フェラ・クティの魂はここにもある
フェラ・クティが自身の作り上げた音楽を「アフロビート」と名付けてから40年以上、そのフェラが亡くなって10年以上の月日が経った今でもなお、アフロビートは世界中で支持され、受け継がれてきている。
先日のフジ・ロック・フェスティバルでは、フェラの実子シェウン・クティが父のバンドであるエジプト80を率いて来日公演を果たした。そしてフェラと並ぶアフロビートの第一人者トニー・アレンも今年新作を発表したばかりだ。彼らのようなフェラと直接的な関係で結ばれた者がアフロビートを現在まで引率しているのは確かな一方で、この音楽に魅了される若い世代のミュージシャンは、欧米そして日本でも後を絶たない。アフロビートのルーツを辿ると、どうしてもポリティカルな側面を避ける事は出来ないし、そこには苦い歴史も少なからずあるのだが、それ以上にこの音楽には他にはない享楽性、自由度の高さがある。フェラの意志はそのサウンドに宿る事で未だ求心力を保っているのだ。
ジャリブ・アフロビート・アーケストラが演奏するのも、その名に冠している通りアフロビートだが、彼らはこのハイブリット・ミュージックを方法論として用いるのではなく、あくまでアフロビートを主体としたサウンドである事を第一義としているようだ。そしてそれは“Day Of The Glory”“Get Freedom”“The Spirit Of Why Fela Fights”といったタイトルから見られるように、フェラの意志を受け継ぎ、このサウンドをさらに推し進めようという明確な決意の表れなのだろう。そんな生真面目さとは裏腹にも聴こえる管楽器を主体とした軽やかな演奏は、むしろこのバンドのアイデンティティを言葉以上に雄弁に語っている。身体に直接的に訴えてくる彼らの演奏には、抗う事の方が難しいのだ。そういえば最近トニー・アレンのインタビュー記事を読んだのだが、その中で彼は、とにかくアフロビートを演奏し続けていくことの重要性を強調していた。その固い決意はこの遠く離れた島国でも確かに引き継がれている。
(text by 渡辺裕也)
→「The Spirit Why Fela Fights」のフリー・ダウンロードはこちら (期間 : 8/6〜8/13)
Profile
AfroBeatを主体とするインスト・バンド。バンド名であるJariBuとは、スワヒリ語で「挑戦する」、という意味で、FelaKutiの精神を受け継ぎつつも、独自なNeoAfrobeatのアプローチを展開し、2009年4月にはSoulGardenRecordsより1stAlbumを発表。また自主イベント"AfroSoundSystem"では、バンド、DJ、クリエーターも巻き込み、新たなるウネリを巻き起こしつつ定期開催中。 そして2009年7月、国内最大級の野外イベント"FUJI ROCK FESTIVAL09"出演!!
- Official WebSite : http://webstyle.jpn.org/jaribu/
LIVE SCHEDULE
- 8/16(日) TONE RIVER JAM '09@千葉県 我孫子市 利根川ゆうゆう公園
- 8/23(日) AfroStyle@鎌倉"ほしのや"
- 9/27(日) @代官山UNIT
- 10/24(土) RED HOT vol.7@montage(OSAKA)
- 11/8(日) @三軒茶屋グレープフルーツムーン
体に響くビートで踊れ!!
THE BEACHES『ハイヒール Hi Heel』
もっとミダラに。もっとフラチに。THE BEACHESの3rdアルバムは、ビーチズサウンド全開120%の最高傑作。ビーチズのライブ・バンドとしての魅力が詰め込まれ、バイレファンキ・ラテン・アラビアン・ビート・スカなど世界中のビート・グルーヴをロックに昇華させている。
Soft『The whole world is sacred sound MUSIC TOUCHES YOU』
昨年より新たにメンバーに加わった、Tama(トランペット)、Taroo(Bata/パーカッション)、KND(エフェクト)を含む7人編成となった新生SOFTの初作品!結成16年のキャリアに新風を吹き込みながら、ネクスト・レベルへと進み出した新生SOFTの全貌が遂に現れる!
RATVILLE『Dubs on the Corner』
ダブやアブストラクトの地下パーティーからハードコアまみれのスタジオ・ライブまで、ジャンル・レスなフィールドで活動、数々の猛者達を唸らせてきた REBEL DUB SOUNDの超新星“RATVILLE"ついに1stALBUMをドロップ! 2005年結成以来、京都を中心にこれまでREBEL FAMILIA、54-71、こだま和文、THE ETERNALSらと共演、ジャンルレスに活動、3ピースを感じさせない硬質な重低音とヘヴィーで図太いDUBサウンドで新世代DUBの超新星として各方面から注目を浴びる。