ちっちゃな気持ちに爆音で応える──BALLOND’ORが進む理想の世界への旅路
2018年のBAYCAMPでオープニング・アクト務め上げ、今年はCRYAMY、THIS IS JAPANのツアー参加が決定、ワンマン・ライヴではソールドアウトと、着々と歩みを進めるBALLOND’ORがニュー・アルバム『R.I.P. CREAM』をリリース。情緒を振り乱したパンクから、情景鮮やかなガレージ・ロックやバラードまで、時間の流れと共に育まれた彼らの全てが凝縮された1枚。轟音の中では想像もできないMJM(Vo.Gt)の繊細な青春時代の心模様、バンド結成の経緯から本作完成に到るまで、爆裂ノイジー・バンドの軌跡を辿るメンバー全員へのインタヴュー。
爆音パンクの中に感じるバンドのストーリー
INTERVIEW : BALLOND'OR
BALLOND'ORというバンドに対して「よくライヴハウスを出禁になる破天荒さ」だったり、「メンバーの頭にスイカを叩きつけるとか…… 演奏中に激しいパフォーマンスをする」ような印象が強かった。4月29日にリリースした新作『R.I.P. CREAM』について、彼らはBALLOND'ORが作ってきた音楽、影響を受けてきたカルチャーをすべて踏襲した1枚だという。だからこそ、彼らがどのような思いでバンドを結成して音楽を奏でてきたのか聞こうと思った。MJMは「よく『活動の仕方が変だよね』とか『ちょっとやり方違うよね』と言われてきたんですけど、12歳の自分が描いた理想の世界へ向かう旅だと思っているんです」と話す。凶暴で、破壊的で、愛情深くて、ロマンチックで、そんな彼らの表現の根幹を探る。
インタヴュー&文 : 真貝聡
写真 : 宇佐美亮
そんな僕にNIKEくんが「もう1回バンドをやろう」と声をかけてくれて
──まずはBALLOND'ORのこれまでを振り返る上で、バンドを立ち上げたMJMさんとNIKEさんの話からいきますね。高校時代に2人は知り合ったそうですけど、出会ったときのことって覚えてますか?
NIKE : 出会った頃のMJMは常に俯いているようなやつというか、なにを考えているのかわからない感じでした。だけど、話してみると好きなものが似ていることがわかって。僕は仲良くなろうとしていたんですけど、しばらくはスカされてましたね。「遊びに行こうよ」と声をかけても「今日は予定があるから無理。じゃあね」ってすぐに帰っちゃう感じでした。だけど、それを何回か繰り返しているうちに、雪解けのようにちょっとずつ仲良くなっていきました。
──MJMさんはNIKEさんに対して、心のバリアを張っていたんですね。
MJM : バリアというか…… 中学生の頃、地元にヤンキーが多くて一時期虐められていたんですよ。それで「他人と関わったら、ろくなことないな」と思うようになって。
──だから警戒心が強くなったと。
MJM : はい。そんなこともあり、高校では静かに暮らしていたいと思っていたんですけど、そこは体育会系の学校で、みんなゴリゴリのマッチョに坊主の人ばっかりで、せっかく地元を離れたのに雰囲気がそんなに変わらなかった。楽しいことと言ったらCDとかレコードを漁ったりするくらいでしたね。だけどクラスの中に僕と同じような趣味の人があんまりいなくて、そんなときにNIKEくんと出会いました。たしかに最初は閉鎖的な素振りをしてたんですけど、彼の家へ行ったらビースティ・ボーイズとかプライマル・スクリームとか、自分と同じ音楽を聴いていることがわかって。こういうやつがいたんだなと知り、それから高校生時代は“2人でバカみたいななにかをする”という遊びをやってました。
──バカみたいななにか?
MJM : とあるクリスマスの夜だったんですけど、渋谷を徘徊しようってことになりまして。「せっかくならパンクな格好をして行こう」ということで髪をめちゃめちゃ立てて、寒いんですけど上裸にペイントして渋谷の街を歩いていたんです。そしたらサンタの格好をしたレディースみたいな、レディース・サンタみたいな人たちに遭遇しまして、めちゃくちゃ絡まれたんです。
──レディース・サンタに!?
MJM : しかも相手は鉄パイプみたいなのを持ってるんですよ。「おめーら、何なんだよ!」って言われて「いや、ちょっとバンドをやろうと思っている者なんですけど」と返したら「じゃあなんか歌え!」って言われて、尾崎豊を熱唱しながら逃げましたね。
NIKE : ちょうどサビに入るタイミングで走ったよね。
MJM : そういうことばっかりしてたんですよ。当時、僕たちはエアガンが好きだったんですけど、公園でラジカセを流しながらエアガンでお互いを撃ち合う遊びもしてました。だけど周りにいた友達は、どんどんそういうバカな遊びをしなくなり、結局ろくでなし2人がぽつんと残っちゃって。それで「そろそろなにかやるか?」みたいな話になって、BALLOND'ORの前に別のバンドをはじめたのが最初ですね。
──そこからどうやってBALLOND'ORになるんですか。
MJM : しばらくして僕が失恋をしてしまって、そのときに「もう音楽は諦めようかな」と思ったんです。
──失恋をしたから音楽を諦めるっていうのが、僕的には繋がらないんですけど。
MJM : 彼女が好き過ぎてずっといるものだと思っていたんですよ。それが突然いなくなり、なにも考えられなくなってしまって。音楽は好きだし、何かやりたいとは思ったんですけど、外に出るのも無理なくらいヒドい感じになっちゃって。そんな僕にNIKEくんが「もう1回バンドをやろう」と声をかけてくれて、BALLOND'ORをスタートさせた感じですね。
NIKE : たしかに「なんで失恋したらバンドを諦めるのか?」と普通は疑問に感じると思うんですけど、「MJMってそういうやつだよな」と再確認したんです。ひとつのことに対してあまりにも掘り過ぎてしまう人というか、全部に100%というか、のめり込んだら戻ってこれなくなるんですよ。たとえば、僕はMJMに会う前からレコード屋さんに行くのが好きだったんですけど、僕がずっとレコードを掘り続けているから、だいたいの友達は先に帰っちゃって。
──「飽きたから、NIKEを置いてほか行こうぜ」と。
NIKE : そうです。だけど、MJMは平気で1軒のレコード屋さんに5時間くらいいる。他にも、映画の話をしたら100倍くらい妄想を働かせて違う映画のシナリオを1本作っちゃうくらいバーって話す。興味のあることに対して、のめり込み方が凄まじいやつなんです。あと、なんといっても彼の作るメロディだとか付随する歌や歌詞が、ずっと変わらないところも好きです。その変わらないものをずっと続けてほしいなと思ったから「もう1度バンドをやろう」と誘いました。
ノイズまみれのカセットテープを聴いたときに「この人とだったら、一緒にバンドをやれるかもしれないな」と思ったんです
──最初は2人でBALLOND'ORがはじまったわけですね。
MJM : 下北沢で異質なマンションがあるんですけど、そこでずっとデモ作りをしていて。打ち込みのデジタルビートに映画の音楽をサンプリングしたり、叫んだりとかいろんなことをやってました。僕が曲を作ってNIKEくんがアレンジをして、そこにVJのスタッフがイラストとか映像を当てはめる活動からはじまりました。そんなことが数年間続いて、ある日、NIKEくんが「腕力のすごいやつがいるから」とドラムのAKAHIGEくんを連れてきたんです。そのときのNIKEくんを見たら、顔が試合後のボクサーみたいにボコボコだったんですよ。で、話を聞いたらAKAHIGEくんに殴られたと。
──その事件について付け加えると、AKAHIGEさんとNIKEさんが2人で飲みに行って。その場のノリでAKAHIGEさんがNIKEさんのジーパンに塩焼きのさんまをすり込んで、それにNIKEさんがキレて喧嘩になったんですよね。
NIKE : アハハハハ、詳しいっすね。AKAHIGEはもともとドラマーとして活躍してて、バンド界隈の縁で仲良くなりました。いろんな音楽の話をしているうちに「今度2人で遊ぼうよ」みたいな感じで飲み行くようになって…… それである日、喧嘩に発展した感じです。
──それでNIKEさんはボコボコにされたにも関わらず、「こんなパワーのあるドラマーを求めていた!」とAKAHIGEさんをバンドに引き込んで。
AKAHIGE : そうです。で、NIKEをボコボコにした次の日に3人でスタジオに入ることになって、そこから僕も加入することになりました。
──tvkの『ジロッケン』に出演したときに「返り血のAKAHIGE」と言われていたってエピソードを話してて。そこにめっちゃ興味が湧きましたよ。
MJM : ストリートファイトっていうんですか? ある地域で、AKAHIGEくんは腕っ節が強くて有名だったらしいです。「相手が空手家だったとしたら、ガードは高めで」とか「相手がキックボクシングの選手だったらスピードで攻める」みたいなことをよく言ってて。ドラムの話をしているときも「もっと速く叩くとしたら、キックボクシングみたいな感じか」とか「いま、マイクタイソンみたいなドラムが叩けた」ってなぜか喧嘩を例えに出すんですよ。加入して間もない頃は、ちょっとヤベエやつが来たなと思いました(笑)。
──AKAHIGEさんは、当時のBALLOND'ORをどう見てました?
AKAHIGE : よくわからないやつらだなと思ってました。見た目はギラギラしているんだけど、音源を聴くとメロディがキラキラしてて頭から離れない。それまで見たことのないタイプのバンドでしたね。
──ご自身はどういう音楽を経験してきたんですか?
AKAHIGE : ミクスチャーやヒップホップが好きでそういう感じの音楽をやってきました。だけど基本的に良いなと思った音楽を聴く感じで、2人に会ったときは、やばいやつがいるなと衝撃を受けたのは覚えてますね。
──続いて†NANCY†さんが加入するわけですけど、もともとはBALLOND'ORのファンだったんですよね。
†NANCY† : そうです。BALLOND'ORって下北沢では「ヤバイやつら」と言われてたんですよ。それでライヴを観たら、すごい好きになっちゃって「私のシャウトが混ざったら、もっと良くなるんじゃないか」と思ったんです。それで「私もバンドに入りたい」とNIKEくんに伝えたんですけど、ふわっとした返事しか返ってこなくて。どうしたら入れてもらえるのか考えて、シャウトを織り交ぜたデジタル・ハードコアみたいな自作のデモを渡したんですよ。そしたらMJが「結構イイじゃん」と言ってくれて加入することができました。
MJM : †NANCY†ってライヴを観に来ても、曲を聴くわけじゃなくてめちゃくちゃ叫んだりしてたんですよ。だからNIKEくんは「あんなうるさいやつはバンドに入れたくない」って。そもそもNIKEくんは、ザ・リバティーンズとかミッシェル(・ガン・エレファント)とか男バンドが好きだったので「女は絶対に入れたくない」と言ってたんですけど、ある日「あいつは女より男かもしれない」って。
──たしか†NANCY†さんはバンドに入って、気合いを入れるために7mmのボウズにしたんですよね。
NIKE : MJMやAKAHIGEもそうなんですけど、BALLOND'ORのメンバーって性格がバラバラだと思うんです。だけど根っこに抱えている“本当の気持ち”を表現できる人たちと音楽をやれたらいいな、と思ってて。†NANCY†の印象って「最前列でアンプの音よりも叫んでる女がいるぞ」みたいな感じで、こんなやつをステージに上げたら壊れちゃうでしょ! と思っていたんですけど、彼女が送ってくれたノイズまみれのカセットテープを聴いたときに「この人とだったら、一緒にバンドをやれるかもしれないな」と思ったんです。
ロックに出会った12歳の自分が描いた理想の世界へ向かう旅
──2015年4月にメンバーが揃って、10月には1stカセット『Jr.LOVE ep』をリリースしましたね。
MJM : 聴き返すと、やっぱりいろんなものに影響を受けてきたのかなと思いますね。USのローファイやノイズのギターも好きだし、だけどメロディは自分なりの音を出したいという感じが表れているんじゃないかなって。
NIKE : リリースさせてくれたのが〈I HATE SMOKE RECORDS〉というハードコアとパンクのレーベルだったんですよ。『Jr.LOVE ep』はすごくポップな作品だと思っているんですけど、同じ界隈にいたパンク好きな人たちが『Jr.LOVE ep』を好んでくれて「こういう場所でポップな曲を受け入れてもらえるなら、もっとたくさんの場所に響くんじゃないか」と未来が楽しみになりましたね。
†NANCY† : この頃って、ギャラリーを借りてそこでライヴをしていて。ライヴハウスでやりたいけど、自分たちの用意したギャラリーだけで演奏していたんです。
──一時期、マンションの1室に50人もの人が来たとか。
MJM : そうですね。それで近所の人から「うるさい」「変な奴らが出入りしてる」ということで警察が来て。
NIKE : そんな感じだったので、あまり外の評価がわからなかったんです。でも『Jr.LOVE ep』という作品が300本完売したことで、音楽でちゃんと認めてくれる人がいるんだなって自信に繋がりました。そのあとにサイケデリック、UKロック、ブレイクビーツなどを織り交ぜた『PINK PEOPLES』をリリースして、さらにMJの脳内にあるいろんなアプローチの曲が飛び出すようになりました。
MJM : うん、いろんなジャンルの曲ができたのもあって。2016年になったら、自主制作フル・アルバム『CATCHER IN THE DIE』をリリースできました。
──この時期から活動のスタイルも変わって。
MJM : そうですね。それまでは下北沢の野外にテントを張って、でかいアンプを持ち込んでストリートライヴみたいなことをやってました。かけつけた警察に「君たちはなんでライヴハウスに行かないんだ?」と聞かれて「いやぁ、ライヴハウスはまだかなと思いまして」みたいな話をしてました。
──「ライヴハウスはまだ早い」と思った理由はなんですか?
MJM : 被害妄想と言いますか…… 僕たちに悪い噂が流れていたみたいで「あいつらとつるまない方がいいぞ」みたいな空気があったんですよ。それで「俺たちはぐれものになっちゃってるのかな」と思って、内にこもっていましたね。とはいえライヴハウスで出演したこともあったんですよ。NIKEくんと2人でデジタル音を爆音で流しながらライヴをしたんですけど、3曲くらいで出禁になっちゃって。そういうこともあって「ライヴハウスはまだ早いのかな」と。とりあえず音源ばっかり作る方向に向かってましたね。だけど『CATCHER IN THE DIE』を作ってから、下北沢のDaisyBar、THREE、SHELTERにも出られるようになりました。
──2017年には、夜の本気ダンス、VOLA&THE ORIENTAL MACHINEを輩出した〈actwise〉に所属するんですよね。
MJM : 声をかけてもらったのが、下北沢のTHREEでライヴをした日なんですよ。僕、家で1人興奮するために買ったローションがありまして、それをライヴ中に勢いで自分の体にかけちゃったんですよ。そしたらステージも床もローションまみれになって。
──うわ、大ごとじゃないですか。
MJM : 自分的には、すごく良い香りだしヌルヌルして正直興奮していたんですよ。それで演奏が終わって、ちょっと上半身裸で歩いていたら「良かったよ」と声をかけてくれたのが〈actwise〉の吉田社長で、そこから「一緒に音楽をやろうよ」という流れになったんです。
NIKE : 先に『CATCHER IN THE DIE』を聴いてくれて、そこから興味を持ってライヴに足を運んでくれたみたいなんです。あの作品って、正直な話をすると、音は自主制作だから良くないんです。だけどノイズまみれの中にある、僕らの伝えたい根っこの部分を感じてくれて、声をかけてもらえたのがうれしかったですね。そこから〈actwise〉で初の全国流通盤となった『MIRROR MIND』をリリースしたことで、それまで僕らを知らなかった人にも届いたのがうれしかったです。
──どんどん輪が広がっていく中、2018年5月にはベースのCREAMMANさんの脱退がありました。
MJM : 4人になったことで「新しい音を1つ1つ作り直そう」と話して、青盤『Blue Liberation』と赤盤『BLOOD BERRY FIELDS』というミニ・アルバム2枚をリリースさせてもらいました。それによって、いま鳴らしたい音を見つめなおせたからこそ、今回の『R.I.P. CREAM』に繋がっている気がします。
──新作『R.I.P. CREAM』は、どんなイメージで生まれたんですか。
MJM : いままでやってきた全作品を凝縮したい気持ちと、自分たちが影響を受けてきた音楽や様々なカルチャーを全部詰め込みたいなと思いましたね。
──何がそう思わせたのか言葉で伝えにくいですけど、僕はロマンチックな作品だなと思いました。
MJM : ロックっていろんな表現ができると思うんですけど。ロマンチックやファンタジーなことを想像して自分の心を安定させる反面、ときには全部壊してやれという気持ちになったりして。そのどっちもの感情があることが大事だなと思うんです。だから今回に関しては、いままでのカルチャーに対するリスペクトの気持ちを込めて“R.I.P”と名付けましたし、これからいろんな状況が世界には起こると思うんですけど、それもすべてロックで切り開いていこうという意識で作りました。
NIKE : いまの体制になってライヴを重ねていくうちに、自分たちの音を少しずつ見つけられるようになって。『BLOOD BERRY FIELDS』では作り終わったときに終着駅に辿り着いた感覚だったんですよ。だけど、今回の曲を作りはじめたときに全楽曲が終着駅を通り抜けていく感じがしたんです。それはBALLOND'ORが新しい音を見つけられた証拠でもある。先ほどロマンチックと言っていただいたんですが、僕もその通りだと思ってて。MJの真逆にある強く感じていることだったり、ずっと思っていたことだったり、そういう表現が広がった状態でレコーディングがはじまっていった感じです。
†NANCY† : MJMから「昔のディズニーのような音をやろう」とか「グリム童話のような音を混ぜたい」と言われたりして、それに応えようとレコーディングしました。聴きかえして「私たちは、破壊と幻想みたいな部分が混ざり合ってできた曲を作ったんだな」と思いました。
AKAHIGE : 今回はメンバーがそれぞれMJMと細かくコミュニケーションをとって自分のパートを組み立てていきました。僕がMJMに言われたのは「呼吸をよく聴いて叩いてほしい」と。全曲声だけじゃなくて、MJMの呼吸をたしかめながら叩いたのが大きかったです。
──ちなみに11曲の中で、アルバムの世界観を表す軸となっている楽曲はなんだと思います?
MJM : 僕としては“TRUANCY MAFIA”ですかね。単純にアルバムの中で中心人物なのかなって思いますけど…… 1曲に絞れるものじゃないですかね。NIKEくんは“UNITED”と言ってて、†NANCY†に関しては“DAYDREAM”で、AKAHIGEくんは“DIENER”を挙げていたので4人の中でもぜんぜん違うんですよ。自分が曲を作っているので、どれが1番とかないんですけど…… うーん。さっき“TRUANCY MAFIA”と言いましたけど、ちょっと絞るのは難しいですね。
──今回は結成当初から話を聞きましたけど、NIKEさんと2人でバンドを立ち上げた頃から現在までを振り返ってどんなことを思います?
MJM : よく「活動の仕方が変だよね」とか「ちょっとやり方違うよね」と言われてきたんですけど、自分の中では理想の世界を作り出すために曲を作っているので、ロックに出会った12歳の自分が描いた理想の世界へ向かう旅だと思っているんです。だから歩みというか、まだまだ旅の途中だなって。『R.I.P. CREAM』を作ったことで、今後がますます楽しみになりました。
──MJさんにとって音楽ってなんですか?
MJM : 学生時代を振り返ると、小中高はいつも心のどっかに疎外感があって。「なんで自分はとけ込めないんだろうな」とか「自分はこう思っているけど、みんなに合わせないといけないのかな」とか、本当の感情を心のどこかに閉じ込めることが長い期間あった。そこからロックをはじめとした音楽を聴いたことによって、痛い思いをしたときに自分を支えてくれたり、「死にたい」と思ったときに音楽を聴いて「俺もなにかできるかもしれない」と思わせてくれたり、そういう気持ちをいつもロックからもらっていたんです。だからBALLOND'ORを聴いて、少しでも同じような感情を抱いてくれる人がいたらうれしいです。
編集 : 綿引佑太 編集補助 : 鈴木雄希
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PROFILE
BALLOND'OR
失恋をして引きこもり生活だったMJM(Vo)と、NIKE(Gt)がいままでの好きなロックを散々詰め込んだ唯一無二の音楽をかき鳴らそうと話し合い下北沢にて結成。
結成時は狭い部屋の中で楽曲制作に励み、暗い日々が続く。
東京のロック・シーンでNOISEとPOPが同居する唯一無二の音楽を奏で活動中。
2020年春には、新体制初となるフル・アルバム『R.I.P. CREAM』をリリースする。
【公式HP】
http://ufo-banana.com/
【公式ツイッター】
https://twitter.com/UFO_BANANA