2021/05/10 18:00

鈴木このみの歌声は、次のステージへ進化した!──渾身のニュー・シングル『Bursty Greedy Spider』

鈴木このみ

歌手・鈴木このみがTVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」後期OPテーマも収録されたニュー・シングル『Bursty Greedy Spider』をリリース。「鬼滅の刃」の主題歌“紅蓮華”など様々な楽曲を手がけるアーティスト・草野華余子が作詞・作曲を担当した表題曲は、気合いとパワフルさを感じる渾身の仕上がりです。OTOTOYでは、昨年2020年には以前より患っていた声帯結節の手術を経て、さらにパワーアップした彼女にインタヴューを実施。今作に込めた想いをじっくり話を訊きました。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」後期OPテーマ

『蜘蛛ですが、なにか?』とは?

馬場翁(ばばおきな)による累計300万部突破のライトノベル『蜘蛛ですが、なにか?』を原作としたTVアニメ。異世界で蜘蛛へと転生した女子高生が、迷宮でサバイバルする様子を描くアクション作品。現在、TOKYO MX、BS11ほかにて毎週放送中。

『蜘蛛ですが、なにか?』ストーリー


女子高校生だったはずの主人公「私」は、
突然ファンタジー世界の蜘蛛の魔物に転生してしまう。
しかも、生まれ落ちたのは凶悪な魔物の跋扈するダンジョン。
人間としての知恵と、尋常でないポジティブさだけを武器に、
超格上の敵モンスター達を蜘蛛の巣や罠で倒して生き残っていく……。


INTERVIEW : 鈴木このみ

鈴木このみの歌声は、驚くほどしっかり心に響く。昨年行った声帯結節の手術を無事乗り越え、とにかくパワフルに歌い続けている彼女の姿には、多くの人が元気をもらえるだろう。今回リリースされる新作シングル『Bursty Greedy Spider』は、自信満々で余裕さえ感じさせるロック・ナンバーだ。歌手活動10周年にむけて、何倍もパワーアップしていく今後の彼女の姿から、目を離さないでいてほしい。きっと、とんでもないところまで進化していくはずだから。

インタヴュー&文 :西田健
撮影 :宇佐美亮

「お客さん」から「あなた」に変わった

──2020年は鈴木さんにとって、どういう年でしたか?

鈴木このみ(以下、鈴木):とてつもなく激動の一年でした。ツアーがなくなってしまったり当たり前のことができないなかで、ありがたいことにシングルを3枚、3ヵ月連続でださせてもらったんですけど、そこに込めるメッセージがより濃くなっていった気がします。私の中で大きな出来事といえば、4年間ずっと喉に声帯結節を患っていたんですが、それを手術して全部クリアにしました。こういう時期だからこそ決断できたところは正直大きかったですね。

──声帯結節の手術をしようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか。

鈴木:まず、手術をして声がどういうふうに変わるのかわからないので、既存の曲をこのあとも歌っていけるのかしらということが不安で、自分の中で踏ん切りがつかなかったんです。でも、去年なかなかみなさんの前で歌えない期間が続いた時に、「私、歌をずっと歌っていきたいな」っていうのをすごく感じたんです。どんどん結節も大きくなるにつれ、自分が満足する歌を歌えなくなってきていたのが、すごくもどかしくなって。「これが無かったらもっと良い歌が歌えるのに」という思いが抑えられなくなって、より最大限のパフォーマンスをするために手術を決めました。

──休養中はどのようにして過ごされていたんですか?

鈴木:沈黙を貫くところからはじめて、その後徐々に声を出して行くんですよ。最初は1日30分だけ、次は1時間、その次は1時間半とどんどん増えて、1ヶ月経った頃ぐらいに歌唱OKを頂いて、そこから歌のリハビリをやっていきました。喋らないときよりも、喋りはじめてからの方が大変でしたね。喋らないときは「どんな声が出てくるんだろう」ってワクワクがまだあったんです。でも、術後第一声を出したときに、めちゃくちゃか細い声だったんですよ。復帰のステージの日程は決まっていたので、間に合うか不安で大変だったような気がします。

──第一声はどんなことを話したんですか?

鈴木:「おはよう…」(笑)。まずは挨拶から始めるといいよってお医者さんに言われて(笑)。最初は1日30分から喋りはじめるんですけど、その30分を一気に喋っちゃダメなんですよ。1日24時間合計で30分になるようにしないといけなくて。聞いたところ、挨拶とか日常生活の中の返事をするぐらいがちょうど30分になると言われて、一人暮らしの部屋で「おはよう」とか「おやすみ」とか律儀に言ってました(笑)。

──声に変化はありましたか?

鈴木:いまは顕著に感じてるんですけど、まず本当に歌いやすくなりました。声の伸びが本当に良くなりましたし、キーもちょっとだけ上がりました。定期検診で、細かく数値化してもらえるのですが喋り声も半音上がってるみたいです。でも、いつも一緒にライブを回ってくれてるバンドメンバーに「声、変わった?」って聞いてみたんですけど、「あ、確かにそうやわ。手術したんだった」ぐらいな感じでしたね(笑)。あとは、どれだけ歌っても疲れなくなりました。いまは仕事をたくさん入れてもらってるんですけど、それも手術前だったら多分今頃壊れてるだろうなって思うので、たくさん歌えるのが嬉しいです。

──パワーアップされているんですね。手術後のライヴはどうでしたか?

鈴木:「これだ!」という感じはありました。ここ1年で配信ライヴというものにだいぶ慣れていてたんですけど、有観客ライヴは人の反応がすぐに返ってくるのが、ものすごく嬉しいですね。泣いてる人もいれば、最初は座ってたのに途中からめちゃくちゃ盛り上がってくれている人がいたり。久々の有観客で自分もちょっと背筋がピンと伸びたような気がしました。最後は、気づくと場の雰囲気が完全に変わっていて、「こうやってみんなでライヴを作ってきたんだよな」というのを肌で感じましたね。

──お客さんの熱を再確認できた感じなんでしょうか。

鈴木:全然肩肘張らずに歌えたのは、お客さんがいたからなんだろうなと思いました。噛みしめるような表情をして悶えてる人を見つけたり、体を揺らして踊ってるお客さんがいたり、お客さんも十人十色でしたね。配信ライヴだと「お客さん」というひとまとまりを相手にやってるような感覚がどこかにあって、そうじゃないんだぞと意識しなくちゃいけない。でも有観客になると、いやが応でもひとりひとりの顔がはっきり見えてくるし反応も全然みんな違うので、「あなたに歌っています」という感じがすごくしました。

──お客さんの顔がはっきりわかりますもんね。

鈴木:本当に「お客さん」から「あなた」に変わった瞬間って感じがしました。なにかを意識して頑張らなくても、みんなが頑張らせてくれるみたいな感じが有観客ライヴにはあるなと思いました。

──先日〈鈴木このみ 7th Live Tour 〜Bursty Monster〜〉ということで、東名阪の3カ所をツアーで回られましたが、会場によって反応は違いましたか?

鈴木:東京公演はお客さんがプロですね(笑)。初日でセットリストを誰も知らない状況で来ても、お客さんがイベント慣れしてますね。大阪は地元なので、いちばん暴れ放題した感じがします。MCがいちばん長かったですし、バンドメンバーに無茶ぶりが多かったかも。名古屋のお客さんはいつも元気なんですよね。ウェルカム感もあるし、とにかく熱気がすごいです。千秋楽だったので自分的にも仕上がったものをお届けできたし、満足しています。会場ごとの反応の違いも有観客ならではですよね。自分の心模様も違いますしお客さんの特色みたいなものも全然違うなと思いました。

この記事の筆者
西田 健

1990年生まれ。熊本出身の九州男児。2019年までイベント業界で働きながら、福岡親不孝通りにてJ-POP、アニソンのDJ活動を行う。その後上京し、OTOTOY編集部にてアイドル、アニメ関連を中心に担当。映画、深夜ラジオが好き。

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