YAYYAYワールドをさらに広げていく──フリーダムな制作スタイルから生まれる世界観
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各所から“奇才ポップ集団”と謳われているバンド、YAYYAY。オトトイには3回目の登場となり、これまでその奇才さに迫るインタビューをお届けしてきた。今回は待望のセカンド・アルバムが完成したということで、その収録曲や制作過程に迫った内容となっている。それぞれの分野で活躍しながら、YAYYAYのメンバーとしても個性を発揮する4人に話をきくと、和気藹々と新作に対する心境を語ってくれた。それぞれが多忙のため、なかなか集まることができないメンバーが奇跡的に集合することができたこの日。撮り下ろし写真にもぜひ注目を。
YAYYAY、待望のセカンド・アルバム!
INTERVIEW : YAYYAY
2020年10月にリリースしたファースト・ミニ・アルバム『I’m Here』から2年を経て、8曲入り新作『NO EVIL』を完成させたYAYYAY。札幌を拠点に自主レーベルを主催、ソロ名義での活動のほか、sleepy.abなど数多くのアーティストのプロデュースも手がけるShizuka Kanataこと田中一志(Key.Prog.Mix)。GO!GO!7188解散後はチリヌルヲワカとして活動中のユウ(Vo,G)。ASA-CHANG&巡礼の一員で、森山直太朗や青葉市子などのサポートやアレンジでも活躍するヴァイオリニスト、須原杏。そして中村佳穂やSalyuなどのライヴ・サポートやアレンジを手がけるチェリスト、林田順平が組んだこのユニット、それぞれユニークな活動をしている4人が集った異才集団として注目されているが、コロナ禍に加えスケジュール調整の難しさもあり、昨年1月に東京都内のスタジオで録音したものをベースに1年をかけて練り上げ、この新作を完成させた。そしてOTOTOYの取材のために4人が久々に顔を合わせた。
インタヴュー・文 : 今井智子
写真 : 作永裕範
ふたりの歌が入ってるバランスがいい
──どれぐらい久しぶりなんですか。
田中一志(Key / Prog / Mix)(以下、田中):昨年1月のスタジオ以来ですね。
須原杏(Vn.)(以下、杏):ずっとLINEばっかり。
ユウ(Vo / Gt):文字でしか会話してないですね。
──その1月のスタジオ・ワークで、今回の8曲の素材はできていたんですか。
田中:そうですね。
杏:でもインストの2曲は、あってないようなもので。
ユウ:あの時は本当に素材を録ったって感じでした。
杏:その後にデータをやりとりして音を重ねたり、それを一志さんが編集したりして出来上がっていった感じです。
──アルバム・タイトル『NO EVIL』は、7曲目“No Evil”の歌詞にある“See no evil Hear no evil speak no evil”(見ざる聞かざる言わざるの英訳)から来ているようですが、これがリード・トラックということで?
田中:そういうわけではないんですけど、誰が言ったんだっけ?
林田順平(Vc.)(以下、林田):ユウちゃんが響きがいいって。文字面とね。
ユウ:そう、字面がいいなと思って。
──1作目のミニ・アルバムも『I’m Here』と英語のタイトルで、英語詞のほうがみなさんのなかでフィットしやすいんでしょうか。
杏:そんなこともないけど、この前に配信でリリースしたのが日本語の曲“催眠“だったので、無意識のうちにバランスをとって、みたいのもあったかもしれない。
林田:日本語の歌詞をそのままアルバム・タイトルに使うと、ちょっと強い感じがするから、「I’m Here」とか「No Evil」とか、よくわかんなくて(笑)ちょうどいい。
──『No Evil』は田中さんがヴォーカルをとっているのが注目点ですね。
田中:僕は自分の歌にコンプレックスがあってカラオケでも歌わないぐらいなんだけど、仮歌は曲の雰囲気がメンバーに伝わるように自分でいれるんですよ。この曲もそのつもりだったのに、3人からこの曲は自分も歌ったほうがいいとに言われて(苦笑)。皆が大丈夫だっていうから頑張ってみました。
ユウ:最初、一志さんから私が歌った方がいいって言われたんだけど、私は一志さんが歌った方がいいって言って。最終的にはふたりの掛け合いがいいってなったんですけど、ふたりの歌が入ってるバランスがいいと思った。
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