【短期集中連載 Bimiの美学 vol.3】「喜怒哀楽」を込めた、Bimiのメジャー・ファーストEP「心色相環」

メジャー・ファーストEP「心色相環」をリリースしたBimi。彼のことを深く知るべくスタートした短期集中連載「Bimiの美学」。その最終回となる今回は、リリースに際して、EPのテーマともなった「喜怒哀楽」についてインタヴュー。Bimiが日頃「喜怒哀楽」を感じる瞬間や、アーティストとして活動していく中でのマインドセットを素直に語ってもらいました。4月の〈Bimi Release Party 2024 -心色相環-〉は早くもソールドアウト。今回のために撮り下ろした写真にも、ぜひ注目を!
喜怒哀楽」を込めた、Bimiのメジャー・ファーストEP
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INTERVIEW : Bimi

これまで3回に渡って、Bimiの内面に迫ってきた短期集中連載「Bimiの美学」。今回のインタヴューでは、彼の「喜怒哀楽」を感じる瞬間にフォーカスをあてることにした。Bimiは何に喜び、何に怒り、何に哀しみ、何に楽しみを見出すのか。今回の取材は、これまで以上にパーソナルな部分に触れたような気がする。とはいえ、Bimiは、まだまだ隠された魅力を持っているアーティストである。これからもまだまだ注目していきたいと思った。
インタヴュー&文 : 西田健
写真 : つぼいひろこ
常に平和ボケしないように
——先日開催された〈Bimi Live Galley #02 -詣-〉に伺ったんですけど、すごくアグレッシヴなライヴで楽しかったです。実際やってみてどうでしたか?
Bimi:いやー、疲れましたね(笑)。
——客席のなかに入っていくのもすごかったです。ああいった演出は、今後もやっていく予定なんですか?
Bimi:〈Galley〉シリーズに関しては、すぐそばにいるような感覚になれればと思っているので、今後もやっていきたいと思っています。大きな会場でのライヴだとさすがに難しいですけど。
——Bimiさんはアーティストとしても、俳優としても精力的な印象があります。
Bimi:そうですね。でもありがたいことに少しずつ休みをいただいているので、最近は好きなギャンブルもやれています(笑)。でも精神が安定しすぎると、いい曲が書けないんじゃないかというジレンマがあるんですよ。だから常に平和ボケしないようにはしています。
——Bimiさんには“博徒街道”という楽曲もあるくらいギャンブルはお好きですよね。ギャンブルは楽曲制作の原動力になっているんですか?
Bimi:ギャンブルはどちらかというと、休息なんですよ。無になれるというか、精神統一できます。楽曲制作は、ギャンブルとは違った生きがいですね。ゲームの本質は楽曲制作で、ミニゲームはギャンブルみたいな感じです。

——なるほど。では最近は息抜きもできている?
Bimi:できていますよ。最近はゲームもやっていますし、筋トレもしています。あとは断食もやって、自分も追い込んでいますね。
——断食もされているんですね。
Bimi:自分を追い込みたいんですよ。飢えていないとだめだなというか、肉体的にも精神的にもモヤモヤを抱えていないと創作できないのかなと思います。創作物にリアルが乗っていないと説得力がないし、聴いている人にも伝わらないので。
——断食という手法をとるのは結構ハードじゃないですか。
Bimi:いつもは食欲のままに食べていましたけど、断食してから野菜を食べると甘みを感じるんですよ。鍋も茶碗一杯で大満足できるし、断食は皆さんにもおすすめですよ。体調管理だけ気をつけてほしいですし、まあ自分の断食の方法は完全に我流なんで多分間違っているんですけど(笑)。

——(笑)。さて、3月13日にメジャー・ファーストEP「心色相環」がリリースされます。Bimiさんとしてはどんな作品に仕上がりましたか?
Bimi:自分の喜怒哀楽を表現して、その先に「babel」という自分の軸が形成されていくというテーマです。感情の起伏の色が廻っているということで、「心色相環」というタイトルにしました。メジャーデビュー一発目のEPでもあるので、「Bimi入門編」ということを意識して作りましたね。
——まさにBimiさんの「味」が詰め込まれたEPに仕上がったなという印象です。EPリリースとともに公開となる“怒鈍器”はどんな楽曲ですか?
Bimi:全てに対して怒っていたときに作った曲なので、歌詞が酷いです。パンクって「怒り」の要素が強いと思うので、今回もそっち系のサウンドにしたんです。でもそれだけだとBimiっぽくないので、途中でラップしたり、遊んだりしました。テクニカルなこともできたので納得の仕上がりですね。
——このEPの中では、かなりハード寄りな楽曲ですよね。
Bimi:生バンドで演奏することを想定して作ったんですよ。ブレイクの間やフィルインにはこだわりました。ライヴハウスで気持ちいいと感じる瞬間をつめ込んだつもりですね。
——なるほど。歌詞にも怒りを感じます。歌詞は、どういうテンションのときに書いたんですか?
Bimi:覚えていないです(笑)。改めて見ると酷いなーこれ(笑)。掃き溜めみたいな歌詞だ(笑)。臭みを全部の香辛料を使って消しているみたいな曲ですね。
——楽曲の展開もすごいですよね。
Bimi:最初落ち着いたアルペジオから入ったと思ったらいきなりラップするじゃないですか。ここは正直自分でも意味わからないなと思います(笑)。変態味だけじゃなくて、流行りの要素も取り入れたらぐちゃぐちゃになっちゃいましたね。
——この曲に関しては、意図して制作を進めていったわけではなく、結果的にこうなった?
Bimi:そうですね。このままいけちゃったなという感じで、すぐできました。1番苦戦したとしたら、まあ元々の歌詞はもっとひどかったんですけど、ちょっとマイルドになったことくらいですかね。
——これでマイルドになった方なんですね(笑)。韻を踏みながら、意味をどんどん接続させていくというのはBimiさんらしい歌詞だなと思います。
Bimi:無理やりこじつけているだけなんですけどね。偶然だと思いますよ。
