全曲通して映画みたいな感じ
──2021年6月29日には4曲入りのシングル『哀$戦士』がリリースされました。
崎村 : 私たち、いままでシングルを出すときに、カットバージョンとか、2曲入りで出してきたんですけど、4曲入りのパッケージとしてフルで出すのがはじめてで。全部通して聴くとちゃんとストーリーになっているので、聴いてくださった方が各々自分たちのストーリーと当てはめて、色々なことを想像していただけたら、すごく嬉しいです。
──まず、最初の1曲目“哀しきIDOL”はめろん畑a go goには珍しい、しっとりした曲ですね。
琉陀瓶 : テーマは哀愁です。勝手に言っているだけですけど(笑)。いままでの曲があったからやっと作れた曲だと思います。
中村 : “哀しきIDOL”はお別れの歌なんですよね。アイドルになっていろいろなものとお別れします、決意しました、アイドルになりました、走り続けています、みたいな感じ。歌詞にもそういうテイストが入っています。
──MVには哀愁が漂う部分と、めろんのPVらしく宇宙人がでてきて「なんだろう、これは?」っていう部分があっておもしろかったです(笑)。
琉陀瓶 : 複雑なほどね、引き込まれるものですから。物語というのは。
中村 : 宇宙人いっぱい出てくるし、私たちが触覚を切られるっていう。


知世 : MVはいままでずっと一緒に作ってきた高橋りか監督なんですけど、監督のなかのめろん畑a go goのイメージがずっと一貫してある感じがあって。監督の想いがレベルの高くて芸術的な場所にあるから、私たちはちゃんと表現できているのかなと思いながらやっています。
──2曲目の“RUN IDOLS RUN”はイントロから、これまでのめろんらしいロックな楽曲ですよね。
崎村 : この曲も最初はもっと王道のアイドル・ソングっぽかったんです。最初のイントロも、レコーディングした段階ではギターもガンガン入っている感じではなかったんですけど、カッコいい感じに仕上がっていました。ロックンロールっぽいアクセント入れてくるのがプロデューサーさんらしいなって思いました。
琉陀瓶 : 私たち、“SICK IDOL”が代表曲だとは思うんですけど、めろんのなかでは“めろん畑a go go”って曲を大事にしてきて、それに代わる新しいのが“RUN IDOLS RUN”なのかなみたいな感じですね(笑)。
中村 : 前回のオトトイさんのインタヴューでも、“無敵のIDOL”のときに同じことを言ってた(笑)。
琉陀瓶 : どうやら“無敵のIDOL”はそっちじゃなかったみたいですね(笑)。
崎村 : “RUN IDOLS RUN”は振り付けも立ち位置がすごい変わったり、歌割りもみんなでかわるがわる歌っているから、そういう意味ではまた違ったラインの私たちのテーマ・ソングっぽい感じ。立ち向かっていく感がある。
あみの : “哀しきIDOL”の最後でテンポが上がった流れで、“RUN IDOLS RUN”に入るから、「立ち向かっていくぞー!」感がすごいある。この順番は完璧。
琉陀瓶 : “RUN IDOLS RUN”はいちばん遊び心がある気がする。色々な『あしたのジョー』『ロッキー』の小ネタをセリフや歌詞、あとダンスにも取り入れてくれていて、色が出ていますね。でも、これで盛り上がったと思ったら次の“哀$戦士”で落ち着いた感じになる。


──“哀$戦士”はかなり不思議な曲ですよね。どういうイメージで作られた曲なんでしょう?
中村 : みんなで肩を組んでキャンプファイヤーを囲って歌っているイメージですね。
知世 : この曲はお客さんが合唱で参加している曲なんです。
──なるほど。ちなみに、この不思議な言葉は何語なんですか?
崎村 : スペイン語です。休憩しているような感じがある。突っ走ってきて、いったん休憩しているような感じかな。
あみの : これから何か起きそうな、後ろに不穏な影みたいな感じですね。


──最後の“ROCKIN’ IDOL STOMP”は、締めにぴったりな曲ですね。
琉陀瓶 : これはプロデューサーがやっていた楽曲をいただいたものですね。めろん流にアレンジして。
あみの : 最初めちゃくちゃロックンロール!みたいな曲で。もっと激しかったよね。
崎村 : 歌い方ももっとライヴでかましている感じで。アクの強い歌い方だったんですけど、私たちがレコーディングするときは、もうちょっとゆっくり落ち着いた感じで歌ってほしいって言われて収録しました。
中村 : 引くというか、あまり押し出しすぎない感じでって言われて、優しく歌ってます。
知世 : ちょっと肩の力を抜いてやっている感じ。最後これがあることによって、ちょっと希望みたいなのがある気がする。
あみの : 並びがいいですね。完璧なんだよね。この4曲全部聴いたら、これだなっていう。全曲通して映画みたいな感じです。
崎村 : みんなで楽しくやるみたいな感じなんですけど、これはもうひと段階落ち着いたフェスのトリみたいな。フェスの終盤で花火みているような感じですね。
