ナナイロが描く、“虹”のように多彩なポップ・サウンド──バンドで鳴らす、音楽の楽しさを感じるために
ゆい(Vo)、まきお(Gt)、鉄(Ba)、あきまま(Pf)からなるバンド、ナナイロ。L'Arc〜en〜Cielを共通項にして集まったというメンバーだが、4人が鳴らしている、その音像はとにかく爽やかなポップ・サウンドだ。今回OTOTOYでは、4人にインタヴューを実施。徳島在住のベーシスト、鉄に声をかけたという結成の経緯の話や、自分のやりたい音楽の中にラルクの要素を入れるという楽曲制作へのこだわりについて。そしてこれからの目標のことなど、じっくり話を聞いた。
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INTERVIEW : ナナイロ
「バンドって楽しそうだな」。今回ナナイロというバンドにインタヴューして、最初に音を合わせたときのことを話すメンバーの顔を見ていると、そんなことを思った。DTMで曲を作って、ひとりで曲を発信したりすることでも表現ができるいまの時代になぜ、バンドというスタイルで音楽をやるのか。その答えがそこにある気がする。新たな目標を見据え、動き出したナナイロ。4人はきっとこれからも“虹”のように多彩なポップ・サウンドを鳴らし続けていくのだと思う。
インタヴュー&文 : ニシダケン
写真 : 宇佐美亮
高校時代にサッカー部で一緒だっただけです(笑)
──ナナイロはどんな経緯で結成されたんですか。
まきお(Gt) : 僕が以前やっていたバンドの活動の中で、ヴォーカルのゆいさんの前のバンドと対バンをしたんです。そのときゆいさんがL'Arc～en～Cielさんが好きなことを知って、楽屋で意気投合したんですよね。それから何年か経って、僕が自分で好きなように音楽を作っていきたいと考えたときに、ゆいさんの名前が浮かんで誘ったんです。
──まきおさんの以前のバンドはどんな音楽性だったんですか?
まきお : 2つ過去にバンドをやっていたんですが、1つ目はGoat Empireというバンドでガレージ・ロックの男臭い感じでした。その後は、僕が後からメンバーとして加入したのですがAftertalkというバンドで、邦楽のギターロックな感じの音楽を演奏していましたね。
──そのときから楽曲を制作していたんですか?
まきお : 1曲丸々作ることはなかったです。でも最初から最後まで作ってみたい気持ちがあって、ナナイロを結成しました。
──ゆいさんはどんなバンドを組んでいたんですか?
ゆい(Vo) : まきおと出会ったときは大学生でした。当時は大学のサークル内のバンド仲間と趣味程度に組んだオリジナル・バンドをしていました。サークルではチャットモンチーさんとか、スピッツさんみたいな、いわゆる邦ロックをコピーしたり、それっぽい曲を作っていたりしました。サークルの延長線上で活動していたという感じです。
──まきおさんから今回バンドに誘われたときはどう思いました?
ゆい : 出会った当時から彼は演奏が上手で、音楽で食べていくんだという気持ちを感じていたんです。私もファンとして頑張ってほしいと思っていました。なので、誘われたときは、本当に嬉しくて、「絶対やりたい!!」という感じでした。
──まきおさんはなぜ誘ったんでしょう?
まきお : ゆいさんがInstagramにカラオケで安室奈美恵さんの“Love Story”を歌っている動画を上げていたんです。それを聴いて、「こんな歌上手かったっけ?」って感動したんですよ。それですぐ誘いましたね。
──ベースの鉄さんはそれからどのようにして入ったんでしょう?
まきお : 曲作りをするにあたってベースが必要になってくると思ったんです。それで鉄ちゃんがYouTubeでラルクさんの弾いてみた動画を上げていたのを、僕とゆいさんが観ていて、それで声をかけたんです。
ゆい : 鉄ちゃんの動画のファンでした(笑)。
鉄(Ba) : 僕はラルクのベースのtetsuyaさんがめちゃくちゃ好きで。彼になりきって弾いた動画を何年もアップしていたところをまきおさんに見つけてもらった、という流れです。
まきお : 最初は鉄ちゃんに「2人でラルクのカバーをしたい」とDMして、そこからネットでやり取りするようになって。で、しばらくしてナナイロというバンドを組むにあたって、改めて誘って、まずは3人で始めました。
──鉄さんは、それまでバンドを組んだ経験はあったんですか?
鉄 : 全くなかったです。ベースをはじめた理由も、たまたま職場の先輩からもらったからなんですよ。それまで楽器を触ったこともないし、音符も読めなかったので、本当に1人で部屋で弾いていただけでした。だから「誰かと音楽をやることができる」と聞いて、僕はいま徳島在住なんですけど、すぐに付いていくことを決めました。
──徳島から!? すごいですね! まきおさんは鉄さんのどこに惹かれたんでしょう?
まきお : 僕の表現をそのまま吸収してくれそうだなと思ったんです。もちろん演奏も上手いし、良い意味で染まっていない感じがあったので、声をかけました。
──あきままさんはどんな経緯で参加したんですか?
まきお : 曲を作りながら「ピアノが欲しいな」と思っていて、ネット上でいろんな人にお願いしていたんです。そんな中、高校時代の友人である、あきままと会う機会がたまたまあってお願いすることにしたんです。
あきまま(Pf) : まきおとは、高校時代にサッカー部で一緒だっただけです(笑)。文化祭で一度バンドを組んだんですけど、僕はそのあとピアノをやっていなくて。でもまきおのバンドはよく観に行っていました。最初はピアノとかじゃなくて、SNS周りを手伝っていたんです。
まきお : ほかにも音源を手伝ってもらったんですけど、去年のワンマンライヴからメンバーとしてやってもらうことになりました。
