艶やかな“3”の日から生まれたサンナナニ × THE LIPSMAX、スプリット・ライヴ盤、独占ハイレゾ配信

9月23日(金)代官山LOOPで行われたライヴ・イベント〈GIRLS 3×3〉。関西からはDIALUCK、スインギンなロックンロール、THE LIPSMAX。変則的な編成ながらしっかりとロックンロールなサンナナニと、それぞれ3人の女性で構成されているものの、世代もキャリアも音楽性も全く異なる3バンドが一同に介して、3者3様、艶やかなステージを繰り広げた。
このたびOTOTOYでは当日のサンナナニとTHE LIPSMAXのライヴ音源をスプリット・ライヴ・アルバム『GIRLS 3×3 〜23th SEP,2016@代官山LOOP〜(24bit/48kHz)』としてハイレゾ配信を開始する。こちらはレアなコラボ曲も収録。また、THE LIPSMAXの「LIPSY!!!」も配信開始! 彼女たちの当日の熱狂のライヴに胸を射抜かれた人はこちらもぜひ。ということで、これらの配信音源を熱狂の一夜のライヴ・レポートとともにお届けしたい
サンナナニ × THE LIPSMAX、当日のライヴをスプリット・ライヴ・パッケージとしてお届け
当日の写真をふんだんに収めたブックレットPDF付き
サンナナニ × THE LIPSMAX / GIRLS 3×3 〜23th SEP,2016@代官山LOOP〜(24bit/48kHz)
【Track List】
01. サンナナニ / コミュニケーション
02. サンナナニ / 一生懸命シティ
03. サンナナニ / ひとりじゃ
04. THE LIPSMAX / Devil’s Sisters
05. THE LIPSMAX / Suger High!!!
06. THE LIPSMAX / Miss Bunny
07. サンナナニ × THE LIPSMAX / Every Breath You Take
【配信形態 / 価格】
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
アルバムまとめ購入のみ 972円(税込)
THE LIPSMAX、1stCDとしてリリースされたタイトルも配信スタート
THE LIPSMAX / LIPSY!!!
【Track List】
01. Devil's Sisters
02. I Know What You Did
03. Utano Mamani
04. J.T.Beat
【配信形態 / 価格】
16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
アルバムまとめ購入のみ 972円(税込)
THE LIPSMAX、サンナナニ、DIALUCK三者三様の個性で魅了
9月23日(金)代官山LOOPにてライヴ・イベント〈GIRLS 3×3〉が開催され、3組の女性3ピースバンドがそれぞれの個性を発揮したライヴで観客を魅了した。
この日はあいにくの雨でかなりの肌寒さとなった東京都内だったが、会場となった代官山LOOPには開演時間が迫るにつれて続々とお客さんがフロアに集まって徐々に熱気が充満してきた。
関西からの刺客、DIALUCK

トップバッターは関西からやってきたバンド・DIALUCKが務めた。はる(Vo.Gt)が「東京、代官山~! ダイアラックです!」と第一声をかけて「ためいき」からゆるりと始まったライヴは、ブレイクビーツを思わせるしおり(Dr)のドラムがラップ調に歌うはるのヴォーカルにピタリと寄り添っている。息継ぎが聴こえるほどの空気感から、力強くバスドラが「勇灯最終列車」に導き、オートワウをかけたテレキャスが空気を一変させる。観客の手拍子と演奏が重なり合ってポリリズムとなっていく場面もあり、ステージは徐々に熱を帯びてきた。
クリスマスツリーに掛けられているような電飾を纏ったステージから、しおりが刻む絶妙なハイハットに合わせて歪んだコードを鳴らすはる。サポートベーシストのかなたまは重く足跡のようなフレーズを置いていく。はるがバイクに乗りながら歌うMVも話題となった「あの街まで」では曲間に手拍子を求めて観客を巻き込んでいく。
「各バンドとも女3人、こだわりがあります。そこに着目して最後まで楽しんでください」はるのMCから、ラップからグラデーションのようにメロディアスなサビへと続く「セーシュン」へ。所謂ロックバンドとはひと味違う、甘酸っぱいリリックをけだるいメロディと緩やかながらタイトなサウンドに乗せた、人力ヒップホップ的な面白さがあるライヴを見せてくれた。
堂々、ロックンロールなTHE LIPSMAX

続いてはストレイキャッツばりのロカビリースタイルのTHE LIPSMAXの登場だ。「Tequila」に乗って陽気にステージに姿を現したLOVE(Gt.&Vo)TOKIE(Ba)山口美代子(Dr)。「Devil's Sisters」でスタートしたライヴは、いきなり出音がデカい! TOKIEのアップライトベースからシャッフルのビートに乗せてアコギを弾いて歌うLOVE。ブレイクした瞬間、暗幕をバックにした山口に照明が当たると、まるでクラシカルな映画のワンシーンのようだ。続けて、OTOTOYの対談でも話題に上ったナンバー、“もしも男に生まれ変わったら”と歌う「Miss Bunny」では、TOKIEがベースソロで沸かせ、2番では“ツーバス踏みたい!”と山口に願望が飛び出し、観客も大喜び。なにしろ初っ端から豪快な演奏が楽しい。
「雨の中、よく来たね! 今日は楽しむよー!」とLOVE。聞けば3人揃ってのライヴは8月のレコ発以来とのことだが、明るく盛り上がりブルースからテンポアップする展開で楽しませた「Sugar High!!!」や「Sweet Chilli Chilli」といった演奏は息ピッタリ。曲ごとに様々な表情を見せるその演奏力、歌唱力がより露わになったのが、迫力のスカ・ナンバー、英詞の「Meow Meow」だった。合間にはラジオパーソナリティとしても活躍するLOVEが、山口が吉本新喜劇の“すち子”にハマっているなんていう情報を交えつつの軽妙なトークでも大いに楽しませてくれた。ラストは16ビートで「The Lip Smack」。LOVEの伸びやかな歌声、ベース・ソロ、ドラム・ソロで観客を巻き込んで行った。後半になるにつれ加速してクライマックスを迎えるようにライヴを運んでいくさまは、まさに圧巻の姉御肌。大人の女の魅力を存分に発揮した堂々たるステージングであった。
多彩なサウンドで迫るサンナナニ]

転換の間に流れていたのは、今日のイベントにピッタリな曲、ゆらゆら帝国の「3×3×3」だ。そしていよいよ3組目、トリを務めるサンナナニが登場した。揃いのYシャツとネクタイ、腕には赤い腕章をつけたスタイルでステージに登場すると、AZUMA HITOMI(Vo.Syn-Ba.)のスキャット、シンセベースからひぐちけい(Gt)のディレイをかけたスペイシーなリフ、U(Vo.Dr)がリズミカルにハイハットを刻みながらAZUMAと共に歌い、3人の音が1つになった「熱帯魚」でライヴが始まった。空間を活かしたエフェクティブなギターをAZUMAの弾くシンセベースと土着的なドラムが支えているサウンドは、先ほどの2組ともまったく異なる独創性溢れるもの。
「今日は女子が3組集まっていますが、3バンドそれぞれの音楽を出せるイベントに呼んで頂いて嬉しいです!」とのAZUMAの第一声から、「せーの!」と3人のかけ声から「なげいても」へと続く。3人での演奏ながら音圧がすごい。ライブ感が加速していく「コミュニケーション」からUのMCではDIALUCK、THE LIPSMAXそれぞれのライヴについて触れ、「OTOTOYさんで対談したその日から、LOVEさんのラジオ「LOVE CONNECTION」(Tokyo FM)をめっちゃ聴いてる(笑)」そうで、THE LIPSMAXへの憧れも告白。ミディアム・テンポの「タイムトラベラー」ではひぐちがタイトル通りに時を翔けるようなギターを放つと、髪を振り乱すアクションを見せるAZUMA。続く「山月記」はUのセリフ入り。ハードなブギナンバーで沸かせてから曲の終わりに昔話風に「めでたし、めでたし」と締めるギャップになんだかほっこりさせられた。
>>〈GIRLS 3×3〉開催前、出演3バンドによる座談会特集ページ
メンバー紹介を経て、ラストはドラム、シンセベースのセッションから、AZUMAがシンセでツマミをグイ~ン、ミョ~ンといじりながら曲紹介。強烈なギターのイントロから始まる「一生懸命シティ」だ。パンキッシュなロックンロールのAメロから一転、サビでは憂いのあるメロディラインが耳に残る。間奏ではセンターでギターを弾きながら客席を煽るひぐち。すでにライヴでおなじみの曲ということもあり、サビを一緒に歌っている観客も多かった。
サンナナニ x THE LIPSMAX、セッションへ

アンコールでは「今日は3ピースバンドのイベントですけど、三角はバランスがすごく良いんですよね。1つ点がなくなると形が崩れちゃう、ギリギリの最小人数でやってるのが楽しい」とAZUMA。「私たちの今の推し曲です」と、「ひとりじゃ」を披露した。どこか懐かしさを感じさせる旋律と浮遊感がありながらタイトな演奏が印象的な楽曲で、彼女たちの音楽性を象徴しているように思えた。曲が終わるとマイクスタンドがセンターに置かれ、Tシャツ姿のLOVEとTOKIEがステージに。LOVEが「OTOTOYさん素敵なイベントありがとうございます! みなさん今日は楽しんで頂けましたか!?」と声をかけると観客から大きな拍手が送られた。「せっかくだから3人組バンドのカバーを」ということで、LOVEの流暢な英語による曲紹介からThe Policeの「Every Breath You Take」(見つめていたい)をプレイ。AZUMAとLOVEが貴重なデュエットを聴かせてくれた。両手を広げてゴスペルを思わせるような歌唱で大団円のエンディングへ。まさに三者三様、バンドの個性も違えば1人1人のパーソナリティもまったく異なる3組によるライヴに魅了された、じつに贅沢な一夜だった。
取材・文:岡本貴之
写真 : 大橋祐希
〈GIRLS 3×3〉セットリスト
2016年9月23日(金)
会場 : 代官山LOOP
出演 : THE LIPSMAX / サンナナニ / DIALUCK
DIALUCK セットリスト
1.ためいき
2.勇灯最終列車
3.あの街まで
4.Daydream
5.おとぎばなし
6.セーシュン
THE LIPSMAX セットリスト
1.Devil's Sisters
2.Miss Bunny
3.Sugar High!!!
4.Sweet Chilli Chilli
5. Meow Meow
6. YOU
7. Fantasy in blue
8. The Lip Smack
サンナナニ
1.熱帯魚
2.なげいても
3.コミュニケーション
4.タイムトラベラー
5.山月記
6.チェリーセージ
7.一生懸命シティ
アンコール
1.ひとりじゃ
2.Every Breath You Take(With LOVE,TOKIE)
PROFILE
LIPSMAX profile

女に生まれた愉しみを奏で尽くすロックンロール・トリオ・バンドTHE LIPSMAX(ザ・リップスマックス)。2013年秋、それぞれに独立したキャリアを持ちながら、世代をクロスオーバーした最強の女性メンバーで結成。FUJI ROCK FFSTIVAL ’14 Gypsy Avalon Stageステージ最終日のクロージング・バンドとして初参戦を果たし、確かなテクニックと華のあるパフォーマンスで会場を湧かせる。また、同日2014年7月27日には初の4曲入りCD「LIPSY!!!」をリリースしており、現在は、ライヴ会場及びWEB STOREで販売中。THE LIPSMAXの歌詞はすべて、幼少期を米国やインターナショナルスクールで過ごしたLOVEが手がけ、バンド内最年少ながら肝っ玉のボーカルは必聴。アップライト・ベースで圧倒的なグルーヴを繰り出す花形ベーシストTOKIE、そして海外ツアー経験も豊かなドラマー山口美代子は立ち&座りの両スタイルで爆発的パフォーマンスを見せる。女3人で自由自在、必見のライヴ・バンドである。
サンナナニ profile

川本真琴、フルカワミキ、コレサワなど女性シンガーソングライターのサポートを務めるドラム・ボーカル「U」と、同じくコレサワ、Chelsy、井上苑子といったアーティストのサポート・ギタリスト「ひぐちけい」に加え、矢野顕子の近作アルバムへのトラック提供などで知られるテクノ系シンガーソングライター「AZUMA HITOMI」による女性スリーピース・ロック・バンド。 ギター、ドラム、シンセ・ベースにツイン・ヴォーカルという変則的な編成と、クラシック・ロック、昭和歌謡曲、ニューウェイヴをミクスチュアした音楽性を武器に、ライブバンドとしての頂点を極めるべく2016年初頭より活動開始。7月13日には結成からわずか半年で初ワンマンライブを実現、大盛況へと導く。
DIALUCK profile

大人もパリピもメンヘラも、れぺぜん大阪。 ゆるリリック、癒しのメロディー、新感覚ガールズ・バンド。