OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.146
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
今年のベスト映画&ドラマ
今年の僕のベスト映画は、「花束みたいな恋をした」だった。実在するポップカルチャーの名前が大量に出てくる小ネタに目が行きがちだが、生きていくなかで、さまざまなことを取捨選択していく描写に胸がキュッとなった。こういうところにおける坂元裕二氏の脚本は、本当にすごい。キャスティングの妙も絶妙で、オダギリジョーの登場シーンは、思わず映画館で変な声が出た。見る人によっては、「これはリアルだ」と思う人もいるし、「これにはリアリティーがない」と思う人もいるだろう。また、見る人によっては、「これがロマンチックだ」と思う人もいるだろうし、「とんでもない残酷ショーだ」と思うひともいるだろう。見る人によって感想が全然変わっていく作品なので、とにかく誰かと感想を言い合いたかった。
次点は、「サマーフィルムにのって」。とにかくキラキラした青春映画だった。元乃木坂46の伊藤万理華演じる主人公ハダシをはじめ、登場人物全員が好きだった(僕はビート板推し)。趣味が同じ人と好きなことを語るという意味では、「花束みたいな恋をした」にも共通するのだけど、やっぱりそれって良いよなって思う。妻にベスト映画について聞いたら、1位が「サマーフィルムをさがして」とのことだった。今は違うかもしれないけど。
「サマーフィルムにのって」の松本壮史監督(EMC)が今年やっていたドラマ、「お耳に合いましたら」もおもしろかった。僕の今年のベストドラマだ。これもまた、キラキラした青春もので、僕の大好きなラジオやポッドキャストがテーマなのもグッときた。これまた主演の伊藤万理華と、井桁弘恵、鈴木仁のトリオがとにかく愛おしかった。桜井玲香がゲストの回も、美保純演じるお母さんが出てくる回もいろんなことを思い出してワンワン泣いてしまった。僕にとって、宝物みたいなドラマだ。
今年のベストドラマ、次点は「大豆田とわ子と三人の元夫」である。「これは〜をしている大豆田とわ子」とか、「〜って要るかな?」というセリフも印象的だった。こういうところにおける坂元裕二氏の脚本は、本当にすごい。キャスティングの妙も絶妙で、松田龍平、角田晃広、岡田将生の3人が演じる元夫ズは、それぞれが本当に最高だった(僕は岡田将生演じる中村慎森推し)。そして、オダギリジョーの登場シーンは、思わず家で変な声が出た。登場しただけで今年僕に2回も変な声を出させるオダギリジョーはすごい。妻にベストドラマについて聞いたら、1位が「大豆田とわ子」とのことだった。今は違うかもしれないけど。
つまり、今年僕は、脚本・坂本裕二と監督・松本壮史の映画とドラマにそれぞれグッときていたことになる。それぞれ2冠である。この4作は関連の楽曲もすごく良くて、今年はかなり聴いた。年末にス某ッティファイが勝手に作ってくれる「僕が2021年によく聴いていた楽曲」プレイリストも、ほとんどが「花束」、「大豆田とわ子」、「サマーフィルム」、「お耳に」関連の曲ばかりだった。しかし、結局いちばん聴いたのは乃木坂46だった。妻に今年1番聞いた曲について聞いたら、妻の1位も乃木坂46とのことだった。
