京都から現れた、あえて言おう“すごいバンド“! WANG GUNG BAND!!!

京都発の注目バンド、WANG GUNG BAND。軽やかなメロディー・ラインと男性ふたりのツイン・ヴォーカル、巧みなコーラスワークが心地よい7人組。このバンドの魅力はなんといっても、興味のあるジャンルも結成前の経験も異なるメンバーが集結し、それぞれの良さを活かしながら“WANG GUNG BANDの音“として届けていること。また楽曲制作を担当しているネギこと杉本周太(Gt / Vo)は、メンバーへ持ってくるデモ曲の数が、たった数日で20曲以上になることもざらにあるという。そんなスキルや“WANG GUNG BANDの音“を届けるという強いパッションを持っている彼らのより深い魅力について、飯田仁一郎が独自の視点で切り込んでいく。
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INTERVIEW : WANG GUNG BAND
8月末に行われた〈ナノボロフェスタ〉でWANG GUNG BANDのライヴをみて、あまりの素晴らしさにその場から離れることができなかった。京都から、またもやこんなにも素晴らしいバンドが現れるなんて!!! メロディー・メーカーとして類稀な才能を持つ杉本周太のデモを、素晴らしいバンド・アレンジで、音源でもライヴでも提示できる力のあるメンバーが集まっていることは、WANG GUNG BANDの大きな魅力だ。その魅力に迫るインタビューになったと思う。
インタヴュー:飯田仁一郎
文:梶野有希
カメラマン:吉見 崚(アー写のオフショット) | SHOH HARADA(ライヴ写真)
最高って思いながら、いつも演奏しています。
──まず結成経緯について教えてください。
藤澤信次郎(Key / Vo)(以下藤澤):大学時代からおまたくんは僕がむちゃくちゃ好きなベーシストだったので、一緒にバンドをしたいなと思って、もうひとりヴォーカルの男の子を誘って動き出そうとしていたんですけど、それがなくなってしまって。そのあと、たまたま〈うたのゆくえ〉というイベントでネギさん(杉本)と「ツイン・ヴォーカルでバンドをやりたいよね」って話になったんです。おまたくんとは、山下達郎、スティービー・ワンダー、ジャミロクワイが好きでコピーバンドもしていたので、そういうニュアンスのあるバンドになればいいなと思っていました。その後、すぐにギターの大池奏太くんに声をかけて。
──田中涼太(Dr)さんは?
藤澤:僕とおまたくんと奏太くんは、大学の同期なんです。サークル内でよく3人でコピー・バンドを組んでいました。後輩でサークルに入ってきた田中くんと一緒に組んだ時もあって、その時から田中くんに信頼はあったのですが、改めてWANG GUNG BANDをどういうバンドにしていきたいかってなった時に田中くんを誘おうとなりました。
──なるほど。初期メンバーはネギくん(Gt / Vo)、信次郎くん(Key / Vo)、おまたくん(Ba)、その後に大池くん(Gt)と田中くん(Dr)が加入したって流れなんですね。では、浅岡さんはいつごろ加入を?
浅岡華波(Sax / Cho)(以下:浅岡): 2021年に入ってから加入しました。浪漫革命のサポートに時々入っていたんです。それで信次郎くんから「サックスをやってほしい」と声をかけてもらったのがきっかけでした。その時点でWANG GUNG BANDのシングルを聴かせてもらったんですけど、そこでビビッときたんですよね。このバンドでプレーしたいなと思ったので加入を決意しました。
──そもそも浅岡さんはどういった活動を?
浅岡:フリーのサックス·プレイヤーとして活動しています。歌もののR&Bなどを演奏していて、自分がフロントでやることもあるし、バックで演奏をしたりもします。でも、ずっと歌もののバンドをやりたいっていうのはあったので、こうして関わることができて嬉しいです。
──奥田さんも同じ時期に加入したんですか?
奥田恵加(Key)(以下:奥田):一緒ですね。12月末にはじめて顔を合わせました。最初の出会いは、2020年の11月ごろのクラフトビールのサーキット·フェス〈CRAFTROCK CIRCUIT〉でした。当時のキーボードの方がお仕事の都合で出られないってことで、私が参加させてもらって。ドラムの田中くんが大学の部活の同期だったので、そこ繋がりです。わたしはすごくあがり症だし、ビビりなんですけど、みんな優しかったので伸び伸びと弾けました。「サポート楽しかったな」って思いながら1ヶ月過ごしていたら、急に信次郎さんから「一緒に音楽やろうよ」って電話がきたんですよ。舞い上がりましたね。加入の決め手は、皆さんの優しい人柄です。
藤澤:いまとなっては、僕もある程度キーボードを弾いていますけどWANG GUNG BANDがはじまるときはキーボードを弾いたこともなかったんですよ。それで話し合いをしていくうちに、僕の技術では足りないからもっと上手なキーボードが必要だという話になって。
──奥田さんを抜擢した理由としては、やっぱり技術があったからこそ?
藤澤:そうですね。僕たちのやりたいことにキーボードは不可欠なので。あとは、おっくー(奥田)の人柄がとても好きで、一緒に活動していくことに信頼がおけて。でも誘ったときは大学4回生だったので、将来の岐路に立っているし、いまからバンドをガッツリやってくれるかどうかは、その時はわからなかったです。
──なるほど。〈ナノボロフェスタ〉で見せていただきましたが、各々のレベルが高く、それが見事なバランスで成り立っているのが素晴らしかったです。バンドとしての手応えはありますか?
杉本周太(Gt / Vo)(以下:ネギ):めっちゃありますね。なにも言うことないです。最高って思いながら、いつも演奏しています。
