THE TOMBOYSがやってきたヤァ! ヤァ! ヤァ! ──ハッピーなロックンロール満載の新作をリリース
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ハッピー・ロックンロールなおてんば4人組バンド、THE TOMBOYSがOTOTOYに初登場! ド派手でカラフルなお揃いの衣装を身にまとい、思わず一緒に踊り出してしまうようなライヴ・パフォーマンスで、国内外問わず活躍の場を広げる彼女たちが4枚目のミニ・アルバム『Wherever We Want』をリリース。OTOTOYでは豪華特典付きでロスレス配信中です。2018年2月〜3月に敢行したフランス、イタリア、ドイツをまわるヨーロッパ・ツアーを経て完成された今作は、これまでのロックンロール・サウンドは健在ながらも、ロカビリーやカントリー、歌謡曲などからの影響を感じさせる作品に。ヨーロッパ・ツアーを振り返りながら、新作『Wherever We Want』に関してじっくりと訊いたインタヴューをぜひ。
OTOTOYでは豪華特典付きで配信中!
【アルバム購入特典】
2018年2月〜3月に行なったヨーロッパ・ツアーより、 2月28日イタリア Savignano sul RubiconeのSidroでのライヴ動画( 「It’s All Happening」 「Please Remember Me」 )
INTERVIEW : THE TOMBOYS
神戸を拠点に活動する、現在21歳の4人組ロックンロール・バンド、THE TOMBOYS。中学時代にバンドを結成した彼女たちは、2016年にロンドンで開催された〈HYPER JAPAN〉に3日間連続で出演して、最終日はトリを務めて話題に。彼女たちの才能を評価するのは、ZIGGY、キングブラザーズ、ザ50回転ズ、SEX PISTOLSのグレン・マトロックなどそうそうたる面子ばかり。そんなTHE TOMBOYSが10月3日に4thミニ・アルバム『Wherever We Want』をリリースした。今回はアルバムの話はもちろん、バンドの結成時のエピソードと4人のこれからについて訊いた。
インタヴュー&文 : 真貝聡
写真 : 大橋祐希
表面だけじゃ分からないことを歌ってます
──いきなりですけど、THE TOMBOYS(以下、トムボウイズ)に『リンダリンダリンダ』を重ねちゃうんです。
和木マドカ(Gt / Cho)(以下、マドカ) : あれや、映画の……。
のん(Dr / Cho) : 女子高生がバンドをやるやつ。
──高校生が部室に集まって音を鳴らしてる感じというか、仲良しの友達と初めて音を合わせる高揚感。作品を聴くとそれを感じるんです。
マドカ : そんな風に言ってもらえてうれしいですなぁ。
──もしも、初めてバンドを組んだ女子学生がいたとして。文化祭で演奏しているのがトムボウイズの楽曲だったら、すごく好感を持てます。
タバタヒナ(Vo / Gt)(以下、ヒナ) : アハハハハ! やってほしいなぁ。
のん : やってほしい!
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──いい意味でトムボウイズの曲って、練習すれば初心者でもコピーできる気がしていて。
ヒナ : たしかに。難しいことはやってないので。
のん : ライヴで再現できないアレンジはしないです…….。あれ? そんな話をどこかでしましたね。
──ライヴの話でいうと、それこそ今作の『Wherever We Want』は2月に行ったヨーロッパ・ツアーの影響が大きかったとか。
ヒナ : そうですね。イギリスは前にも行ったことあったんですけど、イタリアとかドイツは初めてで。自分たちがいままで見ていたものが狭かったわけじゃないですけど、ヨーロッパ・ツアーを通してより広いものを感じたというか。やりたいこともどんどん浮かんできてしまうし、バンドをやってて楽しい気持ちもツアーでどんどん増えて、見てる景色がすごく広がったんです。それは歌詞に1番出ているのかなって思います。
──実は僕、海外には子供の頃に旅行で行ったきりで、ヨーロッパと言われてもいまいちピンと来ないんです。どういうところが魅力的でした?
のん : 景色がぜんぜん違います。日本って新しい建物が多いですけど、ヨーロッパは古い建物を修復しながら維持していたり、古い家具を扱っているお店も多くて。町の雰囲気が日本とは全く違いますね。
ヒナ : お客さんもぜんぜん違います。たとえばこっちが何か仕掛けなくても、勝手に踊ってくれるんです。MC中もお客さん同士でぜんぜん喋るし、すごく自由にその場の雰囲気を楽しんでて。
マドカ : おもしろかったのが、お客さんはトムボウイズを知ってて来たわけじゃなくて、「日本からパンク・バンドが来るらしい」「聞くところによると女の子4人組らしい」ぐらいの感じ。「おもしろそうだから行ってみた」とか「ご飯を食べに来た」というテンションで集まったお客さんばかりなんです。誰も私らに期待してないけど、私たちは楽しいことをしようと企んでいる。お客さんはそこで楽しければ踊るし、楽しくなければ帰っていく。こっちがおもしろいことをやればその分、向こうも盛り上がってくれるというのがわかりやすくて。毎回、自分たちの中で実験をしているような感覚でした。
──外国人の反応はどうでした?
マドカ : フランス、ドイツ、イタリアへ行ったんですけど、それぞれの国で反応が違いましたね。フランス人は自由に楽しんでくれて、イタリア人は心から踊り狂った感じ。ドイツが日本人のように棒立ちで、険しい顔をしていると思ってたら、あとで「よかったよ」と言ってくれて。イギリスは何回かライヴをしているので、待ち望んでいてくれた感じがしました。
──国柄が出るんですね。
マドカ : それもあって、こちらとしては新鮮でした。
ヒナ : 『Wherever We Want』はツアーから帰ってきてすぐに作ったアルバムなので、向こうで感じたことがもろに反映されてますね。
おもしろいことはすぐ取り入れるスタイル
──せっかくなので、今回は1曲ずつ解説をしていただこうかなと。
マドカ : ああ、やりましょう!
1曲目「RING ME」
ヒナ : これは電話を待っている女の子の話。絶対に自分の気持ちが届かない相手だとわかっているけど、鳴らない電話を待つだけでも楽しいというか。何かに打ち込んでいること自体が楽しいというのが本当のテーマなんです。だから、一見は恋の歌なんですけど本質的には関係なくて。
──もっと根本の話なんですね。
ヒナ : 私の歌詞は全曲そんな感じで、表面だけではわからないことを歌ってます。それは全部をわかってほしくないというか、全部を伝えちゃうとその捉え方にしかならないので、聴いた人が好きなように受け取ってもらえるように書いてます。レコーディングの面では何かある?
マドカ : この曲は一節ができたタイミングで試聴会をしたんですけど、イントロ部分を聴いて「これはトムボウイズでやったら絶対におもしろい!」と思って。レコーディングはすんなりできたんかな?
ヒナ : あんまり何回もレコーディングする曲じゃないと思ってて。最初の数テイクで決めたいと思ってたんですけど、「これで良いんじゃない?」となったときにこの人(マドカ)が「もう1回やらん?」と言い出して。3人は「はぁ?」ってなったんですけど、それが逆にスイッチになった。その直後に録ったのがOKテイクになりましたね。
のん : 私、怒った方が良い演奏ができるタイプなんですよ。割といいテイクが録れたにも関わらず「もう1回録りたい」と言われたことにブチ切れて、それがいい方に向いたのかも……。
マドカ : (話を遮って)ちょっと訂正させてください! 『Wherever We Want』は、初めて自分たちだけでレコーディングをしたアルバムで。いままではグレン・マトロック(※SEX PISTOLSのオリジナル・メンバー)がプロデューサーにいて、ぶっつけ本番で録ることが多かったんです。だからこそ、今回は自分たちが納得するまで煮詰める時間もあったにも関わらず「うまく演奏できないところは修正でどうにかしよう」という雰囲気が流れてきたので、「この曲はそうじゃないだろ!」と。そしたら3人はブチ切れて…… まあ、最終的に納得いく形で仕上がってよかったです。
ヒナ : 一応いうと、そんなにめっちゃ修正しようとしたわけじゃないですよ(笑)。
GGワカナ(Ba / Cho)(以下、ワカナ) : あと、この曲はコーラスが多くてレコーディング中は演奏と別で録ったんですよ。いざライヴでやったら、演奏しながら歌うから「めっちゃ疲れる」ってライヴをしてから気づきました(笑)。
のん : しかも、アップテンポなのに8ビートなんですよ。ドラムからしたら手が疲れる曲で。それにコーラスがずっと入っているので、腕も歌も大変なのでライヴで1番大変(笑)。
マドカ : いままではロックンロール色が強かったんですけど、そこにコーラス・ワークを足すことで60年代のガールズ・ポップの感じをうまいこと表現できたと思います。
2曲目「Close Your Eyes」
ヒナ : 私は歌詞を作るときに、頭の中でビジュアル・イメージを想像しながら書くことが多くて。この曲はツアー1本目の会場へ向かう道が何もない景色だったんですけど、その光景を思い出しながら書きました。自分たちが行ける場所なら、どこへでも行きたいという考えがツアーを通して大きくなって。それが「Close Your Eyes」は特に出ているかなって思います。
マドカ : レコーディングで転調の箇所に入れたフレーズを逆再生するのはどうか、という案が出て。とりあえずやってみたら「結構よくない?」となった実験的な曲ですね。いままでこういう曲を作ったことはなくて、突発的に試したことが意外としっくりきた。
ワカナ : 転調の箇所でベース・ラインが少し動いているんですけど、わたし的にはそこがこだわったポイントですね。
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3曲目「月ミセ屋」
ヒナ : いま、トムボウイズは歌謡曲にはまっている時期なんです。そこで、昭和歌謡を自分たちの解釈で表現したらどうなるのかやってみたくて作りました。歌詞もいままでとぜんぜん違うと思います。
──「月ミセ屋」ってなんですか?
ヒナ : これは架空の職業を勝手に考えて、そういうところもおもしろかった。いま、私の1番好きな曲なんです。
のん : いつもサビのドラムはシンプルに作っているんですけど、この「月ミセ屋」だけはトムボウイズっぽくない変わったリズムを取り入れてて。いままでは、ヒナがこういう叩き方を好きじゃなくてやらなかったんですけど「意外といいやん」となって。だから、いままでにないドラムの叩き方をしてます。
──歌謡曲というテーマもそうですし、アレンジもいままでトムボウイズがやらないことに挑戦した曲だと思って。
マドカ : 私たちは基本的に、おもしろいことはすぐ取り入れるスタイルなんです。前作はまだ歌謡曲の楽しさに気づいてなくて、いろいろカヴァーをするきっかけがあったからこそ、どんどん好きになれて。
のん : カヴァー動画を上げていた影響が大きいと思います。
ヒナ : 「こうやったら歌謡曲っぽくなるのか」と習得していったよね。
ここまで自分が思っていることを歌詞にしたのは初めて
4曲目「DONUT!」
ヒナ : 自分たちが踊りたくなる曲ですね。ライヴ中に演奏するのも楽しいし、聴いてるだけでも体が勝手に動く。
のん : 私たちはロックロールが好きで、その影響を受けたガールズ・ポップもすごい好きなので、それをトムボウイズがやったらこうなりました。
ヒナ : オールディーズをそのままやっても、若いの人たちには分かりにくいと思うんです。私たちの要素を足して、オールディーズをアレンジしてます。それがこの曲に限らず私たちの基本的な作り方になってます。
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5曲目「It's All Happening」
のん : これはヨーロッパツアーでも結構やった曲やな。
マドカ : そうそう、ツアー前に作った。私はロカビリーとかカントリー・ギターが好きな時期で、ブライアン・セッツァーの真似事は逆立ちしてもできないけど、できる限りやってみようと勢いとノリでやったらそれっぽくなった(笑)。ヨーロッパで披露したらお客さんも踊ってくれたので、それが手応えにつながりましたね。これは、歌詞が日本詞というのがギャップな気がする。いつも踊るナンバーとか縦を意識した曲って英詞になることが多いんですけど、この曲は日本詞で書いてきたので「お! そういくのね」と。
のん : コーラスに関しては上下で分けずに、全員が同じ音程で歌っているんです。わざとハモりをやめて、同じ音域で歌った方が音圧は出ることに気づかされた曲です。
マドカ : あとは、どうやったらお客さんがノってくれるか。ライヴ中に演奏をすることを特に意識して作りましたね。
ワカナ : 個人的な話なんですけど、この曲は1番ベースが動いてる曲で。
のん : ベースは激しいよな。
ワカナ : この曲ができ上がった時に「ランニング・ベースをやってみたら?」と言われて、アリかもと思って試したら意外とすんなりハマって。ベースに関してはAメロを聴いてほしいです。
6曲目「フルーツキャンディ」
ヒナ : ここまで自分が思っていることを歌詞にしたのは初めてで。〈フルーツキャンディみたいな女の子になりたいわ〉というのは、カラフルな女の子とか可愛らしくなりたいという意味ではなくて。悲しいとか、寂しいとか、プラスの感情じゃないとしても自分の中で生まれた感情を素直に受け止よう、と思って書きました。こんな直接的に言ってもいいものかと最初は悩んだんですけど、最初にサビのフレーズが思いついたので。私たちの中では、かなり新しい曲作りになりましたね。
のん : Cメロの〈ガラス瓶の中透けるように光ってる〉という箇所にライド・シンバルで“チンチンチンチン”ってリズムを入れていて。録る前にアール・パーマーの代表的なプレイを集めたコンピレーション・アルバムをもらって、そのリズムを気に入って取り入れたんです。CDをもらってなければ生まれなかったリズムだから、そこを注目してほしいなと思います。
──ヒナさんは曲を作る上で、1番心がけていることは何ですか。
ヒナ : 誰かに何かを伝えるときって、やんわり広くだと伝わらないじゃないですか。できるだけ近い人のことを考えるようにしてて。世の中の全員に向けてじゃなくて、たとえば悩んでる人に向けて歌うとか、楽しい人に向けて歌うとか、そういう設定を考えて曲を書いてます。みんなに伝えるのはできなくて、逆に“こんな人へ向ける”と思って書いてますね。
何となく気が合う4人が集まって、その横に音楽があった
──今回、アルバムの楽曲解説をしていただきましたけど、もうひとつ気になっていることがあって。トムボウイズの経歴を見ると、前作でグレン・マトロックがプロデューサーを務めたり、ZIGGYやキングブラザーズのオープニング・アクトに選ばれたり、ザ50回転ズと対バンをしたり…… 数々のレジェンドと共演されてますよね。このことをどう思ってますか?
マドカ : そこに憧れてやってきたので、「一緒のステージに立てるのか! ヤッター!」みたいな。すばらしい機会をいただいて、ただただ恐縮です。
ヒナ : 軽い言葉かもしれないですけど、いままで起きたできごとはすべてラッキーというか。この運を逃さないように、と思ってやっています。
──バンドの結成は中学3年生の時じゃないですか。15歳の自分たちからしたら、ヨーロッパ・ツアーをしたり、学生時代から聴いていたバンドとライヴをしてる現状はどう見えるんでしょうね。
ヒナ : あぁ…… あんまり意外ではないかもしれない。
のん : やりたいと思ってきたことを、ひとつずつ達成してきた自覚はあるんです。最初はコピー・バンドからスタートしたんですけど、コピー・バンドやのにCDを出すことが目標にあって。そしたら、高校生の時にCDを出せる機会をもらった。次は「ザ50回転ズと対バンしたい」と思ったら、それも叶って。「クリスマスマーケットをやりたい」と思ったら今年の12月14日に大阪BIGCATで開催できることになった。思ったことをその場で実行するというのを、確実にやるのがトムボウイズの原動力になっているんです。そう考えたら計画通りに進んでる感じですね。
──学生目線の話をすると、文化祭でライヴをすることがゴールだったりするじゃないですか。初めてバンドを組んだにも関わらず、そんな先の目標を立てていたのはすごいですね。
のん : 楽器が弾けないときから「このバンドは長く続く」という感覚がありました。
ヒナ : そうやね。私、バンドを組むときにサインを考えてました。
マドカ : まだぜんぜん弾かれへんのにな!
のん : ちょっと夢見がちなのかもしれない(笑)。
ヒナ : 考えてて良かったぁ。
──やりたいことを全て叶えたらどうします?
ヒナ : 自分に満足したらバンドは辞めますね。…… けど、満足はできないと思います。
マドカ : なんだかできないものでねぇ(笑)。次から次へとおもしろいことが浮かんだりするんですよ。
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──OKAMOTO'Sもそうですけど、学生時代から仲の良い人で結成したバンドならではのグルーヴはあって。今後の活躍に期待しつつ、何よりこの4人で長く続けてほしいです。
のん : 何となく気が合う4人が集まって、その横に音楽があったんです。たまたま4人がバンドをやりたいから結成して、たまたまロックンロールに惹かれておもしろいと思ったからロックンロール・バンドをやった。だから順番が逆というか、目的が後からついてきた感じがします。
ヒナ : 喋ってるだけで楽しい気持ちはずっとなくならないと思ってて。バンドじゃなくても一緒に子育てをするとか、将来お店を開くとか、この4人でやれるならなんでも良いんですよ。いまはたまたま音楽なだけで。
マドカ : 4人で子育てとか(笑)。
──みんなに子供ができて、その子供同士でバンドを組んだらおもしろいですけどね。
のん : うわぁ~おもしろい!
マドカ : めっちゃ先の話やけどね(笑)。
『Wherever We Want』のご購入はこちらから
LIVE SCHEDULE
〈TOMBOY’s CHRISTMAS MARKET〜fun for all ages〜〉
2018年12月14日(金)@大阪心斎橋BIGCAT
時間 : OPEN 18:30 / START 19:30
チャージ・フリー(+D代¥600 / チケット完全申込制)
THE TOMBOYS RELEASE ONEMAN TOUR〈LET’S GO! Wherever We Want TOUR〉
2019年1月27日(日)@福岡UTERO
2019年2月9日(土)@六本木VARIT.
2019年2月10日(日)@名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
2019年3月21日(木・祝)@札幌SPIRITUAL LOUNGE
2019年3月30日(土)@神戸VARIT.(ツアー・ファイナル)
【その他のライヴ情報はこちら】
http://noname-band-official.tumblr.com/live
PROFILE
THE TOMBOYS
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何か熱いものを求めてずっとドキドキする鼓動を忘れずにステージに立ち続けたいというモットーのもとに集いしおてんば女子4人組が繰り出すはハッピー・ロックンロール! 名をザトムボウイズと申します!
【公式HP】
http://thetomboys.net
【公式ツイッター】
https://twitter.com/the_tomboys