OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.68
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
FINAL JUNKY
本日6月12日よりラッパー、ECDが自身のレーベル〈FINAL JUNKY〉で残した9作品が一挙配信解禁。現在27歳の私にとって〈さんぴんキャンプ〉はもちろん、アル中から抜けて自主で動き始めた2000年代前半から中盤のECDもリアルタイムではないが、父となって以降のECD、作品でいうと『TEN YEARS AFTER』ぐらいからは常に新作をチェックしていたし、ライヴも何度も見た。
初めて見たライヴは2011年の〈LessThanTV〉の〈METEO NIGHT〉。ライヴ終盤に披露した“Rock In My Pocket”でモッシュとダイヴが起こっていた。生でライヴを観る以前に『ECDVD』収録されている宮下公園でのイルリメとの“俺達に明日は無い”で見た映像が目の前で起こったので、とても感動したことは今でも鮮明に覚えている。
自分がリアルタイムで体験した『TEN YEARS AFTER』以降、基本的にライヴでは古い曲はほぼ披露されずその当時での最新作、もしくは次にリリースする予定の作品の楽曲をガンガンやっていた。だからライヴによっては全曲次にリリースする予定の新曲のみ…なんてことも結構あったと思う。もちろんこの時期のライヴDJはillicit tsuboi、しかも全曲新曲と来れば、次の展開がどうなるのか予測出来ないスリリングなライヴなわけで、とにかくそのカッコよさに痺れたし、あれを体験できたことはこれからもずっと大事な記憶であり続けると思う。
そしてこうして文章を書くと、やはりECDの不在がとにかく寂しい。世の中が大きな変化を迎えつつある今、もし生きていればどんな曲を作って、どんな事をラップしていたのだろうか。ただ、こうして今まで触れてこなかったリスナーが気軽に作品を聴くことが出来るようになったのはとても嬉しい。そして次はやはり〈Cutting Edge〉期の作品だろうか。こちらはCDも入手が難しいものも多いので、ぜひこちらも解禁を待ちたい。