リコチェットマイガールが問いかける〈グッド・ミュージックとはなんなのか〉――初の全国流通リリースとなる新作を配信開始

鍵盤、ギター、ベースの3人組バンド、リコチェットマイガールが初の全国流通盤ミニ・アルバム『きっと鳴り止まない』をタワーレコード限定でリリース! ……というところをなんとOTOTOYでも同時配信スタートとなりました!
作詞作曲を手掛けるヴォーカル・稲荷直史の、物語のようで日記のような、独り言のようで誰かに届けたいと切望する繊細な表現。一方でメンバーがほどこす一筋縄ではいかないアレンジがきいたバンド・サウンド。会場限定で販売されたファースト・デモ・アルバム『トランスファー』は現在までに約700枚を売り上げ、同アルバムのレコ発ワンマンは1ヶ月前にはソールド・アウトするなど注目の高まる彼らがインタヴューで初登場です。結成のいきさつから、彼らの思う"グッド・ミュージック"の在り方について、丁寧に語ってもらいました。
リコチェットマイガール / きっと鳴り止まない
【配信価格】
ALAC / FLAC / WAV : 単曲 216円 / アルバム 1,296円(各税込)
mp3 : 単曲 162円 / アルバム 1,134円(各税込)
【Track List】
01. 雨が降っている / 02. スロウハイツ / 03. 炭酸水と12月の花嫁 / 04. きっと鳴り止まない / 05. 新宿にて / 06. wedding song / 07. プロローグ
『きっと鳴り止まない』トレーラー映像『きっと鳴り止まない』トレーラー映像
INTERVIEW : リコチェットマイガール
リコチェットマイガール。なんとなく耳馴染みはよいが、よくよく考えると意味がわからないこの不思議なバンド名は、どうやら彼らがくるりのシングル「リバー」にカップリングとして収録されていた曲「Ricochet」を読み誤っていたことに由来するのだそうだ。そんなリコチェットマイガールが、このたび初の流通音源となるミニ・アルバム『きっと鳴り止まない』をリリースすることになった。前述したくるりや銀杏BOYZなど、90年代以降に登場した日本のロック・バンドに親しんできたという彼らは、全編を通して疾走感のあるポップ・ソングを展開しながらも、本作のタイトル・トラックで〈グッド・ミュージックとはなんなのか〉という問いかけを何度も繰り返している。このバンドを大きくしていくことへの野心を燃やしながらも、どうやら彼らはここで自分たちが望む理想的な音楽の在り方を提示しているようだ。では、ここからはこの3人組の結成から現在にいたるまでの変遷、そして彼らのいう〈グッド・ミュージックとはなんなのか〉を、本人たちの発言から紐解いてみよう。
インタヴュー&文 : 渡辺裕也
僕にはそういう「この人になりたい」みたいな願望が常にあった
――稲荷さんはもともと、ドラマーとしてバンド活動を始めたそうですね。
稲荷直史(Vo, Key)(以下、稲荷) : はい。高校でバンドを始めて、大学に入るころまではずっとドラムをやってました。で、その当時ドラムをやっていたバンドでも、曲づくりは僕が担当していたんですけど、そのバンドが解散することになって、また新しいバンドをやろうと決めたときに、どうせなら今度は自分で歌ってみようかなと。
――じゃあ、ドラムというパートにそこまで愛着があったわけでもなく?
稲荷 : どうだろ…。ドラムを始めたのも、けっこうたまたまだったというか、大した理由があったわけでもなくて。僕、中高とずっと陸上部だったんですけど、高校生のころに軽音楽部から兼部の話を持ちかけられたんですよ。それでパートが足りないところを補ってほしいと言われて、それで始めることになったのが、ドラムだったんです。今やってる鍵盤にしても、中学生のころに2年ちょっとピアノを習ってたくらいだし。
――音楽もそこまで熱心に聴いていたわけではなく?
稲荷 : いや、中学校のころから音楽はいろいろ聴いてました。それこそ、僕は銀杏BOYZが大好きで、峯田(和伸)にものすごく憧れていたんですよ。でも、僕はギターがまったく弾けなかったし、ギターを持った姿も恐ろしく似合ってなかったから、ギター・ヴォーカルはそのころからずっと諦めていて。僕は峯田にはなれないんだなと(笑)。

――それはつまり、稲荷さんには「峯田になりたい」という気持ちがあったということ?
稲荷 : ありましたね。あるいはくるりの岸田(繁)さんとか、LUNKHEADの小高(芳太朗)さんみたいになりたいとも思ってた。僕にはそういう「この人になりたい」みたいな願望が常にあったんですけど、同時に「自分はそうなれない」ともずっと思ってて。そんな自分がもしギター・ヴォーカルで音楽をはじめたら、多分その人たちのことを常に意識しちゃうだろうし、「ただ憧れていたら負けだ」っていう気持ちも僕にはあって(笑)。だから今、こうして鍵盤を弾きながら歌ってるんだと思います。
――あえて自分が憧れたミュージシャンとは違うスタイルを選んだんですね。それで一旦はドラムでバンド活動を始めたものの、続けていくうちにソングライティングの方を追求したくなって。
稲荷 : うん、そんな感じですね。その当時やってたバンドで、「これからはコピーじゃなくてオリジナルをやろう」となったときに、なぜか僕が曲をつくることになったのが、そもそものきっかけではあるんですけど。ちなみにそれまでは椎名林檎のコピーをやってました。
――あ、女性ヴォーカルのバンドだったんですね。
稲荷 : そうなんです。で、そのころのメンバーは、僕がちょっとだけ鍵盤が弾けると知っていたので、「お前なら作れるでしょ」みたいな感じで、そんな流れからドラムの僕が曲を書くことになっちゃって。
――特に自分の意思で書き始めたというわけでもないんだ?
稲荷 : そうですね(笑)。とは言いながらも、やっぱり自分で曲を書いていくうちに、それが自分で歌えないことに、だんだんともどかしさを感じるようになっていって。それに、僕もまったくノウハウがないままで曲づくりを始めたから、何も考えずにメロディーをつくってると、つい自分にちょうどいいキーの曲になっちゃうんですよね。そのせいでボツになった曲もたくさんあって。で、そうやって当時ボツにしていた曲を、今こうしてリコチェットマイガールでやっていたりもするんです。
――女性ヴォーカルのために書いていたら、いつのまにか自分で歌いたくなって、それでこのバンドを組むに至ったと。でも、ドラムからフロントマンに転向するとなれば、やっぱりバンドに対する視点もいくらか変化してくるのかなと思うのですが、そのあたりはいかがでしたか。
稲荷 : やっぱり人前で言葉を発することのしんどさや、それが思うように伝わらないときのもどかしさは、以前ドラムをやっていたころにはわからないことでしたね。でも、それがうまく伝わるときは、ものすごく嬉しくて。そうやってときめいたり、もどかしい気持ちになったりっていうことを、僕はこのバンドでずっと繰り返してるんです(笑)。それに、もともとドラムをやっていたのもあって、こうして立ち位置が変わっても、ドラマーの思っていることはなんとなく理解できるし。
稲荷の曲って、弾いていてすごく気持ちいいから
――なるほど。では、渡辺さんと石川さんはどういうタイミングで、リコチェットマイガールのメンバーとして合流されたんでしょう。
稲荷 : 順を追って説明すると、まずは僕がメンバーを探していたとき、先輩のバンドマンに「バンドってどういう人とやればいいですか?」と相談したことがあって。そうしたら「一緒にメシを食って楽しいやつがいいよ」と言われたんですよね。それで、もともとサークルの先輩だった彼(渡辺)を誘うことにしたんです。なんというか、おもしろそうな人だったので(笑)。
渡辺裕之(Ba)(以下、渡辺) : でも、稲荷からそのバンドに誘われたころって、僕はまさに就活をバリバリやっていた時期だったんですよ。だから、ちょっと加入は厳しいなと思いつつ、「一応、音源を聴かせてよ」と言って。それで送ってもらったデモ音源を聴いたら、これがすごくかっこよかったんですよね。それでもう、一緒にバンドをやりたくなっちゃって。
――就活中の渡辺さんにとっては、なかなか大きな決断ですよね。
渡辺 : そうですね(笑)。でも、就活しながらも、もっと力を入れてバンドがやりたいっていう気持ちはずっと残っていて。実際、当時は他にも僕をベースで誘ってくれていたバンドがいくつかあったんですけど、なかなか曲が好きになれるバンドがなくて、それで断りながら就活してたんです。でも、彼の曲だけはちょっと違ったんですよね。聴いてすぐに「これは本気でやってみたいな」と思えた。で、内定を蹴りました(笑)。

――内定がもう出ていたんだ! それは思い切りましたね。
稲荷 : でも、その内定が決まっていたっていう話、当時は教えてくれなかったんですよね。
渡辺 : だって、これから一緒にバンドを組むっていうタイミングで、「俺は内定を蹴ってきたんだ」なんて言ったら、ちょっと恩着せがましいでしょ?
稲荷 : ああ、そこは気を使ってくれてたんだ(笑)。
――どうやら、渡辺さんは加入当初から強い野心をもってこのバンドに臨んでいたようですね。「絶対にこれで売れてやる」みたいな気持ちが、そのころからあったんだろうなって。
渡辺 : そうですね。もちろんこうやってバンドをやるからには、僕は絶対に売れたいと思ってるし、それだけ稲荷の曲がいいと思ってるので。とにかくたくさんの人に彼の曲を届けたいんですよ。
稲荷 : 僕も、せっかくこうしてバンドを組んだ以上は、いけるところまでいってやろうと決めてます。けじめと言ったらアレですけど、謎の使命感が僕のなかにはあるみたいで。それで渡辺が加入して、4人のメンバーが固まった段階で、ひとつ前の『トランスファー』(2012年12月リリース)というミニ・アルバムを作って、ワンマン・ライヴをやったんです。で、このまま順調にいけそうかなと思ってたんですけど、そのワンマンの2週間後に、メンバーふたりから脱退を告げられてしまって。しかも脱退の理由は、やっぱり就活とかなんですよね。
――就活の時期って、どうしてもバンドを続けるかどうかの境目になっちゃいますよね。
渡辺 : うん。それも彼らなりに考えて決めたことですからね。で、次のメンバーはどうしようかとふたりでまた悩むことになって。それで、仲の良かったスズメナインティーンというバンドでギターを弾いていた彼(石川)に、ちょっと協力してくれないかとお願いしたんです。一緒に呑んだときに、すごくおもしろいやつだと思ってたし、それで実際にやってみたら、意外と音もよかったので。
石川拓実(Gt)(以下、石川) : 意外なのか(笑)。そう。最初は僕、サポートだったんだよね。そもそもリコチェットマイガールはよく対バンしていた人たちだったんですけど、サポートし始めたころはそこまで仲がよかったわけでもなくて。
渡辺 : 最初は敬語だったもんね。
石川 : そうだね(笑)。そのくらいの距離感だった。でも、すごく曲がいいバンドだと思ってたし、ちょうどその当時に僕がやっていたバンドも、少しずつ活動できなくなっていたタイミングだったから。それでサポートを始めてみたら、これがもう、楽しくなっちゃって。それで、気づけばずるずると正式メンバーに(笑)。
渡辺 : ずるずるって、ちゃんと俺から頼んだじゃん! 家で呑みながら、正式に入ってくれないかって。そうしたら、「他にやっているバンドがあるから」って、彼は1回正式メンバーに加わるのを断っているんですよ。
石川 : そうだったね(笑)。僕、そのスズメナインティーンとは別でもう1個バンドをやってたんですよ。でも、リコチェットに誘われたから、まずはそっちを辞めてきたんです。それでナベさんのバイト先まで行って、「辞めてきたんで、リコチェット入るわー」と。なんか、こっちの方が楽しいなと思ったんですよね。稲荷の曲って、弾いていてすごく気持ちいいから。

――渡辺さんと石川さんは、稲荷さんの書く楽曲に全幅の信頼を寄せているようですね。
稲荷 : いやぁ、どうなんですかね(笑)。実際、僕はギターがほとんど弾けないので、各々のアレンジに関してはほとんど彼らに委ねているんですよ。それで自分の思い通りに弾けるのがいいっていうだけなんじゃない?
石川 : まあ、それもあるかな(笑)。自分がやりたいようにやらせてもらえるのは、やっぱり楽しいよ。
稲荷 : そうだよね。でも、これは僕がひねくれているだけなのかもしれないけど、「ただ楽しければいいってわけじゃない」みたいな気持ちも僕にはあって。自分たちが放つ言葉や歌には、ちゃんと何かしらの意味があってほしいんですよね。今回のアルバムを作っているときも、そこはずっと意識してて。
その人にとって大事な音楽であれば、“ずっと鳴り止まない"だろう
――確かに稲荷さんのそういう頑なな姿勢は、楽曲にも反映されていますよね。それこそタイトル・トラックの「きっと鳴り止まない」はそんな感じがします。〈グッド・ミュージックとは何なのか〉という歌詞が、まるで自問自答を繰り返しているように聴こえてくるというか。
稲荷 : (笑)。どうやら僕って、みじめな気持ちになったときに曲を書くことが多いんですよね。あるいは負のエネルギーが出発点になっているというか。実際にあの曲もそんな気持ちから生まれた曲なので。
――というのは?
稲荷 : ある音楽イベントに行ったとき、なんかよくわからない音楽が流れているなかで、チャラい大人たちの「こういうグッド・ミュージックがさ~」みたいな話をたまたま耳にしたことがあって。それで「え?」と思っちゃったんですよね。「グッド・ミュージックってどういうこと?」って。僕はどうもその時の腑に落ちない気持ちが忘れられなくなってしまって、その感情をこの曲の歌詞に突っ込んだんです。
――稲荷さんは、その「グッド・ミュージック」という言葉のどこが腑に落ちなかったんですか。
稲荷 : そうだなぁ…。たとえ彼らの言うようなグッド・ミュージックじゃなかったとしても、その人にとって大事な音楽であれば、それは“ずっと鳴り止まない"だろう、みたいな感じかな。もちろんどういう音楽であってもいいんですけど、たとえそれがたくさんの人に愛されている曲だろうが、逆にあまり知られていない曲だろうが、最終的には一対一で向き合える音楽がいちばんだと僕は思っているので。

――なるほど。でも、稲荷さんはネガティヴな感情から曲を作っているとおっしゃっていましたけど、リコチェットの音楽って、そこまでダウナーな感じでもないですよね。むしろ、曲によってはけっこうアッパーな印象もあるんですが。
稲荷 : それはよかった(笑)。でも、それは多分このメンバーふたりとサポート・ドラマーのおかげなんです。これが僕ひとりでやってたら、それこそダウナーな感じが出ちゃってたと思う。彼らが演奏してくれると、そんな僕をちょっと皮肉っているような感じになるんですよね。で、それがちょっと笑えるというか。それは自分の音楽にとって、ひとつの理想的なカタチではあると思ってて。
渡辺 : 「きっと鳴り止まない」に関しては、アレンジもかなり頑張ったからね。それこそポストロックとか、シューゲイザーとか、今までの自分たちにはあまりなかったジャンルの音楽とかを参照したし。あの曲ではベースもけっこういろんなエフェクターを使っているんですよ。そこはクラムボンのミトさんから受けた影響がわりと大きかったりするんですけど。「きっと鳴り止まない」は、そうやって自分たちなりに新しいことをたくさん試した楽曲でもあるんです。
稲荷 : そうだね。あれで「僕ら、こんなこともできるんだ」と思えたのは、すごく嬉しかった。
――今回のアルバムは楽曲の流れにストーリー性があるというか、けっこうコンセプチュアルな作りでもあるように感じたんですが、そのあたりは実際に意識されていたんですか。
稲荷 : そこはなくもないんですけど、今回のアルバムに関しては、それよりもひとつ前に出した『トランスファー』の世界観を引き継ぐようなカタチを意識していて。たとえば、このアルバムには「炭酸水と12月の花嫁」という曲が入ってるんですけど、これは前作に入っていた「サブカル少女と数学者」と「パーカー娘と犯罪者」に続くストーリーとして書いた曲なんです。「雨が降っている」もそうですね。個人的に僕、過去の自分がすごくイヤなんですけど、あの曲のミュージック・ビデオにはそんな過去の自分との決別みたいな意味も込めていて。
――今回のアルバムは、あくまでも『トランスファー』と地続きにある作品なんですね。
稲荷 : そうなんです。『きっと鳴り止まない』は初めての流通盤だけど、僕らにとっては2枚目のアルバムという意識なので。ひとつ前の作品を聴いてくれた人には、その続きとして聴いてもらいたいし、同時にここで初めて僕らの音楽を聴いてくれる人にもしっかり伝わるようにしたかったんです。
――そうなると、次回作は『きっと鳴り止まない』の続きを描く作品になるのかな。
稲荷 : 多分そうなるでしょうね(笑)。やっぱり3部作じゃないけど、今回のアルバムに出てくる登場人物たちを、また新しいところに連れていけたらいいなとは思ってます。
石川 : 僕はこのアルバムを作ったことで、「もうちょっと自分のギターを前面に押し出しても大丈夫そうだな」と思えました(笑)。今までは個人的にやりたいこととこのバンドの方向性をうまく折り合いつけなきゃと思ってたんだけど、けっこう好きなようにやってもイケそうだなって。まだまだこのバンドには伸び代があるなって。
渡辺 : 僕もこのバンドの音にいろんな要素をどんどん取り入れていきたいですね。それこそ、くるりみたいな挑戦する心を常にもったバンドに成長していきたくて。
稲荷 : うん。この3人になってからだいたい1年が経って、それぞれ好き勝手にやれる感じになってきたし、このままいけばもっといいバンドになっていけるなっていう手ごたえも今はあって。でも、同時にみんなとこういう距離感でレコーディングできるのは、恐らくこれが最後なんですよね。それが僕はちょっとさびしい気もしてて(笑)。今回のアルバムは、間違いなく今のタイミングでしか録れなかった作品だと思う。そういう作品を残せたってことが、今はすごく嬉しいんです。
LIVE SCHEDULE
ITEMAE ROCKS
2014年10月30日(木)@福島2nd Line
w/ プププランド、ハウリングアンプリファー、Rhycol.
Beat Happening!リコチェットマイガール『きっと鳴り止まない』RELEASE PARTY!
2014年11月16日(日)@渋谷LUSH
w/ タグチハナ、DAISY LOO、 the peggies and more
PROFILE
リコチェットマイガール
稲荷直史(Vo, Key) / 渡辺裕之(Ba) / 石川拓実(Gt)
2011年2月それまでドラマーだった稲荷(Vo, Key)の「前に出て歌ってみたい」という衝動を元に活動開始。2012年6月下北沢cave-beにてノンブラリ、ステフアンドジミーとの共同企画スリーマン・ライヴ「言わせておけば」をゲストに金田康平(THE ラブ人間)を迎えて開催。同年12月ライヴ会場限定でファースト・デモ・アルバム『トランスファー』発売、レコ初ツアーの初日に新宿紅布にて初ワンマン「本人不在」を開催。両イベントは開催約一ヶ月前には前売券がソールドアウト、同アルバムは当初の予定を上回る反響で急遽増産、通販も開始、現在までに約700枚を売り上げる。メンバー交代を経て、2014年10月"T"RUST OVER 30 recordingsより待望の全国流通ミニ・アルバム『きっと鳴り止まない』をタワーレコード限定リリース! 繊細な歌詞と一筋縄ではいかない楽曲たちの絶妙な組み合わせや、メンバーの(色んな意味での)果てしないゆるさと対照的なライヴ・パフォーマンスに、中高生を中心にがっしり心をつかまれるファンが急増中。
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くるり / THE PIER(24bit/44.1kHz)
『坩堝の電圧』以来およそ2年ぶり、アジア、中東、欧米、アフリカといった世界各地の情緒を取り込み、過去、現在、未来を行き来できるような音楽要素がふんだんに詰め込まれた11作目となるオリジナル・アルバム『THE PIER』。アルバム発売前にライヴで発表し人々をざわつかせた「Liberty&Gravity」をはじめ、刺激に満ちた全14曲。
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paionia / rutsubo
2008年に結成されたスリーピース・バンド、paionia。とても不器用なバンドが〈届いてほしい〉と歌うまでにいたった、葛藤と諦めと希望が織り混ざるセカンド・アルバム『rutsubo』。スリーピース・バンドとしてのダイナミズムとロックバンドとしての誇りを感じさせるセッション・ナンバー「boredom」をはじめ、故郷・福島で東日本大震災を経験し、それまでの人生を覆されるような衝撃と失望とやるせなさを東京に戻った生活の中で書き上げた名曲「東京」を収録。