急がば回れ、できれば咲き誇れ!!──ミラクル・アーティスト、葉菜子はいったいどこへ向かうのか!?

BiS2期のムロパナコとしてデビューし、現在独自の世界観を表現しているソロ・アーティスト、葉菜子が活動を本格的にスタート。今回、OTOTOYでは、彼女がこれまでどのような活動をしていたのか、そして、これからどのような活動をしていくつもりなのか、インタヴューを実施。彼女自身が作詞やアートワークを手掛け、その頭のなかがそのままダイレクトに表現されたような楽曲にもぜひ、ご注目を!
葉菜子が表現する、強烈なメッセージソング
INTERVIEW : 葉菜子

元BiSムロパナコこと、葉菜子が本格的に活動をスタートした。彼女が作りだす音楽は、ファンタジックな音のなかに独自の世界が表現された不思議な作品だ。今回インタビューをしていくなかで、冒頭のこれまでの話をするときと、音楽の話をするときとでは、明らかに話のギアが変わっている。それは、きっと彼女が「音楽を作りたい!」という意欲に溢れているからなのだと思う。ミラクルアーティスト、葉菜子はこれからいったいどこへ向かうのか。話を訊いた。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : 飛鳥井里奈
弾けないギターを1ヶ月練習してやりました
──BiSが解散してからは、どういう動きをしていたんですか?
葉菜子 : 数ヶ月は空白の期間という感じでした。解散を受け入れられなくて、いまでもまだ練習に行ったり、フェスでライヴしている夢を見たりするんです。WACKに残ったんですけど、前向きになれないままでいるのはやっぱり違うなと思って。自分ひとりでやるしかないなと思って抜けたんです。
──それからは、どうしていたんですか?
葉菜子 : 地元の北海道のほうに1ヶ月くらいいたんですけど、すぐ東京に戻って。それからは、特に観光をするでもなくただただフラッと旅をしていまして…。
──そのあと、To Be Continuedの後藤友輔さんとのユニットHer knuckleをはじめられましたが、それはどういう流れで?
葉菜子 : 私はやっぱり、なにかを表現していきたいという想いがあって、打ち込みのDTMのスクールに通いはじめたんですね。けど、絶望的にセンスがなくて (笑)。作詞と作曲を一緒にしていこうと思ったんですけど、歌詞だけがどんどんできるなかで、曲はひとつもできなくて。もう作曲をしてくれる人を探そうと思って後藤さんにお願いしたんです。

──後藤さんにはどういう流れで会ったんですか?
葉菜子 : 後藤さんはDTMスクールの社長さんだったんです。ただ、あくまで“曲を作る人”として一緒にいてもらっていたので、プロモーションとかは全部自分でやっていました。
──Her knuckleとして表現しようしていたのは、どんなものだったんですか?
葉菜子 : そのときは、とにかく必死でなにかをやらなきゃっていうのが先行してたんですね。「こういうものを伝えたい」というより、なにかをやって「私」という人間を広めたいと思ってやっていました。
──メッセージを伝えたいというより、自分というものを表現するってことが目的だった?
葉菜子 : そうですね。

──Her knuckleとして活動してみていかがでしたか?
葉菜子 : 久しぶりに活動を再開したので、ファンの方も盛り上がってくれたんです。でも、やっぱりコロナが直撃したのもあって、ライヴもできなかったですし、なかなか思うように動けなくて。お客さんが見たいものを見せられなかったかなという想いはありますね。
──もしコロナ禍じゃなかったらライヴもがっつりやりたかったんですか?
葉菜子 : やりたかったんですけども、私もいままでBiSっていう大きいグループに入っていて、周りの大人の苦労を知らなかったわけじゃないですか。なので、大人がどういう動きをしてライヴハウスを抑えているのかとか、全くわからなかったんです。全部大人がやってくれるものだと勘違いをしていたんですね。そこも含めて思うような動きはできなかったですね。
──2021年6月3日には、「Her knuckleを“発展的な意味”で辞退します。今後は葉菜子名義で活動をします。これに伴い、2021年6月19日にソロ初となるワンマンライブ〈A REALITY OF REALITY〉をやります」と電撃発表されましたよね。
葉菜子 : 私はあのとき、Her knuckleというものをもうなくしたかったんですね。やっていくうちにいろいろとぶつかってしまって。そのライヴは弾けないギターを1ヶ月練習してやりました。
