ある人に向けて手紙を書いてみる。読んでもらえるのかどうかはわからないけど、何とか自分の気持ちが誤解無く、ストレートに伝わるようにしたい。あるいは、その日思った事を日記にまとめてみる。どうにも言葉にならない。でも今のこの感情を忘れたくない。どちらにしても、だいたい思っているようには仕上がらない。でも書き始める前より、少し自分の頭の中がクリアになったような気がする。
という歌い手にとって、詞を書き、メロディに乗せて歌うという行為は、きっとそんな感じに近いのだろう。この『HAKUCHIZ』という作品には、彼の日常やその中で見ている景色、そこで巻き起こった感情が、いくつかの場面に分けられて記録されている。今はもうそばにいないあの人の事を想ったり、どうもさえなかった一日を省みたり、自分の思い通りに進まない事を憤ってみたり。傍から見たら、どれも他愛のない事かもしれない。でも1本のギターを基調にしたそれを、気心の知れたバンド仲間と共に形にしてみたら、こんなにも色鮮やかで優しい歌が揃った。きっとたくさんの人が気にいる作品だけど、だからと言って声高に言う必要もないような気がする。彼はこの先もずっと、日々を綴るように曲を書き、歌い、作品としてまとめていくだろうし、それを楽しみにする人は自ずと増えていくと思う。
彼の歌は、聴き手に対して無理に答えを導き出そうとはしていない。あくまでその時のありのままの感情を、なるべくクリアな言葉で歌っている。特にそれで何かを望んでいる訳ではない。でも出来るなら、自分の歌は、自分が愛しているすべてを祝福するものでありたい。。とても優れたシンガー・ソングライターだと思う。でも同時に、彼は僕らとどこか似ているような気がする。(text by 渡辺裕也)
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オガサワラヒロユキ PROFILE
ヘヴィ・メタルの洗礼を受け音楽を始める。その後、あちらこちらへ寄り道の末、2004年12月よりギター弾き語りの形態で活動を開始。時折、"オガサワラヒロユキグループ"と銘打ったバンド編成でライブを行うことも。日記を綴るような詩とその柔らかな歌声は様々な層から評価を受けている。2009年8月には、活動の中で出会った関西の重要ミュージシャン達をゲストに迎え製作された1stミニ・アルバム『HAKUCHIZ』をリリース。好評を博している。
- official site : http://ogasawarahiroyuki.com/
LIVE SCHEDULE
〜HAKUCHIZを塗つぶすツアー2010その2〜 2010年ツアー第2弾。東京2days。3箇所。
- 2/27(土) S.B.M presents“連鎖18”@新宿Naked Loft
ADV. 2000yen / DOOR 2500yen
w/ SUZUKI BED MUSIC / ベロニカ
- 2/28(日) “ユピトーク 1stミニ・アルバム発売記念パーティー”@下北沢mona records
LunchSet 2200yen / 1drink 2000yen
w/ユピトーク / Contrary Parade
- 2/28(日) @池ノ上ruina
Charge 2000yen
w/ サラ・テ・ロロコ / 竹下翔 / 瀬古武志
心安らぐ歌の世界
the pillow books of yupitalk / ユピトーク
遠藤友梨恵によるソロ・ユニット「ユピトーク」。ドリーミー歌ものバンド「Lodge」のキーボードを担当していた彼女からは誰も想像できなかった、繊細で温かい歌声とサウンドは、アメリカやイギリス、スコットランドなど世界各国のラジオでデモ作品がオン・エアーされるほど。太陽の光が差し込むベッドに寝転び、口ずさみたくなる歌たちがつまった1stミニ・アルバムがついにリリース!
だからゆくのさ / mojoco
園部信教と山崎“paul”貴博の二人組。何といっても彼らの持ち味は、日中のあたたかさと夜中の静寂さをあわせ持つ世界観と、日常を切り取る歌と透き通った声。日々の暮らしに寄り添う、待望のファースト・アルバムです。
合奏 / ハンバート ハンバート
9月公開の映画「プール」主題歌原曲「妙なる調べ」、小田急電鉄CM曲「待ち合わせ」を収録。スコットランドのフィドラーズ・ビドを迎えてレコーディングされたこれらの曲はすでにコンサートでは人気曲でファン待望のリリース。SHIBUYA-AXでのワンマン・ライヴを大盛況の内に終了した、注目の男女デュオ。