この才能は日本のポップ・シーン全土で知られることになるだろうーーAZUMA HITOMI『CHIIRALITY』を先行ハイレゾ配信
とてつもない才能の開花である。1988年東京生まれのソング・ライター / サウンド・クリエイター / シンガー、AZUMA HITOMIが、ファースト・アルバム『フォトン』より1年2ヶ月ぶりに、ミニ・アルバム『CHIIRALITY』(キラリティ)をリリースした(OTOTOYでは1週間先行ハイレゾ配信)。矢野顕子の最新アルバム『飛ばしていくよ』にトラックを提供したことで押し広げられたトラックメイカーとしての素質、ヴォーカリストとしての才能の拡張、「宅録女子」として鍛錬されてきたサウンドワーク、すべてが有機的に繋ぎ合わさった名作。ぜひ、この心地よき才能に溢れた作品を本人へのインタヴューとあわせて味わっていただきたい。
AZUMA HITOMI / CHIIRALITY(24bit/48kHz)
【価格】
HQD(24bit/48kHzのALAC、FLAC、WAV) 単曲257円 まとめ購入 1,799円
【Track List】
1. ユーアーライダー
2. free
3. プリズム
4. 不在
5. 137
6. 食わずぎらい
7. スイマー
INTERVIEW : AZUMA HITOMI
遅かれ早かれ、必ずいつかこの才能は日本のポップ・シーン全土で知られることになるだろう。AZUMA HITOMI。最近では矢野顕子の最新作『飛ばしていくよ』にふたつのトラックを提供したことでも注目された彼女が、デビュー作『フォトン』からおよそ1年2か月ぶりとなるアルバム『CHIRALITY』を完成させた。
中学一年生でホーム・レコーディングを始めたという彼女にとって、『フォトン』はそれまでの集大成ともいえる作品だった。結果的にそれは同時代のシンセポップやEDMとも共振し、彼女の名を「日本の宅録女子」として着々と広めていく。一方でAZUMAの存在感はいわゆる女性トラックメイカーとはひと味もふた味も違っていた。というのは、彼女はエッジーなトラックをつくれるだけでなく、優れたシンガー・ソングライターでもあったのだ。ダンス・ミュージックとしてのフォルムを備えつつも歌謡曲的なフックに満ちた彼女の楽曲は、ストレンジでありながらどこまでもポップ。コアな音楽好きはもちろん、Jポップ・リスナーの琴線にも触れるポテンシャルをAZUMAの作品は十分に秘めているのだ。
ちなみに彼女、ライヴ以外の場ではここまで素顔を明かしてこなかったのだが、今回のリリースを期にそれもいよいよ解禁されることになったようだ。これもまた彼女のキャリアが転機を迎えることの前触れなんだろうか。ということで、今回はまずそのあたりから本人に話を訊いてみることにした。
インタヴュー & 文 : 渡辺裕也
写真 : 外林健太
すべての発端は「私が世界のことを知りたい」というところにある
ーー今日はまず、AZUMAさんがこのタイミングで素顔を公開した理由が知りたくて。
AZUMA HITOMI(以下、AZUMA) : いちばん大きかったのは、やっぱり矢野顕子さんのアルバムでトラックメイカーをやらせてもらったことですね。というのも、その矢野さんへの密着番組がテレビで放送されたときに、私もちょっと映ったんですよ。
ーーそれは予定外のことだったんですか。
AZUMA : いや、ばっちり映る予定でした(笑)。せっかく矢野さんとテレビに映れる機会がいただけたんだから、もうここは普通に顔を出そうと思って。それに前作の『フォトン』がそれまでのベスト盤的な作品だったから、今回は「改めましてよろしくお願いします」みたいな気持ちもあったんです。
ーー『フォトン』を出したことで、活動に一区切りが入ったんですね。では、矢野顕子さんと一緒に楽曲をつくるという体験は、AZUMAさんにとってどんな意味を持つものだったんでしょう。
AZUMA : それはもう! 計り知れないようなすさまじい体験でした。矢野さんのことは昔から大好きで、コンサートにも行ってたんですけど、そういう憧れの方が実際にどんな人なのかって、やっぱり会ってみないとわからないじゃないですか。でも、矢野さんはどこまでも矢野さんでした。すごく深い愛とエネルギーがある、まるで野性の女神みたいな方。『CHIRALITY』はそこでもらったエネルギーがあったから作れたと言っても過言じゃないくらい、ものすごい影響を受けましたね。
ーー矢野さんと制作を共にしたことで得たエネルギーが、今回のアルバムに直結したと。その矢野さんの最新作に参加することになった経緯も改めて教えてほしいです。
AZUMA : 『フォトン』を事務所に送らせていただいたら、ちょうど新しいアルバムに取りかかろうとしていた矢野さんが聴いてくれたみたいで。しかも、矢野さんの新作は「今のテクノをやる」というコンセプトがあったらしいんです。だから、もしあのタイミングで『フォトン』を作っていなかったら、きっと私に声をかかることはなかったんですよね。そう考えると、ものすごくラッキーだったなって。
ーー矢野さんが今のテクノをやろうというタイミングで目にとまったのがAZUMA HITOMIの作品だったというのも、なんだか時代の巡り合わせを感じてしまいますね。
AZUMA : ホント嬉しかったです。サエキけんぞうさんにしてもそうですけど、80年代にテクノやニューウェイヴを作ってきた人たちが今の若い世代を振り返ったときに、自分がそこで見つけてもらえる存在だったということは、とっても嬉しかった。しかも、その矢野さんの密着番組を観たら、矢野さんがインタヴューで「AZUMAさんがトラックをつくる上でいいと思う曲を書きおろしました」とおっしゃっていたんですよね。私もそれは薄々気づいてたんですけど、それを本人がおっしゃっていたから、すごく感動しちゃって。
ーーそれがアルバムのタイトル・トラックというのも、すごい話ですよね。では、その矢野さんとの作業から受けた影響は、今作にどう反映されたんでしょう。
AZUMA : 歌の説得力とか、そういう根本的なところですね。あと、矢野さんとライヴを一緒にやらせてもらえたのもすごく大きかった。ステージで一緒に音を合わせるときは、改めてその凄まじさを感じましたね。中でもヴォーカリストとしての矢野さんは、その場ですぐ真似したいと思いました。表情ひとつから発声の仕方まで、もう真似できることはぜんぶしようと思って。
ーー動作のひとつひとつから影響を受けたんですね。そういえば、『フォトン』で僕が取材させてもらったとき、AZUMAさんは「私が伝えたいのはメッセージではなくて、エネルギーなんです」と言ってて。それ、覚えてます?
AZUMA : 懐かしーい! うん、覚えてます(笑)。
ーー矢野さんとの共演を経て、そのあたりの考え方はなにか変化しませんでしたか。
AZUMA : そうだなぁ。デビューしたての頃は「メッセージ性」みたいな言葉が嫌い過ぎたっていうのもあって、あえて「私が現代で歌っていることがメッセージなので」みたいな言い方をよくしていたんです。で、実際にそういう気持ちは今も変わらないし、むしろそれは強くなったと思う。「いま歌っていることはいましか歌えない。だから歌うんだ」って。そう伝えることへの躊躇はさらになくなりましたね。
ーーむしろ確信できたんだ。
AZUMA : はい。その上で矢野さんから受けた影響はもちろんあって。というのは、矢野さんが歌うと、たとえばそれがちょっとした男女の恋物語だったとしても、すべてを肯定してくれるような大きな愛と優しさを感じさせる歌として聞こえてくるんですよね。そこに私はすごく憧れていて。結局、私が「私」のことを歌うのも、私が「あなた」のことを歌うのも、「私とあなた」のことを歌うのも、すべての発端は「私が世界のことを知りたい」というところにあるんです。そこをちゃんと歌えているかどうかが、私にとってはすごく重要で。ただ、もしかすると今回の歌詞って、パッと聞いた感じでは暗く聞こえるのかもな、とは少し思ってたんですよね。
ーーというのは?
AZUMA : 『フォトン』までは、底抜けに明るいんだけど、そのなかにほろっと泣ける曲があるようなものを目指していたんですよ。でも、今回はそれだけじゃないなと思って。そもそも「泣ける曲」とか「楽しい曲」って、そう簡単に分類できるものじゃないし、もっと理不尽なことだったり、正義と悪で分けたら悪になるようなものだって、ふつうの暮らしのなかにはいくつもあるんですよね。だから、そういうマイナスの要素もちゃんと歌ってあげたいなと思って。
ーーなるほど。たしかにそうなると、作品から立ち上がってくる情感はより複雑なものになりそうですね。
AZUMA : 仕上がりは今までと同じようにキラキラした感じなんですけど、その中心にはどうしようもない悲しみがある。そういうアルバムを一枚つくることが今は必要だと思ったんです。もしかしたら次はまた底抜けに明るいものにするかもしれないけど。時々はこういう気持ちをちゃんと見つめた方が、自分のバランスとしてもいいなと思って。
ーーでも、たしかに今の話を聞くと作風が少し重くなりそうなんですけど、実際にはまったくそう感じませんでしたよ。むしろ軽やかなくらいで。
AZUMA : それはよかった。もちろんポップなものに仕上げたいと思っていましたから。
演歌の「歌だけがあればあとは何もいらない」みたいな感じって最強だなと思う
ーーあと、新作で個人的に気になったのは、歌い方のヴァリエーションが前作よりも増えたことなんですよね。今までのAZUMAさんって、見た目よりもずっと大人びた感じに歌うイメージだったんだけど。
AZUMA : たしかに前作の「ハリネズミ」とかは、身体の大きな女性が声を張り上げてるんじゃないかと思われたみたいですね(笑)。
ーーでも、たとえば「ユーアーライダー」のちょっと鼻にかかったようなかわいらしい歌い方なんかは、前作にはなかった気がします。_
AZUMA : なるほど。そこは意識してなかったんですけど、もしそれが自然に作りたいものを作った結果だとしたら、すごく嬉しいですね。私は曲の雰囲気に合った歌声をチョイスしているだけなんですけど、今回のアルバムではそれがより細かく選べるようになったんですよね。単純に歌が上手くなったのもあるし(笑)。
ーーそこは自負してるんですね(笑)。どうして歌が上手くなれたんですか。
AZUMA : そこはハッキリしてて。私、身体を鍛えているんです(笑)。ちょうど一年くらい前から始めて、週3以上はジムに通ってるんですけど。もう、ぜんぜん違いますよ。
ーーそうだったんだ! 身体を鍛えると、けっこうメンタルにも影響が出てきますよね。
AZUMA : そうそう。元々はそのメンタルが弱くなったから身体を鍛えることにしたんですよ。そしたらどちらも健康になれて。
ーーなるほど。それは何か精神的に落ち込むようなことがあったってこと?
AZUMA : 私、基本的にいつも落ち込んでるんですよ(笑)。だから、いつも曲をつくることでそこから脱出してたんです。でも、たとえばレコーディングがしばらく続いて、うっかり「ちょっと休もうかな」ってなると、私はすごく元気がなくなっちゃうんですよね。で、これは身体を鍛えるしかないなと。
ーーなるほど。メンタルを支えるためにフィジカルを鍛えたのか。
AZUMA : そうなんです(笑)。身体を動かさないと、どんどん悪循環に入っていきますからね。
ーーいま思い出したんですけど、AZUMAさんは「じっけんじゅんびしつ」( 毎週木曜日にAZUMAが自宅から生放送しているUstream番組)で、よく演歌のカヴァーも披露しているじゃないですか。それこそ演歌ってフィジカル面が重要だから、それはAZUMAさんが身体を鍛えている話にもつながりそう。
AZUMA : たしかにそうかも(笑)。「じっけんじゅんびしつ」は毎週やるから、選曲に関してはそんなに深く考えないんですけど、あそこで演歌をやるのは、私の曲をアカペラでやってみると、実はけっこう演歌だからなんですよね。「食わずぎらい」のメロディなんてまさにそう。自分にそういう要素があるってことは以前から気になってたから、それをちゃんと理解するために演歌をカヴァーしているようなところは確かにあります。それに、演歌の「歌だけがあればあとは何もいらない」みたいな感じって最強だなと思うし。やっぱりそこって日本人としては無視できないんですよね。
ーーなるほど。たしかにAZUMAさんのメロディや歌い回しには演歌的なものが感じられるかも。
AZUMA : それに演歌のマッチョ感って、EDMのマッチョ感と少し似ている気もするんですよ。ダサいのかかっこいいのかよくわからない感じというか、なにかひとつのところに特化したエネルギーが出ている感じというか。そういう「凄すぎて笑っちゃう感じ」を人に与えるものが私は好きなのかもしれない。それってセンス云々以前のことだとも思うし。
ーーAZUMAさんの音楽もそこに向かっている?
AZUMA : あ、そういう気はないですよ(笑)。でも、「食わずぎらい」みたいなマッチョ感があるダンス・ナンバーとかをたまに見せるのはおもしろいと思う。引き出しのひとつとしては持っていてもいいかなって。
音楽をやる理由がはっきりしたんです
ーーあと、もうひとつAZUMAさんらしさが端的に表れているのが、この『CHIRALITY(キラリティ)』というタイトルですよね。これは物理学で使われる言葉だそうですけど、僕には調べてもあまり意味がわかりませんでした。
AZUMA : (笑)。たとえば、鏡に写る自分の顔って、実際の自分とまったく同じではないですよね。それは左右の手のひらを見ても同じことで、鏡に写った形を平面上で重ね合わせることはできない。その状態を「キラル」というんです。たとえばアルファベットのAは鏡に写っても同じなので「アキラル」です。一方、Bは鏡に映すと左右が逆になるので「キラル」です。
ーーなるほど。
AZUMA : そうやって一見おなじに思えるものでも、違う側面を持っていることってたくさんある。それはさっきの「悲しみ」とか「正義と悪」もそう。だから、私が自分のなかにいるもうひとりの私をちゃんと見つめ直せば、それは世界を見つめ直すことにもなるんじゃないかと思ったんです。そういう意味で「キラリティ」は今回のキーワードだったんですよ。あと、語感がかわいいし(笑)。
ーー前作の『フォトン』にしても、AZUMAさんは物理学の世界で使われる言葉をよく引用されますよね。ご自身ではなんでそういう分野に興味を引かれるんだと思いますか。
AZUMA : なんでだろ? でも、別に「私、リケジョです!」みたいな人じゃなくても、ふつうに生活していて「これって物理の分野じゃないかな」と感じるようなことってたくさんあると思うんですよ。それこそグラスが曇ったりとか、お風呂に入ると上の方が温かかったりとか。それに、たとえば温かいものと冷たいものを掻き回すようなことって、なんか心の問題にもつながる気がするんですよね。そういう自然現象って、きっと自分のなかでも起きているんです。だから、これが物理の分野に限ったことだとはあまり思ってなくて。たとえば、作詞は哲学なのかしれないけど、同時に数学でもあるし、物理でもあるわけで。元を辿ればすべて一緒なんですよね。
ーーとはいえ、AZUMAさんはよく白衣を着たりもするじゃないですか。
AZUMA : そうですね(笑)。あれは「音で実験する」ということをキャラクターとしてわかりやすくみせようとしたら、おのずとああいうカタチになったというか。小保方さんのコスプレで、割烹着にしたこともあるし(笑)。
ーー(笑)。つまり、AZUMAさんには音楽を通して解き明かしたいものが常にあるってこと?
AZUMA : そうですね。「なんで生きてるんだろう?」とか、「この世界ってなんだろう?」みたいなことを解き明かしたいから、自分は音楽をやってるんだとは思う。特に今回のアルバムをつくったことで、改めて「私は音楽をずっとやっていくんだろうな」と思えましたね。
ーーというのは?
AZUMA : 音楽をやる理由がはっきりしたんです。つまり、「わからないことを音楽で解き明かしていこう」ってことですね。もちろん、「ずっと歌をやっていたいな」という気持ちは前から漠然とあったんですけどね。ファーストのジャケットを描いてくれた西島大介さんから「多分AZUMAさんはずっと音楽をやっていく人だと思う」と言われたときがあって。その時は「そうなのかな?」みたいな感じだったんですよ。でも、いま誰かに同じことを言われたら、「当たり前じゃないですか!」みたいな気持ちになると思う(笑)。
ーー『CHIRALITY』でさらにそう確信したと。
AZUMA : はい。で、私の場合はそれがテクノだったんですけど、それは迫力のあるグルーヴとか、エッヂが効いたリズムをひとりで表現できるのがテクノだったからで。別に4つ打ちにこだわっているわけでもないんです。もしかすると、これからネオアコをやるかもしれないし(笑)。
ーーへえ! ネオアコに興味があるんだ?
AZUMA : すごく好きですね。というか、今回のアルバムでもネオアコっぽいアコギのループは使っているんですよ。昔から、ネオアコと呼ばれるジャンルと自分がやりたいものがそんなに遠くない気はしていたので、もしかしたらこの先にそういうこともやるかもしれない。アウトプットの仕方はどんどん変わっていくと思います。いつかバンドもやりたいし。
ーーいつかバンドやりたいって、ずっと言い続けてますよね。
AZUMA : (笑)。いつかバンドをやるために、今は音楽的体力をためているような感覚もあるんです。ひとり修行みたいな感じで。
ーー今の時点でその体力は十分にあると思うけど(笑)。
AZUMA : 「そんなにバンドがやりたいなら早くやれ」って感じですよね(笑)。
LIVE INFORMATION
日時 : 2014年6月27日(金)@TSUTAYA O-nest
時間 : 開場 18:00 / 開演 19:00
出演 : AZUMA HITOMI(ワンマン)
ゲスト : 立花ハジメ
料金:前売 3,000円 / 当日 3,500円(ドリンク別)
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本物はいつだって圧倒的だ。東京都江戸川区出身の女性シンガー・ソングライター、ロックンローラー、玉手初美。マーシャル直結のフェンダームスタングでかきならす刃物のようなギター音、そして、耳奥の中で直接叫んでいるかのようなしゃがれたヴォーカル、まるで10代とは思えない、いや、10代だからこそ発することのできる行方知れずのエネルギー。地元での路上ライヴなどを行ってるなかで出会ったというドラマー、オータコージ(曽我部恵一BAND、L.E.D.、OishiiOishii、□□□(クチロロサポート) etc.) が、ドラム演奏及び、プロデュースを担当することで、その鋭さは最大限に拡張されている。彼女に衝撃を受けたOTOTOYでは、デビュー・ミニ・アルバム『遺書』から1曲「狂」のシングル限定バージョンを独占配信。
PROFILE
AZUMAHITOMI
1988年東京生まれ ソング・ライター / サウンド・クリエイター / シンガー
小学校高学年より楽曲作りを開始。中学生でシーケンス・ソフト「Logic」と出会い、アレンジからミックスまでひとりで行う、デスクトップ・レコーディングに目覚める。
大学(文学部文芸思想専修)進学後、ライヴを中心とした本格的な音楽活動をスタート。都内各ライヴハウスにて毎月数本のパフォーマンスを行い、ベッドルーム・ミュージシャンの枠に収まらない動きを見せてきた。
2010年12月、コアなファンを持つ先鋭的なネット配信レーベル「Maltine Records」よりオリジナル音源「無人島」と、芳川よしのによるリミックスを配信リリース。「新世代のポップ・ミュージック」として高い評価を得た。
2011年3月、TVアニメ「フラクタル」のオープニング・テーマ「ハリネズミ」をEPICレコードジャパンよりリリース、メジャー・デビュー。
2011年8月、2ndシングル「きらきら」をリリース。
2011年8月より2012年4月まで、USTREAMスタジオ 2.5D にて毎回ゲストを招いての自主企画イベント・ライヴ & USTREAM生放送「ひとりじっけんしつ」を定期的に開催。ゲストは歌人の枡野浩一、ダンサーのKENTARO!!、ミュージシャンの奥野真哉(SOUL FLOWER UNION)、藤井一彦(THE GROOVERS)、VJのonnacodomo。
2013年4月、1stアルバム『フォトン』をリリース。アルバム初回生産限定盤には、オリジナル・アルバムに収録された全13曲をそれぞれ異なるアーティストたちがリミックス、またはカヴァー、再構築した特典盤を同梱するというかつてない試みが行われた。()
また、一人で行うライヴ・パフォーマンスは、自らコントロールするLED照明システムに加え、Mac、アナログ・シンセ、ペダル鍵盤、全自動キック・マシーンなどの機材に囲まれ「要塞のよう」と評されるセッティングと共に、アコースティック色の強いものから強烈なダンス・ビート・ナンバーまで、振り幅の大きいステージングが話題を呼んでいる。
USTREAM 生放送番組を放送中。(毎週木曜日23:00~)