「わからないまま、ただ走り続ける」──めろん畑a go goが考える、アイドルとして生きる道

先日渋谷CLUB QUATTROで行われたワンマン・ライヴ〈SICK×IDOLS×IDOLS -Ultras 7-〉を大成功させた5人組アイドル・グループ、めろん畑a go go。ライヴの勢いがとにかく凄まじい彼女たちだが、今回リリースされた4曲入りシングル『哀$戦士』は、これまでと様子が違う。めろん畑 a go goの持ち味であるサイコビリーやロックンロールの影響は残しながらも、どこか哀愁の漂う作品に仕上がっている。この5人の体制になって、1年が経過したいま、彼女はなにを考えているのか、そして、これからのビジョンはどう見えているのか、しっかり探りました。
めろん畑a go goの原点回帰的な一枚
INTERVIEW : めろん畑a go go

めろん畑a go goは本当におもしろいアイドル・グループである。メンバー同士のわちゃわちゃした感じは他のグループと比べてもなかなか特殊な雰囲気だ。しかし、彼女たちの熱のこもったライヴのパフォーマンスを観ていると、とても真摯にファンのことやステージングを考えていることが伝わってくる。また、彼女たちの発言をしっかり訊いていると、自分たちの活動について、しっかりとした考えを持って活動をしていることがわかる。実際に、このインタヴューのなかで崎村ゆふぃも答えているが、コロナ禍が収束したときに、世界をとりまく文化は大きく変化することだろう。しかし、彼女たちはどう世界が変わっても、自分たちのアイドル道を突き進んでいくんじゃないだろうか。今回のインタヴューを終えて、そんなことを思った。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : 宇佐美亮
バック・バンドの安心感はすごい
──2021年3月31日に渋谷CLUB QUATTROで行われたワンマン・ライヴ〈SICK×IDOLS×IDOLS -Ultras 7-〉をみせてもらったんですけど、すごい良いライヴでした。
中村ソゼ(以下、中村) : ありがとうございます。ほぼ1年くらい延期したんですよね。一回、同じ場所で無観客のワンマンライヴを去年2020年の8月にしたんですけど、その頃よりは結構練習ができたなって思って。
琉陀瓶ルン(以下、琉陀瓶) : 「これぐらいできますよ」みたいなのを提示できた気がする(笑)。
──結構余裕があったんですか?
一同 : 余裕はない(笑)。
中村 : 練習ができてたら、また違う緊張がくるから(笑)。
あみのころみ(以下、あみの) : 気持ち的には8月より楽だったかも。あの頃は加入してまだ間もなくて、一気に20曲くらい振りも歌も入れたから。


知世千世(以下、知世) : 一日に2,3曲ずつ覚えてたよね。
崎村ゆふぃ(以下、崎村) : 無観客ではあったけど、8月は5人体制になってはじめてのワンマン・ライヴだったんです。かつ、お芝居仕立てだったし、すごくバタバタしてた。
中村 : だけど、3月は小細工なしで、この5人で挑みました。
知世 : 私はしばらく振り付け作るのに追われてたかな。このとき一回だけしかやってない曲もあるので、それもいつか披露したいですね。
──結構いろんなひとが来てましたよね。
琉陀瓶 : そうですね。老若男女、アイドルの方もバンドの方のファンのかたっぽい方もいました。
──あのごちゃまぜの空間がすごくおもしろいなと。もっといろんな人に見てもらうべきライヴだなと思いました。
一同 : ありがとうございます!!
──バンド・セットのゾーンもありましたが、生バンドでやるときと、普通のオケのときでは感覚は違いますか?
一同 : 全然違いますね。
中村 : オケだと尺もリズムも決まってるけど、バンドだとその音を聴きながらやらないといけないので、すごく難しかった。自分たちの歌声がバンドの音に負けちゃうんですよ。
琉陀瓶 : 私たち、「個性バラバラなのがいい感じ」ってよく言われるんですけど、それって協調性がないっていうのと紙一重だから(笑)。バンドセットになったときに気づくものがあったよね?
知世 : ちゃんとコミュニケーションを取りながらやらなきゃなっていうのはすごく感じました。
──ゆふぃさんはGARUDAとして、ソロでバンドもやられていますが今回グループでやってみてどうでしたか?
崎村 : 感覚は違いましたね。GARUDAでは、全部フルでひとりでヴォーカルをやるんです。だから自分のタイミングとバンドのメンバーとの兼ね合いで、ある程度の経験値はあるんです。でもめろんは5人もいるから全員のバランスをいい感じに融合させようとすると、全然感覚が違って。バック・バンドのみなさんはベテランの方々ばかりなのでそのプレッシャーもすごかったですね。
中村 : でも、バック・バンドの安心感はすごい。
崎村 : わたしたちもそれぞれいっぱいいっぱいになりながら、負けないようにしてましたね。

