝ってやっているってだけのサポート・メンバーだから楽屋も別でお願いします、みたいなことを思ったこともないですし。
メンバーへの思い
——中條さんが、沼澤さんのドラムと初めて合わせた時のことを覚えていますか?
中條 : いやはや、それは凄かったですよ(笑)。ワールド・クラスのドラムは違うなぁって。言葉で言うのが一番難しいんですけど、叩き出すリズムや音が全然違うんですよね。比較しちゃうのもおかしいですけど、頭とか言葉とかどうこうより、「うわぁ」って感じ。アメリカと日本でやってる違いとか、どうして彼がたくさんの人から求められるのかっていうのが分かるっていうか。
——沼澤さんは覚えてますか?
沼澤 : 覚えてますよ。最初の印象は、バック・グラウンドが分かりにくいっていうか、中條君はどうやってこんなベースを弾き始めたんだろうみたいな。アメリカ人だともっと分かりやすいんです。元々自分のいた所が、黒人音楽のシーンで、皆何から影響を受けてるかがはっきりしてる。日本の音楽シーンが変わってたのか、アメリカが偏ってたのかはわからないけれど。で、中條君が聞いているアーチストを教えてもらっても、それ誰? みたいな。音楽的なジャンルというだけじゃなくて感性がものすごく広い。守備範囲が広いってことが中條君のバック・グラウンドにはあって、それが音色とか感触とかフレーズとかに繋がっているんです。
——タイジさんのことを、どう思っていますか?
沼澤 : ニール・ヤングみたいな人っていないじゃないですか? そういう人の一人としてしか見れないですね。あんな才能は世界中どこにもいないですから。彼のギターと歌と、作る音楽と佇まい、すべてが架空のキャラクターじゃないかっていうぐらいに確立してる。
中條 : ジミ・ヘンドリックスみたいなロックのアイコンって昔はいたと思うんですけど、今はあまりいないですよね。そういう人なんですよ。
——ロック・スターってこと?
沼澤 : 他にいなくないですか? 日本にもアメリカにも。後は歴史を作って来た人と比べるしかないなって。あんなギターを引ける人もいないですし。たった一人で、自分のアーティスト性を確立した人だなぁって思いますね。
中條 : 存在感とか凄いですしね。
沼澤 : 色んな人と共演したんですけど、奥田民生くんとか井上陽水さんとか清春くんとか、いわゆるスター性を持ったミュージシャン達が口をそろえて「佐藤タイジがギターを持って立たれたら、かなわない」って言ってますから。弾きっぷりとかも。「まばたき」とか「ありったけの愛」とかって、タイジ君のギターのリズムとかリフとかで曲が完璧に出来てるっていう強みがあるじゃないですか。民生くん曰く、ああいう感じって、ギタリストの憧れなんですって。誰もが佐藤タイジは凄いって思ってる。
——タイジさんがジャム・バンドに傾倒した時に戸惑いは無かったですか?
中條 : 元々ギター・ソロを弾くのがすごく好きな人だから、それが伸びただけっていう気持ちかな。ジャム・バンドにも、抵抗はなかったですしね。
沼澤 : 歴史としては大昔から普通にあるじゃないですか? マイルス、サンタナ、デッド、ジミヘン、ウェザーリポートなどなど。彼らが今の時代に新人で現れてきたら大変な騒ぎになりますよね。
中條 : 個人的に思っていたのは、一人のギターの主役がいてひたすら曲の流れを作って行くっていうのは、もしかしたらジャム・バンドにしたらおいしい形ではないのかもしれないなって。それが目立っちゃうのは、ジャム・バンドじゃなくなっちゃうなって気付いたんです。
沼澤 : 最終的には身内から言われたんですよね。なんか同じ風になっちゃってない? って。歌の無い部分が、さすがに長くなりすぎちゃったかな、みたいな。やってる自分達は楽しいだけだから長いなぁとは思わないですし(笑)。
中條 : やってる時は、まったく余裕ないですもん。
沼澤 : スティックを落とさない様に必死。後で、聞いてみて長かったのかぁって。
中條 : 長いギター・ソロにも、僕等は起伏に合わせてやってるから、気づいたらそんな時間なの? みたいな。
沼澤 : 時代ですよね。食べ物にしても、着るものにしても時代の流れってあるじゃないですか? グレイトフル・デッドっていう歴史を築いてきた偉人達が60年代からいて、それをリアル・タイムで聞いてなかった若い音楽ファンが、確実に彼らから影響を受けて時代に合わせてさらに進化させたString Cheese IncidentやPHISHを見てかっこいいと思ったわけじゃないですか。皆カルチャーとしてフォローしたくなるわけで。ファッションの一部ですから、トレンドも。それが多くの人のアンテナに引っかかって、それを追いかけるのが楽しいわけで。もちろん僕らにもそういう流れがあって、タイジ君もリーダーとしてシアターブルックの音楽性の幅の広さは時代の速さに対応していけるっていうことを一番知っているから、自分達の解釈で取り入れていくということを普通にやっていたんだと思います。
——エマーソンさんのことは、どう思っていますか?
中條 : 先生みたいです。不良な先生ですね(笑)。
沼澤 : 先生っぽくない先生。一番野蛮ですね(笑)。
中條 : パンクな人。
沼澤 : 本当に怖い人とかお金を持っている人ってそんな風に見えないじゃないですか? たいして過激じゃない人って、過激なフリをするじゃないですか? 言葉使いとか。エマーソンは真逆。本人は何にも考えてないと思うけど(笑)。今までどうやって生きてきたかっていうのがそのまま音に出てるし。そうでもないのにインチキくさくやれって言っても普通は絶対にわざとらしくなっちゃうのに、彼の場合は知能指数がめちゃ高いところで、しかもさらにそれを全く越えた次元にいますから。何をやっても自然にオルタナティブなサウンドを表現できる。音楽って思ってないことを練習してやろうとしても出来ないし、自然に出てこないものはわざとらしくなったり、嘘くさくなっちゃう。つまり「ワルい」感じとかって、そんな経験の無い人が装ったり、練習したりして出来るもんじゃない。エマーソンみたいに表現できたらなぁ、ってすごく思います。
中條 : エマーソンっていう一つのジャンルですね。
沼澤 : 本人に「ここのこれ、かっこいいね」とか言っても、「なんも考えてないんすけどねぇ」とか言われて… あっそうなんだ… って(笑)。
中條 : 後は、ものすごく親身になって一緒にやっている人のことを考えるんです。自分が今いる場所において、そこにいる人の為に何かをするってことにものすごく長けてる人ですね。だから、キーボードのプレーも凄く献身的なくせに、彼のキャラクターになってるっていうのが羨ましいですね。しかも、あそこまでかっこ良くなるっていうのは珍しいなって。
休止から復活。そして新作へ。
——2005年のライブ録音も配信させてもらってるんですけど、なにか覚えていらっしゃいますか?
中條 : ほとんど覚えてないですね(笑)。
沼澤 : 休止になったのを象徴しているかも。
中條 : メーカーが変わったりしてましたから。バンドとしての流れは、メーカーが変わったことで心機一転したかったんですけど、それほど良い方向にいかなかったっていうか。
沼澤 : インディーズで出した後とか、ライブ・アルバムを出した後だったしね。色々動いているのになんかね… って。
——2005年から休止までは、バンドがしんどくなって来た時期だったのでしょうか?
沼澤 : 本人達はそうは思ってなかったよね。一生懸命やっていただけ。ただそれを振り返ってみると「あぁ、なんかそうだったのかも」って話だよね。中條君やタイジ君は事務所があって、ちゃんと生活出来る給料をもらっていたのが、そういう状況じゃなくなってきたり。僕やエマーソンは色んな人と仕事やバンドをやりながら、可能な限りやろうとしていて、それがシアターブルックのスケジュールとうまくかみ合ってやって来れてる時はいいけど、タイミング悪い時も当然あるわけで。そんなにうまいこと行ってなかった時が、休止のタイミングだったのかも。流れが悪かっただけなんじゃないですかね。それは誰のせいでもなくて、 タイジ君がそう思った時に、たぶん皆もそう思ったんだと思う。バンドをやりたいのはわかるけど、タイジくん本人がソロになって自分のやりたい人とやりたい時に出来る体制を作ったら、もうちょっと楽になるんじゃないか… つまり、今日はこのバンドだけど、次の日はバックが女性バンドとか、突然外人がバックの日とか、その時々で変化したらタイジ君のソロって凄そうって言った記憶がある。
——2007年の休止の時は、タイジさんから皆さんに言われたんですか?
沼澤 : そうですね。解散しようと思ったんだけど… とは言ってましたね。
中條 : 驚かなかったですよ。
沼澤 : それっていいんじゃないって思ったんですよ。タイジ君が、ソロをやったら面白いんじゃないのかなぁとか思ってたんで。
——復活は二年後って決まってたんですか?
中條 : それは決まってました。
沼澤 : でも本当にやると思わなかった。びっくりしたもん(笑)。
中條 : 一応二年って決めてましたけど、それをやるかどうかは、その時にならないと分からないことですよね。もしその時にやる気持ちがなかったらやらなくていいことだし。
沼澤 : タイジ君からいきなりメールがあって。それまで一同には会ってなかったし。「シアターブルック復活」っていうメールが来て…なんか本当に久々だった。休止宣言した日と同じ12月27日に見事にリキッドルームが空いてたりして、どんどん具現化してきて「本当にやるんだ! 」っていう気持ちになりましたね。
——「よっしゃーやろうか! 」みたいな気持ちになりました?
沼澤 : いや、正直本当にやれるのかなぁみたいな。
中條 : もう、なるようにしかならないかなって。集まって始めてみたら、なんか違う感じになるのかなとか思ってた。
沼澤 : 俺もそう思ってた。やっぱ無理かもみたいな。もう二年待つ? みたいな(笑)。どうしてもやんなきゃいけないっていう気持ちもなかったし。音源を作るとかも、全然思わなかったし。
中條 : やりたくないっていうことではなくて、4人が2年振りにあった時にどうなるんだろうって。休むって時も想像出来なかったし、復活って時も想像出来なかったっていうのかな。
——で、実際どうでした?
中條 : 変わってなかったです。でも新鮮でしたよ。
沼澤 : 僕は、練習しなきゃと思いましたね。全然やばいなぁって。心配で、車の中でシアターブルックをずっと聞いてイメージ・トレーニングをしていましたね。
——今回出されるアルバムが相当いいとタイジさんもエマーソンさんも口を酸っぱくして言ってるんですけど、どうですか?
中條&沼澤 : 良いと思います。
中條 : 自分的には、沼澤さんと密に3年間やらしてもらったので、沼澤さんの足を引っ張らないようにはなったかな。
沼澤 : 引っ張られたことなんて一度もないですよ。お互い様なので。二人が別のバンドで一緒にやってるものが、他にも影響を与えるようになったのは、シアターブルックの中では初めてだと思います。
中條 : シアターブルックでずっと一緒にやっていましたけど、一緒に演奏した時間は、休止中の間の方が長かったですもんね。
沼澤 : シアターブルックの10年間のライブの数をたった1年で超えちゃう本数を2人でやってきて。とにかくオーセンティックなブルースを元に「音楽」の原点を自分達なりに追求してきているおかげで、シアターブルックという元いた場所に戻った時に、「どうやら、やって来てよかったらしいね」っていうのが表れているアルバムだと思います。
PROFILE
THEATRE BROOK
1986年にVo,Gである佐藤タイジが中心になって結成、95年エピックレコードよりメジャー・デビュー。95年にBassの中條卓、96年にKeyboardsのエマーソン北村、97年にDrumsの沼澤尚が参加し、様々な遍歴を経て、現在のバンドに近い形となる。アルバム等も勢力的にリリースを重ね、FUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL等様々な大型フェスを大いに沸かせる。2005年にフォーライフ・ミュージックエンタテインメントに移籍。2007年12月、恵比寿リキッドルームを最後に2年間の活動休止を発表。その言葉通り、2009年12月27日にリキッドルームで再始動ライブ”Return To The Liquid”を敢行。2年間の個々の活動を経て成熟したプロフェッショナルな世界観が、この夜に集結。エネルギッシュでパワフルなロック魂を音にのせ、会場のオーディエンスを熱狂させた。2010年2月24日ニュー・シングル「裏切りの夕焼け」をリリース! 現在ニュー・アルバムを制作中。
シアター史上、最高傑作完成
シアターブルック5年ぶりのオリジナル・アルバムが完成しました。全12曲70分以上の大作。佐藤タイジ曰く「シアターブルック史上最高傑作であり、最も重要なアルバム」。オリコン・デイリー6位を記録した先行シングル「裏切りの夕焼け」のアルバム・バージョンも収録。
all songs written,arranged,produced by 佐藤泰司
except M-12 arranged by 佐藤泰司, エマーソン北村
THEATRE BROOK / Intention
1.お尻をひっぱたけ!
2.SNAKE BOOTS
3.明日のかけら
4.イカロスの大地
5.裏切りの夕焼け-Album Ver.-
6.恋人よ
7.’74年の日曜日
8.大気圏突破
9.未来を今
10.旅人と踊り子
11.夢とトラウマ
12.理想のオレ
LIVE SCHEDULE
- 6/5(土)頂@日本平
- 6/6(日)KING OF ROCK@下北沢ガーデン
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