年表 : OTOTOYの15年と日本の音楽配信史
OTOTOY 15周年特別企画
OTOTOYは今年で15周年を迎えます。本ページでは15周年企画として特別企画として、OTOTOYの15周年とともに、前身となるサービス、recommuniなども含めて、特にダウンロード・ストアとしてのOTOTOYに焦点を当て、それをとりまく日本における音楽配信の歴史を振りかえります。同時公開の15周年対談『ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY代表取締役)』では、本年表を元にOTOTOYの歴史と、日本の音楽配信を巡る状況を語っているので参考ページとしてもご覧ください。
編集 : 河村祐介
OTOTOY 15周年記念対談『ミト(クラムボン)x 竹中直純(OTOTOY代表取締役)』
1995年
11月30日
【関連】日本武道館で行われた坂本龍一のコンサート〈Ryuichi Sakamoto Tour95〉がインターネットを通じて生配信される、竹中直純(現OTOTOY代表取締役)がインターネット技術面で参画。
1998年
【海外】CDの違法コピーによって生成されたMP3ファイルの違法アップロードがインターネット上に増加し、社会問題に。
【海外】『mpman』などデジタル・メモリー・タイプの携帯型のMP3プレイヤーが市場に出回りはじめる。
【国内】CDの売上げがピークに。
1999年
【海外】『Napster』がP2P型ファイル共有システムとして誕生、そのネットワークを通してMP3の不正コピーがより広範囲に蔓延する。(アメリカ)
12月
【国内】ソニーが『メモリースティック ウォークマン』向けにダウンロード・ストア『bitmusic』を設立、音楽のダウンロード販売をスタートさせる。MDに用いられたATRAC系のコーデックのデータ・フォーマットを採用。DRM(Digital Rights Management=権利保護機能、いわゆるコピーガード)対応で、再生には専用プレイヤー『OpenMG Jukebox』が必須。
2001年
【国内】ソニー以外の国産オーディオ・メーカーもメモリー型のデジタル・オーディオ・プレイヤーをリリース、乱立状態になるも各社DRM などコピーガードを考慮したファイル・フォーマットを採用するなど使い勝手の悪さもあり、定番は生まれず。
【国内】ADSLを利用するインターネット接続サービス『Yahoo! BB』スタート。他社にくらべて低額だったのもありADSLの一般家庭での普及がはじまり、インターネット接続環境が常時接続・定額・広帯域に。PCのストレージも圧縮音源であればそこそこのライブラリーを築ける容量が一般化する。
10月23日
【海外】Appleが『iPod』を発表。
2002年
12月
【国内】レコチョクが『着うた』サービスをスタート。日本のデジタル市場ではスマートフォンの普及前後まで、PC用のダウンロードよりも、着信音用の抜粋音源『着うた』、1曲フルでダウンロードできる後継の『着うたフル』といった携帯電話(いわゆる「ガラケー」)由来の音源売上げが大きな割合を占めることになる。
2003年
【海外】違法MP3が問題に。レコード業界において、インターネットで流布される海賊版MP3対策のためのオフィシャルのDRM付きのダウンロード・ストアの設立、CCCDの採用などが進められる。
【国内】CCCD登場。エイベックスをはじめ、日本国内のメジャー・レーベルが海賊版MP3の対策としてコピーコントロールCD(CCCD)を採用。ソニー・ミュージックは〈レーベルゲートCD〉という独自の規格で、対応する音源データや「レーベルゲートMQ」というコーデックでの配信も『bitmusic』などでスタート。再生にはプレーヤー・ソフト『MAGIQLIP』などが再生に必要に。
【国内】国内の各メジャー・レーベル、各社インターネット・ポータルなどが独自の音楽ダウンロード・ストアを立ち上げ乱立状態に、どこもPC向けダウンロードは定着せず数年で閉鎖。
4月28日
【海外】Apple Computerが『iTunes Music Store』のサービス開始、グローバル・メジャー各社の音源も配信スタート。アメリカでスタートし、順次ヨーロッパなどでもサービス・スタート(この時点で日本国内は未スタート)。
8月
【海外】『MySpace』がサービスをスタート。音源などを直接アップできるなど音楽に特化したSNSとしてリリー・アレンやカルヴィン・ハリスなどがここから才能を世界に開花させた。
10月29日
【海外】アメリカレコード協会(RIAA)などから提訴を受けサービスを停止していた、P2P型ファイル共有サービス『Napster』、その商標を旧・Roxio社が買収、『Pressplay』として提供されていた音楽配信サービスの名称を『Napster 2.0』に変更し、サービスを開始。
2004年
3月
【国内】『mora』がダウンロード・ストアとしてスタート、DRM対応の音源データは「レーベルゲートMQ」方式を採用。専用プレイヤー、『MAGICLIP2』で再生。
8月
【OTOTOY】前身となる株式会社レコミュニが設立される。
10月19日
【OTOTOY】株式会社レコミュニが、OTOTOYの前身となる音楽配信サイト・SNS『recommuni』をスタート。
- 会員が好きな楽曲をサーバにアップロードし、同社が権利者に対し配信可能かどうかを確認、許可が得られればダウンロード可能になるという仕組みのP2P型音楽配信サイトとしてスタート。
- コピー・ガード、DRMを制限。
- “recommuni” の名称は「record」+「recommend」+「commnunity」による造語。
11月
【国内】レコチョクが携帯電話向けに『着うたフル』のサービスをスタート。まるまる1曲がダウンロードできるようになる(コーディックはAACの圧縮率を約2倍に高めたHE-AAC)。いわゆる「ガラケー」とのセットで日本国内における音源ダウンロード販売の主翼となる。
2005年
【国内市況】一般社団法人日本レコード協会が有料音楽配信の統計をスタート。国内の音楽配信市場が、「着うた」など携帯電話の楽曲コンテンツの伸長で、推定150億円から343億円規模となったことが報じられる。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2006年4月)
【海外】米国最高裁判決を受けて『WinMX』などのP2Pファイル共有サービスが相次いで閉鎖。(アメリカ)
【国内】『着うたフル』のスタートや『iTunes Music Store』の日本進出などもあり、後に「日本の音楽配信元年」と言われる。
8月5日
【国内】『iTunes Music Store』が日本国内向けにスタート。
8月5日
【国内】老舗オーディオ・メイカーのオンキョーによる『e-onkyo music』がスタート、ハイレゾ販売も開始。
10月
【国内】『ナップスタージャパン』が日本で初めての音楽定額制配信サービスをスタート。日本のタワーレコード株式会社と米国のナップスター社によるナップスタージャパン株式会社が運営。CTOとして竹中直純(現OTOTOY代表取締役)が関わる。
2006年
【国内市況】国内での有料音楽配信の全体に占めるインターネット=PCの比率が9%、残りを『着うた』『着うたフル』など携帯電話経由が占めていた。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2007年4月 より)
11月
【国内】『My Space Japan』スタート。
2007年
6月29日
【海外】Apple、『iPhone』をアメリカで販売開始。
7月22日
【OTOTOY】ダウンロード販売と音楽記事(音楽メディア) という新たな形で、『recommuni(現OTOTOY)』を リニューアル。、MP3によるポッドキャスト的な対談音声なども配信。
7月
【国内】国内最古参のダウンロード販売サイト『bitmusic』が『mora』に吸収されサービス終了。
8月
【海外】『SoundCloud』サービス・スタート。(ドイツ)
2008年
【国内市況】PCのダウンロードがで対前年152%に伸長し、ダウンロードと金額比でモバイル(携帯)90%に対し、PC 10%と、統計開始以来、その割合がはじめて変化したことが報じられる。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2009年4月)
時期不明
【海外】『Bandcamp』サービス・スタート。(アメリカ)
5月5日
【海外】ナイン・インチ・ネイルズが新作『The Slip』を7月のCDリリースを前に、ハイレゾ版も含むデータのフリー・ダウンロードを開始。
7月11日
【国内】『iPhone』日本国内で発売開始。
10月
【海外】『Spotify』サービス・スタート。(スウェーデン)
2009年
【国内市況】有料音楽配信市場全体が金額で金額で910億円、統計を開始した2005年から初めて横ばいに。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2010年4月 より)
1月9日
【海外・国内】『iTunes Store』がDRMフリーを宣言。
5月14日
【OTOTOY】『recommuni』のPodcast『話して頂戴。ぶっちゃけて業界!』スタート、竹中直純、音楽情報サイトOOPS!の川崎和哉、音楽情報サイト・ナタリーの滝口幸子、メディアジャーナリストの津田大介が参加。その後、11月に『タメ・トーク』に名称変更。
6月10日
【OTOTOY】『recommuni』にて、クラムボン「NOW!!!」ハイレゾ配信開始。
- 当時のサイトの内での呼びかたは、ハイレゾではなく「ハイ・クォリティ・ディストリビューション」の略語=HQDだった。
- クラシックやジャズ、ロックなどで需要の多かったハイレゾ配信に対して、現行のポップ・ミュージックにおいてもハイレゾの普及を目指すその後のOTOTOYの姿勢の原点にも。
- ちなみにその後、2013年頃、「ハイレゾ」の普及とともにOTOTOYもしれっと名称をハイレゾに統一。
9月
【海外】Androidを採用した初の商用端末がアメリカでリリース。iPhoneの対抗馬として、スマートフォンの爆発的な普及に拍車をかける。
10月20日
【OTOTOY】『recommuni』から『OTOTOY』に社名変更。
- 「読んで」「聴いて」「買える」ミュージック・ダウンロード・サイト」として、ダウンロード販売と音楽メディア・サイトとしての性格をさらに強めていく。
- 「ライフタイム契約」スタート、同内容で契約しているレーベル/アーティストの購入音源が1曲20円で再ダウンロード可能に。
2010年
【国内市況】有料音楽配信市場全体が金額で860億円となり、統計を開始した2005年から初めて対前年がマイナスに転じた。おもにモバイル(携帯)のコンテンツの市場規模縮小によるもの。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2011年4月 より)
5月159
【OTOTOY】クラムボンがアルバム『2010』のリリースとともに、ハイレゾ版をOTOTOYにて配信開始。他フォーマットはアナログLP、CD、配信は当時主流の圧縮音源は当初なし。
8月15日
【OTOTOY】「サウンド&レコーディング・マガジン」との共同企画で、世界初となるDSD形式での高音質音源の商用販売をスタート。第1弾は清水靖晃+渋谷慶一郎のライヴ・アルバム「FELT」。
9月9日
【OTOTOY】プー・ルイ連載『プー・ルイとオトトイのアイドル・グループ構成員増殖計画!』スタート、本企画が後のBiSへと発展。
9月15日
【OTOTOY】アナログ・レコードの音源ダウンロードなどに利用される、ダウンロード・コード・サービス『パスコード』を実装。
9月16日
【OTOTOY】丸の内の三菱電線試聴室にて、KORG、三菱電線工業の協力の元、DSD試聴会&記者会見を開催。『サウンド&レコーディング・マガジン』編集長(当時)の國崎晋と、OTOTOYシニア・プロデューサーの高橋健太郎が登壇。
10月
【国内】七尾旅人らが主導し、アーティスト発信によるダウンロード販売ストア『DIY STARS』スタート。(2022年3月31日にサービス終了)
10月28日
【OTOTOY】独自に企画・レコーディング・独占配信を行う、OTOTOYのハイレゾ・ライヴ・レコーディング・シリーズがスタート。第一弾は渋谷QUATTROにて行われたイベント〈Parabolica JAM’09〉の模様を収めたLITE、tera melos、Adebisi Shankのライヴ音源。
11月10日
【国内】『Amazon MP3ストア』が日本でも利用可能に。
2011年
【国内市況】有料音楽配信市場全体が金額で543億円、前年比は75%と、モバイル(携帯)売上げの減少により昨年に続きダウン。PC配信とスマートフォンの実績を含むインターネット・ダウンロードの実績は、数量で同126%、金額で同143%と、ともに2桁の伸長だが、有料音楽配信全体への波及はごくわずかに留まった。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2012年4月 より)
3月17日
【OTOTOY】東日本大震災救済支援コンピレーション・アルバム『Play for Japan』をVol.1-Vol.6で配信リリース。いったんの締めきりとなった同年6月1日の時点で著作権使用料を抜いた4,524,026円を、日本赤十字社を通じて被災地に寄付。
5月
【OTOTOY】『オトトイの学校』を開講。ワークショップや音楽関連のトークショーなどを開催(現在は休止中)。
6月
【国内】auのAndroidスマートフォン向けの定額制音楽ストリーミング・サービス『LISMO unlimited powered by レコチョク』がスタート、台湾の音楽コンテンツ配信会社KKBOXのプラットフォームを活用、2013年6月に『KKBOX』に名称を変更し、au以外のユーザーも利用可能に。
11月16日
【海外】定額制ストリーミング・サービス、『Google Play Music』が正式にサービス・スタート。(アメリカ)(2020年8月に終了)
2012年
【国内市況】2011年の有料音楽配信市場全体が金額で543億円、前年比は75%と昨年に続きモバイル(携帯)売上げの減少によってダウン、PC配信とスマートフォンの実績を含むインターネットダウンロードの実績は、数量で同126%、金額で同143%と、ともに2桁の伸長だが有料音楽配信全体への波及はごくわずかに留まった。ただし、この年、フィジカル・メディアの販売金額が14年ぶりの増加となる前年比110%の3,108億円となった。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2013年4月 より)
2月22日/11月7日
【国内】国内においてiTunes Storeでの配信を見送っていた〈ソニー・ミュージック〉が、2月に洋楽、11月に邦楽アーティスト楽曲の配信をスタートさせる。
7月3日
【国内】ソニーが定額制配信サービス『Music Unlimited』サービス・スタート。
7月12日
【OTOTOY】サイト内の音楽動画チャンネル『OTOTOY TV♭』がスタート。OTOTOYが制作したUstream番組やYouTube上のMVセレクトなどを配信。
7月18日
【OTOTOY】BiS『PPCC』のリリースとともにavex traxの音源販売がスタート。
10月1日
【国内】『mora』がリニューアル、デジタル著作権管理(DRM)なしのAAC-LC(MP4)320kbpsを新たに音源フォーマットに採用。
11月2日
【OTOTOY】世界的にも高い評価を受けるノイズ・アーティスト、メルツバウのDSD配信『OAT』スタート。
12月19日
【OTOTOY】〈OTOTOY DSD SHOP〉を渋谷ヒカリエ 8/(はち)で開催。DSDの普及を促すため、さまざまなイベントやレコーディングなどをアーティスト、オーディオ・メイカー協力のもとで開催した。
2013年
【国内市況】この年の国内の有料音楽配信市場が金額で417億円、前年比は77%となった。金額の構成比が、前年までPC配信・スマートフォン対モバイル(携帯)が35%対65%であったのに対し、2013年に同60%対40%と、これまでの日本の有料配信のモバイル中心の構図が2012年にはじめて逆転したことが発表された。前年プラス成長となったフィジカル・メディアは、前年比94%と金額で下回った。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2014年4月 より)
【海外】チャンス・ザ・ラッパーのミックステープ『Acid Rap』がリリースされるなど、2010年代前半からこのあたりまでがフリー・ダウンロードの無料(基本はMP3)ミックステープ文化がヒップホップでは大きな勢いに。
【国内】ダウンロード・ストアにおいてDRMフリーが一般化。ハイレゾの普及、ハイレゾ・プレイヤーなどデジタル・オーディオ・プレイヤーの対応再生フォーマットなどの汎用性もあり、DRMを付帯した独自規格が廃れ、各ダウンロード・ストアにおけるフォーマットがハイレゾ〜ロスレスのPCM(WAV/AIFF/FLAC/ALAC)、圧縮フォーマットはAAC/MP3などへの集約が進む。
【OTOTOY】ハイレゾを除くとMP3での配信が主だったが、全配信のロスレス化をめざしたレーベルへの本格的な交渉をスタートさせ、順次ロスレス配信へと切り替えていく。
2月5日
【OTOTOY】DSD(5.6MHz)の配信を開始。配信第一弾は「サウンド&レコーディング・マガジン」主催のPremium Studio Liveシリーズより、「Cojok+徳澤青弦カルテット / QUANT(5.6MHz Ver.)」。
5月15日
【OTOTOY】連載『from コムアイ「水曜日のラブレター』スタート。当初はコムアイのエッセイ形式だったが、毎回楽曲1曲作るという映画をテーマにした『水曜日のシネマ淫談~映画からまなぶエロスの神髄~』に発展、水曜日のカンパネラはその後ブレイク。
5月22日
【OTOTOY】クラムボン『LOVER ALBUM 2』のリリースとともに、コロムビア・カタログのハイレゾとロスレスでの音源販売がスタート。
6月24日
【OTOTOY】女性アイドルグループ、BELLRING少女ハート、1stアルバムをハイレゾ配信。それまでのハイレゾ配信に全く別の風穴をあける。
7月26日
【OTOTOY】iOSアプリ『OTOTOY』をリリース、購入済楽曲のアプリでのストリーミング・リスニングが可能に。その他、フリー・ダウンロード音源のリスニングやニュース、記事などもアプリで読めるように。
10月17日
【国内】ソニーの『ウォークマン』やオーディオ機器のハイレゾ対応機のリリースに合わせて、『mora』が『mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~』にリニューアル、FLACによるハイレゾ音源の販売をスタートさせる。
12月4日
【OTOTOY】〈OTOTOY DSD SHOP 2013〉を渋谷ヒカリエ 8/(はち)で開催。
2014年
【国内】各オーディオ関連の協会が「ハイレゾ」の規格化を発表するなど、より広範囲で「ハイレゾ」が商材として認知され。またレーベル各社もハイレゾ配信サイト設立やそれまであったラインナップにハイレゾを加えていく。
【国内】前年のソニー、『mora』の参入もあり、一部の音楽/オーディオ・マニア以外にも「ハイレゾ」の名称が普及する。
【国内市況】PC配信・スマートフォンでの配信が伸長し、有料音楽配信は、金額で437億円(前年比105%)となり、2009年以来5年ぶりに昨年を上回った。市場を占める割合においては、一時期は9割を占めていた携帯コンテンツが24%までその割合を減少させた。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2015年4月 より)
2月6日
【国内】ビクターがハイレゾ配信ストア『VICTOR STUDIO HD-Music.』をスタート(2017年5月31日サービス終了)。
3月14日
【国内】一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、協会が認定するハイレゾ音源の定義を発表。CDを超えるスペックとして、24bit/44.1kHzや24bit/48kHz以上の音源をハイレゾとした。現在一般的にはハイレゾに含まれない16bit/96kHzもハイレゾに含まれている。DSDについては触れられていない。
3月19日
【OTOTOY】Cornelius、5作目のオリジナル・アルバム『Sensuous』のハイレゾ・リマスター版配信開始。〈ワーナーミュージック・ジャパン〉の一部カタログのOTOTOYでの配信がスタート。
【OTOTOY】Cornelius『Sensuous』の配信に合わせて、ハイレゾ/ロスレスの配信において、WAVに加え、FLACとAppleLosslessフォーマットでの販売を開始。
5月22日
【OTOTOY】関連会社株式会社ディジティ・ミニミとともに、現在の社屋(渋谷区松濤)に移転。
6月14日
【国内】日本オーディオ協会(JAS)も「ハイレゾ」の定義や推奨ロゴを発表。こちらは音源フォーマットではなく、ハイレゾ対応機器の認定に重点が置かれ「40kHz以上が再生可能であること」、「96kHz/24bit以上に対応可能であること」など、アウトプットに重点が置かれている。
9月17日
【OTOTOY】〈ビクターエンタテインメント〉からリリースのくるり『THE PIER』のハイレゾ版を一時的に配信(試験的な配信で、現在〈ビクターエンタテインメント〉とは未契約)。
9月27日
【海外】トム・ヨークがP2Pダウンロード・サービス “BitTorrent” を使用してアルバムを販売。
10月8日
【OTOTOY】SOIL&"PIMP"SESSIONSの丈青、初のピアノ・ソロ・アルバムで、DSD 11.2MHzの販売がスタート。
10月28日
【海外】『TIDAL』、アメリカ、カナダ、イギリスなどでサービス・スタート。ハイレゾ、ロスレス以上の高音質定額制ストリーミング・サービス。日本未上陸。
2015年
【国内】Apple Musicなど国内外の定額制ストリーミング・サービスがスタートし、国内での「ストリーミング元年」と呼ばれる。
【国内市況】定額制ストリーミング・サービスの伸長(前年比158%)の後押しにより、有料配信市場は金額で471億円(前年比108%)となり、2年連続の増加へ。全体の構成費は有料ダウンロード(アルバム・シングル)は60%、定額制ストリーミング・サービスが26%を占める。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2016年4月 より)
1月31日
【OTOTOY】連載『BiSH~Rock'n Roll Swindle~ 二番煎じは本物を超えられるのか?!』がスタート。その後、BiSHは国民的スターに。
2月27日
【OTOTOY】キング・レコード音源の販売がスタート。初回は、庵野秀明のスタジオカラーとドワンゴによる短編映像シリーズ『日本アニメ(ーター)見本市』の各テーマ曲。TeddyLoidがdaokoをフィーチャーした「ME!ME!ME!」が話題に。
3月30日
【国内】ソニーの定額制ストリーミング・サービス『Music Unlimited』サービス終了。
5月12日
【OTOTOY】OTOTOYとATFIELDプレゼンツによるライヴ・イベント・シリーズ「オトトイのススメ!」Vol.1開催。出演者は神聖かまってちゃん、Awesome City Club、tricot。
5月15日
【OTOTOY】OTOTOYのプリペイドカード『おとぷり』がビックカメラ・ソフマップ・コジマなどで販売開始。
5月27日
【国内】サイバーエージェントとエイベックス・デジタルによる定額制ストリーミング・サービス『AWA』スタート。
6月11日
【国内】LINEが定額制ストリーミング・サービス『LINE MUSIC』スタート。
6月22日
【OTOTOY】OTOTOYアプリのAndroid版がリリース。Androidでも購入済楽曲のアプリでのストリーミング・リスニングが可能に。
6月30日(日本時間7月1日)
【海外・国内】Appleが日本を含む世界で定額制ストリーミング・サービス『Apple Music』のサービスをスタート。
9月3日
【国内】Google、日本でも定額制ストリーミング・サービス『Google Play Music』スタート。
11月18日
【国内】Amazon JapanがAmazonプライム会員向け音楽配信サービス『Prime Music』、日本でも提供開始。
11月30日
【OTOTOY】音源購入から30日間となっていた音源の再ダウンロード期限を撤廃し、配信停止楽曲など一部の音源を除き、購入後はいつでも音源の再ダウンロードを可能に。決済方法に「BitCash」および「PayPal」を追加。少額決済で再ダウンロードが可能になる「ライフタイム契約」も廃止。
2016年
【国内市況】定額制ストリーミング・サービスの伸長(200億円/前年比161%)の後押しにより、有料音楽配信は、金額で529億円(前年比112%)となり、3年連続の増加となった。全体の構成比は有料ダウンロード(アルバム・シングル)は51%、定額制ストリーミング・サービスが38%(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2017年4月 より)
3月11日
【OTOTOY】OTOTOY×サンレコマガジン×SPIRALの共同企画で〈HIGH RESOLUTION FESTIVAL at SPIRAL〉開催
8月8日
【国内】ヤマハによる『mysound』でハイレゾ配信開始。
8月25日
【国内】『レコチョク』でハイレゾ配信スタート。
6月29日
【国内】『Spotify』が日本でサービス開始。
9月1日
【OTOTOY】OTOTOYアプリでハイレゾ再生が楽しめる、追加課金機能『ハイレゾプレイバック』、Android/iOSともにアプリでリリース。
9月30日
【国内】『e-onkyo music』、『mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~』、『OTOTOY』、『VICTOR STUDIO HD-Music.』のハイレゾ音源配信サイト4社合同でハイレゾの普及を目指し、毎月更新の「ハイレゾ音源大賞」を設立。
10月31年
【OTOTOY】TuneCore Japan流通・取り扱い音源の販売をスタート。
2017年
【国内市況】国内の音楽配信の市場規模はで573億円(前年比108%)となり、4年連続のプラス成長。ダウンロードが47%、ストリーミングが46%と拮抗状態に。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2018年4月 より)
3月31日
【OTOTOY】東洋化成とのコラボレーベル “TOYOTOY” からの第一弾流通作品としてCHAI「Sound & Stomach / ボーイズ・セコ・メン」の7インチ・レコードをリリース。記事ではメンバーによるプレス工場見学も。
2018年
【国内市況】国内の音楽配信の市場規模は金額で645億円(前年比113%)となり、5年連続のプラス成長となった。音楽配信売上金額の区分別シェアはダウンロードが40%、ストリーミングが54%と、ついにストリーミングが抜いた。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2019年4月 より)
【OTOTOY】それまで交渉を続けてきたグローバル3大メジャーの〈ワーナーミュージック〉と〈ユニバーサル ミュージック〉カタログの配信がスタートする。特に〈ユニバーサル ミュージック〉は非ハイレゾ・カタログのロスレス(CD音質、16bit/44.1kHz)配信を国内で初めて開始する。
1月17日
【OTOTOY】購入楽曲をブラウザ上で再生、再ダウンロードを簡易化した Collections機能を実装。
4月11日
【OTOTOY】会員登録なしでもストアで購入、フリーダウンロードなどができる「ダイレクト・ダウンロード」機能を実装。
5月15日
【OTOTOY】〈ワーナーミュージック〉所有・配信可能なすべてのカタログ をハイレゾと圧縮AACフォーマットで販売をスタート。
9月12日
【OTOTOY】〈ユニバーサル ミュージック〉音源の包括的な音源販売をスタート、国内初のグローバル・メジャーのカタログの ロスレス販売を実現。
11月
【国内】『YouTube Music』が『YouTube Premium』と同時に日本でもサービスを開始。
2019年
【国内市況】音楽配信市場は、金額で706億円(前年比110%)。音楽配信売上金額の区分別シェアではダウンロードが32%、ストリーミングが66%と、ストリーミングがダウンロードを大きく上回った。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2020年4月 より)
【OTOTOY】〈ソニー・ミュージック〉の一部邦楽タイトルの配信がスタートし、OTOTOYで3大メジャー・レコード会社の配信が始まる。
1月16日
【OTOTOY】〈ソニー・ミュージック〉 の一部国内カタログの音源販売の取り扱いをOTOTOYでスタート。
10月20日
【OTOTOY】設立(社名変更)から10周年を迎える。
10月24日
【国内】ソニーが、定額制のロスレス/ハイレゾのストリーミング・サービス『mora qualitas』をスタート(2022年3月にサービス終了)。
2020年
【国内市況】音楽配信は金額で783億円(前年比111%)となり、ストリーミングが全体の75%を占めるまでに成長した。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2021年4月 より)
【OTOTOY】コロナ禍で、ライヴ・ハウス/クラブのサポート企画〈Save Our Place〉を実現、オンライン・サイン会、ライヴなどのイベントを開催。
4月6日
【OTOTOY】コロナ禍でのライヴ・ハウス/クラブのサポート企画〈Save Our Place〉をスタート。
- アーティスト提供による音源を販売、パッケージの売上げからクレジット決済手数料、(著作権登録がある場合のみ著作権使用料)を除いた全額をアーティストが希望するヴェニューに寄付。
- 2020年4月6日〜9月30日の間に集まった送金総額は、5,595,739円。
7月1日
【OTOTOY】PIGGSのデビュー・アルバム『HALLO PIGGS』リリースに合わせて初の購入者特典のオンライン・イベントを開催。
7月22日
【OTOTOY】〈ワーナーミュージック〉カタログのロスレス販売スタート。
8月4日
【OTOTOY】会員向け新サービス 「OTOTOY PREMIUM/SUPER PREMIUM」をスタート
- ポイント還元率アップや割引クーポンなど4つの特典を導入。
- また「OTOTOY PREMIUM」会員が年間10万円以上の音源・物販の購入すると更にポイント還元率がアップする『SUPER PREMIUM』会員にランクアップ。
2021年
【国内市況】音楽配信は、金額で895億円(前年比114%)と2010年(860億円)以来の800億円超えを達成。ストリーミングが配信売上げシェアの8割となるなかで、音楽配信がはじめてフィジカルも合わせた音楽ソフト全体の売上げの3割を超えた。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2022年4月 より)
6月8日
【海外・国内】『Apple Music』がハイレゾ、ロスレス配信に対応。
10月4日
【国内】『e-onkyo music』の運営がオンキョーホームエンターテイメントからXandrie Japan社に譲渡され、Xandrieのサービス『Qobuz』への順次移行開始をアナウンス。
2022年
【国内市況】音楽配信は、金額で1,050億円(前年比117%)と2005年の統計開始以来初の1,000億円超えを達成。ストリーミングのシェアが9割に迫る。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2023年4月 より)
2月19日
【OTOTOY】OTOTOY編集部が監修・編集を手がけた『BiS BOOK -What is BiS?-』出版、初期〜第3期にわたるBiSの歴史を網羅、OTOTOYにて掲載されたインタヴューや写真などを掲載。
9月21日
【国内】〈キングレコード〉のカタログ、日本国内では初となるロスレス配信がスタート。
2023年
【国内市況】音楽配信市場は、金額で1,165億円(前年比111%)に。ストリーミングのシェアが9割を超える。(一般社団法人日本レコード協会『日本のレコード産業』2024年4月 より)
2024年
2月20日
【OTOTOY】〈ソニー・ミュージック〉カタログ、非ハイレゾ音源のロスレス音源販売をスタート。
3月12日
【国内】『mora』がロスレス音源販売をスタート。
8月
【OTOTOY】前身となる株式会社レコミュニ設立から20周年を迎える。
10月4日
【国内】『e-onkyo music』が10月16日に正式に終了、『e-onkyo music』会員限定で『Qobuz』のプレオープン日程などがアナウンスされており、近日スタートをアナウンス。
10月20日
【OTOTOY】設立(社名変更)から15周年を迎える。
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参考文献
- スティーヴン・ウィット(著), 関美和(翻訳)『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』(早川書房)
- 小野島大『音楽配信はどこへ向かう? ― アップル、ソニー、グーグルの先へ…ユーザーオリエンテッドな音楽配信ビジネスとは?』(impress QuickBooks)
- ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』(翔泳社)
- ばるぼら『ニッポンの音楽配信の歴史年表 1995-2005』(ばるぼらさんの全記事アーカイヴ)
- 松岡正剛(監修)『情報の歴史21―象形文字から仮想現実まで』(編集工学研究所)
- 一般社団法人 日本レコード協会『日本のレコード産業』2005年〜2024年度版