まずは、unkieを聞いてみよう。「Save It」12時間限定フリー・ダウンロード!
「But Still Beginning」のリリースを記念して、前作「Save It」のMP3 ver.を、本日12時より0時までの12時間に限り、フリー・ダウンロードします! 起伏に富んだ展開とスピード感溢れるスリリングな演奏は、彼らの真骨頂。この機会に是非聴いてみてくださいね。
※フリー・ダウンロード音源はmp3ファイルです。高音質で聴きたい方は、3月17日発売のHQD ver.をダウンロードください。
「Save It」のフリー・ダウンロードはこちら(3月12日(金)0:00まで)
そして3月17日! 新曲「But Still Beginning」、前作「Save It」の高音質配信がスタート!
3月17日(水)より、unkieの新曲「But Still Beginning」を、高音質のHQD(24bit/48KHzのWAVファイル)で販売します。独自のロック・センスと卓越した演奏力が際立つ、彼らの持ち味が如何なく発揮された本作は、配信限定でのリリース。高音質での販売はototoyだけです。更に、昨年9月に同じく配信限定でリリースされた『Save It』のHQD ver.も同時に販売開始。08年の2ndアルバムでもスティーヴ・アルビニをエンジニアに起用し、海外レコーディングするなど、音に対する貪欲なこだわりが生み出すスリリングなサウンドを、余すことなく体感してください。
INTERVIEW
「But Still Beginning」。もうこのタイトルだけでドキドキしてこないか? そもそも一夜限りのセッションで終わるはずだったこのバンドは、その後2枚のアルバム、そして配信限定シングル「save It」のリリースを経て、今ここで新たな始まりを告げようとしている。ギター、ベース、ドラムの抜き差しだけで演出するスリリングな展開。どこまでも艶めかしく疾走するグルーヴ。試行錯誤の時期を終えて、彼らはついに剥き出しの衝動だけをこの1曲に収めた。そう、これは更なる飛躍への序章だ。そうとわかればこの船に便乗しない手はないだろう。「But Still Beginning」。ストーリーはもう始まっている!
インタビュー&文 : 渡辺裕也
衝突を経て、3人の結束がどんどん強いものになった
——今のunkieは、間違いなくファンが期待していた以上のペースで動いていると思うのですが、皆さんの実感としてはどうでしょうか?
TOKIE(B/以下、T) : どんな感じかな(笑)?
城戸紘志(Dr/以下、K) : そうあってほしいと思ってます(笑)。
青木裕(Gt/以下、A) : そう思ってくれたのが嬉しい(笑)。
——しかも届いてくる曲がどれもアッパーなんですよね。
K : それはかなり意識的にそうしていますね。
A : 世間からの認知度という意味では、僕達はまだまだ満足していないし、ずっと攻撃的な姿勢のままですね。ただ、実際はみんなメランコリックなものが好きだったりもするんです。そういう部分も随所に見え隠れしているとは思います。
K : 結成してからもう5年近くになるのかな。何度か衝突した事もあったんですけど、それを経て、3人の結束がどんどん強いものになりましたね。
T : 3人がまだお互いを理解しきれていなかったので、まずは全員のベクトルを揃える作業に時間を費やしてきたんです。もちろんそれで何度か衝突もあった。でも去年辺りからようやくそのベクトルの方向が揃ってきて、このバンドで作るものへの満足度が増してきていますね。
——「unkieの楽曲は、まずモチーフを決めてから、三人でそれに向かっていく事で完成させている」と伺っていたのですが。
T : まさにそれが、ベクトルが揃っていなかった時のやり方ですね。つまり当時はモチーフを決めないと散漫になっていた。でも今はスタジオで音を出した時に「それいいね」という声が揃うようになったんです。
K : お互いの持ち味を認め合えるようになったら、演奏の自由度が更に増したんです。
——何かきっかけになった出来事や楽曲があったのですか?
T : 私がブチキレた時かな(笑)。
K : (笑)。「Save It」を作っている時、確かに結構な衝突がありましたね。
A : そうだっけ? あー! 確かにあったね(笑)。
K : (笑)。あれは僕が悪かったんです。僕がこの中では一番年下だし、やっぱり子供なんです。だから好き勝手な事を言ってしまって。
A : 歴史を刻んできてますね(笑)。確かにそれがあって現在があるわけですから。
——(笑)。具体的に聞いてもいいですか?
T : 基本的な事ですよ。バンドの中で自分の主張をどこまで通して、どこで妥協出来るか。あるいはどれだけ相手の主張を消化できるかという事ですね。そのやり取りをしている中で、爆発しちゃった(笑)。
——最近はテレビ・ドラマの劇中音楽も担当されていましたね。
T : あれは私達が作曲した訳ではないんです。既に曲が用意されていて、そこに演奏家としてこのバンドで参加させて頂きました。そういった中でどれだけこのバンドの雰囲気を表現できるかを考えて取り組みました。
A : 面白い経験でしたね。それこそ三人がそれまで感じていたストレスがどんどん軽くなっていくのを実感できました。
K : 自分達で作った曲じゃなくても、unkieにしか出せないグルーヴになったんですよね。
A : つまりどういう環境になっても、僕達の音楽はこの3人でコントロール出来ると確信出来たんです。
——タイトルについて伺わせてください。これまでは単語ひとつの抽象的なものが多かったのですが、この「Save It」と「But Still Beginning」という2曲のタイトルには、どこかリスナーに突き付けるような力強さを感じます。特に「But Still Beginning」の"But"が気になりました。
A : (笑)。抽象的という事に関しては、この2曲にも言えると思います。そこは一貫してるんじゃないかな。「But Still Beginning」はトッキーが提案したんだよね?
T : “But Still”というのがなんとなくキーワードとしてあったんですよ。そこで青木君が「“Beginning”を付けてみたらどう? 」と提案してくれたんです。もう既にアルバムを2枚出していますけど、この曲が出来た事でようやくバンドの体制が整ったという実感があったんです。だから再出発という思いがこのタイトルには込められています。
A : 曲作りからタイトルを付ける所まで一貫して作り上げたのは、この曲が初めてだったんだよね。僕らはいつもアルバムの冒頭を飾る曲を作ろうという気持ちで臨んでいるんです。過去に作ったものとの関連性を思い描きながら、それを常に更新していくような。
——確かにより衝動的でストレートな仕上がりになってきていますね。
A : それは、今回もリリースするのが1曲だけというのもあります。もしアルバムだったら色々なアザー・サイドも見せていけますけど、1曲だけを提示する時は、アッパーなものになるのが自然な流れとも感じますね。
K : unkieで集まる時は常に緊張感があります。ライブも緊張しますよ。だって、リハーサルないんだもん(笑)。そうした中から自然に湧き出たからかもしれない。
A : (笑)。リハをやらないというのは、各々スケジュールの都合ももちろんあるけど、あまりやりすぎてもよくないという考えもあって。お客さんにこっちのテンションも伝わるじゃないですか。ダラダラしたプレイは見せたくない。だからめちゃくちゃスリリングですよ。
——unkieの楽曲には偶発的に出来たものもあるのでしょうか? あるいは皆さんにとって演奏の中での偶発性とはどのようなものですか?
K : それ(偶発的なもの)ばかりじゃないですかね(笑)。
T : 完成したものはもちろん構築する作業を経て出来ていますけど、それを組み立てるまでのパーツは化学反応で生まれたものですね。
A : 一方で偶発を演出することもありますよ。でも演奏している中で偶発的なものが生まれる時があるのも確かです。
K : 例えばライヴ中にそれは求めませんけど、曲を作っている時にはそういう偶発性を楽しんでいますね。
A : だからと言って、セッションやアドリブに走ったりはしません。収集がつかなくなりますからね。
——では「But Still Beginning」の曲作りはどこからスタートしたのですか?
A : 僕が持ってきたリフを基に展開していった感じだったかな。ほら、「アル・ディ・メオラみたいだね」とか言ってたじゃん(笑)。
K : あぁ。確かにラテンっぽい音だったんだよね。
T : (笑)。だから原型はもう跡形もないですね。最初にあるリフはキーワードのようなもので、それを基に3人で「これだ!」という音にしていくんです。
A : まずは演奏を繰り返しながら試行錯誤していくんです。その中で3人がピンとくる瞬間が来たら、もうそこからは早いですね。曲作りにかかる時間はどんどん短くなってきています。
——演奏でのやり取りがスムーズになってきているんですね。
K : 僕は口頭でも伝えますね。でもTOKIEさんは音だけでどんどん表現していきます。
A : それがいいんだよ。だから僕は「ベクトルが違う」というのはいい意味でも作用する事があると思っているんです。解釈の違いからインスパイアされる事は僕らの中では多々ある。
——前作『too many secrets』では、スティーヴ・アルビニをエンジニアに起用したというのがひとつのトピックでしたが、今回の「But Still Beginning」も、非常に生々しくて立体感のある仕上がりになっています。
T : 今回録った曲も、それこそ日本のアルビニと言っても過言でない、Go-Go King Recordersの加納直喜さんにレコーディングして頂いたんです。その効果は大きいと思います。
K : もちろん今作っているものもいいけど、やりたい事が常にいっぱいありすぎるんですよね、僕らの場合。例えば次の作品がエディットしまくりのものになったとしても、何もおかしくはないんです(笑)。
A : <演奏家集団>ではなく、<音楽家集団>としての意識が、徐々に僕達の中で芽生えつつあるような気がします。特に「But Still Beginning」は、1人ではなく3人のアイデアが骨組みになっているので、よりそういう気持ちが強いですね。
——他の作品から刺激を受けたりはしましたか?
A : 僕はないですね。チェックはしますけど、自分達の音楽に反映させようとは思わないかな。ロックも普段はあまり聴かないですね。聴くのはクラシックとかサウンド・トラックの方が多いかな。ヒロシは何かあるんじゃないの?
K : 僕も今考えてみたけど、パッと浮かばなかった。普段は歌モノの方が好きだし。
——やっぱりリスナーよりも、音楽家目線になってしまう?
K : それはもう取り去れないですよね。
A : これまでいろんなバンドと関わってきたけど、僕らの作曲方法はけっこう異質なのかもしれません。とにかくアイデアを出し合うスピードが早いし、合わせるべきところに合わせない事でヴォーカル・パートを埋めているというか…どう言えばいいんだろ。うまく説明してよ。
K : (笑)。楽譜に起こしたりもしてみたんですよ。そうしたら要所で自分にとって新しいと思えるようなリズムの譜割や、テンポの変わり目が散りばめられていたんです。
A : ヒロシは知識も豊富だから、僕らの所に色々なアイデアを持ってくるんです。そこでひとつの試みとして、一度音楽的に綺麗に整理して叩いてもらった事があったんですけど、それは僕やトッキーにとってはあまり面白いものではなかったんですよ。もちろん音楽的には正しいし、悪くないけど、それだとヴォーカルが必要になってしまうというか…。
T : カラオケの伴奏みたいになったんだよね(笑)。
K : イビツでゴツゴツしていた方が僕らは面白いっていうのが、そこで見えましたね。
A : 今までだったら音楽的に正しい方向を選んでいたと思う。だけど今回はゼロから始めたかった。概念に捕らわれたくなかった。
——でもそれは皆さんが正しいと言われる形を知っているから出来る事ですよね。
A : そう言われると嬉しいですね(笑)。頭を使う作業を経た上で、初期衝動的なものを求めているんです。知識で向かっていっても、結局閃きには勝らない事があるんです。
K : その方がずっと深みが出るしね。三人でいろんなものを踏まえて演奏して、そこからは、くるかこないかの判断になるから。
A : そうそう。トッキーが前に「音楽に求められるものは何か。知識じゃない。くるかこないかだ」って言ってて、すごくいい言葉だと俺は思ったんですよね。今はそれを肝に銘じています。
K : 自分が備えている理論だけでは当てはまらないものがあるんです。
A : もちろん知識があれば選択肢は増えるんですけど、行き着く答えはいつもシンプルなんです。
K : しかもその答えって初期の段階で既にやってた事だったりするんですよね(笑)。
A : そう(笑)。理論を持って立ち向かっていった結果、結局最初に戻る事はよくありますね。
——その“くる”ポイントが3人で合致した瞬間ってどんな感じなんですか?
A : 演奏し終わってみんながニヤっとしてたら、OKだという事ですね(笑)。
K : ベクトルが合うってそういう事だと思う。皆が楽しい顔してないと嫌だもんね。
A : さすがに何年も一緒にやってると、“気”が伝わってくるようになってきて。スピリチュアルなものがね(笑)。目に見えない、心理的なものですよ。
T : “気”ね(笑)。
——やっぱり音楽活動が2順目、3順目に入ってくると、そういうスピリチュアルな感じになっていくのですか?
K : 間違いなくそうなりますね(笑)。音楽家に限らず、芸術家はみんなそうなるんじゃないですか。そこは目に見えない何かと闘うしかないんですよね。
A : やっぱり出発点はいつも閃きだから。
T : そもそも音楽は形がない、感じるものだから。それは誰にとっても一緒じゃないかな。
A : 目に見えないけど存在しているものはたくさんあるじゃないですか。重力、電波。それと同じです。必ず存在する。僕達もいろんなものから刺激を受けてここまでやってきたから。その刺激を僕らは音楽という形にして再現したいんですよね。
K : だから、今回の「But Still Beginning」にはいい“気”がいっぱい入ってますよ(笑)。
A : 僕ら自身がめちゃめちゃ感動しながら作っているんですよね。その100分の1でも伝わってくれればいいなと思っています。例えば、僕らが曲に見ているものと、聴いてくれる人が思い描いたものが違っても、そこから得ている感動の容量が同じだったら嬉しいですね。
——ライヴにおいてはどうですか?
A : ライヴでは音楽が出来上がる瞬間のような熱気をそのまま届けたいんですよね。だからアレンジを変えてみたりもする。
T : バンドとは言っても、いいパフォーマンスを見せる責任はそれぞれが持つものだと思うんです。そういう責任感が揃った時は、お客さんにも楽しんでもらえるのかなと思います。
A : ショーですからね。期待に応えた上で自分たちも楽しめたらいい。ライヴにしても曲作りにしても、ひとつひとつに集中していて、その合間に連絡を取り合ってどうしようとかはないんです。その代わり、アイデアやモチベーションは各々が十分に高めておきます。そういう意味で、unkieは僕の母体ですね。
——では最後に。新たなスタート地点に立ったunkieには今後どんな展開が待っているんでしょうか?
A : 色々考えてますよ。今までにない程ビックリさせたいと思ってます。
——「But Still Beginning」はまさにその序章ということで?
A : そう捉えてください(笑)。もう始まっていますから。
unkie PROFILE
2006年1月、結成。当初は雑誌主催イベント出演のための一夜限りのセッション・バンドであったが、そのライブが評判となり、パーマネントな活動をスタートする。2007年7月、1stアルバム『the Price of Fame』をリリース。以降、ライブを重ねていく中で、インスト・バンドの既成概念を払拭しながらより先鋭的なサウンドを展開。2008年7月、スティーヴ・アルビニをエンジニアに迎えてシカゴ・レコーディング。10月に新作『too many secrets』としてリリース。2009年9月、配信限定リリース第1弾としてシングル「Save It」をリリース。ベース、ギターやドラム、それぞれ強力な個性を持ち合わせる三人がぶつかり合い、融合してインストゥルメンタル・ロックの新たなスタンダードを構築する。
TOKIE (B.)
97年RIZE結成。00年メジャー・デビューし、一気にブレイクを遂げる。同年にはAJICO(UA、浅井健一、椎野恭一)にも参加。02年には中村達也率いるロザリオスに参加。近年かかわっているレコーディングやツアーは、Def Tech、安藤裕子、Tourbillon、My Little Lover、中納良恵(エゴ・ラッピン)ソロ、Bank Band、布袋寅泰、安室奈美恵、Microや井上陽水など。
青木 裕 (Gt.)
00年downy結成。照明を一切使用せずVJと演奏のコラボレーションで世界を作り上げるステージが注目を集める。05年VOLA&THE ORIENTAL MACHINEに参加、日暮愛葉のプロデュースなど、様々なプロジェクトでギタリスト、プロデューサーやデザイナーとして活動中。
城戸 紘志 (Dr.)
単身アメリカに渡り、毎日ライヴ・ハウスを訪ねては現地のミュージシャンとセッションを繰り返し、武者修行の日々を送る。帰国後、浅井健一率いるJUDEの3代目ドラマーとして21歳でデビュー。その後フジファブリックや吉井和哉などのレコーディング、ライヴ・ツアーに参加。幅広い知識とテクニックを持つ。
LIVE SCHEDULE
- 4/9(金)@下北沢CLUB Que
前売 2,500円 / 当日 2,800円(ドリンク代別)
w / 八十八ヶ所巡礼 / ジン
ストレートな衝動を鳴らす
Parabolica Jam '09 at 渋谷CLUB QUATTRO / tera melos
アメリカ・サンフランシスコはサクラメント出身の3人組ポスト・ハードコア、アヴァン・マス・ロック・バンド。BATTLESなどに代表されるマス・ロックとBLACK FLAGなどのハードコアをミックスしたサウンドに、Cap'n JazzやMODEST MOUSEなどの泣き変態エモ的な歌メロが乗り、とにかく独創的なその音楽性は、日本国内でも中毒者を次々生んでいる。本作は、2009年10月28日に渋谷QUATTROにて行われた【Parabolica JAM’09】でのライヴを収録した、臨場感溢れるタイトル。
友だちを殺してまで。 / 神聖かまってちゃん
2008年頃から活動開始。Vo.の子による2chでの自作自演の大暴れに端を発するインターネット上での活動が、PeerCastやニコニコ生放送での活動と相まって話題となり、YouTubeにアップしたデモ曲が2万ヒット以上を記録、各方面から大絶賛される。本作は待望のデビュー作。初期衝動に満ちた「ロックンロールは鳴り止まないっ」をはじめ、生きづらい現代を生きる全ての人々へのメッセージが、多くの人の心を強烈に揺さぶり続けている。
box / aie
叙情と激情が圧巻のスケールで交錯する、日本屈指のエモーショナル・ロック・バンド。エモ〜ハードコア〜ポスト・ロック等の様々な要素を吸収したサウンドを作り出してきた彼等が更なる成長を遂げ、もはやEMOという形容では収まりきらないサウンドを展開。美しいメロディーには更に磨きがかかり、ポップな曲はよりポップに、アグレッシブな曲はよりアグレッシブに! アルバムを通して1つの物語を観ているかのような心地になる必聴の大作が誕生。