シンガー、葛籠貫理紗の輝きはじめた個性──ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」で見つけた喜びと充足感
ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」公認ライバー(ライブ配信者)によるコンピレーションアルバム第2弾がリリース! 前作に引き続き、今年3月に開催された〈17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM 楽曲収録権争奪戦!!〉を勝ち抜いたライバー10組のオリジナル曲が今作にも収録されている。そのオーディションで見事1位に輝いた葛籠貫理紗(つづらぬき・りさ)は、日本テレビ『歌唱王』やテレビ東京『カラオケバトル』にも出演する実力を持つシンガー。しかしその評価の裏では「優等生」「個性がない」と言われることもあり、悩んでいたという。「17LIVE」の活動を通して、彼女はいまなにを思い、どこを目指しているのか。たっぷりと語ってもらった。
「17LIVE」公認ライバー10組によるコンピレーション第2弾!
ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」とは?
"人と人のつながりを豊かにすること。"をミッションに掲げる「17LIVE(イチナナ)」は、世界で5,000万以上のユーザーを有する日本最大級のライブ配信プラットフォーム(2023年2月時点)。ひとつの空のもと、七つの大陸を舞台に、ライバー(配信者)とリスナー(視聴者)が「今この瞬間」を共有し、リアルタイムで喜びや感動を分かち合える世界を目指している。
INTERVIEW : 葛籠貫理紗
日本最大級のライブ配信アプリ「17LIVE」が、音楽ライバーのオリジナル楽曲を集めたコンピレーションアルバム『17LIVE presents MUSIC COMPILATION ALBUM』をリリースした。「17LIVE」内で今春開催された、楽曲収録権をかけたイベントを勝ち抜いた上位10名のオリジナル曲が収録されている。
その1曲目を飾るのが、同イベントで1位を獲得したシンガー・葛籠貫理紗の最新楽曲“想い人“である。葛籠貫は10代の頃からカラオケ大会番組に幾度と出演歴があり、さらにはバンド経験やライヴステージ経験を持つなど、音楽ライバーだけでなく様々な分野で活動する人物だ。彼女はなぜ「17LIVE」を活動の場のひとつに選んだのか。その背景を辿っていくなかで、「17LIVE」での音楽活動が彼女にとって大きなターニングポイントになっていることがわかった。「無個性の優等生」と言われ続けていた彼女は、「17LIVE」でどんな充実と喜びを得たのだろうか。
取材・文 : 沖さやこ
撮影 : 大橋祐希
「優等生みたいな歌い方」「個性がない」と言われ、悩んでいた
──葛籠貫さんは10代の頃からカラオケ大会番組の出演やバンド活動などをなさっていましたが、大学進学後は銀行で働いてらっしゃったそうですね。
銀行で働きながら、カラオケ番組の大会に出演していました。10代の頃は純粋に歌が好きで、「自分の実力はどれくらいなんだろう?」という腕試しのつもりで番組に応募をしていたんです。でもいざ自分が社会人になって、仕事に慣れはじめた頃に将来についていろいろと考えるようになって。
──ふと「このままでいいんだろうか?」と考えるのは、社会人2、3年目によくあることですね。
夢を追うために会社を辞めて、海外に行った方の話を聞くことも多い時期でした。いまの時代は長く同じ会社に勤めることが当たり前というわけでもなくなってきているので、周りから「自分の進みたい道に進んだらいいじゃん」と言ってもらうことも多かったんです。それで「人生1度きりだし、自分の好きなことやりたいし、夢を追って生きていきたいな」と思うようになって、銀行員を辞めようと決心して。ちょうどその頃、「17LIVE」の方から「公式ライバーとして活動してみませんか?」とご連絡を頂いたんです。
──なんて運命的なタイミング。
そのときは漠然と「歌手になりたい」「歌を歌っていきていきたい」「自分の歌を必要としてくれる人を増やしたい」と思ってはいたけれど、なにをしたらいいかがわからなくて。そんなタイミングでお声掛けいただいたので、ライブ配信アプリについては詳しくなかったんですけど、まず飛び込んでみることにしました。よく友達にも「軌道に乗ってから辞めるんじゃなくて、よく全部手放して飛び込んだね」と言われるんですけど、とにかく「音楽をやりたい」という気持ちが膨れ上がっちゃったんです。めちゃめちゃ自分に自信があったわけではないし、確実に成功する保証はなかったですけど、できる限り頑張ったら認めてもらえるんじゃないかなと思ってはじめました。
──そして銀行員をお辞めになって、葛籠貫さんは2019年4月に公式ライバーとして「17LIVE」デビューを果たすわけですね。
コロナ禍に入る前だったので、「17LIVE」のライブ配信と並行してストリートライヴをするようになって。あのタイミングで踏み出していて良かったなと思います。最初はライブ配信の「画面越しでたくさんの方に観られている」という状況に慣れなくて、戸惑ったりもしたんですけど、最近は自分の生活の一部として楽しく活動できています。日本全国だけでなく海外からも観てくださっている方がいらっしゃるので、それは「17LIVE」ならではだなと思いますね。ライバーの活動が円滑に行くサポートもしてくださるので、とても助かっています。「なにからやったらいいかわかんない」という人は、手探りでもまずはじめてみるのもいいんじゃないかなと思います。
──葛籠貫さんは「17LIVE」の活動をはじめて約1年後にはオリジナル曲をリリースしています。ここに至るまでにはどんな経緯があったのでしょうか。
最初のうちはカヴァー配信をしていました。その頃は特にいろんなタイプの曲を歌っていて、いまよく歌っているような切ない楽曲だけでなく、ハッピーな曲、元気な曲、もともとよくカラオケで歌っていたSuperflyさんやMISIAさんみたいな迫力のある楽曲を歌う機会も多かったんです。そしたら視聴者さんから「歌い上げる系の曲を歌う理紗ちゃんもいいけど、繊細な歌がすごく心に刺さってくる」とコメントをいただくことが多くなっていって。
──切ない曲を歌うと、より良いリアクションをもらうことも増えていったと。
「理紗ちゃんの声には切ない曲が合うね」と言っていただくことも多かったです。確かにわたし自身も昔から元Flowerの鷲尾伶菜さんが大好きで。鷲尾さんの歌は聴き手を歌詞の主人公にしてくれるんですよね。歌詞に書かれている体験をしていないのに、自分事のように感じられて泣いてしまうことが多くて。だからリスナーさんから意見をもらうことによって、自分も「こういう歌が歌いたいな」とか「こういう方向性に行きたいな」という気持ちがどんどん具体的になっていって、歌詞の主人公の気持ちになって歌うことがすごく楽しくなっていったんです。
──ライブ配信の視聴者さんは、素敵なところを細かく伝えてくれる人が多いですよね。気付いていなかった自分の個性を知ることができるきっかけにもなりそうです。
ああ、おっしゃる通りですね。それまでわたしは「個性がない」と言われ続けていたんです。番組に何度か出させていただいた際にもそう指摘を受けたり、ちょっとだけ通ったことあるボイストレーニングの先生にも「優等生みたいな歌い方」「個性がない」と言われたり、番組が放送された後にエゴサをすると同じような内容の書き込みがたくさんあって。
──「歌がうまいね」と言われる機会はかなり多かったと想像しますが、そんなご意見もあったんですね。
それがすごく悩みでした。でもライブ配信では「この曲はすごく声と合ってるね」とか「この母音の音が好き」とか、これまで言われたことないことを言っていただけたんです。個性がないとよく言われることや、地声の低さがコンプレックスだとトーク配信で悩みを打ち明けたら、「音域が広いのは武器だよ」や「憂いの成分があるのは個性だよ」と言っていただいたりもして。「もっとこうしたほうがいいよ」というアドバイスというよりは、「ここがいいね」と言ってくださる方がほとんどだったんです。
──いまの自分を認めてもらえているというか。
うんうん、そうです。音楽配信をご覧になる方々は歌がお好きな方が多いですし、もともと歌っていたという方も多くて。だから自信を持てるようになりました。それからはカヴァーでも「いいと言っていただいた部分を引き出せる曲あるかな」と探すようになりましたし、より自分の声に合ったオリジナル曲を歌いたくなってきたんです。