星歴13夜なりのかわいい、かっこいいが詰め込まれている
──その前作のリリースを経て、5月12日には、新作アルバム『MythEpoc』がリリースされます。みなさんにとって今作はどんな作品になりましたか?
色とわ : このアルバムは星歴13夜として新しい試みが多いんですよ。メンバー作詞の曲があったりラップ調の曲があったり。こんな曲調を星歴13夜でやるんだみたいなことが多くて、私たちの新章を感じさせるアルバムになりました。
──完成したアルバムを全体通して聴いてみてどんな印象でしたか?
寝こもち : 最近のライヴでやっている曲が多いので、1枚目に出したアルバムの楽曲より、一緒に困難を乗り越えてきた曲たちみたいで思入れが強いんですよね。
色とわ : 1枚目のアルバムの印象は「星歴13夜はこういうものです」みたいな自己紹介になるような雰囲気を感じたんですけど、今回の『MythEpoc』は世界観の解釈がより細かい印象があります。具体的に星歴13夜というものを掴みやすいのかなと思います。
天まうる : 1曲目の“Romantic Escape”からグッといきなり心をつかんでくる感じがするんですけど、5曲目“Night Merry”から6曲目“待ち惚け星の夢”の流れがすごく好きで、この2曲は星歴13夜としてずっとこだわっていきたい部分が表れている曲なので、いろんな人に聴いてほしいですね。
──“Noisy Poemy Sweety”ではラップにも挑戦されています。
寝こもち : 歌詞が送られてきたときに、「星たち歴を超えてく13夜 from個性の銃弾BANG!!!」っていう歌詞の前に(ラップ)って書いてあって「え? どういうこと?」ってなりました(笑)。送られてきた音源はメロディしか入っていないので歌詞を試しにはめてみたんですけど、「どういう風に歌ったらいいんだろう」という不安もありました。
天まうる : ラップパートの声がいい感じにゆるくてちょっとダサいのがこの曲にマッチしていて好きですね。
寝こもち : コドモメンタルINC.の他のグループさんのラップとかは、かっこよかったりするんですけど、星歴13夜はダサかわいいみたいなジャンルなのかなと思いますね。
天まうる : ライヴで観てもらったら分かると思うんですけど、結構不思議でちょっと不可思議な動きしてます。
色とわ : そこが最高にかっこいい。でも、たぶんクセになる系な気がします。
天まうる : 星歴13夜なりのかわいい、かっこいいが詰め込まれているのでライヴで一緒に盛り上がるような曲なので観てほしいなと思います。
──2曲目の“Shilly Shally”は色とわさんが作詞されています。
色とわ : 急に「作詞する?」って言われて決まったんですよ。前回のソロ曲のときは「自分の曲は自分で作詞したほうがいいんじゃない?」みたいな感じだったんですけど、この曲はまさか星歴13夜として出す曲の作詞をさせていただけるなんて思わなくて、嬉しかったんですね。私は文章を書いたり考えたりするのが超好きなんですけど、そのことは夜僕さんもわかっていたことだったから、色とわが書いたって感じさせないようにしてやろうっていうのを狙いました。
──なるほど。
色とわ : 普段書いているような文章とか私のイメージはかわいい感じじゃないけど、脳内はめちゃめちゃかわいいんですよ(笑)。だから、脳内のかわいい部分や、自分のなかで思っている星歴13夜をどれだけ言葉で表現できるか努力しました。特に「通り過ぎてく ちょい光年」とか「もっと良く思われたいし、思っていたいよ。」の歌詞には、自分の要所的なものを細かく詰め込んでいきました。「ちょい光年」って言葉が浮かんだとき自分天才かなって思ったんですけど (笑)。
一同 : (笑)。
色とわ : ひらがなで“ちょい”って書いちゃうのが星歴13夜っぽいなって。「ちきゅう」とか「うちゅうでいちばん」がひらがなだったりするのも狙いがあって、表記でもきれいに字面が見えるようにしたりとか、ファンタジー感を出すために「ここは漢字じゃないな」とか考えました。受け取ってもらえたときに、どう思われるかを考えながら、表記されたときも聴いたときもいいようにしました。音のはめ方も「パラドクス」とか「カラメリゼ」「ほしぱんち☆」とか、1個のきれいな言葉を塊で拾っていくことによって、聴いている側がストーリーを組み立てやすいかなとかも考えましたね。
──ちなみに、「ほしぱんち☆」ってどういう意味なんでしょう。
色とわ : 「ほしぱんち☆」は自分で作った言葉ですね。マンガとかで道を歩いていたら転校生と曲がり角でぶつかる展開があるじゃないですか。それでぶつかってイタタタってなった瞬間に目から星が出て、目の前が見えないけどなんかキラキラしてるみたいな状態が「ほしぱんち☆」なんです。
天まうる : 「君を見たらくらっちゃうんだもん」って歌詞はそういうことか!。
色とわ : 見た瞬間に殴られたみたいな衝撃だけど、「殴られたみたいな衝撃」って書いたらかわいくないから「ほしぱんち☆」っていう表現にしましたね。
──この歌詞をもらったとき、おふたりはどうでした?
寝こもち : 純粋にすごいなと思いました。とわの家に遊びに行ったとき、「そういえば私作詞したんだけど見る?」ってサラっと言われて、歌詞を見せてもらいながら音源を流してとわが歌ってくれたんです。こもちは、こんな風に書けないし、メロディが難しいから当てはめるのも難しかっただろうなって素直に尊敬しました。
天まうる : まうるは「ひっくり返る天地と通説 ちきゅうは淡い橙色」とかちょっと不思議さを感じられるものが好きなのでここはお気に入りです。ダンスもこの3人で決めたんですけど、普通に道端で知らない人が踊っていたら通報するくらいの感じの振り付けをかわいく踊っているので、そこを注目してほしいです。