【In search of lost night】単純にクラブ流行ってますよね? : 【後編】2023年も現場に繰り出す座談会
In search of lost night vol.05
In search of lost night vol.05
座談会 Ver.3【後編】
クラブにライブハウス、果てはSNS上に至るまで、散在されゆく音楽の「現場」。タイムラインや喫煙所での語りのような、忘れ去られていく現場の音楽にまつわるあれこれを、パーティーレポート、ミックス・レビュー、インタビューなど、さまざまな方向からアーカイブするための連載【In search of lost night】、なんとか季刊連載のペースとなりました第3回座談会。季節は移ろい春、鬱屈としたムードが少しは晴れようやく更新です。
vol.05は、座談会第3回目の後編で、参加はおなじみNordOst(松島広人)、山本輝洋、yukinoise、TUDAの4人による座談会を届けします。 20代ライター、クラバー、DJ…ハイクラスとは縁遠い面々が等身大で感じた現場の雰囲気を雑多に語り合いました。
構成 : NordOST
前編はコチラ
高円寺のドムスタ、やってたら場にアテられて気づいたら出番終わってる
yukinoise : 自分だとCYKのパーティからじわじわとハウスのムードが来てる。アラサーになって、ついにハウス沼に足を踏み入れ始めた…。
NordOst : 自分はメロウな質感の本格的なハウスとかは遊びに行った場所でかかっててほしくて、あんまり自分で買ったり深堀りしたりとかはしないけど、聴くといいな…ってしみじみ思う。
yukinoise : 「誰かがかけてくれ!」って感じで、出会いたくなるよね。自分の趣味と対極だからこそ、自炊じゃ作らない料理を外食でいただく感じで楽しめる。
NordOst : ダンス・ミュージックだと、ハウスほど広くて深い音楽も無いじゃないですか。あと独りで聴くよりハレの場で浴びたい感じも。ブレイクの差し込みに感動したり、場のムードとか空気感含めた最高の一瞬を切り取るための音楽っていうか。たしかに外食っぽい!
yukinoise : 問答無用に気持ちよくブチ上げられるっていうよりさ、しっとり聴いててもブチ上がっててもいいんだなって感じ。踊っても踊んなくても楽しめるみたいなね。
TUDA : それで言うと、kaoliniteちゃんのイベントが代官山の晴れ豆(晴れたら空に豆まいて)でやってて、テーマがミニマルの回だったんですけど、それがめっちゃ良くて。その後〈forestlimit〉の〈ideala〉に行ったりとか、最近はリスニング寄りのイベントの良さが分かってきたかも。しっとり系の。
yukinoise : なんか高円寺のドムスタでもリスニングパーティみたいなのがちょいちょいあるみたいで、それも面白そう。
TOPIC
高円寺SOUND STUDIO DOM
https://soundstudiodom.com/
NordOst : DOMは面白いっすね。マジで。
山本 : DOM今やっぱ面白いですよね!
NordOst : 本当に面白い。
yukinoise : ドムスタのイベントブッキングしてるDJのarowが頑張ってるよね!クラブといえど高円寺の地域性、バンドやインディなルーツとか普通のクラブには無い視点があって。
山本 : 微妙な話ですけど、なんか変な磁場ありません? あそこ(笑)。
yukinoise : 変な磁場(笑)?
山本 : 分かってくれる人と分かってくれない人がいるんですけど、
yukinoise : あるよ…わかるよ…!そもそも高円寺自体が変な場所だし。
山本 : なんかバグるんですよ(笑)。松島さんもTUDAさんもあそこでDJしたことありますよね?なんか時間感覚とかバグりません?
NordOst : わかるかも、やってたら場にアテられて気づいたら出番終わってる、みたいな…(笑)。
yukinoise : バグるの?(爆笑)
山本 : DJしてると自分でも訳が分かんなくなったりして、なんでこんなことしたんだろう…みたいな(笑)。なんか普通にいい感じのゲットーハウスとかジャングルで積み上げてたのに、途中でブレイクコアとか流して全部壊しちゃったり。
yukinoise : いいじゃん!(笑)
山本 : 全員ポカーン…みたいな感じだったんですけど…(笑)。でもあそこならそれはそれでいいか、みたいな。
TUDA : この前CwondoさんがドムでDJしてたときも、ずっとBPMを変えながらやってましたね。元々そういうスタイルっていうのもあるけど。
yukinoise : そういうプレイって渋谷あたりの箱や大きなパーティーじゃやっぱり難しい?
山本 : できないできない! 安心感はもちろんあるんですけど、何やっても受け止めてくれるなって感じじゃなくて、場に引っ張られて本当に自分でもよくわからない、知らない自分が見つかる………ような(笑)。
yukinoise : サークルの部室みたいな感じかな?屋上もあるし、悪ノリしちゃっても大丈夫だし、みたいな。
NordOst : それはめっちゃある。自然と遊ぶ感じでブースに向きあっていけるし。よそ行きになる必要が無いから、リラックスできてるのかなあ。
TUDA : 家パーティーの感覚に近いですよね。でも家より踊りやすいし、音も出せる。
NordOst : どうしてもこう、瀟洒な感じの豪華な場になればなるほどよそ行きの自分は出てくるし。でも高円寺でそんな肩の力入れる必要ない、っていうのが地場?なのかな…って。
yukinoise : 逆に音楽でおしゃれなテクノかけてもそんなにハマらないと思うし。
NordOst : でもね、それで言うとDIV☆ちゃんとかはビシっとテクノ鳴らしてあの狭いバーをね、ガチっと海外のスクワットレイブみたいにしてました。なぜか海外のお客さんとかが30〜40人近く入ってて…あれはなんだったんだろう。
山本 : DIV☆さん最高っすよね。もうスター感出てきてますね。
yukinoise : うちらより更に若い世代でも素晴らしいDJはたくさんいるよね、最近だとDIV☆ちゃんやririaちゃんみたいなかっこいいニューカマーが続々と活躍してる。
NordOst : バイブス高いんだけど、勢い任せじゃないっていうのはあんまり今までなかったタイプで、丁寧なセレクターでもあるのがなんか素晴らしいっすね。スマートで。
TUDA : ririaさんはOli XL来日のときWet Leg挟んでて、インディロックのトラックをこんなスマートにかけれるんだ!て思った。