2024/08/16 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.286 灼熱の日には激辛なハバネロを

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


灼熱の日には激辛なハバネロを

夏真っ盛りの三連休の中日、その灼熱の暑さに拍車をかけるべく、真夏のベースの祭典〈Summer Bass Jam〉が〈MINDNIGHT EAST〉にて開催された。メインには、UKファンキーの第一人者、ロスカに加え、親交のあるTREKKIE TRAXクルーやDouble Clapperz、okadada B2B OG Militant Bら、そしてeastaudio soundsystemを導入した最もハードな3FにはBim One ProductionやFELINE、そして関西からはStones Taro、DJ Fulltonoなど豪華な顔ぶれ、さらには〈AZUMAYA〉にはnasthugやKID FRESINOなどと、このイベントでしか揃わないようなDJ/アクトが一同に会した。各フロア、出演者と生粋のベースフリークたちが入り乱れる中、一際目立つDJがいた。約3年ぶりに復活したHABANERO POSSEである。

HABANERO POSSEは、南アフリカの音楽・GQOMを主体としたクルーのTYO GQOM、そしてLil Nostalgia 93名義としてはRave Racersのメンバーとしても知られるHiro "BINGO" Watanabeと、OZROSAURUSの一員でもあり、ヒップホップからテクノ、レゲエまで、あらゆるジャンルのプロデュースを手掛けるGUNHEADの2人組。HABANERO POSSEとしても、様々なアーティストへの楽曲提供やリミックス・ワークをした他、〈OUTLOOK FESTIVAL JAPAN〉などで開催されたサウンド・クラッシュでは文字通りの負け知らずだったという噂。10年代のサウンド・クラッシュ文化を体験していない世代なので、観るまではその凄さを正直理解できなかったのだが、彼らのプレイが始まった瞬間、一発で吹き飛ばされた。目玉であるロスカの後という大役ながらも、レゲトン、ダブステップ、ゲットー、ジャージー・クラブなど、フロア即着火タイプのブートレグをひたすら投下し、フロアを沸かし続けた50分。惜しみなく大ネタを使ってくれたありがたかった......。そして最後は、ジェイムス・ブレイクの “Limit To Your Love” で締め。個人的にはあの一夜の最大瞬間風速を記録したように感じる。

というわけで、今回は、先のイベントでも無双してしまったHABANERO POSSEの楽曲、および2人の個人名義でのワークをチョイス(正直、この楽曲群だけでは2人の魅力が十分伝わらない気がするが......)。ダンサーたちの汗がとまらないヒリヒリした刺激、そして、病みつきになる超火力のマッシヴ・スタイル。あのフロアで体感できてよかった。

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