OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.238
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
2トーンの熱狂をスクリーン越しで
先週末、『Peter Barakan's Music Film Festival 2023』で日本では初公開となった『Dance Craze』を鑑賞。ということで今回は映画に出てきたバンドたちの楽曲よりセレクトしました。(1番大事な〈2Tone〉レーベルの作品がウチでは取り扱いがありません!すみません!)
映画はスペシャルズやマッドネスといったイギリスでのスカ・リヴァイヴァル、〈2トーン〉のシーンを描いたドキュメンタリーなんですが、ドキュメンタリーとはいっても当事者たちやリスナーの証言などがあって…というわけではなく、ライヴ映像をひたすら曲ごとにスイッチしながら繋いでいくライヴ映像のコンピレーションといった感じ。ですが、バンドやシーンの絶頂期とそれに熱狂するお客さんが捉えられてるだけで歴史的映像として価値あり。4Kリマスターも相当効いてます、とにかく生々しい。
スペシャルズ、マッドネスの有名どころももちろんキレキレで最高だったんですが、個人的にはThe BodysnachersとThe Beatのカッコ良さに痺れました。The Bodysnachersはアルバム単位でのリリースもなく、シングル数枚を残したのみ。映画内でもおそらく知名度的には1番無いバンドなんじゃないかと思うんですが、2トーンの象徴でもある異なる人種間の調和という哲学+全員女性のメンバーというジェンダー的な視点もあって、すごくいまっぽいバンドに見えたというか。特に4Kリマスターの美麗な映像と相俟って、いまこの感じでさらにアップデートされたバンドが出てきたら絶対カッコいいでしょと思ったりしつつ。そしてThe Beatは演奏がめっちゃタイト。そしてギター、ヴォーカルのDave Wakelingがめちゃくちゃ男前でカッコいい。ファッション含め、レフティーで演奏するギターの感じとか、これは映像じゃないと分からなかった発見でした。
映画の公開自体は9月21日までチャンスあるみたいなので、気になったかたはぜひ足を運んでみては。ちなみに〈2Tone〉のボス、ジェリー・ダマーズが11月にコヴェントリー音楽博物館でDJセットを行う予定らしいです。最近は表舞台に出てきてる情報を聞かないので、どんな感じなのか気になる。あとテリー・ホールがカバーした『I Saw The Light』が好きなのでMV貼っておきます。また次回。