OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.129
毎週金曜日に編集部がセレクトするプレイリストをお届けする『OTOTOY EDITOR'S CHOICE』。8月は恒例のゲスト月間、今年はOTOTOY Contributorsスペシャルです。2回目となる今週は、OTOTOYニュースチームの仲間でもある三好香奈さんによるセレクト。人生を彩るサウンドトラックをお届けします。
2021 CONTRIBUTORS SPECIAL
人生はミュージカル♪私のお気に入りOST
30を過ぎてから映画を観ることが大好きになった。昨今の巣篭もり生活よろしくとばかりに、お安いワインやおつまみを用意してなんとなくネトフリやプライムでジャンル問わず興味を持った映画を再生しボーッと眺めるのも楽しいが、私は時々ひとりでお気に入りのミニ・シアターに赴く(伊勢佐木町にある〈シネマ・ジャック&ベティ〉がお気に入りである)。あのゆったりとした時間が流れるミニシアター独特の空間は良いに決まってるのだが、みずから劇場に足を運んで “新たな物語を探しに行く” という行為が好きなのかもしれない。
そして物語は終わりエンドロールをあくびをしながら眺め、あ〜面白かったな、いまいちだったな、などと、ひとり脳内でぶつくさと反芻しながら映画に没入していた時間が白昼夢みたいに思える瞬間なんかも良い。もしくは気の合う友達と一緒に観た映画の感想を共有し合うひとときも捨てがたい。
雨が降った日はちょっと気取ってタルコフスキー映画を想像したりするのが好きだが(坂本龍一のド影響である)、私的には何と言ってもあの不朽の名作ミュージカル映画『雨に唄えば』である。名シーンのジーン・ケリーによる土砂降りの中 “Singin' in the Rain” を歌いながらのタップダンスにずっと憧れているが、出来ない代わりに傘をささずにあえて水たまりの中をバシャバシャとスキップしたりする時もある(33歳)。雨を味方につけてこの世界は楽しんだもの勝ちだ、とトリッキーな自分を演じるのは結構楽しい。
生きてると悲喜こもごもありつつ、どの瞬間も映画のように見逃せなくて、歌って踊ったりはせずとも日々を彩り豊かに過ごしていきたいな…… というわけでオールディーズな名作から近年までのミュージカル映画のサントラをセレクトしてみた。小学生のときはじめて観て心奪われた『サウンド・オブ・ミュージック』に、いますぐバンドを組みたくなる大好きなジョン・カーニー監督の傑作『シング・ストリート 未来へのうた』、世界中にクイーン旋風を巻き起こした『ボヘミアン・ラブソティー』(当時なぜか職場でブライアン・メイ・ブームが巻き起こり、有志で“6ペンスコインでギター弾くのかっこいいよね同盟”が設立された)、しれっと混ぜる『ダンサー・イン・ザ・ダーク』など。たまには小難しいことなど考えずに、あなたもじっくりと心に好きな映画を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。(三好香奈)