なぜ、QUEENSは自らの弱みをさらけ出す決断をしたのか?──意地と覚悟の最新シングル、「冠波心掴」
セルフ・プロデュースというスタイルで活動する7人組アイドル・グループ・QUEENS。無銭3都大都市ツアー「冠波心掴」を絶賛開催中である彼女たちだが、それに先立って、YouTubeに彼女らの赤裸々な姿が映し出されたドキュメンタリー映像が公開された。今回は、このドキュメンタリー公開に至った経緯、2023年12月26日リリースの3枚目シングル『冠波心掴』の聴きどころ、そして12月14日にclub asiaにて開催されるツアー・ファイナルへの意気込みを語ってもらった。ファンと支え合いながら成長するこのグループから目が離せない。
QUEENSの5周年記念シングル
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INTERVIEW : QUEENS
先日YouTubeにQUEENSが公開したドキュメンタリー映像。それは、彼女たちの現状を映し出したリアルなものだった。厳しいグループの実情をさらけ出すことは、メンバーにとってかなり勇気のある決断だったと思う。しかしその決断ができたのは、きっとファンとの信頼関係があるからこそなのだと思う。再び勢いを取り戻し、前を向いて進もうとするQUEENS。彼女たちの目はいま燃えている。
取材&文 : 西田健
写真 :藤村聖那
ああいう動画を出したからこそ、いまのツアーはやり切りたい
——QUEENS は現在無銭三大都市ツアー「冠波心掴」」(読み方:カンパシンカク)を回っている最中ですが、このツアーに先立って先日、YouTubeにて現在の厳しいチーム状況を赤裸々に語るドキュメンタリー映像を公開しましたよね。自分たちの弱みを曝け出すのはかなり勇気の要る決断だったと思うんですが、ドキュメンタリーを公開することはどのように決まったんですか?
MAHO:ここまで来たら私たちの現状も全部出した方がいいのではないかって話して、ドキュメンタリーとして出すことにしたんです。アイドルってキラキラしていて元気を与えるイメージだと思うんです。だから、その中で私たちが思い悩んでいる部分をファンの人に見せる必要があるのかなって悩むこともあったんです。でもファンとの信頼関係は築いてきたつもりだったので、1回頼ってみてもいいのかなと。公開してからもビビっていたんですけど、ツアーも始まって少しずつ良い状況になって、やってよかったなという感覚があります。
EMIRY:ドキュメンタリー出したときは、正直賛否もありました。でもいろんな意見や素直な気持ちを聞くことができたきっかけではあったので、結果的によかったのかなと。ああいう動画を出したからこそ、いまのツアーはやり切りたいし、やらないといけない気落ちがあります。終わったときにファンの人にとっても私たちにとってもいいツアーになったらいいなと思って頑張っていますね。
HIKARU:お客さんが徐々に協力してくれる姿を見て、自分たちもファンの人たちも燃えているなと思ったので、動画を出してよかったなと思います。
URUMU:動画出したときは恥ずかしかったんですけど、今のグループの現状を知ってもらうのも1つの手だったのかなと思いました。
——ドキュメンタリーを公開してから、意識していることはあるんですか?
NANAMI:今回のツアーは「無銭」にしているので、いままでQUEENSのライヴを見たことない人たちの視線をこっちに向けさせたいです。このツアーをやりながら数字を出したいですし、話題にもなりたいですね。それにこのツアーをやるにあたって、メンバーの気持ちが固まった部分もあります。いくら無銭でも告知は頑張らないといけないと話し合ったり、ツアーに連動したSNS企画を考えたりしていますし、YouTubeのミーティングも常日頃やっています。
URUMU:今回SNSの告知頑張っていたら、ファンの人たちにも伝わって、毎日ハッシュタグつけて一緒に告知してくださっています。ファンのみなさんと一緒に波を作っている感じがしていますね。
MAHO:TikTokも毎日投稿していますし。ハッシュタグをつけて投稿してくださったファンの人たちに返信しています。
URUMU:今までのワンマンのときも、反省点がたくさんあったんですけど、今回は反省が残らないくらいやりきろうという思いなので、みんな頭を使いながら活動していると思いますね。
AYA:配信とかビラ配りもやってきました。あとはライヴ中の動画撮影に関しても、やってこなかったんですけど、一歩踏み込んでやっていいですかと提案してみました。とにかくお客さんには来てほしいという想いで必死になってやっています。
——12月26日には、1年3ヶ月ぶりのシングル「冠波心掴」がリリースされます。タイトルの「冠波心掴」は、現在回っている無銭三大都市ツアーのタイトルにもなっていますが、この4文字には、どういう思いを込めたんでしょうか?
URUMU:「冠波心掴」には、QUEENSがたくさんの人の心を掴んで、波をつくっていきたいという思いが込められています。
NANAMI:まず、今回のツアーにあたってどんなツアーにしていきたいか考えるなかで、タイトルを漢字4文字にしようという話をしていました。その過程の中で、響きと字面も考えつつ。意味はそれぞれ、QUEENSを表す「冠」、波をおこしたいので「波」、気持ちを大事に伝えたいから「心」、新しい人の心を掴むで「掴」です。テーマや目標と一緒に考えていった感じです。
URUMU:自分たちの今の気持ちや、どうなりたいかを考えて、みんなで漢字をたくさん出していきました。「悔」とかも出たよね。
RINA:うん。這い上がっていくの「這」とかね。
URUMU:頂上の「頂」、革命の「革」、変化の「変」とかもあったよね。
NANAMI:「炎」も考えたんですけど、「炎上」を彷彿とさせるので、やめちゃったり (笑)。
——なるほど。みんなで話し合ってきまったのが、「冠波心掴」だったんですね。
EMIRY:読み方がわからなくなっちゃって、告知のときに間違えてファンの人を困らせてしまいました。
NANAMI:でもこの意味を伝えることも大事かなと思って、このタイトルにしました。