モーモールルギャバンはドクターペッパーになりたい!?──初セルフ・プロデュース作品を配信開始
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ロマンティックで刺激的なサウンドと、グッとくる胸キュン・サウンド、そして熱いライヴパフォーマンスで、中毒者を続々と増やしているロック・バンド、モーモールルギャバン。2018年9月26日(水)に初のセルフ・プロデュース作品となる新ミニ・アルバム『IMPERIAL BLUE』をリリース! 1度聴けば一緒に歌えるようなキャッチーな楽曲が並ぶ今作の制作について掘り下げるために、彼らにとって大きなできごととなった、今年2月に出演した、インドのプリーにて開催されたフェス〈ODISHA JAPAN FESTIVAL〉についての話から語ってもらった。
初のセルフ・プロデュース作品、配信してますよ!
INTERVIEW : モーモールルギャバン
前作『ヤンキーとKISS』リリース時のインタヴュー以来のモーモールルギャバン特集となるわけだが、アーティスト写真からジャケットから、前回と全然違うじゃん! と思わざるを得ない、新作ミニ・アルバム『IMPERIAL BLUE』。しかも今回は初のセルフ・プロデュースで作られた作品だという。そこに収録された楽曲たちは、タイトル曲「IMPERIAL BLUE」をはじめ、一緒に口ずさみたくなるキャッチーなメロディばかり。ところが、完成までには「ハラハラドキドキ」な制作過程があったようだ。そんなこととはつゆ知らず、呑気にインドのフェス〈ODISHA JAPAN FESTIVAL〉出演時の話から遡って訊いてみた。ところがインドでのライヴ経験が、ちゃんとアルバムへと繋がっていたのであった。
インタヴュー&文 : 岡本貴之
写真 : 大橋祐希
俺はドクターペッパーになりたい
──2018年2月28日〜3月1日にインドのプリーにて開催されたフェス〈ODISHA JAPAN FESTIVAL〉(〈PURI ROCK FEST 2018〉改め)に出演されましたよね。映像を見たら、インドの若い女の子たちが熱狂的に盛り上がっていてビックリしました。
ユッカ(Key&Vo&銅鑼) : あはははは(笑)。
──普通の服装で演奏しているのがまたいいなと。
ゲイリー・ビッチェ(Dr&Vo / 以下、ゲイリー) : そうなんですよ。主催者から「服は着てくれ」って言われたので。
ユッカ : やっぱり、インドは服装に関してはセンシティヴなので、着てくれと。
ゲイリー : インドはめちゃくちゃ最高でした。帰りの空港に向かうバスの中で俺はずっと号泣してましたから。「帰りたくない!」って(笑)。
ユッカ : インドロスでね(笑)。
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ゲイリー : インドに行ったのは17年振り2回目だったんですけど、前回は日本でいえば東京と京都みたいな、デリーとバラナシに行ったんです。今回は「インドの富山県」みたいなプリーというところで。
ユッカ : 富山なのかな(笑)? どこだろうね、日本で言ったら。のどかな感じ。
T- マルガリータ(Ba / 以下、マルガリータ) : のどかな港町でした。
ゲイリー : 大分とかかな? まあそういうのんびりゆったりした感じで。でもなんでもあるし、「インド最高だな〜」って。ライヴはビックリするくらい盛り上がりましたね。なんか、勇気が出ました。
──マルガリータさんは、はじめてのインドだったんですか?
マルガリータ : そうです。楽しかったですよ。海外に行ったのは前にバンドで台湾に行って以来2回目だったんですけど、パンチが効きすぎてもう衝撃の連続でしたね。
──よく、インドに行ったら人生が変わる、とか言いますよね。実際どうですか?
マルガリータ : 影響を受けにくい方なので、そんなに変わってはいないんですけど、カルチャーショックはすごく受けましたね。ライヴでは「こんなに反応してくれるんだ?」っていう気持ちでした。最初に学校のホールでやったときは、制服を着た女の子たちがちゃんと座って聴いていたんですけど、ライヴ中にチラッと見たらみんな立ち上がっていて。
ユッカ : 「そんな純粋な目で見ないでくれ」っていうくらい、本当にキラキラした顔で見てくるので。めちゃくちゃ楽しんでくれてるっていうのが伝わってきましたね。喜んでもらえてよかったです。
──最初からバーッと盛り上がったんですか?
ユッカ : 主催者の方がおっしゃっていたんですけど、インドって所謂エレキギターがいてベースがいてドラムがいてっていう、バンド文化の土壌がないそうなんです。だからライヴを見ながら、「これはなんだ!?」っていう人もいたんじゃないかと思います。何か所かでやらせてもらったんですけど、最後にメインとなるプリーの海辺の会場でやらせてもらったときは、最初はちゃんとした椅子があって座って観てたんですけど、最終的にはナイトクラブみたいになっちゃって。
ゲイリー : バンドはないんですけど、文化的にはすごく音楽が根付いてるじゃないですか? たとえば、俺がサウンドチェックでドラムを叩くだけで、いちいちその音に反応してくる感じがあって。「ああ、彼らの魂に響いている」って思って、感無量でした。
──それで帰りたくなくなってしまった、と。
ゲイリー : 帰りたくなかったですね〜。もう、殺伐とした日本の音楽業界に戻りたくない、みたいな。
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一同 : (笑)。
──そういえば、フェスのオフィシャル・ウェブサイトに載ってるイベント終了後のコメントでゲイリーさんは「国内ではなかなか肩身の狭いバンドマンという生き方に改めて誇りを持つことができました」と書いてますよね。肩身狭いですか?
ゲイリー : 肩身は狭いですよ。狭いでしょ。
ユッカ : インドが温かく迎えてくれたのがスペシャルだったっていうことじゃない?
ゲイリー : いや、そうなんだけど、じゃあなぜスペシャルかというと、インドってちゃんと普通にミュージシャンがリスペクトされていて、仕事として当たり前のように生活の中にいるんですよね。なんか日本はよくわからないですけど、そういう感じではなくて。たとえば飲み屋で知り合った人なんかに「何やってる人なんですか?」って訊かれて「音楽やってます」って言うと、「アルバイトしながらメジャーデビューとか目指してやってるんですか?」みたいなことを言われて。「まあ一応メジャーなんですけど……」って答えるっていう。なんか、音楽が仕事として成り立ってる雰囲気が社会的にあんまりないっていうか、成り立ちにくいというか。ミュージシャンが自分の身近にいないものとして捉えられていて。それで、身近にいるミュージシャンは全員クズ、みたいな。
──(笑)。
ゲイリー : なんかうまく説明できないですけど(笑)。普通に生きてるだけなのに、面倒くさい視線を向けられることがすごく多いんですよ。
──それが、インドでは全くそんなことがなかったということですか。
ゲイリー : もう、ただ単に音楽をやって普通に喜んでくれるっていうか。ギブ&テイクって言う言葉はあんまり使いたくはないですけど、音楽を奏でることでのギブ&テイクがすごく健全に行われていて。人と人とのコミュニケーションの手段っていうか、そもそも人と神様のコミュニケーションの手段として、人間の根本にあるものが音楽だったりすると思うんですけど。その音楽が当たり前の存在であるということを、インドで再確認させてもらったなっていう思いがあります。だから逆に、すごく勇気をもらいましたよね。日本でライヴに来てくれるお客さんの中には、「モーモールルギャバンがいてくれてよかった!」って言ってくれる人はいっぱいいるんですけど、普段はどちらかというと、「この社会の中で生きてる価値あんのかな?」って思うことの方が多いんですよ。社会の大多数にとっては、すごくどうでもいい存在なので。ごく少数のガチなファンの人たちにとってのみ、必要不可欠な存在なだけであって。
ユッカ : それはもう、世の中の全部がそうじゃん。
──一般人の立場からすると、ミュージシャンの方みたいに「誰かにとって必要不可欠な存在」だなんて思えることって少ないですよ?
ゲイリー : う〜ん…… たとえば、「ドクターペッパー」を大好きって人はあまり多くはないけど……。でもやっぱり、「ドクターペッパーがないと死んじゃう人」って、「モーモールルギャバンがないと死んじゃう人」よりは圧倒的に多いんですよ。100倍はいるんですよ、たぶん。
ユッカ : そりゃあ、ドクターペッパーの知名度は半端ないから(笑)。要は、「俺はドクターペッパーになりたい」ってこと?
ゲイリー : ドクターペッパーには、なりたいですよ。
マルガリータ : (笑)。
ユッカ : マジか(笑)。
ゲイリー : ドクターペッパーまでいけたら、万々歳ですよ。
ユッカ : そうなんだ? 私は、山で静かに暮らしたい人だけど。
ゲイリー : 違う違う、逆にドクターペッパーになれたら、山で暮らせるのよ。ドクターペッパーになれていないから、細かく生活費を稼ぐためにライヴをたくさんうたないといけないんだよ。
一同 : (爆笑)
ゲイリー : まあ、そんな後ろ向きな理由じゃないですけど(笑)。ライヴしないと死んじゃいますからね。
思いのほか個性というものは残ってしまうものなんだな
──アー写を見たときに、「あれっこういう人たちだったっけ?」って思っちゃいました。
ゲイリー : アー写に関しては、ここ数年攻めた感じに行き過ぎてたんですけど、じつはファンは誰も我々がああなるのを望んでいなかったな、という反省がありまして。「普通の格好してればいいのに」っていうことはネット上にも書かれましたし。たしかに、これで地獄みたいな曲を作ってればああいう格好でもいいですけど、歌ってることは単なる酔っ払いのたわごとなので(笑)。人間らしい格好をしていないと、そりゃあ聴いてる人は戸惑うよなっていうことは思ったので。やりすぎちゃったなっていう反省を踏まえてこうなりました。
ユッカ : やりすぎっていうよりは、毎回アー写を撮るためにコンセプトを考えるときに、せったくだからおもしろいテイストを入れてみたり…… っていうのが段々エスカレートして行ったという流れがあって。別に自分たちが過激な衣装にしたいとかいうことでもなくて、たまたまそういう流れになってしまったというか。ファンの人からすると「えっこれからそういう感じで行くの?」みたいに思ったみたいで。
ゲイリー : 「モーモールルギャバンはどんどん迷走していくな」みたいなことを言われてたので、ちょっとカチンときて。
ユッカ : 迷走というか、「今回はこうやってみよう」って遊んでただけなんですけどね。でもそういう風に見えるんだなあって。曲が良くて好きだって言ってくれる方がすごく多いので、そういう方からすると、見た目でインパクトを取りに行くっていうのが歯がゆいみたいなところがあったんじゃないかなって。本人たちはただその時々を楽しんでいたので。そこから引き返せなくなっていただけで(笑)。
──インドのライヴでは、モーモールルギャバンの次に映像に出てきた人が派手な衣装を着ていましたよね。一瞬、あっちがゲイリーさんかと思うくらい(笑)。
ゲイリー : あ〜、「光の戦士ナチョス」ですね。彼が主催者なんですよ。「普段、脱いでやっていらっしゃいますけど、インドではNGでお願いします」って言ってきた割に、その主催者が一番露出の多い格好をしていたという(笑)。
ユッカ : ぶっちゃけ、本番前に見て「あれっ!?」って思ったもんね。
ゲイリー : 「布面積、これでいいんだ?」って。こっちは馬鹿正直にTシャツにズボンを履いてライヴやったのに(笑)。あれは笑いましたね。
──インドでの経験が今回のアルバムに影響していることってありますか。
ゲイリー : タイトルがまさにそうです。僕はライヴの前日は飲まないと眠れないので、主催者の方にお酒を用意してもらったんです。それで渡されたのが『IMPERIAL BLUE』っていうお酒だったんです。インドのウィスキーです。
ユッカ : 音楽の中にインドの要素がっていうことではないですけど、素敵な体験を経て何かは確実にプラスになっています。
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──今作が初めてのセルフ・プロデュースということで。ちょっと意外な気がしたんですが、これまではどういう環境でどうやっていたんですか。
ゲイリー : デビューのときから第4のメンバー的なプロデューサーとやっていたんですけど、今回は自分たちだけでやってみようということになって。セルフ・プロデュースでやることによって、モーモールルギャバンの音がモーモールルギャバンにならなくなったらどうしようって思いながら頑張って作ってみて。でも、できあがったらモーモールルギャバン以外の何ものでもなかったみたいな作品には仕上がりました。思いのほか個性というものは残ってしまうものなんだなって、ビックリしました。
──アレンジにすごく時間がかかるバンドだっていうことを語っていらっしゃいましたけど。
ゲイリー : アレンジはもう、めちゃめちゃ時間かかりましたよ。この5曲を録るのにどんだけ時間かかってるんだよって。もう毎日のようにスタジオに入って。でも結局レコーディングまでアレンジが定まらなかった曲が5曲中2曲。もう力技でねじ伏せた感じです。
──その時間がかかる作業を、プロデューサー抜きで自分たちだけでやるっていうのは大変だったのでは?
ゲイリー : ひたすらその作業ですよね。いままで、「このアレンジで行くぞ」っていうプリプロを録って、そこからレコーディングに臨むっていうやり方だったんですけど、今回はプリプロなしでレコーディングに突入していったので。すごくハラハラドキドキでした。まあ特に、この人(ユッカ)は風呂敷を広げる天才なんですけど、物事をまとめることが一切できないので。
ユッカ : あははははは(笑)。ジャッジまでが時間がかかっちゃう。
ゲイリー : ジャッジはできるんだけど、それ以外の選択肢を絶対に捨てきれないので。この性格の人はそもそも、プリプロを作るっていう作業ができないですよ。それをいままでは無理やりつくっていたんですけど、セルフ・プロデュースをすることなって、プリプロを作ることは途中であきらめていたんです。だから時間はめちゃくちゃかかりましたけど、レコーディングに使える時間は決まっていたので。
若い子に負けてらんねえぞっていう危機感
──レコーディングすること自体には苦労はなかったんですか。
マルガリータ : まあ、ハラハラでした。
ゲイリー : ジャッジを早くせざるを得ないっていうのは、よかったかなって。時間があれば生じる迷いっていっぱいあるんですけど、時間がなかったら迷っていられないじゃないですか? それが逆に良かったかなって思います。瞬発力と経験と勘を総動員したというか。
──そのジャッジというのは、今作ではどんなところを基準にしたんですか? この曲を入れようとか。
ゲイリー : (ユッカを指して)この人のアレンジができあがるかどうかですね(笑)。
ユッカ : いままでの経験から、デモの段階で「これは時間かかるよ」っていうのはだいたいわかるんですよ。それをちゃんとやろうと思ったら、「このタイムラインだと、もうちょっとちゃんとやりたかったっていう感じで終わっちゃうだろうな」っていう曲がでてきちゃうのが嫌なので。焦ってつくらなくていいなら今回は外そうっていう曲もありました。そういうタイムラインと曲のウェイトのバランスを取って決めた感じなんです。
──そこをゲイリーさんが「このアレンジでいこう」って決めちゃったりはしないんですか?
ゲイリー : レコーディング前の段階で、ジャッジを強要しなかったという意味では、無理やり「これで行くぞ」とはならなかったですけど、とはいえレコーディング当日に「これで行くしかないじゃん!」ってなったらもうそれで行くしかないので。「7秒」のアレンジは、序盤の方で録ったキーボードを「もっとちゃんと考えてアレンジしたい」って言っていて。ローズ・ピアノで弾いた方がいいんじゃないかっていう話も出たんですけど、ちょっとうまいことハマらなくて。最初の方にVOXコンチネンタルのエレピの音で録ったキーボードのテイクをそのまま使うことになって。本人的に思うところはいろいろあるみたいですけど、「すげえいいじゃん、もうこれで行こう!」みたいな感じで決めました。
ユッカ : エンジニアさんがいる横で「どうしようかな〜」ってブツクサ言いながら楽器をいじってて、「よし、わかった、行ってきます!」ってブースに入って録り終えて、「うん、イイ!」みたいなやり方をしていて。レコーディングが終わってからエンジニアさんに、こうやって現場でアレンジを作ったりするバンドさんってあんまりいないって言われて(笑)。私たちはずっと同じプロデューサーのもと、そういうことは珍しくなかったんですけど。みんなちゃんとプリプロを作ってやってるんだなって知りました。
ゲイリー : レコーディング後半の3日間は、ドラムとベースは録り終えた状態でキーボードだけ録れていない状態だったんですけど、本当は1日でヴォーカルを録り終えるのは厳しいだろうし、予備日を含めて3日間かけて頑張って歌を録りましょうっていうはずだったんですけど。フタを開けてみたら1日で歌を録り終えて、残りに2日間はひたすらキーボードを録っていて(笑)。そういう意味では、セルフ・プロデュースでペース配分を自らしなくてはいけない男の危機感みたいなものは歌に表れているかもしれないです。「俺に時間かけらんねえ!」みたいな。
ユッカ : あはははは!
ゲイリー : 最後に録ったのが「7秒」で、結構声が枯れてたんですけど「今日中に俺の作業は終わらせないとマズい」と思って結構がんばったんですよ。歌うには結構楽なレンジの曲なんですけど、それを歌うのを苦労するくらいの喉のコンディションだったのが、逆に「この人頑張って歌ってる」感が出てよかったかなと。
──ドラム、ベース録りはすんなりいったんですか?
マルガリータ : 2日間でベースは録り終わって、なんとかギリギリできた感じでしたね。
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ゲイリー : まあこの2人はやることを決めて、後はカッコイイテイクを録りに行きましょうっていうタイプなので。
ユッカ : よく言うよ(笑)。アレンジが全部決まってないのに録りに行ったから、「マジか〜!?」って思ったよ。
ゲイリー : それは「AI ha MABOROSHI」でしょ? この曲は何もアレンジが決まってなかったんです。
──何も決まってなかったんですか? 全員ソロ回しをする曲ですよね。
マルガリータ : そこだけは、決まってたんです。
ゲイリー : 1番、2番、3番があって間奏があるっていうのを言葉では伝えていたんですけど、ただ具体的な形がほとんどなかったので。ドラムという楽器の性質上、強制的に曲の構成をつくりあげちゃうことができるので、「ドラムはこうなんで、後はよろしく」っていう感じで(笑)。「AI ha MABOROSHI」は後回しにしちゃった結果、本当に大変でしたね。
──じゃあ、ソロのところはそのときに出てきたアドリブなんですか?
マルガリータ : 僕はアドリブが効かないので、ある程度考えてきて。それ以外の決まっていないところは、ユッカさんが録ってるときに考えて、ドラムと一緒に録りました。
──“モーモールルギャバンの全部乗せ”みたいな印象の曲ですね。
ゲイリー : 時間がなかったし考える暇がなかったので、できることしかやってないという意味では、ある意味1番モーモールルギャバンらしさが出てるかなっていう気はしますね。
ユッカ : 時間に追われるので焦りはあるんですけど、焦ってやってもよくならないので。そういうときのレコーディングでの集中力は本当にすごいんですよ。2人が録って、上に乗せるものがまだ決まっていないという箇所に関してもいいテイクのジャッジをしないといけないので。その作業は本当に糖分が必要で、飴ちゃんをずっと舐め続けないといけないくらい、集中してました。
ゲイリー : だって、曲作りのときにスティックシュガーを食べてましたから。
ユッカ : 本当にめちゃくちゃ考えてるので、糖分が足りなくなると頭が回らなくなるんですよ。それでも時間が決まってると叩いてでも動かさないといけないので。それでずっとスティックシュガーを食べてました(笑)。ドラマの『Doctor-X 外科医・大門未知子』で米倉涼子さんが手術後にシロップを飲んでるのとまったく同じ原理だと思います。そうしないと本当に動かなくなるんですよ、考えすぎちゃうと。
ゲイリー : ただ、Doctor-Xは手術早いよ?
一同 : (笑)。
──「私、失敗しないので」(笑)。
ゲイリー : そうそう、「私、失敗しないので」。あれはヤバいっすよね(笑)。
ユッカ : そこはぜんぜん違うんですけど(笑)。
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──ここにきて訊くのもなんですけど、そこまで自分たちを追い詰める状態になるのに、どうしてセルフ・プロデュースを選んだんですか?
ゲイリー : できなきゃダメだって単純に思ったんですよね。特に、いまの若い子とかはすごく、マネージメントから見え方から何から何まで自分で管理して、的確に魅せるべき部分を出して、みたいなことが上手な子たちが脚光を浴びてるなっていう風に見えてるので。その傾向が好きかというとそうじゃないんですけど、さすがにそこそこのキャリアを積んできて、俺らもああいうことができないとダメでしょとは思っていて。まあ、若い子に負けてらんねえぞっていう危機感ですね。
──その結果、かなり満足のいく作品になったんじゃないですか。
ゲイリー : 満足はしています。この期間で、この時間でこのメンバーでモノを作るにことに関しては、100%やり切ったっていう自覚はあるので。かといってじゃあ100点満点の作品が作れたかというと、それはまた違う話になってくるんですけど。少しでも100点満点の作品を作れる達人になりたいなっていう気持ちは持ちつつ、もっとできたんじゃないかっていう思い残しみたいなものは一切ないですね。満足しています。
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https://ototoy.jp/feature/2017053101
LIVE SCHEDULE
モーモールルギャバンTOUR 2018〈Yeahhhh!! ムチャしやがって〉
2018年10月12日(金)@東京LIQUID ROOM
時間 : OPEN 18:30 / START 19:30
※ワンマン
2018年10月14日(日)@名古屋UPSET
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / Su凸ko D凹koi
2018年10月20日(土)@大阪Pangea
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / ビレッジマンズストア
2018年10月21日(日)@福岡Queblick
時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
出演 : モーモールルギャバン / 挫・人間
2018年10月27日(土)@札幌SPIRITUAL LOUNGE
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00
出演 : モーモールルギャバン / クリトリックリス / HANABOBI (O.A)
2018年10月28日(日)@旭川CASINO DRIVE
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年11月2日(金)@仙台MACANA
時間 : OPEN 19:00 / START 19:30
出演 : モーモールルギャバン / and more
2018年11月3日(土)@盛岡Club Change
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年11月10日(土)@岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / セックスマシーン / ふちなし(O.A)
2018年11月11日(日)@奈良NEVER LAND
『Yeahhhhh!! ムチャしやがって〜ユッカ凱旋記念※ワンマン〜』
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
2018年11月17日(土)@黒崎MARCUS
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / 首振りDolls
2018年11月18日(日)@高松MONSTER
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年11月23日(金・祝)@鹿児島 SR Hall
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年11月25日(日)@熊本 Be.9V2
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年12月1日(土)@京都 磔磔
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / SAKANAMON
2018年12月2日(日)@金沢 VANVAN V4
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
※ワンマン(OAあり)
2018年12月8日(土)@高崎club FLEEZ
『Yeahhhhh!! ムチャしやがって〜矢島丸山凱旋FINAL SPECIAL 2MAN〜』
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
出演 : モーモールルギャバン / and more
【詳しいライヴ情報はこちら】
http://mowmowlulugyaban.com/schedule
PROFILE
モーモールルギャバン
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魂の極限ライヴとポップ&ペーソス溢れる無類の音楽性に中毒者続出!
ゲイリー・ビッチェ(ドラムス&ヴォーカル)、T- マルガリータ(ベース)、ユッカ(キーボード / ヴォーカル&銅鑼)からなる3ピース・バンド、モーモールルギャバン。
一度聴いたらこびりついて離れないファンキーかつパンク、ロマンティックかつ刺激的なバンド・サウンドと、胸にキュンとくる巧みな、高い催涙性を誇るメロディ・センスで、熱狂的なファンを獲得!
初のセルフ・プロデュースとなる『IMPERIAL BLUE』を2018年9月26日にリリース! その唯一無二の世界観を前作以上にディープ且つスタイリッシュに展開!
磨かれた狂気と内気の極限を是非目撃せよ!
【公式HP】
http://mowmowlulugyaban.com
【公式ツイッター】
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