KAGEROから生まれ出た、新たな2連星──SaraGrace's OneHotNightインタヴュー
ジャズやパンク、オルタナ・ロックなどなど様々な音楽が交差するKAGEROからまた新たな派生グループのデビュー作がリリースされる──同バンドのドラマー、萩原朋学、そしてピアニスト、菊池智恵子によるユニット、SaraGrace's OneHotNightだ。菊池による流麗なピアノと萩原による躍動感溢れるドラム、ジャズとひとつ軸にしながらもメロディックな意匠は決して聴き手を置いていかないポップさも持ち合わせている。OTOTOYでは、来週5月22日のリリース / 配信開始を前に、一足先にふたりのインタヴューをお届けしよう。
SaraGrace's OneHotNight、1stアルバム『Daniel』
INTERVIEW : SaraGrace's OneHotNight
KAGEROと並行してライヴ活動を行ってきた、萩原朋学(Dr)、菊池智恵子(Pf)によるユニット、SaraGrace's OneHotNight。初めてのフル・アルバム『Daniel』は、ポップで繊細なメロディや清々しく開放的なサウンドスケープで、心躍るカラフルなアルバムとなった。激しいドラムとメロディアスなピアノが美しく、このユニットを象徴している「Little Ivy」、ドラマティックで壮大な展開に惹き込まれる「Captain Seagull」、お互いの手の内を探るようなセッションの様子が目に浮かぶ「spector only live twice」、序盤から後半へと熱さを増していく抑揚が“タフガイ”の感情の起伏を思わせる「a toughguy standing in the rain」等々。改めて気付かされたのは、それぞれが卓越した演奏力と類まれなる個性を持ったアーティストだということだ。2人はいかにしてこの“デビュー作”を創り上げたのか? たっぷりと語ってもらった。
インタヴュー&文 : 岡本貴之
写真 : 大橋祐希
このユニットを作ることで、他の誰かを入れやすいなと思ったんです
──2014年からスタジオに入っていたそうですけど、KAGEROと並行してずっと活動してきたんですね。
萩原 : 後からKAGEROに加入した2人なので、何かしっくりこないときに個人練習をするためにスタジオに入ったりしたことはあったんです。それと、家が割と近いんで、ツアー帰りに車でみんなを送るときに最後まで一緒なんですよ。そのときにひたすら俺が好きな曲をかけていて。(菊池)智恵子はKAGEROに入る前にシアトルとボストンに留学していたから、ちょうど俺がめちゃめちゃ聴いていた日本の音楽を丸々知らなかったんです。
菊池 : そう、本当に全然知らなくて。
萩原 : そういう曲を車の中でかけていると、白水(悠)、Ruppaの場合は「懐かしいね」っていう反応が返ってくるんですけど、智恵子はすごく新鮮に聴いてくれていて、俺が好きなものを気に入ってくれるパターンが多かったんです。それでだんだん「これはどうだろう?」って聴かせるために曲をかけるようになってきたんです。
──それがSaraGrace's OneHotNight(以下・Sara)の原点になってるんですね。それと、個人練習でスタジオに入っているうちに、2人で何かやろうという発想に繋がっていったということ?
萩原 : きっかけとしては、そうですね。2人でやろうと思ってスタジオに入った理由は明確に2つあったんです。俺が入ってからKAGEROの音がどんどん大きくなっていて、智恵子のピアノの役割がちょっと変わってきていて。スタジオで細かいピアノを弾いても、KAGEROだとそう聴こえない場面が多くて、どちらかというと、俺のと白水と智恵子でドーンと音を出している感じというか。それで、「智恵子はもっとピアノらしいフレーズが弾けるのにな」って思ったことが理由の1つ。もう1つは、その頃に、色んなご縁が繋がって、一緒にやりたかった人とか対バンしてカッコよかった人たちと出会うことが増えてきて。そういうときに、カッコイイと思うと同時に、「俺が入ったらどうなるんだろう?」って、一緒に演奏してみたくなっちゃうんですよね。でも、カッコイイバンドって続いて行くから、この先一緒に音を出す機会って何かないとできないなと思っていて。このユニットを作ることで、歌、ギター、DJ、なんでもいいんですけど、他の誰かを入れやすいなと思ったんです。
──じゃあ、曲ごとに誰かを迎え入れて演奏するための受け皿みたいなイメージで結成されたということ?
萩原 : 最初はそうですね。
菊池 : 10曲目の「a toughguy standing in the rain」は、かなり初期の頃に作った曲なんですけど、タフガイをイメージしてるんです。
萩原 : 個人をイメージしているのはこの曲だけなんですけど。
どうやって曲作る!?」みたいなところから始まったんです
──菊池さんは、2人で活動することについてはどう感じて始めましたか?
菊池 : 曲を作るんだ?と思って。「どうやって曲作る!?」みたいなところから始まったんです。KAGEROの場合は、白水君がまずアイディアを持って来てくれるんですけど。
萩原 : Saraに関して言うと、俺が口伝えとか、ピアノを拙いながら弾いて伝えたり。
菊池 : あと、ベースラインとかメロディを歌ったりね。それでこっちがピアノを弾いて、一音でも違うと「違う!」って(笑)。
──萩原さんが、ピアノのリフやメロディを考えて菊池さんに伝えるということ?ドラムのフレーズとかではなくて?
萩原 : ドラムのフレーズから作ることはまずないですね。だけどピアノでもなくて、ややこしいことに、俺はまずギターのリフが出てくるんです。ギターも弾けないし、KAGEROにもギターはいないんですけど(笑)。でもKAGEROで俺が気持ちいいと思ってる白水のベースラインは、ほぼほぼギターのフレーズに近いと思うんですよ。だから、ギターをイメージしたリフを伝えるんですけど、ギターってオルタネイト(上下のピッキング)で弾けるけど、ピアノはそれを連打しなきゃいけないわけで、それがすごく大変そうなんですよ。
菊池 : 「まだ鍵盤が戻ってこないんだけど!」っていうくらいの速さで(笑)。今思い出したけど、スタジオに入って4秒ぐらいの1つのリフを2時間ぐらいピアノでず~っと弾いていて、そこにドラムのフレーズを入れてくるみたいな感じでした。それで疲れてくると、ループマシンをドン、みたいな。
──「daiku」は、まさにそういう延々ループする曲ですよね。
萩原 : この曲の元は智恵子が作りました。これを作ったときは特にそうだったんですけど、初めて2人でライヴをやって音源(『1stEP』)を作ったときに、足りないところもちゃんと見えてきたんです。いかんせん、音が少ないなって。この体制だと、智恵子が左手でベースラインを弾いて、右手でメロディを弾いて、間にコードを差し込むっていうやり方になるから、ちょっと縛られちゃうなというのがあるし、やっぱりやってるとベースラインがほしくなるんですよね。始めたときからイメージがあったのが、2人で完結しているバンドという意味では一番だなと思っていたUHNELLYSなんです。それで彼らのやり方を参考にしたというか、ループを使ってみようという発想になったんです。智恵子が弾いたフレーズをサンプリングして、リアルタイムでループさせるという。
──UHNELLYSでKimさんがバリトン・ギターでやっている演奏法ですね。
萩原 : そうです、そうです。本当に最初はもろにそうでした。
菊池 : kim君に「これ、どうやってやってんの?」とかめっちゃ訊いて。
萩原 : 俺らエフェクターも使ったことないから、繋ぎ方もわからないし(笑)。途中で切り替えたりオンオフもどうやったらいいかわからないから、kimさんの足元だけ写メを撮ったりしてました。
──その成果をレコーディングでも駆使しているわけですね。
萩原 : 「daiku」は、ループを使った一番最初の曲です。ちょっと長い曲ですけど。ループを作ったり止めたりする結果長くなったというか。
菊池 : ループしている間は、わりとインプロビゼーション的な演奏をしているので、いくらでも長くできるんですよ。短くすることもできるし。
萩原 : この曲に関しては、ライヴのときは尺を決めてないです。ずっと1つのフレーズが鳴っている後ろで、好き勝手にやるという。
──ベースラインがなくてもこういうやり方ができる、ということですよね。ということは、誰かを入れるという前提がなくなってきたのでは?
萩原 : そうなんですよ、なくなってきました。
菊池 : まだ思ってはいるけどね?
萩原 : もちろん、それはそれでやりたいんですよ。本当は、これと並行して色んな人とレコーディングしたいぐらいで。なかなかスケジュールが合わないとかもあってできていないんですけど。まあでも、最初に柱としていたコンセプトは今はないままで来てますね。
──ただ、誰かを入れて演奏できる体制ではあるという。
萩原 : それは常にやりたいとは思ってます。さっき、音楽的にどうしてこの2人でやりたかったかということは話しましたけど、それ以外にも理由があって、結成当時はKAGERO以外でも結構ライヴをやりたかったんですよね。2人ならスケジュールとか色々なことが合わせやすいし、本当はドラム俺の音さえなんとかなれば、ライヴハウス以外でもできると思ったんです。
菊池 : カフェとかでもできるじゃん!って。
萩原 : 結果的にできる曲できる曲全部うるさいから、それは無理だったんですけど(笑)。でも本当は、とにかくどこでもやりたいしどこにでもいきたいなって。
今はリズムで遊べるようになったというか
──菊池さんは、実際に2人でやってみて、想像していたような音楽になってるんですか。
菊池 : いや、想像とかそういうことは何にもしてない(笑)。でもやってみたら、ピアノとドラムだけだから、私リズム感良くなった気がする。
萩原 : ああ~。
菊池 : ダメだ、全然ピンときてない!
一同 : (爆笑)。
萩原 : 母親がピアノを弾いていたこともあって、言われたことがあるんですよ。ピアノって、リズムとメロディとハーモニーを全部1人で出せる楽器だって。ドラムはリズムしかないから、おまえはその3倍やらないとダメだって。ちょっと語弊があるかもしれないですけどね。Saraを始めた頃前は、智恵子がライヴでゾーンに入ってるときって、「あ、俺いらないな」っていうぐらい、翼が生えているときがあったんですよ。
菊池 : (笑)。それはあんまり良い意味ではないよね。
萩原 : どっちもある。でもどっちに転ぶかわからないんですよ。
菊池 : 前は、そのゾーンが違った気がする。今はリズムで遊べるようになったというか。
萩原 : うん、それをライヴ中に汲み取れるときは、すごく良いんですけど、俺が汲み取り切れないと、アンサンブルという意味ではダメなんですよ。
菊池 : 暴走しちゃうんだよね。
萩原 : それで終わった後に智恵子が1人で、「ふぅ~、やってやったぜ」みたいな。
菊池 : ははははは(笑)。
──全然こっちを気持ち良くしようという気がない(笑)。
萩原 : そうなんですよ。俺はこれまで1人で人前で何かをやったことがなくて、誰かとやったことしかないんです。だから、その誰かがどっか行っちゃうと、どうしていいかわからなくなるんですよね。
菊池 : 前は、リズムで遊ぶんじゃなくて、頭の中がメロディ重視で進んでいたのかも。
──2人しかいないと、さっき萩原さんが言ったように、リズムもメロディもハーモニーもピアノで構築していかないと、曲として成り立たないようなこともあるんじゃないですか。
菊池 : あるんですよ。しかもまたトリッキーなことを言い出すから。構成に変拍子の変なフレーズを差し込みがち。
──「spector only live twice」なんかは、どうやって作ってるんだろうなって。
菊池 : 一番最近できた曲ですね。
萩原 : これは、どちらかというとリズムで遊んでいるだけというか、完全に数字遊び的な曲で。「いいメロディが出てこないな」とかいうことではなくて、「7だといまいちだから9にしてみようか」っていう感じで、収まりが良いパーツがくっついた曲ですね。アルバムの中では、KAGEROでやってることと一番近いかもしれない。
そんなに難しい曲は作れないし、自然とメロディはポップになったというか
──KAGEROとの差別化みたいなものは、考えたりしたんですか。
菊池 : それはないなあ。だってあの2人はいないんだもん。
萩原 : いや、俺はある。でもそれはもう、曲を出す段階で意識してる。例えば「spector only live twice」は、たぶんKAGEROの音圧の中では全然活きてこないから。
──最初このアルバムを聴いたら、白水さんとRuppaさんが入るのを連想するかなと思ったんですよね。
萩原 : ああ~なるほどね。でもそれは言われたことないですね。
菊池 : 言われたことないよね。
──そう思って聴いたら、全然そうじゃなくて。例えば「Captain Seagull」にRuppaさんのサックスが入ってくるのは想像できないなと。
萩原 : ああ~なるほど。
菊池 : まあメロディをとってくれたら楽だけどね(笑)。
萩原 : あの2人とやるとなったら、もっと考えちゃうと思います。
菊池 : うん、それはあるよね。
──正直、もっと難解なアルバムになると思っていたら、結構売れ線なアプローチというか、意外とポップでびっくりしたんですよ。「Little Ivy」「Periscope」とか。
萩原 : 俺が出してくる曲は、だいたいポップだと思います。インストで変拍子ばっかりやってる人、みたいに思われてるけど、ストゥージーズとか大好きだし。プログレも俺はイエスから入ったんですけど、ドラムを叩いてみるとすごく難しいけど歌を聴いてると全然難しく聴こえないんですよ。ひとつも無駄がなくて、ちゃんと理由があってそうなってるというか。自分でバンドをやりたいとなったら、そんなに難しい曲は作れないし、自然とメロディはポップになったというか。
奇をてらったコード進行にしちゃうのはまた違うなって思って、そこは時間がかかったよね
──それと、改めて今回聴いて演奏の上手さを再認識しました。普通に聴いてるけど、じつはめちゃくちゃ上手いなと。
萩原 : そういうところも聴かせたかったというのはありますね。ポップな曲をただただシンプルに演奏しているなら、ヴォーカル入れろよっていう話ですし(笑)。だからむしろ、メロディアスな曲ほど、智恵子に色々言ったかもしれないです。たぶん2人ともわかってるのが、ポップって、表面上だけでポップなものと、ポップだけど実は音楽的に尖ってるものがあると思うんです。作る段階でちょっとでも気を抜くと、ただただ良いコード進行で、何も考えないでボケっと聴いてたら良い曲だと思うかもしれないけど、隅々まで聴かれたら恥ずかしいっていうものになってしまうんですよね。例えば、メロディに対してよくあるコード進行にしてみると、やっぱり置きに行ってるなって思っちゃうんですよ。
菊池 : そう、それは嫌だもんね。かといって、奇をてらったコード進行にしちゃうのはまた違うなって思って、そこは時間がかかったよね。それと、曲について理論的に伝えてこない分、私にとっては面白い展開とか考えたこともない流れが出てきたりするんですよ。
──例えば曲を挙げると?
菊池 : 一番最初に出来た曲「bricks ave.」ですね。コード進行然り、構成にしても、考え方が違うんです。パーツをバラバラにする、とか。
萩原 : 印象的なひとつのメロディが10の音で作られているとして、それを半分(5音)だけ使ったりするのが好きなんですよ。それはプログレを聴いていた影響もあるんですけど。でも、クラシックもそうだと思っているんですよ。組曲が次の章に行ったときに、ちょっとだけメインテーマが残っているとか。例えば、「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、“タタタンタン、タタタンタン”っていうテーマを、色々手を変え品を変えて色んな場面で聴かせるみたいな、欲を言えばそのメロディ曲であることがわからないぐらいにこっそり入ってるっていうのが好きなんです。
菊池 : Aメロ中なのに、戻ってきたAメロにはBメロのちょこっとしたフラグメントを足す、みたいな。こっちは大混乱(笑)。
萩原 : (笑)。場面は何も変わってないんですけど、別の構成の音が急に入ってきたりするのは、好きですね。
(KAGEROの場合)残り3人全員を見なくちゃいけないんだ、大変なんだなって
──そういう、2人のユニットだからこそできることって多いんじゃないですか。
萩原 : そうですね。もっとバンドっぽいサウンドだったら、こんなに細かく音を聴きとって拾えてないと思います。曲ができていく経緯も、お互いのフレーズを拾い合って曲にしていくことが多かったから。それは、もともと最初からやりたいことだったんですけど。2人だと単純にお互いの音をよく聴けるし、一方向しかないから。今回やってみて思ったのは、バンドって残り3人全員を見なくちゃいけないんだ、大変なんだなって。
──今さら!?
菊池 : ははははは(笑)。
萩原 : そう、今さら(笑)。
──じゃあ、KAGEROにフィードバックされるものも得られたということですね。
萩原 : そうですね、意識はしていなかったけど、結果としてそれあります。
──アルバム・タイトルの意味を教えてもらえますか。
萩原 : まず、バンド名を考えてたときに、HotNightというのが最初にあって。これはSAHARA HOTNIGHTSという女性ガレージバンドがネタ元なんです。前の方は女の子の名前が良いと思って、智恵子と考えたんですけど。
菊池 : 白人女性っぽい名前とか、ビッチっぽい感じがいいとか考えて。パリス・ヒルトンを意識しました。
萩原 : ちょっとおバカな、OneHotNightしちゃうような女の子。
──それがSaraGrace?
菊池 : そうそう。いっぱい同じ名前の人がいるんだよね。申し訳ない(笑)。
萩原 : バンド名に女の子の名前を使ってるから、アルバムのタイトルは男の名前がいいなと思って考えてたときに、4曲目の「spector only live twice」から取ったんです。
菊池 : 最初、『007 スカイフォール』のテーマ曲に似たフレーズが出来ちゃったんだよね。
萩原 : これはさすがに似すぎてる、と思って色々アレンジして、でもやっぱり使いたいから残した状態で、曲名も「spector only live twice」にしたんですよ。ちょうどこの曲ができたばかりのテンションのまま、アルバム・タイトルも『Daniel』にしました(映画『007』シリーズ6代目ジェームズ・ボンド役の俳優・ダニエル・クレイグから)。歴代のジェームズ・ボンドから考えたら一番これが良いんじゃないかなって。
20年ぐらい一度も自分で「こういう曲をやりたい」というものを出してこなかったんですけど、それが今出た
──今日話を訊いて思ったんですけど、これまでのインタビューで萩原さんは、「自分は役割として神輿を担ぐのが好きなんです」って話していましたよね。でも、今回のユニットは菊池さんを神輿として担ぎたいわけじゃないですよね。
萩原 : そうですね、そういう気持ちはないですね。
──最初のコンセプトだと、色んなミュージシャンと一緒にやりたくて、誰かを担ぐための神輿を作ろうとしていたということだと思うんですよ。
萩原 : ああ、それはそうですね。すごくわかります。でも、思いのほかそっちの方が難しいなっていうのもあったんですよね。本当は、セッションみたいなノリで色んな人と気楽にできるんじゃないかって、甘く見てたところがあったんです。でもやっぱり、形に残すとなったら、構えないとできないなって。
──その結果、『Daniel』は、萩原さんが初めて神輿を担がなかった自分の作品になったということじゃないですか。
萩原 : そうなんですよね。ちゃんと曲を作ったのもほぼ初めてだし、思いとして“神輿の下”に行かないのは本当に初めてですね。たぶん、どこかでやりたい気持ちはあったんですよね。自分では神輿を担ぐ方が向いていると思っていたし、今だにそう思っているんですけど、完成してみたら、意外とできるなって。智恵子が形にしてくれたというのが、すごく大きいと思うんですけど。16歳ぐらいから楽器を始めてバンドをやってますけど、20年ぐらい一度も自分で「こういう曲をやりたい」というものを出してこなかったんですけど、それが今出たっていうことですね。
──菊池さんはアルバムが完成していかがですか?
菊池 : 全部、気に入ってます。(萩原の話を)聴いていて、「そうか、今まで曲を作ってなかったのか」って今気付きました(笑)。
萩原 : ライヴでは、また違うんですけどね。担ぐところは担いでいるし、上に乗っているところは乗ってると思うし。でも、制作で言ったら本当に初めてなので。『Daniel』が俺のデビュー作です。
SaraGrace's OneHotNight、1stアルバム『Daniel』
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2019年6月2日(日)
@名古屋
サーキット・イベントのため、詳しくはイベント公式ページを参照
https://sakaespring.com
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2019年6月7日(金)
@吉祥寺NEPO
open 17:30/Start 19:00
ADV ¥2400 / DOOR ¥2900 (+1D)
ACT:camellia/ Paris death Hilton / tatalaYAVZ
PROFILE
SaraGrace's OneHotNight
都内で活動中のKAGEROのメンバー萩原朋学と菊池智恵子によるピアノドラムの2ピースバンド。2014年からスタジオワークを開始し、2015年4月 26日大宮ヒソミネにて初ライブ。翌月には自主制作による4曲入りシングル「1stEP」をリリース。以降都内を中心にライブ活動中。
SaraGrace's OneHotNightアーティスト公式ページ
https://saragraces.wixsite.com