ディス・イズ・カヴァー・ソング vol.1──『浪漫飛行 トリビュートアルバム』
注目のカヴァー楽曲を紹介しながら、その魅力をディスカヴァー(発見)していく連載〈ディス・イズ・カヴァー・ソング〉。第1回の今回は、先日2023年8月9日にリリースされた『浪漫飛行 トリビュートアルバム』をご紹介。関連作品と併せて、ぜひチェックしてみてください!
アルバム1枚まるごと“浪漫飛行”!?
『浪漫飛行 トリビュートアルバム』
アーティスト自体のトリビュートアルバムは数あれど、今作は米米 CLUBの代表曲“浪漫飛行”にフォーカスをあてた『浪漫飛行トリビュートアルバム』。YouTuberのスカイピースに始まり、SANABAGUN、Creepy Nutsといったヒップホップ・ユニット、Vtuberの宝鐘マリン、アイドル・グループのフィロソフィーのダンス、というように参加アーティストのジャンルは本当に多種多様。なかでも注目は、レイザーラモン RG with あるあるメタルオールスターズによる“浪漫飛行”。完全に色物かと思わせておいて、原曲のエッセンスを大事にしつつ、自身のやりたいことを詰め込んだ良カヴァーに仕上がっています。今作は、米米 CLUBのヴォーカル、石井 竜也によるセルフ・カヴァーや浪漫飛行 '07という、ご本家の歌唱も含めた全14回の“浪漫飛行”が楽しめる作品です。ぜひ、チェックを。
11通りの「俺んとこ こないか?」
関連作品 : 『All Night Carnival』
続いて紹介するのは、氣志團のトリビュートアルバム『All Night Carnival』。こちらは収録全曲が氣志團の代表曲「One Night Carnival」。11組のアーティストが11通りのアプローチでそれぞれの「俺んとこ こないか?」を表現した快作です。原曲自体がカラオケを一気に盛り上げる強力なパーティー・チューンのため、最初から最後までタイトルの通り、夜通しのカーニバルのような高揚感に包まれる今作。浜崎あゆみ、倖田來未、湘南乃風、WANIMAと氣志團らしさを感じさせる参加アーティストもかなり豪華なのですが、それぞれが強烈な個性を全開に発揮していて、カヴァーという文化の醍醐味が詰まった作品に仕上がっています。
歌い継がれる名曲の集い
関連作品 : 『深夜高速 -生きててよかったの集い-』
フラワーカンパニーズのデビュー20周年を記念して、2009年にリリースされたトリビュート・アルバム『深夜高速 -生きててよかったの集い-』。名曲「深夜高速」を、参加アーティスト13組が丁寧に歌い継いだ今作。原曲の持つパワーをアーティストそれぞれがしっかりと掬いあげ、聴いているうちに「生きててよかった」という気持ちが自然と込み上げてきます。なぜ、この曲が多くのアーティストによって愛されるのか、その理由がわかるような珠玉のカヴァー集です。