OTOTOY各スタッフがそれぞれ選んだ2024年の10作品

今年もやってきましたOTOTOYスタッフによる個人チャート。絶妙にどんな人が本サイトを運営しているのか? そんな自己紹介もちょっとかねております。2024年は、それぞれなにを聴いてOTOTOYを作っていたのか? ということでスタッフ・チャートをお届けします。(五十音順)
石川幸穂

編集部
- Astrid Sonne『Great Doubt』
- Von Spar, 石橋英子, Joe Talia, 山本達久『ALBUM I』
- Seefeel『Everything Squared』
- The Smile『Cutouts』
- 中野ミホ『Tree』
- 柴田聡子『Your Favorite Things』
- 優河『Love Deluxe』
- GeGeGe『また会おう』
- tacica『AFTER GOLD』
- 踊ってばかりの国『On the shore』
(順不同)
■️チャートに関するコメント■
10枚にしぼるのが昨年よりも難しかった。国内外でそれぞれ10枚ずつ選びたかったくらい。取材をさせてもらうと必然的にその作品のことをもっと深く知りたくなるしその分思い入れも強くなる。そういうわけで邦楽多めのチャートに。今年もたくさんの音楽に出会えるんだというときめきでもう嬉しい。
■ベストライヴ(配信含む)■
Alice Phoebe Lou 5月23日 @LIQUIDROOM
2023年にリリースされた『Shelter』は本当にたくさん聴いた。内省的な繊細さと自己と対峙する芯の強さ、すべてを中和させるようなアリスの歌声に内側からじんわりあたためられて、それはいまも微かに持続しているような。高揚ではなく沁みわたる安堵。昨年はいろんな理由で断念したライヴもあって指をくわえてばかりいたけど、今年はあきらめないでチャンスを逃さずにいきたい。
■音楽作品以外のベスト一作■
TOKYO MX『バラいろダンディ』
2024年といえば9月末でTOKYO MXのワイドショー『バラいろダンディ』が放送終了した年。約10年続いた番組だけど私が観ていたのは半年にも満たないほんのわずかな期間で。それでも観はじめてから平日の夜9時が毎日楽しみだったしそれに合わせて夜ご飯の支度をしたり、そのルーティン含めて好きだった。曜日ごとに変わる奇抜なコメンテーターを華麗にさばくMCのふかわりょうさんと山田邦子さんたちの小気味よいやりとりに日々笑わせてもらったなぁ。終わってしまってからはしばらくぽっかりあいた穴を見つめていたけど、いまは元気に『5時に夢中!』にスライドしてる。
■ベスト一食■
半額ちよだ寿司
これはもう大変なブツを知ってしまった。お寿司大好きなのでよくスーパーでも何かしら理由をこじつけて買って食べるのだけど、ちよだ寿司が夜になると割引で買えることを知ってしまって以降、もうあの頃の私には戻れないよ。同じお寿司でも半額のシール貼ってあるのとないのとじゃ食べるとき体感全然違うから、半額シールには美味しさを倍増させる魔力が確実にある。空腹で爆発しそうな時に食べたのでより一層噛みしめた。次点はシェーキーズのポテト。
■2025年にむけて■
都度自分の未熟さと格闘しながらも、振り返るとその悩む時間ですら充実してたなぁと。何歩進んで何歩下がってるかわからないけど今年もやるべきことやるだけだ! あとは音楽に限らずインプットを増やしたい。本も読みたいし映画も観たいしいろんな場所に行きたいし友達にも会いたい。それを滞りなく遂行するにはまず健やかな身体と軽やかな精神の維持。
岡本貴之

OTOTOYニュース・チーム現場監督 / ライター
- サブリナ・カーペンター『Short n' Sweet』
- ROSÉ『rosie』
- 緑仙『最初の晩餐』
- 眞名子新「網戸」
- illiomote「わたし、蝶々。」(本当はEP『HAPPY LUCKY WONDER LIGHT LAND』が良いけどOTOTOY未配信)
- DURAN『30 Scratchy Backroad Blues』
- 真心ブラザーズ『SQUEEZE and RELEASE』
- 長渕剛『BLOOD』
- 仲井戸麗市『Experience』
- GLIM SPANKY『All the Greatest Dudes』
■️チャートに関するコメント■
サブリナ・カーペンター『Short n' Sweet』、柔らかい歌声、わちゃわちゃしていないサウンド、ずっと聴いていたい心地良さでした。BLACKPINKのROSÉ初ソロアルバム『rosie』も同様に期待通りの傑作ボーカル作品。邦楽でとても耳に残ったのが、にじさんじ所属のVTuber緑仙(りゅーしぇん)。「猫の手を貸すよ」「友達代表宣言」「夜明けの詩」等、心の琴線に触れるメロディと歌詞が素晴らしいです。リアルとバーチャルの垣根を越える存在として注目しています。眞名子新、illiomoteといった、素直に心情を描いているアーティストたちの曲がとても気持ち良かったです。
■ベストライヴ(配信含む)■
Anly〈“26ml” Tourファイナル〉 1月28日@EX THEATER ROPPONGI
物凄い歌唱力が大舞台で強烈に発揮されていました。序盤の「Alive」で震えるほどに感動したことを覚えています。
illiomote〈illiomote ONEMAN LIVE”free,fly,float”〉 12月11日 @代官山SPACE ODD
満を持してのワンマンライヴ、バンドセットで新EP『HAPPY LUCKY WONDER LIGHT LAND』の曲がより臨場感豊かに楽しめました。世の中と関係ない時空を駆けていってほしい。
■音楽作品以外のベスト一作■
映画『侍タイムスリッパー』(安田淳一監督)
侍が現代にタイムスリップしてくる…というありがちそうな設定を逆手に取った名作でした。クライマックスでの主人公の呟きに涙しました。
■ベスト一食■
大阪「わなか」のたこ焼き
いつ食べても美味い。
■2025年にむけて■
8月に漫才劇場で、はるかぜに告ぐ、シスター、隣人、バッテリィズのユニットライヴ「ぷんぷん」を観て「この4組の中から王者が生まれてほしい」と思っていたところバッテリィズがM-1で大活躍して歓喜の年末でした。彼らはネタ中で少しもバカなことを言っていない。ただ素直なだけです。音楽、映画、お笑い、“素直で良い作品” を探していきたいと思う2025年です。
河村祐介

OTOTOY編集部 / 編集長 / 書籍『DUB入門』監修
- PRIMAL SCREAM『Come Ahead』
- Tim Reaper & Kloke『In Full Effect』
- Wool & The Pants『Not Fun In The Summertime』
- COMPUMA『horizons』
- asuka ando『DOUBLE HAPPINESS』
- DJ KRUSH『再生 -Saisei-』
- 柴田聡子『Your Favorite Things』
- Shy FX & Mr. Williamz『Rudeboy Design Soundtape』
- King Jammy『King Jammy's Unites The Nations With Dub』
- Daisuke Kazaoka『サウンドスケープ』
■️チャートに関するコメント■
OTOTOYにあるものでよくきいていたもの。プライマル・スクリームはなにも期待していなかったら……というデヴィッド・ホルムズ仕事で、なんとなくウェザオールが居たら……とつい考えてしまう、オリジナル・レイヴ世代というかジュニア・ボーイズ・オウンなリミキサーの布陣も含めて、思い入れの強い作品になってしまった。
■ベストライヴ(配信含む)■
Undefined meets こだま和文 /〈SUPER TIGER〉8月24日 @渋谷WWW
静寂とグルーヴのせめぎ合い、空間を切り裂くこだまさんのトランペットが一閃だけメロディを描く──音楽が単なる空気の振動だということを忘れてしまうようなライヴ。
■音楽作品以外のベスト一作■
ティボー・エレンガルト : 著 / 鈴木孝弥 : 訳『キング・タビー──ダブの創始者、そしてレゲエの中心にいた男』
知っているつもりがしならいことだらけ。詳しくはコチラの書評で。ダブだけでなく、ダンスホール・レゲエなど1970年代から1980年代末のレゲエのカルチャーの真髄を知りたければこの一冊を読むべき。本書からの『ボーンフィデッド:ジャマイカの裏社会を旅して』再読からの、『七つの殺人に関する簡潔な記録』も再読してみたくなるような、身の毛もよだつジャマイカン・ポシー事情も含めて……。
■ベスト一食■
もつ焼き山本:カシラ・タレ・よく焼き
香ばしいタレの焦げた匂い、口に放り込むとはじっこのカリカリから溶けた油がうま味とともにジュワーと口に流れ込んでくる。
■2025年にむけて■
昨年は監修本『DUB入門』だしました。ぜひともよろしゅう。OTOTOY15周年の年表記事を作ったとき、さらには前述の本の執筆中にも思ったことですが、いろいろ調べ物をしていて感じたのはとにかく感じるネット・メディアを介した歴史のもろさでしょうか。当たり前だがメディアがなくなれば記事はなくなり、存在すら消えてしまうさまざまなこと。またはある種の後世に作られた言説が大手を振ってホンモノとして振る舞うことも可能になってしまうという危うさ。事実や法治よりもデジタルで切り刻まれたある種のアテンションに訴えかけるだけの、それぞれの神様を信じるようになった時代つうか。OTOTOYは今年も音楽文化のある部分を存続させる──アーティストの発言や評価、そして音源そのものも──存在にならなければと年初に切に思うばかりであります。
菅家拓真

OTOTOY編集部
- スピッツ『劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro』
- 米津玄師「毎日 - Every Day」
- Dolphin Hyperspace『What is my porpoise?』
- ヨルシカ「太陽」
- ZAZEN BOY『らんど』
- ズーカラデル『太陽歩行』
- 長谷川白紙『魔法学校』
- PAS TASTA『GARND POP』
- パソコン音楽クラブ『Love Flutter』
- 高野寛『Modern Vintage Future』
■️チャートに関するコメント■
今年はスピッツのアルバム『ハヤブサ』『醒めない』を聴き直しながら、オルタナティヴと、ポップに根を張りながらもオルタナティヴに傾向していくJ-POPの潮流を感じ取った。他にはパソコン音楽クラブを始めとしたDolphin Hyperspaceなどのエレクトロニカを聴いた。同じ年に出た高野寛の新譜がエレクトロニカだったのが自分としては嬉しかったかもしれない。
■ベストライヴ(配信含む)■
ZAZEN BOYS「MATSURI SESSION AT BUDOKAN」10月27日@日本武道館
誕生日に観た、初のZAZEN BOYS。衝撃のパフォーマンス、MC、セトリ。全てに圧巻され、このライヴを機に旧譜もたくさん聴きました。
■音楽作品以外のベスト一作■
アレックス・ガーランド : 監督『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
映画を滅多に観ないが、知人に誘われなんとなく観た作品。以前観た「ナイトクローラー」というマスコミの映画がかなり好みだったが、それの戦争ジャーナリズム版といった感じ。音響もかなりよく、劇場で見るならこういうのだよなあと選出。
■ベスト一食■
タコス
2024年は3回タコス・パーティを行った。どれも美味しかったが、秋ごろの2回目が特に美味しかった。肉の煮込み加減、トルティーヤの粉の配分など、全てがうまく行った回だった。今年はもっとたくさんタコスを作ります。
■2025年にむけて■
7月に入社してほぼ半年。聴く音楽の幅は広がったものの、矢印の向きが変わった感じはしなかったので、今年は完全に守備範囲外の音楽を聴きたいです。特に洋楽。
草鹿立

OTOTOY編集部 / アルバイト
- VOLOJZA『潮』
- G Version III『Scenery From Double Glazing』
- Less-O『Cri Du Coeur』
- V.A.『evilspa』
- Lolina『Unrecognisable』
- Erika de Casier『Still』
- NY Graffiti『New Mask』
- seekersinternational & juwanstockton『KINTSUGI SOUL STEPPERS』
- Heavee『Unleash』
- soakubeats『ひとり分の力』
■️チャートに関するコメント■
音楽の趣向が変化、多様化した一年でした。自分が衝撃を受けたダンス・ミュージックや、普段よく聴いたヒップホップ、R&B etc...を中心に並べています。
■ベストライヴ(配信含む)■
〈Ressaca Puta〉6月28日@Club daphnia
今年もめっちゃ遊びましたが、ノリで大阪の〈Daphnia〉、京都の〈West Harlem〉のパーティーに行ったのは思い出深いです。挙げたのは〈Daphnia〉の方。辺り一帯、倉庫や大型トラックが停まっていて、道すがら「本当にこの先クラブがあるのか」と、ソワソワしながら歩いたのもいい思い出。フロアはいい意味でめちゃくちゃでした。
■音楽作品以外のベスト一作■
空音央『HAPPYEND』
あまり映画館で映画を観られなかったのが悔しい。それでも『HAPPYEND』は映画館で観られて良かったなと。ディストピアと化した日本だの、というのは割とどうでもよくて、出てくる高校生たちの眩しさ、愚直さに素直に心を動かされました。
■ベスト一食■
〈JAMAICA FESTIVAL@栄〉でのジャークチキン
4月にDJで名古屋に行く機会がありまして、ちょうど繁華街・栄のど真ん中で〈JAMAICA FESTIVAL〉が開催されていました。サウンドシステムを前にして老若男女が楽しく踊っている光景を微笑ましく眺めながら食べる本場さながらのジャークチキンは、二日酔い&スーパー銭湯内仮眠室の硬いマットでボロボロになった身体にガツンと喝を入れてくれました。
■2025年にむけて■
4月から就職する予定なので、新しい仕事を上手く対処しながらサボらず遊ぼうと思います。
高木理太

OTOTOY店長 a.k.a. アーカイ奉行
- Brainstory『Sounds Good』
- Chicano Batman『Notebook Fantasy』
- Gofish『GOFISH』
- Hermanos Gutiérrez『Sonido Cósmico』
- Jimi Tenor with Cold Diamond & Mink『Is There Love In Outer Space?』
- LA LOM『The Los Angeles League Of Musicians』
- LABCRY『渋谷の夜 Live at TOKYO, October 14th 2023』
- Thee Heart Tones『Forever & Ever』
- Thee Sacred Souls『Got A Story To Tell』
- トリプルファイヤー『EXTRA』
(順不同)
■️チャートに関するコメント■
マジで2024年は新譜追えてないかも…という危惧をしながらリリースを追ってみたんですが、思っていたよりかは聴いていて一安心。とはいえ好きな人たちがリリースした作品が良かったという感じで、衝撃的な新たな出会い!がほぼ無かったので、2025年はもう少しそちらへ感度を向けたい。個人的には楽しみにしていたLA LOMのファースト・アルバムが最高だったのでマジで来日待ってます&Hermanos Gutiérrezは日本では全然聴かれてないでしょ…と思ったらまさかの来日決定でこれは楽しみ。
■ベストライヴ(配信含む)■
Wilco JAPAN TOUR 2024 3月7日 @Zepp Haneda
大好きなバンドがライヴでカバーしているのがきっかけで好きになってかれこれ10年ぐらい?ようやく見れた生で見れたウィルコ。ほぼ全曲口ずさめたし、あの曲やって欲しかったけどやらなかったなぁとか思った以上に自分がウィルコ好きなことに気付かされたり。“Jesus, Etc.” を演奏しているときの会場の空気感を思い出すと涙腺が緩みそうになるぐらい、いいライヴだったなと噛み締め…。
■音楽作品以外のベスト一作■
ピーター・ジャクソン監督『ザ・ビートルズ:Get Back』
2024年後半、色々巡り巡ってついにビートルズと真剣対峙。モノ版、ステレオ版、近年の最新ミックスとオフィシャルものを一通り抑えて辿り着いた、“ビートルズはヤバい”。なんて書いたら当たり前だろと石が飛んできそうですが…。あまりにも語られ尽くされているバンドだし、『Get Back』をこのズレたタイミングで鑑賞して自分がなにかどうこう言えるものでもないですが、想像よりもずっと普通に “バンド” をしてたんだなっていうのが良かった。あとこれを見たら『Abbey Road』、『Let It Be』とソロ初期作の解像度がめちゃくちゃ上がった。
■ベスト一食■
スタミナ苑
2024年は某熱湯風呂の達人がたびたび取り上げていて、ずっと気になっていた焼肉屋 “スタミナ苑” に初トライ。親父の還暦祝いをするために2度目も。なかなか辺鄙な場所だし、予約も出来ないから開店前から⚪︎時間並んだりとかそういう不便さのハードルを乗り越えることで、ようやくありつける肉の旨さにぶっ飛びました。もちろん他の料理も全部最高。また行きてぇ〜。
■2025年にむけて■
・2024年の最大の出会い “文京区図書館”、今年も行くし、みんなも行きましょう。
・ついにオーディオ沼、いや水たまりに足をつけてみたぐらいには興味が出てきた。
・2024年は音楽を掘るのを “後ろに向かって思い切り前進” した感じだったので、2025年はもう少しストレートに前を見る意識。
・アーカイ奉行の更新がかなり滞り気味になってしまったので、ペースを戻すというか上げたい。
・引き続き健康に留意。
高田敏弘

取締役
- sidenerds「潜水」
- sidenerds『toumei na sekitan』
- 柴田聡子『Your Favorite Things』
- ANORAK!『Self-actualization and the ignorance and hesitation towards it』
- 雪国『pothos』
- しろつめ備忘録『リマインダー』
- downt『Underlight & Aftertime』
- SACOYANS『SUN』
- FUJI『欠伸をした神様』
- The Cure『Songs Of A Lost World』
■チャートに関するコメント■
何度も同じことを言っていますが、2024年はsidenerdsの年でした。混沌とした多要素の淵から沸き立つ唯一無二さ。そしてライヴが輪をかけて素晴らしい。それらを讃える特別な気持ちと、2枚でアルバム級という想いを込めて、1stシングルと1st EPの2枚をチャートイン。続いて柴田聡子とAnorak!、昨年のスペシャルなアルバムといえばこの2枚でしょう。どちらも新境地×強度の絶対値が圧倒的でした。しろつめ備忘録と雪国はマイ・チャートのニューカマーです。洋楽も1枚。DIIV、Clairoと迷いましたが、The Cureの16年ぶりのアルバムを。このアルバムにあるのは終末ではなく時間の重みだと思います。ロック・ミュージックとともに長い時を過ごした自覚があるひとは一度聴くべし。今年もたくさんの素敵な音楽をありがとうございました。
■ベストライヴ(DJプレイ、その他、配信も含む)■
カネコアヤノ「Livehouse Tour 2024」6月4日 @Zepp DiverCity
すごかったやつ。圧巻、強すぎる、完敗。デカいライヴのラスト曲みたいなクライマックスが20分ごとに来ては抑えてを繰り返す波動。あんな構成のライヴは初めて観たかも。もうひとつ挙げるとしたら、Fairground Attraction「Beautiful Happening」6月27日 @SHIBUYA CLUB QUATTRO、を。ステージ上もフロアの老若たちもよくぞここに辿り着いたな、と。これまでに感謝し、これからも良い音楽とともに暮らしていこうと、あらためて思いました。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
ジョナサン・デミ『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』
映像は発掘されたオリジナルネガからレストア、音声はオリジナルのマルチから空間音響に再ミックスされた、この作品。こんなに違うのか! こんなに良いライヴだっけ? こんなに良い映像作品だっけ?? と驚かされました。オリジナルの情報量って重要ですね。
■ベスト一食■
〈LOTUS PALACE〉のベトナム料理
ベトナム料理は美味しい。口に合う。普段の〈PHO THIN TOKYO〉のフォー (限定の生麺がオススメです) も良いが、たまに食べる洗練系ベトナム料理はとても美味しい。……という安穏とした文から唐突に不穏当な発言をしますが…… 一般論として洗練された料理の成立は、現代の民間の研鑽もさることながら、かつての “政治権力” から切り離すことができません。ましてや、ベトナム料理において言われる “フランス文化の影響” とは植民地支配の結果以外のなにものでもない。旨い旨いと言っていていいのか、という気持ちが頭をよぎる。が、美味しいものは美味しい。人間は悲しいものです。きっと音楽でもなんでも「好きなものは好き」で済ませていることがたくさんあるんだろうな。
■2025年にむけて■
2025年ってヤバくないですか。25年ですよ。100年の四分の一。あのミレニアム騒ぎからクオーター経過っすよ。ヤバくないすか。
武田美芝

インターン生
- the engy “Not Today”
- Daniel Caesar, BADBADNOTGOOD “Please Do Not Lean”
- Lonnie Johnson “Tomorrow Night”
- Buffalo Springfield “Hot Dusty Roads”
- Omar Apollo “I'm Amazing”
- Gracie Abrams “21”
- Little Simz “might bang, might not”
- Smino, Kal Banx “Matinee”
- Kendrick Lamar “dodger blue”
- okgiorgio “okok”
■チャートに関するコメント■
2024年の自分をふり返れるようなチャートにしました。
■ベストライヴ(配信含む)■
Omar Apollo〈Got Said No Tour〉 7月25日 @KANDA SQUARE HALL
初めて私が音楽と現場が結ばれる瞬間を目の当たりにし、感動をおぼえた瞬間であるからです。
■音楽作品以外のベスト一作■
『オットーという男』マーク・フォースター監督
映画に出てくるキャラクターそれぞれの人生を回想や、キャラクター同士の関わり合いで演出されていく映画なのですが、その中で表される一人一人の違う価値観、人生の歩み方を一本の映像で観れるのでものすごく引き込まれた映画でした。
■ベスト一食■
新年に食べたお母さんの手作り餃子
今年の新年はめずらしく水入らずの家族の時間を過ごせたので、そこで食べた餃子の味はその時間と相まってとても記憶に残る餃子の味でした。
■2025年にむけて■
自分の自己成長に沢山の時間をかけ成長させるような一年にしたいと考えています。
tupu

OTOTOY編集部 / フロアの隅や最前で踊り考える、よく食べ、よく歌いたい
- Norio『Daidara bou』
- 滞空時間『島』
- Anadol & Marie Klock『La Grande accumulation』
- 野流『Estuary』
- PICNIC YOU『友愛』
- glans『slow tree』
- Astrid Sonne『Great Doubt』
- Reugene『Asobiba Hiroba』
- Nidia&Valentina『Estradas』
- Roberto Musci『Goodbye Monsters』
■️チャートに関するコメント■
他者との関係性の難しさと面白さを、フォース・ワールドや友人たちの歌から見出した年になった。去年記事を作った作品が当たり前にチャートに入ってきて嬉しく思います。いい年になった。
■ベストライヴ(配信含む)■
BING、AKIRA MEN 〈BONNA POT〉 11月8日〜10日 @オートキャンプ銀河 西伊豆
音が本質的に自由な存在であることを教えてくれた
■音楽作品以外のベスト一作■
濱口竜介『悪は存在しない』
■ベスト一食■
〈Bonna Pot〉の色々野菜丼
何が入ってるんですか?と聞かれても断固として「色々」としか答えていなかった、食べてみたら美味しすぎる、でもなんの野菜なのかわからないのでうけながら食べた。
■2025年にむけて■
生活大事にしながら自由を感じたい。
ナガタミキ

OTOTOYのデザインなどを担当 (関連会社digitiminimi所属)
- Jeff Mills『THE TRIP - ENTER THE BLACK HOLE』
- ビリー・アイリッシュ『HIT ME HARD AND SOFT』
- 椎名林檎『放生会』
- 坂本龍一『Opus』
- Floating Points『Cascade』
- Ginger Root『SHINBANGUMI』
- Caribou『Honey』
- アンダーワールド『Strawberry Hotel』
- 細野晴臣『HOSONO HOUSE COVERS』
- フシチョーGROUP(DÉ DÉ MOUSE & Sean Oshima)『フェニ西那須野店 曲』 ]
(発売日順)
■️チャートに関するコメント■
昔から推してるアーティストの、良い意味で予想外のリリースが印象的でした。
■ベストライヴ(配信含む)■
決めきれないのでなし
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
evala『Sprout』 3月16日〜3月24日 @Bunkamura Studio
選んだ理由:渋谷の旧Bunkamura Studioで2024年3月に展示されていたサウンド・インスタレーション。開発工事のため休館中のBunkamura内のスタジオに、植物のようにはりめぐらされたケーブルやスピーカーが様々な音を響かせ、建物の記憶や大地の息遣いを感じるような体験でした。
■ベスト一食■
カリカリスパイス「真夏をとことん楽しむ日に食べるカレー」 〜茗荷と胡麻のマトンキーマカレー〜
選んだ理由:毎年楽しみにしてる、夏の渋谷カレーフェス特別メニュー。今年も美味しかったです!
■2025年にむけて■
2024年はコロナ禍の反動やインバウンド需要もあり、行きたいイベントがすぐチケット完売になるなど悔しい思いもしましたが、好きなコンテンツの盛り上がりを感じて嬉しい思いでした。 2025年もアンテナを張り巡らせて、いろんな体験をしたいです。 引き続きデザイン面で盛り上げて行くので、本年もOTOTOYともども宜しくお願いいたします。
ニシダケン

編集部 / 九州男児
- adieu『adieu 4』
- 私立恵比寿中学『indigo hour』
- ano 、幾田りら『絶絶絶絶対聖域』
- Afterglow『忘れらんない日々のこと』
- 岸田教団&THE明星ロケッツ『BERSERKERS』
- Chevon『Chevon』
- 超ときめき♡宣伝部『ときめく恋と青春』
- MAPA『SIIX SENCE』
- 鈴木真海子『mukuge』
- CLAN QUEEN『TOYS』
■️チャートに関するコメント■
一応、番号は振ってあるけど、基本的にはランキングではないです。2024年は僕にとって、かなりロックな年でした。いま見返すとほとんど女声ヴォーカルだな。
■ベストライヴ(配信含む)■
浜崎あゆみ「a-nation 2024」9月1日 @味の素スタジアム
a-nation2024は、NiziU、Red Velvet、WEST.、倖田來未、Da-iCE、GENERATIONS、TRF、東方神起と錚々たるメンツで大満足だったんだけど、浜崎あゆみがマジでやばかった。伝説級。冒頭から、あのエンブレムの旗を持った無数のダンサーがステージに出てきて、女王のような風格のayuが君臨。「浜崎あゆみ」という国が建国されたと思った。体感でいえば、コーチェラのビヨンセに匹敵してたと思う。それでいて可憐なファンサがすごい。「自分はいま、伝説のなかにいる」と思ったらライヴだった。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
文化放送「日笠・佐倉は余談を許さない」
今年聴き始めた、声優の日笠陽子さん、佐倉綾音さんのラジオ番組。古き良き深夜ラジオのノリがそのままに、「これですこれこれー!」という気持ちになる。なかでも日笠さん誕生日回が最高。ずっと続いてほしい。
■ベスト一食■
クリスマスに食べたサンタの形のケーキ
2歳の息子が「あーん」ってしてくれたから。
■2025年にむけて■
毎年言っているけど、とにかく「健康」で。冷え性に効くらしいので、毎日スクワットをやっている。その結果、血のめぐりがよくなったのか、むくみが取れて、長いこと悩んでいた顔のコリからくる痛みもなくなった。そういうやつをもっと知りたい。あとは今年から徐々に名前の表記をカタカナにしていきたい。
藤田琴音

OTOTOY配信部
- いよわ『映画、陽だまり、卒業式』
- ひがしやしき『委託の復讐』
- 毛布にくるまって『浮力』
- PAS TASTA『GRAND POP』
- I have a hurt『IXI』
- キタニタツヤ “ずうっといっしょ!”
- sidenerds「潜水」
- muque “Bite you”
- お柴鉱脈“mother”
- Vaundy “風神”
■️チャートに関するコメント■
昨年に引き続き、合成音声ソフト(ボーカロイド)シーンを中心に新譜を追いかける一年でした。なかでも、いよわのアルバム『映画、陽だまり、卒業式』は何度もヘビロテした一枚です。また、PAS TASTAのアルバム『GRAND POP』にピノキオピーと初音ミクが参加、チャート外ではあるがTEMPLIMEがアルバム『EMPT MILE』にて初音ミクを使用するなど、シーンの外でも合成音声ソフトが注目されていると感じました。バンドシーンも、注目している毛布にくるまっての1st アルバムや、I have a hurtの久しぶりのアルバムなど、非常に嬉しいリリースが続いた一年となりました。
■ベストライヴ(配信含む)■
group_inou「GAL presents “PR vol.13”」7月10日(水) @恵比寿LIQUIDROOM
group_inouがなんと今年電撃復活!そしてチケットを友人が当ててくれたため、私もついにライヴに足を運ぶことができました。高校卒業くらいに知ってからずっと憧れだった生group_inou、フロアも私も友人もぶち上がりっぱなしの1時間でした。
■音楽作品以外のベスト一作(書籍・映像作品など)■
金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』
普段はあまりドラマを観ないのですが、TikTokで流れてきた公式の切り抜きが妙に頭に残り第4話から視聴を開始。主演の柳楽優弥はもちろん、その弟役の坂東龍汰の演技が上手すぎて、この作品を観るまで存在を知らなかったことを後悔しています……。脚本も素晴らしく、毎話号泣しながらしっかり最終話まで追いかけました。
■ベスト一食■
日高屋の汁なしラーメン
今年初めて行った日高屋、汁なしラーメンに辛味噌とお酢を追加して食べる食べ方が美味しすぎて本当に虜になりました。安いし早いし最高です、結構どこの街にもあるのもgood。
■2025年にむけて■
2024年(特に後半)は体調崩しまくりでダメダメだったので、「より一層」健康第一、元気になってたくさんライヴに行く、何かひとつでいいから継続できるものを作る。この三本柱で頑張りたいと思います。そして、個人的な話にはなりますが26歳になり三十路に突入するので、もう少し人生のコマを進めるというか、大人らしい大人になっていきたいです。