驚異の立体音響! 音楽での新たな体験、その可能性を形にする鳥クルッテル.incって何モノ?!
音楽で人と人が結びつけ、新しい音楽の可能性を見い出すためさまざまな音楽イベントやワーク・ショップを企画する2人組、「鳥クルッテル.inc」。彼らのイベントでは、四方を囲むスピーカーにより、一つひとつの音の色や形、動きが見えるように感じる取れる臨場感のある音響システムを使うことによって、360度縦横無尽に音が動き回る新感覚の音楽体験をすることができるという。今回OTOTOYでは、特別な音響システムを使用しなくても、この音楽体験ができる「Kachōfūgetsu 〜fireworks〜」を配信開始。彼らの活動や、サウンドの作り方まで、さまざまな話を訊いた。
OTOTOY配信限定!〈Kachōfūgetsu〉のイメージサウンド
鳥クルッテル.inc / Kachōfūgetsu ~fireworks~
【配信価格】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/96kHz) : 540円
AAC : 216円
【Track List】
1. Kachōfūgetsu ~fireworks~
>> 〈Kachōfūgetsu〉特設サイトはこちら
INTERVIEW : 鳥クルッテル.inc
珍味感漂う変わったアーティスト名と、サウンド表現への強いこだわり、そして360度新音楽体験【サラウンド×DJ】等の音楽イベント、ワークショップの企画・運営や音による空間演出などを通じて“人と人のつながりから生まれる新しい音楽の可能性”を形にしているという、まさにOTOTOYの大好物要素てんこ盛りな2人組・鳥クルッテル.inc。所謂ロック・ポップスではなくアンビエント・ミュージックでもないサウンド体験ができる〈Kachōfūgetsu〉は、そんな彼らが新しい音楽表現の可能性を拡張しようと試みた音源だ。“鳥人(とりじん)”的なビジュアルで謎に包まれたメンバーのJimiに今作に至るまでの経緯、制作過程を詳しく聞かせてもらった。
インタヴュー・文 : 岡本貴之
「自分のやりたいことってなんだったんだろうな」って考えたとき、サラウンドをまた意識しだした
──鳥クルッテル.incはお2人でやっているチームなんですよね?
Jimi : そうです。僕とインドウマサノリの2人でやっているんですけど、インドウはフリーでバンドのマネージメントを手掛けていたりもともと音楽業界の人間で。僕は大人の事情があって顔出しNGなんですけど(笑)。
──それで鳥に扮している、と(笑)。もともとどんな経緯で結成されたのか教えてもらえますか。
Jimi : 結成はかなり前になるんですけど、「このままイベントをやっていても新しいものを創り出せないな」と思って、それができるようになるまでは次はやらないと決めて活動休止してたんです。その間色々な表現を模索する中で、“サラウンドDJ”っていう、人前に出しても良いかなっていうものが1つできたので、じゃあ復活させようということになったのが3、4年前ですね。
──ブログを拝見したら「365日360度サラウンドについて考えている」と書いてあったんですが、そもそもサラウンドについて考えるようになったのはどうしてなんですか。
Jimi : もともと、サラウンドっていう言葉を知る前から、音に囲まれてウワ~ってなるような曲を将来作りたいなっていうのが漠然とあったんですよね。そういう思いがありつつバンドもやって解散して、イベントもやったんですけど行き詰って。そこで「自分のやりたいことってなんだったんだろうな」って考えたときに、サラウンドっていうことをまた意識しだしたんですよね。それでしばらくそれをどうやったら実現できるか、色んな人に話を聞きにいったりしていたんですけど、なかなかできなくてあきらめかけていたんです。そんなときにある人に出会って、その人のスタジオに行ったら自分が思っているサラウンドを実現できるテクニックを持っていたので、出入りするようになって。そこで勉強もして、機材も買ったりして世に出して良いくらいのものができるようになったので、イベントを再開してサラウンドDJとして活動しながらどんどんブラッシュアップしてきた感じですね。
──現在の具体的な活動として、サラウンドDJが体験出来るイベントとして日本全国を縦断するロックDJイベント「渡り鳥」を主催していらっしゃいますが、これはどんなものなのか教えてもらますか。
Jimi : スタートは日本の色んな地域のロックDJを東京に呼んできてイベントをやっていたんですけど、その中で色々な人に話を聞く中で、色んな地域で音楽やDJをやる面白さに気付いたので、逆に今度は僕らが地方に行こうということになって。ただ自分たちが行きたいから勝手にツアーしますっていうのも何なので、どうせなら「来てほしい」って言ってくれるところに行くのがお互いに楽しいことなんだろうなって。それでミッションを設けたんですけど、それが「無料メルマガ新規登録48人を達成した都道府県から順にDJイベントを開催する」ということで。1回目が北海道、2回目が大阪、3回目に番外編で台湾でやってきて、2017年には東京、名古屋でやりました。
──これは邦楽ロックに特化したイベントなんですよね?
Jimi : そうです。僕とインドウは日本のバンドが好きだったというのもあって。それと、サラウンドDJっていう表現はスピーカーを前に2つ、後ろに2つ置いてお客さんを囲む形で音が回るようにやっているんですけど、普通のロックのライヴに行くときって、お客さんの前にスピーカーがドンッてあるじゃないですか? 後ろにはスピーカーがないですよね。
──確かにそうですね。
Jimi : だから、ロックでサラウンドDJをやるのが違いが一番わかりやすいかなって思ったんです。クラブだと、サラウンドとはまた違いますけど、フロアにスピーカーがいっぱいあってどこに行っても音がスカスカしないようにしているということもあるので、それよりはロックでやった方がよりわかりやすいかなって。サラウンドっていう表現自体は、EDMとかHIPHOPとか色々可能性があると思うんですけど、伝わりやすいと思ったのはロックだったんです。
──そのサラウンドDJとは別に主催しているのが、サウンドインスタレーション「Kachōfūgetsu」ということですが。
Jimi : もともと、空間で何かを表現するっていうのが好きだったのでギターを演奏していたときも意識はしてたんです。初めて会ったコンテンポラリーダンサーとヨーイドンでいきなり即興でコラボしたのを映画監督が気に入って使ってくれたりしたこともありますし。だからインスタレーションも空間で考えるので、自分としては自然な表現の1つなんです。今回の「Kachōfūgetsu」【時鳥 トキドリ】は植物の複雑な造形からインスピレーションを受ける形で音と空間を作って行くというシリーズなんです。【時鳥 トキドリ】は植物の造形を利用して「日本の夏の花火」を表現したインスタレーションで、昼・夜2つのバージョンを作りました。
──その発想はどんなきっかけで生まれたんですか?
Jimi : サラウンドDJを野外でやったことがあったんですよ。スピーカーを4つ置いてやってみたんですけど、室内に比べて音にまとまりがなくてそれぞれのスピーカーから音が鳴ってるだけみたいになっちゃってたんですよ。野外でやるときには新しいグルーヴじゃないと表現としてはつまらないなと。それで他の方法を考えていく中で、フジロックで森の中の移動していくところにあるステージ(「木道亭」)をイメージして、そこでできそうなカッコイイことって何かないかなっていうところまで発想が飛躍したんですけど、そのときに音で周りから囲まれるっていうやり方以外にも、前面から木の枝のように複雑に音が鳴っているようなサウンドも面白いなと思ったんです。それはサラウンドでもなんでもないですし、たぶん今までそんなことをやっている人たちはいないと思うんですよ。その発想は面白いなって自分の中で温めている中で、インスタレーションをやるときに良い機会だから、サラウンドとはまた違う形の音の表現をやってみたいなということで始めました。
──これも特別な機材を使わずにできているものなんですか?
Jimi : 結果的に特別な機材は使っていないんですけど、使いたいなと思っているものはあるんですよ。例えばスピーカーで、向けた方向の直線上にある物に当たると、そこにスピーカーがあるかのようにそこで音が鳴るんですよ。それが100mくらい先まで行けるっていう機材で。
──へえ~そんなスピーカーあるんですね。
Jimi : 今回は予算的な折り合いがつかなかったんですけど、次回は使う予定です。今回に関してはスピーカー自体は珍しいものは使っていないんですけど、水琴窟を設置して水の音とかポーンって高い音を出したり。それが昼バージョンで。〈Kachōfūgetsu〉の特設サイトを見てもらえばわかると思いますが、場内に入っていくときにすでに音が鳴っていて、中に入るとより鮮明に綺麗な音が聴こえてくるようになっています。松の枝とか、色を塗ったドライフラワーを配置していて。その中で音が鳴っている感じで。
──この青い植物も色を塗っているんですか?
Jimi : いや、これは「タビビトノキ(旅人の木)」っていう植物の種なんですけど、もともと青いんですよ。こういうナチュラルな面白い色の植物とか逆に色を塗った植物を使ったりしてます。他にも金色のオブジェをつけてみたり家から持ってきたスピーカーの部分だけをつけてみたりしてます。全体のイメージとしては、何が一番日本ぽいかを考えて花火の「ボンボンボンボンッ!」って炸裂する感じを植物を使ってイメージして作りました。夜バージョンもあるんですけど、夜は照明とかレーザーとかを使って、花火がパチパチ鳴っているような感じで。こだわっているポイントとして、映像でなんでもかんでもやっちゃうとモノの質感が伝わらないので、プロジェクションマッピングじゃなくて単純に光とレーザーでやっているんです。モノの質感を生かした上で新しいことをやりたいなと。結構花火っぽくなってると思いませんか?。
──これを観ると本物の花火を見ているような気持ちになりますね。
Jimi : でもこれは展示なので、終わったら壊しちゃうわけです。そこでジレンマとしてあるのが、こういうサラウンドとか立体的な音響のものって「行ってみないとわからない」ということがあって。ただ、昨今の世の中って行く前に楽しいことがわかってないと行かないんですよ。
──ああ~、確かにそうですよね。
Jimi : ネットとかの情報で行ったらそこそこ楽しいことが事前にわかっているところに行くっていう。それだってたくさんあり過ぎて全部はとても行けないわけですからね。だから、行ってみないとわからない未知の体験があるっていうのは今そんなに必要とされていない気がするんですよね。そう思ったときに、その場所に行かなくても楽しんでもらえる方法を考えたのが今回の音源「Kachōfūgetsu ~firewroks~」で、作品をイメージするようなサウンドを作りたいっていうのが、今作のコンセプトなんですよ。
ここで「Kachōfūgetsu~firewroks~」の制作過程について教えてもらいましょう
Jimi : まず家にサラウンド環境がある人は少ないですし今はスピーカーも無くてヘッドフォンやイヤフォンだけで音楽聴いてる人が多い時代ですよね。なので今回はみんなが普段使っている普通のヘッドフォンやイヤホンで立体的な空間をいつでも感じられる、というのが大事なことなんです。それを実現させるために今回の音源はアコースティックフィールドの久保さんというエンジニアの方の「HPL」(Head Phone Listening)という技術を使っています。
HPLはヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴いてるのにスピーカーで聴いているかのように聞こえるようにする技術です。サカナクションがバイノーラルをやってましたがあれはマイクで録音するバイノーラル録音でこの技術はPCで音を制御するのでバイノーラルプロセッシングということになります。
わかりやすいように絵を使って説明しますね。ヘッドフォンやイヤフォンだと耳に直接あたっているので耳の近くで音が鳴っている状態です。それも顔の真横から音が鳴ってるわけですよ。
ですがHPLを使うことで離れたところからスピーカーで聴いているような状態にすることが出来ます。
HPLは普段皆さんが聴いてるステレオ(2ch)音源用のHPL2、サラウンド(5.1ch)のスピーカー環境を再現するHPL5など様々な環境を再現することが出来ます。
なのでこの技術を使って音源を作ってるので「Kachōfūgetsu~firewroks~」はヘッドフォン、イヤフォンリスニング専用ということになります。普通のスピーカーでは逆におかしな音になっちゃうのでダメです。
今回「Kachōfūgetsu~firewroks~」ではHPLを使って写真のような状態を再現してもらいました。
真ん中の椅子に座りながら頭上の前後左右4つのスピーカーと下の前後左右4つのスピーカー合計8つのスピーカーに囲まれている状態です。
HPLの簡単な説明が終わったところで次は制作の手順についてです。
主な手順としては僕のPCから普通の音をまず出して、そのHPLのソフトが入ってる別のPCに送ります。そしてそのPCでHPLで音をバイノーラルに変換させます。最後にそのバイノーラル化した音を僕のPCにまた戻します。それをひたすら繰り返して音のストックを増やしてから僕のPC上で編集していきました。
写真はHPLが入っているPCのものです。
そうすると音が、普通のイヤフォンとかヘッドフォンなのに、色んなところから聴こえるようになるんですよ。聴いていただいたと思うんですけど、ちゃんと音って動いてました?
──もちろん動いていましたよ(笑)。PCからヘッドフォンをつないで聴きましたけどめちゃくちゃ色んなところに音が動き回ってる感じでした。
Jimi : じゃあ実際に音を聞きながらもう少し詳しく説明しますね。
まず今回の音源はインスタレーションのイメージサウンドということで花火の音が出発点です。頭の上で「バンッ!」と大きく音が鳴って下に「パラパラパラパラ」と音の粒が降ってくる感じから音のイメージを広げていこうと思ったので
写真のような頭上前後左右の面と
足元前後左右の面をポイントにして使っています。
実際に音を聴いて頂くと
まず0秒から8秒までは普通の音で左右に動かしているだけです。
8秒から16秒までが足元の面で16秒から25秒までが頭上の面です。
最後26秒からは上下ともに発音タイミングをずらして鳴らしてます。
ヘッドフォンでバイノーラルをやる場合自分の後ろの音は比較的わかりやすく認識出来るんですが自分の前の音が難しいんですよ。リアルの世界だと自分の前方はまず目で見て情報を確認してそこに音の情報を足して認識する、という感じですしね。
続いて今回の音源ではHPL2というステレオ2chの音を前のスピーカーから聴いているように聴こえるようにするためのものも使用しています。
まず0秒から3秒までは普通のステレオ2chの音です。
3秒から6秒までがHPL2を使った音になります。
それでは最後に今回の音源をフルで聴いてみてください。
※音質が良くないデモなので作品としてではなくあくまで音の構成を確認してみるための音源として聴いてみてください。
どうでしょうか? これらのHPLとHPLを使ってないそのままの音。さらに別のソフトでバイノーラル化した音をミックスして「Kachōfūgetsu~firewroks~」は出来ています。
HPLはあくまでスピーカーの環境を再現してるだけなので「音をどういう配置にするか、」「音色はどうするか、」「音を鳴らすタイミングはどうするのか」「どうすればより空間を感じやすいか」などを考えていくのが作曲のポイントになってきます。システム上では前から音が鳴ってることになってるけど自分にはそう聞こえないというか認識出来ないなんてことも当然出てくるのでそこをどうやるか。難しいけど自分がやる意味だとも思いますね。
スタジオで聴いている音をそのまま届けたい
──HPLでいうと、2014年の時点でe-onkyo musicから作品が配信されていたりしますよね。ただ、クラシックやジャズが多くてロックやポップスの作品があまりない印象です。
Jimi : ポップスとかアイドルの作品も本当はあるんですけど、作る側も聴く側も徹底的にスピーカー環境を追及している人たちが多いのがクラシックとかジャズの人たちなのかなって。HPL自体がもともと派手なコンセプトじゃなくて、ヘッドフォンやイヤフォンでも曲をスピーカー再生されたような自然なミックスで聴けるようにしようっていう技術ですからね。
──今、大人数のアイドルグループも多いですけど、同時に歌ってるメンバー1人1人の声がバラバラに分かれて聴こえるのも可能ってことですか。
Jimi : ああ~良いですね。HPL2だとちょっとやってみてないのでわからないですけど、サラウンドのHPL5ならいけそうですね。
──音源としては普通に作っておいても、HPLにできるんですか。
Jimi : そうです。要は、最後にソフトを通すだけでできますね。操作も難しくなくてコストもかからないですし、クオリティも上げられるということで、ラジオとかにも使われ始めているかなっていうところですね。僕みたいな使い方は異例です(笑)
──そのときに、音が劣化したりはしないんですか?
Jimi : 劣化ではないですけど、ちょっと音が遠く聴こえちゃったりとか、迫力が弱まったりして聞こえるように感じることはあるかもですね。でもそれは今までのヘッドフォンの音が耳に近過ぎてただけだったりするんですけどね。そんな時は難しく考えないで小さく聞こえたらボリューム上げてもらえればOKです。今こちらのサイトでHPL2が無料ダウンロード出来るのでいろんな曲に使って試してみたらどうですかね。HPLを使った楽曲の紹介もされてるのでチェックしてみてください。
──音源を聴かせてもらったときに、もともとJimiさんがやっていたロックDJをいずれ繋げていくつもりなのかなと。
Jimi : 繋げていかないと広がっていかないですし、いずれはやりたいです。僕としては(笑)皆さんから久保さんにリクエストして頂いて(笑)今回はコンセプト的に音をめちゃくちゃ動かしてやろうっていうことではなくてシブい音でしたけどロックでやるのであれば音を簡単に3Dで動かせるようなソフトを久保さんに借りて派手にやっていく必要もあるでしょうね。
──「Kachōfūgetsu」はハイレゾ配信されますが、その点についてはいかがですか。
Jimi : 正直、音や曲によってはハイレゾの良さがわかりやすいものとわかりにくいものは当然あると思うんですけど、1つ言えるのは、ハイレゾがどうっていうことじゃなくてアーティストの立場で言うとスタジオで聴いている音をそのまま届けたいっていう気持ちがあるわけですよ。今回音源の解説のためにアップしたフルのを聞いたら全然ダメで消そうと思ったくらいです。作品と呼べるレベルなのはあくまで販売しているハイレゾ音源の方なのでデモで止まらずぜひ購入して聴いて欲しいです。
──それは多くのアーティストが言ってますね。
Jimi : だからできれば、非圧縮でなおかつ自分が聴いてる環境で聴いてもらうのがベストですけど、でもそれは無理なので(笑)。出す側の時点では極力良い音で出したいっていうことはみんなが思ってることだと思います。僕の場合だと、たとえば森の中の自然な音でなんとなく癒されるサウンドみたいなステレオの音源よくありますよね。僕がやりたいのは森の中で自分の左足の後ろから前方の右側に向けて小川が流れてて頭の右後ろ奥から左斜め前方に鳥が飛んでというような繊細な話なので。圧縮するたびに森がぼんやりしてく。それはサラウンドの新しい表現からすると致命的なことなんです。なんとなくじゃなくて徹底的に癒してあげたい(笑)最終的にサラウンド表現っていうことに関しては非圧縮の方に近づくほど絶対面白くなってくるので、みんながハイレゾの方が面白いと思ってもらえる環境の方が絶対に面白いこともできると思います。
──普通にロック・ポップスを聴くのとはまた違う音源ですけど、どういう人たちに聴いてほしいですか?
Jimi : どういう人たち、というよりはみんなに音楽には新しい可能性がまだまだあるんだっていうことを感じ取って欲しいですね。もう1つはこの音源でインスタレーションに興味を持ってもらって実際に足を運んでもらいたい。そして音にこだわることで空間がリッチになって面白いということを感じてほしいです。というのも、音がもうちょっと良かったら空間とか表現のレベルが上がるのに残念だなっていうコンテンツが結構あったりするんですよ。ビジュアルも突き詰めつつ、音にこだわることで表現も深くなるし感動も何倍も増えると思います。これからいろんなイベント・コンテンツが日本で増えてくでしょうから音の表現へのこだわりを日本から世界へみんなでどんどん発信していきたいですよね。
──最後になっちゃったんですけど、「鳥クルッテル.inc」の由来ってなんなんですか?
Jimi : “閃いたから”それだけです(笑)。
次回のインスタレーションが2018年2月12日に開催されます。現在クラウドファンディングに挑戦中ですのでこの記事を読んで、音を聴いて興味を持って頂けた方はぜひチェックしてみてください。
PROFILE
鳥クルッテル.inc
Jimi、インドウマサノリの2人による【人と人が結びつくことで見えてくる音楽の新しい可能性を形にする】をテーマに音楽イベント・ワークショップの企画・運営、音による空間演出などを手掛けるチーム。
>>> 〈Kachōfūgetsu〉特設サイト
>>> ワークショップ専用のサイト