
国境なき音楽
本当に人と人は音楽で繋がれるのか。僕の答えはもちろんイエス。でもこの国のポップ・シーンで流れている音楽の大半には無理だと思う。だって端から国内のリスナーしか意識してないようなものばっかりじゃん。ねぇ、もうそろそろ「洋楽/邦楽」なんて区分けをするのはやめようよ。「Jポップ」なんて総称はいつまで使うつもりなの? こんな閉塞感にはもう耐えられない。あなたも、言葉も知らない歌に胸を打たれたり、未知のリズムに遭遇して思わず踊り出したくなった事が、1度くらいはあるだろう。とにかくもっと開かれた音楽、次々と越境していくようなエキゾチックでスリリングな音楽が聴きたくはならない? そこでとっておきを紹介したい。マイア・バルー。OTOTOY改名後、本サイトが最初にパワー・プッシュするのはこれだ。
彼女が鳴らすのは、南米、アフリカ、ヨーロッパ、そして日本の旋律とグルーヴが混在する、まさに国境のない音楽。フランス人の父と日本人の母を持つ彼女のルックスと同様、エキゾチックな躍動感に満ち溢れている。そう、これは世界各地のリズムを自ら体感し、音楽の持つ可能性を身を持って実感出来た者だけが鳴らせるサウンドだ。

本サイトの改名発表記者会見の後、彼女のスペシャル・ミニ・ライヴが行われた。後方を固めるのはabu(ベース)と駒澤れお(パーカッション)。両者も共に海外での活動経験から培った、これまた多国籍なプレイ・スタイルを備えている。その二人の作り出す屈強なグルーヴの上をたゆたうような彼女の歌声。曲間でフルートや打楽器を持ち替えながら、演奏に更なる色味とグルーヴを加えていく様は、とにかくダイナミックの一言。ラストではプロデュースを手がけた佐藤タイジがギターで参加。控え目な演奏にも関わらず、その立ち姿だけで様になってしまう彼の存在感はやはりさすがとしか言いようがないが、その脇に並んでも彼女の姿から目を離す事が出来ない。わずか3曲という短いパフォーマンスだったが、マイア・バルーのスケールの大きさを知るには十分だった。
音の先には未知なる地平がまだ広がっている。もしそう信じられるのなら、今真っ先に手を伸ばすべきはこれだろう。音楽は時間を越える。そんな誰もが安易に口にするような言葉は、本来こういう時にこそ使われるべきなのだ。(text by 渡辺裕也)
→「生きる」のフリー・ダウンロードはこちら (期間 : 10/22〜10/29)
高音質HQDファイルで、ミニ・アルバムから「ongaku」を先行配信開始!
プロデューサーに佐藤タイジを迎え制作された本作は、幼い時から両親と共に世界中を旅してきた彼女らしく、ジプシー、アフリカ、ラテンや島唄等を自然にミックスした多国籍なサウンド。ソウルフルなヴォーカルに加え、フルートを筆頭に、ギター、ピアノ、パーカッション、メガホンやサックス等の楽器が、エキゾチックさを醸し出しています。日本発のワールド・ミュージックを、高音質HQDで聴いてみてください。
PROFILE
マイア・バルー
フランスのプロデューサー/歌手/詩人ピエール・バルーと江戸っ子の母との間に東京で生まれ、パリで育つ。15才の時、ブラジル遊学中に聴いた美しい音色に感銘を受け始めたフルートを筆頭に、ギター、ピアノやパーカッション等を手がける。18才、東京にもどり、戸川昌子の紹介でネオちんどん「かぼちゃ商会」にメンバーとして参加。その後本格的に歌い始め、ソロ活動を開始、2007年には坂本龍一のレーベル「commmons」からリリースされたオムニバス・アルバム『にほんのうた』に参加。05年より日本の個性派ミュージシャンをフランスに紹介するイベント「CABARET SHINJUKU」のプロデューサーを務め、参加アーティスト大集合の初プロデュース・オムニバス・アルバム『KUSAMAKURA』がフランス・カナダ・日本で発売された。08年より現在のトリオ(Abu/ベース、駒澤れお/パーカッション)での活動が本格化、09年1月には、インターネット生中継も行われた代官山UNITでの初ワンマン。その後J-WAVE/ TOKYO HOT 100 award オープニングやEARTH DAY TOKYO 2009, FUJI ROCK FESTIVAL 09 等に出演し、ダイナミックなライブ・パフォーマンスは話題を呼んでいる。9月、佐藤タイジをプロデューサーに迎えミニ・アルバムを自主制作。類い稀な経験と圧倒的な実力、音楽への限りない愛を武器に、今再び日本発のワールド・ミュージックを発信する!
- official web : http://www.maia-zoku.com/
LIVE SCHEDULE
- 10 / 29(木)【UNIT& マイア・バルー presents ”地球をとってよ! Vol.2”】@代官山UNIT
- 11 / 2(月)@西麻布ショートリンク・サーキット
- 11 / 13(金)@下北沢TROCADERO HOUSE
- 11 / 26(木)@六本木Super Deluxe