OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.288 アーリー・エレクトロ作品さがしてみた
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
アーリー・エレクトロ作品さがしてみた
DJを聴きに遊びにいく時、いつも「びっくりしたい」というモチベーションでいくことが多い。そうなることは少ない。ふつうに楽しく終わるのが常だ。この前の浅草〈Pure’s〉でみたOGASHAKAさんには驚いた! ここ数年は札幌のDJを見ることが多かった。mitayoさんやthe hatchのmidoriさん、yodelがすきでタイミングが合えばよく遊びに行っていた。全体的に共通するのはビートの実験、それにはフットワークが使われることが多くて、都内の多くのDJと違う感覚を持っているのが不思議だった。多分だけど、その元となるのがOGASHAKAさんで、7割がたフットワークをベースにして空間的なアンビエンスやピアノ、フリージャズを混ぜ込んではストーリーを描いていた。たまに手元を見ると、今混ぜてると思っていたのにフェーダーがひとつしかあがっていない時もあって、そもそも面白い曲を大量に仕込んでいるんだ! という事実に喰らった。大まかなプレイのイメージは数少ないアップされたミックスを聴いて知っていたのだけど、特にびっくりしたのが、唐突にアーリーエレクトロなサウンドのサンバ? がかけられ、嘘の南国の音楽のようにしか聴こえなかったところ。アゲではあるけど何かがおかしいぞ? という感覚、音は明るいのになんだか不気味というのが独特でよかった。そして私はアーリーエレクトロなサウンド、つまりおもちゃ箱から取り出されたみたいなビカビカなMoogサウンドから、磁場を変えていくようなドローン、あるいはコラージュされたコンクレートが好きなので、OGASHAKAさんがそういった曲をかけていたのが嬉しかった。そういう曲は「音」自体を楽しむ方向に耳を引っ張っていってくれる。
というわけで、『Electronic Music In The (Lost) World』を片手に、OTOTOYで配信されているアーリー・エレクトロ作品をさがしてみました。思う存分、音にフォーカスして、変な気持ちになってください。