【REVIEW】ルパン三世最新作のテレビスペシャル放送とともにYuji Ohno & Lupintic Sixの最新作がリリース

ルパン音楽の生みの親、大野雄二率いるYuji Ohno & Lupintic Sixの最新作がルパン三世のテレビスペシャル放送前にハイレゾ・リリース! 2019年1月25日(金)に日本テレビ系列で放送されるテレビスペシャル第26弾「ルパン三世 グッバイ・パートナー」での楽曲に加え、テレビシリーズPART4、PART5のサントラに惜しくも収録されなかった楽曲もが詰まっている『LUPIN THE THIRD 〜GOODBYE PARTNER〜』。テレビスペシャルを観る前に聴きこんでもよし、観た後に余韻を楽しむのもよし!
「ルパン三世 グッバイ・パートナー」
2019年1月25日(金)21:00~22:54
日本テレビ系、金曜ロードSHOW!にて初放送!!
■声の出演
ルパン三世 : 栗田貫一
次元大介 : 小林清志
石川五エ門 : 浪川大輔
峰不二子 : 沢城みゆき
銭形警部 : 山寺宏一
ロイ・フォレスト : 諏訪部順一
アリサ : 寿美菜子 ほか
■メインスタッフ
原作 : モンキー・パンチ
監督 : 川越淳 【代表作 「ルパン三世 お宝返却大作戦‼」 「サイボーグ009VSデビルマン」】
脚本 : 秦建日子 【代表作 「推理小説」(ドラマ「アンフェア」原作) 「そして、誰もいなくなった」(脚本)】
キャラクターデザイン・総作画監督:丸藤広貴 【代表作 「マクロスF」 「甲鉄城のカバネリ」】
音楽 : 大野雄二
アニメーション制作 : トムス・エンタテインメント
『ルパン三世』公式サイト
REVIEW : 大野雄二の衰えを知らぬ創作意欲と躍動感

大野雄二率いるYuji Ohno & Lupintic Six。その最新作『LUPIN THE THIRD ~GOODBYE PARTNER~』は、2019年1月25日に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で放送される『ルパン三世 グッバイ・パートナー』のために書き下ろした新録曲を含むアルバム。同作は、2013年秋に放送された『ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜』以来、久々となる待望の完全オリジナルテレビスペシャル。2018年には、テレビシリーズ最新作『ルパン三世 PART5』のオリジナル・サウンドトラック2作品をリリース、ライヴ活動も精力的に行っているYuji Ohno & Lupintic Sixが描くルパン・ワールドの魅力がギュッと凝縮された新作アルバムとなっている。
今作もボリュームたっぷり、聴きどころ満載だが、まずは「THEME FROM LUPIN III 2019~classical piano ver.」と題されたメインテーマに注目。作品ごとに新たな生命を与えられているメインテーマだが、冒頭のピアノによるソロ演奏には、聴きなれたルパンファンも思わずグッと惹きつけられるはず。1分50秒あたりから始まる管楽器ソロのリレーからサビへと帰ってくる展開には、“くるぞ、くるぞ…キター!!”と、最高に興奮させられるカタルシスがある。血沸き肉躍るストーリーを予感させる、これまで以上にドラマティックなオープニングだ。また、メインテーマはムーディーな「EROTIC LUPINTIC NIGHT」としても13曲目にも登場している。
今作の目玉楽曲の1つとなっているのが、「カランコエ Forever ! feat. 沢城みゆき」。『ルパン三世 PART5 オリジナル・サウンドトラック 〜 SI BON ! SI BON !』でエンディング曲を歌唱したことで話題となった、三代目峰不二子役の声優・沢城みゆきの歌唱によるものだ。前作で沢城ファンになった方は、今回も大いに期待してほしい。軽快なシャッフルに乗せたキュートな癒しの歌声は、目の前で囁く峰不二子が浮かんでくるようで、聴いていると幸せな気持ちになってくる。『ルパン三世』のもう1人の主人公って、やっぱり峰不二子なんだよなあと思わされる。

テレビシリーズPART4、PART5のサウンドトラックには収録されなかった楽曲も、併せて収録されているのもポイント。リズミカルなラテン・テイストと女性コーラスの“La La La…”で構成された「LOVE SQUALL 2015」は、ヴォーカル入りの印象が強い同曲の中では新鮮な印象だ。弦1本1本の音まで感じ取れるギター・カッティングが心地よい「WALKING IN A PRIM 2015」、大胆にアレンジされた「TREASURES OF TIME 2018」、おなじみ「ルパン三世 愛のテーマ」こと「STOLEN MOMENTS 2018」等、ルパン・ワールドを語る上で欠かせない名曲の数々を改めて聴けるのも嬉しい。さらに、『ルパン三世 カリオストロの城』に登場する「団体様のおつきだァ」が「DANTAI SAMANO OTSUKIDAAAAA 2019」としてセルフカバーされているところにも注目したい。不穏なムードのこの曲がアニメの中でどう使用されているのか?そこで気になるのが、『LUPIN THE THIRD ~GOODBYE PARTNER~』というタイトル。なんと、今回のテレビスペシャルは“次元の裏切り”をテーマにしたエピソードなんだとか。楽曲のアレンジから、ストーリーを想像しながら聴けるのが、ルパン音楽の楽しさ。今回も思いっきり想像を膨らませて聴いてみたい。『ルパン三世』を巡る大野雄二の衰えを知らぬ創作意欲と躍動感に溢れた今作を聴けば、すぐにでもまた新作が出ちゃうかも?なんて思ったりもするのだ。 (Text by 岡本貴之)
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LIVE SCHEDULE
Yuji Ohno & Lupintic Six
2018年2月15日(金)高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
2018年3月23日(土)福井・南条文化会館
PROFILE

大野雄二
静岡県熱海市出身。 小学校でピアノを始め、高校時代にジャズを独学で学ぶ。 慶應大学在学中にライト・ミュージック・ソサエティに在籍。 藤家虹二クインテットでJAZZピアニストとして活動を始める。 その後、白木秀雄クインテットを経て、自らのトリオを結成。解散後は、作曲家として膨大な数のCM音楽制作の他、「犬神家の一族」「人間の証明」などの映画やテレビの音楽も手がけ、数多くの名曲を生み出している。 リリシズムにあふれた、スケールの大きな独特のサウンドは、日本のフュージョン全盛の先駆けとなった。その代表作「ルパン三世」「大追跡」のサウンド・トラックは、70年代後半の大きな話題をさらった。 近年は作曲活動としては「ルパン三世」とNHKテレビ「小さな旅」に絞り、再びプレイヤーとして活動を開始。大野雄二トリオでの活動に加え、 2006年にYuji Ohno & Lupintic Fiveを結成し精力的な作品リリースを続け都内ジャズクラブから全国ホール公演、ライブハウス、ロックフェスまで積極的にライブを行う。
大野雄二 Official HP : http://www.vap.co.jp/ohno/index.html