再結成を果たしたuijinが甦らせた、「あの頃」の景色──uijin主催イベント at 新宿BLAZE
昨年2022年11月1日に突如として再結成を果たしたアイドルグループ、uijinが、2023年1月21日に新宿BLAZEにて、主催イベント〈マスク着用以外の義務を全面解除致しましたねぃ〉を開催。MEWM、PRSMIN、On the treat Super Seasonと共に作り上げた、大熱狂のイベントの様子を熱量たっぷりのレポートでお届けします。
uijin、再結成後初の楽曲
REPORT :uijin主催イベント〈マスク着用以外の義務を全面解除致しましたねぃ〉at 新宿BLAZE
取材&文 : 西田健
写真:真島洸
一度、解散や活動休止などで歩みを止めてしまったグループが再結成し、前と同じ状態で動き出すことは、本当に珍しいことである。ましてや、アイドルというジャンルでそういうことが起こるのは、ほとんど皆無に等しい。しかし、そんな奇跡を起こし、不死鳥のように蘇ったグループがいる。その名はuijinである。
2016年12月デビュー。neo tokyoをコンセプトに、ロックやミクスチャーの要素を加えた楽曲でライヴ・アイドルシーンを席巻した4人組アイドル・グループ、uijin。惜しまれつつ2020年1月に解散した彼女たちだが、昨年2022年11月1日に突如として再結成を果たし、その15日後に再結成後初となるワンマンライヴ「2022(#BFF)」を開催。しかも、フェスやイベント内での1回きりというわけでもなく、彼女たちは当時と同じメンバーで、本当に再び動き出したのである。
2023年1月21日。新宿BLAZEでは、uijinの主催イベント〈マスク着用以外の義務を全面解除致しましたねぃ〉が開催された。この日のイベントは、再結成後の彼女たちにとって2回目のライヴ。uijinが本当に動き出したことを証明する日でもある。出演者は、主役のuijinの他に、メンバーのやよいがプレイング・プロデューサーを務めるMEWMと、メンバーのありぃがプロデュースする、PRSMINとOn the treat Super Seasonの3組も出演。いわば、uijinとその遺伝子を継ぐグループとの邂逅とも言える。
定刻。軽快なSEが鳴り響き、この日のトップバッターであるMEWMが現れる。いきなり1発目からキラーチューンを叩き込み、フロアを一撃で興奮の渦に巻き込んでいく。さらに、「今日、このなかでいちばんかわいいのは私たちですよねー?」と煽り、ガンガンと客席を沸かすための燃料を放り込む。最強の乙女戦士たちが去った後には、会場中が熱気に包まれていた。
続いて現れたのは、おすしハードコアというコンセプトを掲げる5人組、On the treat Super Season。おすしという名前に反して、ハイカロリーなベース・ミュージック楽曲を初手から展開。さらにはSPARK!!SOUND!!SHOW!!が楽曲提供した高速BPMでフロアをロックする。数あるアイドルのなかでもここまで、楽曲的に尖ったグループはなかなか稀有である。その唯一無二の個性を存分に見せつけていた。
3番目に現れたのは、On the treat Super Seasonの先輩グループであり、ありぃプロデュースのアイドルグループの長女、PRSMIN。エモーショナルな歌声と愛で会場全体を包み込んでいく。客席との一体感も抜群で、メンバー全員がとにかく楽しそうに満面の笑みを浮かべていたのが印象的だった。それはきっと、今日という日をメンバー全員が楽しみにしていたからなのだろう。彼女たちが作り出したハッピーな空気が、フロアを煌めかせていた。
そして、MEWM、PRSMIN、On the treat Super Seasonの3組が生み出した熱気のなかに、uijinのSEが鳴り響く。正直なところを言えば、前述の3組とはフロアの沸きかたが明らかに異質だった。そして、ひとりずつ、強いオーラを纏ったメンバーが現れる。4人揃ったその姿は、まさに四天王のようだった。
“ignition”でスタートした彼女たちのステージは、はじまる前から最高潮の盛り上がりを見せていた。さらに、彼女たちは、これまで大切に歌い継いできた“セツナメモリアル”、“meltdown”へと続ける。3年のブランクを全く感じさせない堂々たるステージングで、貫禄を見せつけていく。彼女たちが再始動したことは、幻なんかじゃないことを実感した。
ライヴはさらに、再結成後初の楽曲“2022(#BFF)”へ。彼女たちのこれまでとこれからを繋ぎながら、uijinがこれまで提示してきたNEO TOKYOの世界観をフロア全体に展開していく。さらに、自己紹介ソング“ten-age”でタイトル通り、フロア全体のテンションをMAXまでブチあげる。uijinというグループ最大の魅力は、ありぃ、ひとちび、やよい、りんの4人の強烈な個性の重なり合いだ。それが、楽曲からもそれぞれのパフォーマンスからもバッチバチに伝わってきた。
中盤、uijin屈指の名曲“bluesky”を披露すると、会場全体からコールが巻き起こる。フロアの至る所でuijinに再び会えたこと、そして「あの頃」が蘇ったことへの喜びが爆発していた。uijinに再び会いにきた人も、はじめて伝説に触れる人も、全てが喜びに包まれる空間だった。
ライヴは、“001”、“future”でフィナーレを迎える。全てが圧巻のステージだった。MCのなかでありぃも言っていたが、彼女たちはゼロからのスタートというわけではない。解散後に新たなパワーを手に入れたことも事実である。ゲームの世界の用語でいえば、彼女たちは「強くてニューゲーム」の状態だ。まだ行ったことのない場所にも、いまなら行けるかもしれない。再び動き出したuijinの狼煙は、これからも上がり続けていくのだ。
■uijin セットリスト
uijin主催イベント〈マスク着用以外の義務を全面解除致しましたねぃ〉at 新宿BLAZE
M1 ignition
M2 セツナメモリアル
M3 meltdown
M4 2022(#BFF)
M5 ten-age
M6 illuminate
M7 gold
M8 bluesky
M9 コトノハエモーション
M10 0 0 1
M11 future
スペシャル・フォトギャラリー
uijin、再結成後初の楽曲
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PROFILE
ありぃ、ひとちび、やよい、りんの4人組アイドル・グループ。 neo tokyoをコンセプトに掲げ、様々なカルチャーが混ざり絡みあった現代の「tokyo」を体現する。 2020年1月5日解散。2022年11月1日に突如として再結成を果たす。
●twitter:https://twitter.com//uijin_2022