OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.237
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
マメミムマジカルビーム!
2023年7月5日。あるひとつのニュースに、僕の胸の鐘が大きく鳴らされた。人々は踊り、鳥たちは歌い、祝祭のムードが街に溢れた。そう、深田恭子の音源のいわゆるサブスク解禁&ダウンロード配信スタートである。
いまでも第一線の女優として、ドラマやCMにばりばり出ている深キョン。彼女の音楽活動は、1999年〜2002年の3年間だけというかなり短い間だし、本人のキャラクターからバラエティーでいじられたりする感じでもないため、なかなかTVで耳にする機会もない。が、しかし僕はこの深キョンの音楽活動がとにかく好きだったのだ。
彼女の音楽活動における代表曲といえば、プロデュースをピチカート・ファイヴの小西康陽「キミノヒトミニコイシテル」だと思う。バッチバチの小西サウンドに乗る「マメミムメモ マメミムメモ マメミムマジカルビーム」という一度聞いたら忘れないキャッチーなフレーズ。いつ聞いてもポップな気分になる最高ソングだ。今年公開された映画『しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』において、挿入歌として使用されているので、耳にした人も多いかもしれない。
亀田誠治が編曲を担当したサード・シングル「煌めきの瞬間」も素晴らしい。当時、亀田が椎名林檎の作品に参加していたこともあり、その音の感触はそれこそ大名盤『無罪モラトリアム』期の椎名林檎サウンドのようにオルタナ色が強いのが特徴だ。そして、僕がフェイバリットにあげたいのが、セカンド・シングルの「イージーライダー」。フィリーソウル風のストリングスにご機嫌なビートが重なった、夏から秋の今の季節にぴったりのファンキー・チューンだ。
また、僕がなぜそこまで深田恭子の音楽が好きなのかといえば、そのボーカルにある。もちろん一聴すればわかるが、技術的に高いものを持っているわけではないだろう。しかし、とにかく深キョンにしかこの歌は歌えない。そんな説得力が確かに存在するのだ。そんな深キョンの音楽、ぜひ聴いてみてください。
