2021/07/09 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.124

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


Z世代にラベルはいらない

8月に行われる予定だった<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021>が中止となり、続いて<京都大作戦2021>も中止(延期)になってしまいました......。そして今月12日から4度目の緊急事態宣言が出るそうで、緊急事態宣言下での東京オリンピック開催というわけのわからんことになっています。AKIRAの金田もびっくりですよ。あちこちから湧き出てくる情報や人々の意見によって、今週はかなり体力と精神力を持ってかれた気がします。そんな時はあえて媒体から距離を置くことも大切ですね。好きな音楽を聴いて、好きなものを食べて、深呼吸して。スーーハーーー。

よし!気を取り直して今回は、Z世代の輝くアーティストを集めてプレイリストを作ってみました。「Z世代」最近では日本でもよく耳にする言葉ですね。諸説ありますが、1995年から2012年の間に生まれた世代を指し、インターネットが浸透しきった世界で生まれ育った彼らには特有のアイデンティティが存在すると言われています。また、総消費の40%以上がこの世代が占めるアメリカでは非常に重要な消費者層であり、Gen Z (Genaration Z) をいかに理解するかが企業戦略にとっての大きな鍵となっています。

かくゆう私もZ世代の一員であり、この世代のアーティストの音楽はよく聴きますし、彼らが発信する考え方に強く共感することが多いです。そんな私が思う彼らの特徴のひとつとして、Z世代はラベルから解放されることを望んでいると感じることがよくがあります。ラベルというと、コンビニやスーパーで商品に貼ってあるアレですね。その商品の原材料とか生産地とか書いてある便利なやつです。それは往々にして人間にも適用され、自分自身に使うことで役立つのなら良いのですが、私たちは無意識のうちに他人にラベルを貼りつけていることが多いと思います。今回のプレイリストにも登場しているConan Grayの言葉を借りるならば、それは誰かを「a neat little easy to understand box (便利で小さなわかりやすい箱)」に押し込めているということでもあり、当事者とってはたまったものじゃないですよね。だってそのラベルによって勝手に判断されたり、偏見を持たれたりするわけですから。

「Z世代」というカテゴリー自体も、Z世代が自分たちのアイデンティティを確立するために使われることも多いですが、かつてゆとり世代が犠牲になったように「これだからZ世代は......」なんて言われ出したら、彼らの目の輝きは途端に失われてしまうでしょう。どんなラベルであっても、その人が誰であるかを定義することも、何をするかを制限することもできないはずです。

(平石結香莉)

この記事の筆者
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