星歴13夜が創造する、次の時代の神話──新たな試みに挑戦した最新アルバム『MythEpoc』
コドモメンタルINC.所属ユニット星歴13夜が、約1年半ぶりとなる2ndフル・アルバム『MythEpoc』をリリース。ツアー中にメンバーの浮あかねの脱退、園ほまれの一時活動休止というピンチに直面しながらも、立ち止まることなく進み続けている彼女たち。これまでの活動や自ら手掛けた作詞の秘密について、メンバーの寝こもち、天まうる、色とわの3人に訊きました。
INTERVIEW : 星歴13夜
星歴13夜はとまらない。たとえ、ツアーがコロナ禍で中断しても、メンバーが脱退しても彼女たちは立ち止まない。今回リリースされるアルバム『MythEpoc』は、メンバーが作詞やラップ調に挑戦したりと新しい試みが見られるアルバムだ。しかし、新しい試みであっても、星歴13夜らしさがしっかり詰まっている。これは、きっとメンバー自身が自分たちやグループのことを見つめ直した成果なのだろう。今作を完成させ、新章へと進む彼女たちに話を訊いた。
インタヴュー・文 : 西田 健
写真 : 興梠真穂
一生忘れられないようなライヴになりました
──去年の活動はどんな感じでした?
寝こもち : いままで通り、すごく勢いのある1年だったなって思います。コロナ禍でも動きを止めず、オンラインでライヴしたり通販でグッズを買えるようになったり、いまできる最善のことを常にやっていこうという想いで動いていました。
天まうる : 配信ライヴを通して個々のパフォーマンスの見せ方を学びました。最初は、カメラの方を見るのも顔が引きつっちゃう感じだったんです。でも回数を重ねるにつれて夜僕さん(星歴13夜ファンの総称)みんなを見るようになって、そこからいままでのような自然体のパフォーマンスができるようになりました。
色とわ : こんな状況でもなにかできることはないかっていろいろ考えてくださるスタッフの方がいてくださるおかげで動けました。オンラインでのリリース・イベントによって、いままで星歴13夜を知らなかった人が、知る機会にもなっていて、いいこともいっぱいあったなって思いました。
──YouTubeでも海外のコメントとか結構ありましたよね。
寝こもち : そうなんですよ。知らない文字とかあって、どこだろうって。
色とわ : ワールドワイドだったよね。うれしかった。
寝こもち : だから、悪いことばかりじゃないなって思いました。
──去年の4月から行っていた〈FemtoNovaSet Tour〉は途中で中断して、7月の広島、香川から再開したんですよね。
色とわ : すごく人数を制限して開催したので、お客さんたしか10人とかでした。
天まうる : ひとりにひとりのファンがいる感じで。
色とわ : 一対一くらいなね。
寝こもち : やっぱり生で届けるライヴがいちばんだなって本当に実感して、ファンの人がすごく愛おしくて仕方なかったですね。
色とわ : 会場全員大泣きでした。ステージと客席の間にビニールシートがあったんですよ。最初は目の前にシートがあるライヴに抵抗があったし、大丈夫かなと思っていたんですけど、愛が強くなりすぎて途中からビニールシートの存在を忘れるぐらいに没頭しちゃって。汗とか熱量でビニールシートが曇っていましたね(笑)。
天まうる : 広島と香川の公演は本当に一生忘れられないようなライヴになりました。大変な状況でも来てくれるファンの方にも、ライヴを作るために支えてくれているスタッフさんにも、本当に心から感謝しました。本当にいままで以上に支えられてここに立てているんだっていう自覚を発見できました。
──今年の2月にはソロ曲を集めたアルバム『アカシックレコード』がリリースされましたね。
天まうる :自分のイメージはふわふわした感じだと思っていたので、はじめてのソロ曲“Dear Metaphor”がかっこいいエモ系の曲だったことに驚きとプレッシャーをすごく感じました。楽曲に対してひとりで向き合う機会ができたことで、より深く曲に入り込んで表現をいろいろいっぱい考えられるものになったし、星歴13夜としての曲でも「儚さ」を表現したパフォーマンスができるようになったかなと思っています。
色とわ : 私のソロ曲“箱庭”は自分で作詞したんですよ。星歴13夜の歌詞を書いてくださっているGESSHI類さんの歌詞が好きだから、自分もいつかそんな風になれたらって思っていたんです。「ソロ曲は自分で作詞してみたら?」って言われた時は、苦難を乗り越えて頑張ってきたことを認めてもらった感じがして嬉しかったです。歌詞は、自分のことを歌わないと意味がないと思って、いかにかっこつけずに書くかをすごく考えましたね。
寝こもち : ソロ曲のミニ・アルバムってすごく夢だったんですよ。2年間やってきたからこそ歌える楽曲たちだと思っています。いままでの活動を乗り越えてきたからこそ、自分の曲だけじゃなくて全員のソロ曲を聴いていると泣けてきます。