OTOTOYフジロック・ガイド2019──今年のフジってどうなの? 素朴な疑問にお答えします!

今年もついにフジロックの時期がやってきましたね〜。というワケで、今年も、毎年恒例のOTOTOYフジロック・ガイドを掲載! 今回は「今年のフジロックってぶっちゃけどうなの?」という編集部の素朴な疑問にライター・渡辺裕也に答えてもらいました。多様なジャンルの音楽が集まるフジロック。これだけ見ておけば今年のフジロックは本当に楽しめること間違いなし!それではフジロック・ガイド2019、スタートです!
FUJI ROCK FESTIVAL'19
2019年7月26日(金)、27日(土)、28日(日)@新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間 : 開場 9:00 / 開演 11:00
料金 : 3日通し券 45,000円(ソールドアウト) / 2日券36,000円(ソールドアウト) / 1日券 20,000円(28日のみ)
当日券 : 1日券 20,000円(28日のみ)
出演 : 国内外約200アーティスト
詳細 : https://www.fujirockfestival.com (オフィシャル・サイト)
今年もフジロック・ガイド行ってみましょう〜!
いよいよフジロックフェスティバル2019の開催が迫ってきました。どうやら今年はチケットの売れ行きも好調とのことで、苗場の会場は例年以上の賑わいが予想されていますね。さて、実際のところ今年のフジロックはどんな感じなのでしょう? ということで、今回は2019年のラインナップに関するいくつかの質問に、ライターの渡辺がお答えします。参加を検討中の方はよかったら参考にしてみてください。そして直前の予習にも役立ててもらえたら幸いです。
文 : 渡辺裕也
今年のフジロックってぶっちゃけどうなの? ライター・渡辺裕也がお答えします!
Q1. ぶっちゃけ今年のヘッドライナー3組ってどうなの? 豪華だとは思うけど、なんとなく新鮮味に欠けるような気もする……。
A. 「またケミカル・ブラザーズなの?」と突っ込んだあなた、彼らの最新作『ノー・ジオグラフィー』はもうチェック済みですか? このアルバム、超いいんです。サウンド的には初期レイヴやアシッド・ハウスを彷彿させる激アッパーな仕上がりで、そのラフなビート・プロダクションは洗練や円熟といったイメージとまったく対極にあるもの。トレンドに媚を売らず、いまの気分にフィットしたサウンドをしっかり探り当ててくる彼らのセンスにあらためて脱帽です。8年ぶりとなる今回のヘッドライナー公演は、最新モードにアップデートされた彼らのパフォーマンスが期待できるはず。
2日目ヘッドライナーのシーアに関しては、出演すること自体を意外に感じた方もわりと多いかもしれませんが、じつは彼女がフジロックに登場するのはこれが2回目。そう、シーアは2004年にZero 7のフィーチャリング・ボーカリストとしてレッド・マーキーのステージに立ってるんです。つまり、今年は名実ともに2010年代屈指のビッグ・アクトとなったシーアが、15年の時を経てフジロックの舞台に帰ってくるってこと。これはアガります。
そして、演奏予定時間をまったく守らないことでお馴染みのザ・キュアー。2013年のフジロック出演時は約3時間、曲数にして全36曲を演奏しており、恐らくこれはフジロックのヘッドライナー公演としては過去最長。バンドの40周年にあてた今回の公演は、その記録更新にも期待がかかるところです。なので、終電は今のうちに諦めておいた方が吉。あなたの聴きたい曲はたぶんだいたい聴けちゃうはず。
Q2. 日本のインディー・ロックはよく聴くけど、海外のシーンはよくわからない。そんな人にもオススメのアーティストは誰?
A. フジロックの醍醐味はラインナップの雑多さ。普段なかなか出会えない音楽を浴びるように体感できる絶好の機会です。そして国内インディ・ロック / ポップ好きが今年のフジロックで絶対に目撃すべきアーティスト、もちろんめちゃくちゃいますよ。
まずはキング・ギザード&ザ・リザード・ウィザード。サイケデリック・ロック大国オーストラリアにおける現在のトップランナーといえば彼ら。やたらとリリースの数が多いだけに、このバンドはライヴで体感するのがベストです。そしてこちらも現代屈指のサイケデリック・ロック・バンド=アンノウン・モータル・オーケストラは、日本のTempalayも多大な影響を公言してますね。ここ数年で活気付いた英サウス・ロンドンを象徴する5人組=シェイムは、まさにいま最もホットなインディ・ロックバンドのひとつです。
ミツキはもはや説明不要ですが、どうやら彼女は今シーズンを節目にライヴ活動を無期限休止するとのことなので、気になっていた方は今回のステージを絶対に見逃さないでください。フィリピン系アメリカ人のジェイ・ソムは、そんなミツキと双璧をなす最重要アーティスト。アジア系の女性アーティストが旋風を起こしている近年の北米インディ・シーンをリードしている存在です。
コートニー・バーネットとステラ・ドネリーはどちらもオーストラリア出身にして、双方ともフェミニズムへの意識が高まる時代を象徴するシンガー・ソングライター。アシッド・フォーク的な寂静とした歌が魅力的なアリス・フィービー・ルーも要注目…… と、キリなく挙げられそうですが、とりあえずこんな感じでしょうか。
Q3. ヒップホップのリスナーからすると、フジロックってちょっと縁遠いイメージ。そんな人でも今年のフジロックは楽しめる?
A. もちろん楽しめます。とはいえ、三日通しの参加はさすがにハードルが高いのも事実。ということで、あなたには3日目がオススメ。この日は単純にKOHHとヴィンス・ステイプルスが一気に観れちゃうっていうのも大きいですが、3日目のホワイト・ステージはその前後もすごい。一発目のSANABAGUN.からトリのジェイムス・ブレイクまで、丸一日ずっとホワイト・ステージにいるだけでも、チケット代のもとはバッチリ取れるでしょう。
加えてこの日は、ハイエイタス・カイヨーテ、フォニー・ピープル、コメット・イズ・カミングなど、現在進行形のソウル / R&B、ジャズを牽引するバンドが揃い踏み。観るアーティストに困ることはまずないでしょう。言い方がアレかもしれませんが、コスパめちゃくちゃ高いです。
Q4. 今回のラインナップは例年と比べてどんな特徴があるの?
アジア勢の充実ぶり。特に今年のラインナップからはK-POPとはまた違った意味で韓国の層の厚さが感じられます。その筆頭となるのが、ヒョゴ。ここ日本でもすっかり人気バンドとなりましたが、彼らが世界的にも当代屈指のロック・バンドだってことはあらためて強調しておきたいところです。
トラップとハウスの間をいくミニマルなダンス・ミュージックが最高にクールなエレクトロニック・プロデューサー=ヤエジは、韓国系アメリカ人。彼女もまたアジア系アーティストに注目が集まる現在の北米シーンを象徴する存在です。3日目深夜に登場するナイト・テンポは、日本の1980年代ポップをフューチャー・ファンクとして再構築してみせた気鋭のDJ / プロデューサー。海外におけるシティ・ポップ人気の過熱ぶりを今まさに体現する存在です。そして、ノ・ソンテク&ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ。ルーツ・レゲエ / ダブを韓国の伝統音楽と折衷させたサウンドがとにかくインパクト大です。
すでに日本でも人気バンドとなった台湾の落日飛車(サンセット・ローラーコースター)は、シティ・ポップ / AORの影響下にあるインディ・バンドのなかでも間違いなく最高峰の存在。モンゴリアン・パンク・バンドのハンガイは、モンゴル伝統音楽に基づく演奏と歌唱法がとにかく唯一無二。タイからは伝統楽器モーラムをジャズやラテンと融合させたザ・パラダイス・バンコク・モーラム・インターナショナルバンドが登場。米テキサス出身の3ピース=クルアンビンはそんなタイの伝統音楽を昇華したメロウなファンク・グルーヴを鳴らすバンドで、個人的にも今年のベスト・アクト候補ではないかと。
もちろん注目すべきはアジアだけじゃない。ウーゾ・バズーカ(イスラエル)、ソオー(バレンシア)、バンダ・バソッティ(イタリア)、インタラクティーヴォ(キューバ)、ヴォードゥー・ゲーム(トーゴ)、ニコラ・クルーズ(エクアドル)など、今年のフジロックも世界各地から錚々たる顔ぶれが集結。欧米圏以外のシーンにかつてない注目が集まるいま、このあたりを軸に回ってみると相当に楽しいと思いますよ。
Q5. とにかく今年これだけは見逃すな! というアーティストを教えて!
A. 今年はダニエル・シーザー、サブリナ・クラウディオ、ケイトラナダなど、現行のR&Bシーンをリードする才能がずらりと登場。このあたりはマストで押さえておいてください。さらに、モダン・ディスコの大傑作『アウター・プレイス』を今年リリースしたトロ・イ・モワ。同じく新作『ANIMA』を先日リリースしたばかりのトム・ヨークの最新モードも絶対に見逃せない。あとは…… とか言い出すとまたキリがないですね。
ということで最後にひとつだけ。2019年のフジロック最大の目玉といえば、なんといってもジャネール・モネイです。彼女こそ、ブラック・ミュージックの歴史を横断し、クィアの立場から人々のジェンター観を軽やかに塗り替えていく現代最高のポップ・アイコン。今年はこれを観なきゃはじまりませんので、そこだけは何卒よろしくお願いします。
FUJI ROCK FESTIVAL'19
2019年7月26日(金)、27日(土)、28日(日)@新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間 : 開場 9:00 / 開演 11:00
料金 : 3日通し券 45,000円(ソールドアウト) / 2日券36,000円(ソールドアウト) / 1日券 20,000円(28日のみ)
当日券 : 1日券 20,000円(28日のみ)
出演 : 国内外約200アーティスト
詳細 : https://www.fujirockfestival.com (オフィシャル・サイト)
今回ピックアップしたアーティストの出演日時はこちら
2019年7月26日(金)
シェイム(12:40〜 @RED MARQUEE) ★
サブリナ・クラウディオ(14:00〜 @RED MARQUEE) ★
ノ・ソンテク&ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ(14:00〜 @FIELD OF HEAVEN)
ウーゾバズーカ(14:30〜 @Café de Paris)
キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザード(14:50〜 @WHITE STAGE) ★
ジャネール・モネイ(16:50〜 @GREEN STAGE) ★
トロ・イ・モワ(17:50〜 @RED MARQUEE) ★
ミツキ(20:00〜 @RED MARQUEE) ★
ケミカル・ブラザーズ(21:00〜 @GREEN STAGE)
トムヨーク トゥモローズ モダン ボクシーズ(22:00〜 @WHITE STAGE)
ヤエジ(24:15〜 @RED MARQUEE)
ケイトラナダ(25:30〜 @RED MARQUEE)
ソオー(27:15〜 @CRYSTAL PALACE TENT)
ニコラ・クルーズ(27:45〜 @RED MARQUEE)
2019年7月27日(土)
落日飛車(10:20〜 @RED MARQUEE) ★
ソオー(13:10〜 @WHITE STAGE)
ジェイ・ソム(14:00〜 @RED MARQUEE) ★
ニコラ・クルーズ(14:30〜 @Day Dreaming)
インタラクティーヴォ(14:30〜 @木道亭 / 23:50〜 @苗場食堂)
アンノウン・モータル・オーケストラ(14:50〜 @WHITE STAGE) ★
コートニー・バーネット(16:30〜 @WHITE STAGE) ★
ダニエル・シーザー(20:00〜 @RED MARQUEE) ★
アリス・フィービー・ルー(21:00〜 @GYPSY AVALON)
シーア(21:10〜 @GREEN STAGE) ★
ノ・ソンテク&ザ・ソウル・ソース・ミーツ・キム・ユルヒ(25:30〜 @CRYSTAL PALACE TENT)
2019年7月28日(日)
ハンガイ(11:00〜 @GREEN STAGE / 27:15〜 @CRYSTAL PALACE TENT) ★
SANABAGUN.(11:40〜 @WHITE STAGE)
ステラ・ドネリー(12:40〜 @RED MARQUEE) ★
バンダ バソッティ(13:10〜 @WHITE STAGE)
ザ・パラダイス・バンコク・モーラム・インターナショナルバンド(13:40〜 @FIELD OF HEAVEN) ★
インタラクティーヴォ(14:50〜 @WHITE STAGE) ★
ハイエイタス・カイヨーテ(14:50〜 @GREEN STAGE) ★
フォニー・ピープル(15:50〜 @RED MARQUEE) ★
ヒョゴ(16:30〜 @WHITE STAGE)
ヴォードゥー・ゲーム(17:10〜 @FIELD OF HEAVEN / 25:30〜 @CRYSTAL PALACE TENT)
KOHH(18:10〜 @WHITE STAGE) ★
ヴィンス・ステイプルス(20:00〜 @WHITE STAGE) ★
クルアンビン(21:00〜 @FIELD OF HEAVEN) ★
ザ・キュアー(21:00〜 @GREEN STAGE) ★
ジェイムス・ブレイク(22:00〜 @WHITE STAGE) ★
ナイト・テンポ(23:00〜 @RED MARQUEE / 26:00〜 @GAN〜BAN SQUARE)
コメット・イズ・カミング(24:00〜 @RED MARQUEE)
★がついているアーティストはYouTube ライブ配信予定アーティスト!
https://www.youtube.com/fujirockfestival
出演アーティストの音源は下記から購入可能!!
7月26日(金)出演アーティスト
7月27日(土)出演アーティスト
7月28日(日)出演アーティスト
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