アイドル以外は考えられなかった──出席番号13番、桜木心菜の努力
デビュー9周年記念日に、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香の3人を新たに迎え、9人体制となった私立恵比寿中学。応募総数約7,000人のオーディションから選ばれた新メンバーはなぜ私立恵比寿中学を目指したのか? 新メンバーの加入以前のエピソードから、加入後の怒涛の活動の中で得たものなど、それぞれのパーソナリティを知るべく個別インタヴューを行った。とにかく人見知りだったと話す出席番号13番、桜木心菜はどのようにしてエビ中になっていったのか、話をききました。
INTERVIEW : 桜木心菜 (私立恵比寿中学)
6歳からずっとジャズダンスを学び、際立ったダンス・スキルを持つ、出席番号13番、桜木心菜。最新作『私立恵比寿中学』のなかでも、ラップをバチッと決めるなど個性が際立っている彼女。自分のなかで課題だと語っていた歌も、あっと言う間に進化していくのだろう。今回のインタヴューでは、そのパーソナルな部分に迫った。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : YURIE PEPE
「アイドルじゃなかったらどんな職業に就きたい?」っていわれても思い浮かばなかった
──幼少期はどんな子だったんですか?
桜木心菜(以下、桜木) : もうとにかく人見知りでした。昔はほんとに、人のこと睨みつけてたりとか(笑)。そのくらいほんとに人と話すのが苦手だったんです。でもなにかを発表したり、ステージに立つことは大好きで、普段喋ってるときの自分と、人前に立っているときの自分って違うんですよ。そういうところは結構元気いっぱいにやってました。
──ほかの新メンバー2人にも、印象を訊いたんですけど、「心菜はオーディション合宿のときの印象が怖かった」っていってて(笑)。
桜木 : もー! (笑)。柚乃と和香も結構怖かったですよ(笑)。合宿のときはクールキャラを演じていたんですよ。本当に人見知りだったので、ずっと誰にも打ち解けられずにいました(笑)。でも、合宿は9人ライバルだけど、だんだんと仲間意識みたいなものが芽生えてきて。いまでもたまにLINEグループでちょくちょく会話したりしてます。
──なるほど。エビ中に入る前はどういう子だったんですか?
桜木 : エビ中に入る前は、6歳からずっとジャズダンスをやっていました。私はAKBさんとかTWICEさんとか、アイドルもずっと好きだったから、ずっとアイドルになりたいって思っていたんですけど、やっぱりダンスに集中したいみたいな部分もあって。エビ中に入るまで、別のグループでも活動してた期間があったんですけど、そのときはダンスとちょっとだけラップをやらせていただいていたり、そういう感じの活動をしていました。そのときは “ちょっと小悪魔だけどかわいい” みたいな感じでしたね(笑)。
──アイドルや芸能界への憧れは、どのぐらいから芽生えてきたんですか?
桜木 : アイドルは5、6歳くらいの頃から憧れていました。「アイドルじゃなかったらどんな職業に就きたい?」っていわれても思い浮かばなくて。6歳くらいから芸能界のお仕事をやってみたいって思ってたから、それでダンスとかもやりはじめてって感じですね。自分から「やりたい!」っていいだして、ママもパパもすごく乗り気でした。
──入る前のエビ中って、どんな印象でしたか?
桜木 : エビ中のライヴの映像をYouTubeでいろいろ観ていたんですけど、本当に歌唱力も表情力も表現力もすごくて。「こんなかっこいいグループなんだ!」って思いました。でも、かわいい曲とかおちゃらけてるような曲もいっぱいあって、「こんなに幅広いんだ! すごい!」って思っていました。
──入る前はどなたが推しだったんですか?
桜木 : 真山りかさんです。本当にライヴのときの表情とか歌もすごく素敵なんですよ。妖艶さとか上品な感じとか、指先までほんとに綺麗だし。“愛のレンタル” の映像を見たときに、本当に全部引き込まれて、それからずっとかっこいいなって思っています。前にラジオとかで真山さんと一緒になったときに、最初のころは、なにを話していいかわからなくて全然回せなくって。「もうダメだー!」って落ち込んでたら、真山さんが「私もそうだったときあったし、大丈夫だよ」って昔の話をしてくれて、そのあとタピオカおごってくれました(笑)。
──いい話ですね(笑)。先輩方からの期待も大きいと思うんですけど、プレッシャーはありますか?
桜木 : 歌とかパフォーマンス自体に新メンバーとの差が出てきちゃうので、それはほんとにプレッシャーを感じていますね。「もっとうまくならなきゃ」って、「もっと練習しなきゃ」って思います。
──モチベーションが高いですね。エビ中さんは、個々の歌唱力が求められるから大変そうだと感じます。
桜木 : 大変ですね。「キーが高いよー!」って思っても頑張って歌わないといけなくて。歌はすごく苦手意識があるんですよ。自分の歌ってる声があんまり好きじゃなくて。でも最近は「成長したね」ってファミリーの方や先生にいっていただくことも増えてきたので、多少は大丈夫になりました。苦手意識はまだ解けないんですけど、練習を積み重ねていかなきゃ、この気持ちは解けないんだなって思います。毎回、自分のパートを歌うときはほんとに緊張します。やっぱり自分だけのパートって1人の声だから、集中してリズムとか聴かないとできないので、ドキドキします。
──他の新メンバーふたりの第一印象どうでしたか?
桜木 : 柚乃は合宿のとき、お風呂が一緒だったんですけど、隣でめちゃくちゃ喋るんですよ。「この子すごく喋るし、しかも人との距離の詰めかたも上手だな」って思っていました。でもそれが素なんだなって感じで、普通に「おもしろい子だな」って思います。和香は、年下のイメージが全然なくて、ずっと上だと思ってたんですよ。大人っぽいし、ほんとにしっかりした子だなって思います。
──新メンバー3人で活動してみた感じはいかがですか?
桜木 : 最初の頃の取材とか撮影では、緊張気味で「肩に手を乗せたりとかしていいのかな?」とか「触れていいのかな?」ってぎこちない感じはあったのですが、いまはもう全然、肩の上に顔を乗っけたりとかもしてます。お互いどんどん打ち解けあって、わからないところもお互い聞きあったりとかして、どんどん仲良くなっていってる感じはあります。でも、ほとんど柚乃がペラペラ喋っていて、和香と私はほとんど聞いてないです(笑)。