kilk recordsより大型新人がデビュー!
インディー・ロック~ポスト・ロック界期待の新人nemlinoがkilk recordsよりデビュー! 奇跡のソング・ライティングとも言える至極の楽曲群。そして、Sigur RosやMewなどにも通じる、普遍的で美しいバンド・サウンドが収録されたアルバム『100oracion(ヒャクオラシオン)』をオトトイで先行配信する。また、収録曲「thanks giving」を1週間限定でフリー・ダウンロード配信! この作品の放つ唯一無二の輝きを、体感してほしい。
>>>「thanks giving」のフリー・ダウンロードはこちらから(3/29~4/4)
希望に満ちた楽曲が織りなす新世界
nemlino / 100oracion
【価格】
MP3、WAV : 単曲150円 / アルバム1200円
【track list】
01. thanks giving / 02. hide & seek / 03 .sincerer-y / 04. universe / 05. サンダーソニア / 06. birthday / 07. 手の鳴るほうへ / 08. onward / 09. 100oracion
アイスランドから飛び火した幽玄なフィードバック・サウンド
今にも消え入りそうなか細い声と、甘美なフィードバック・ノイズ。あるいはシンフォニックな展開と凝ったリズム・ワーク。nemlino(ネムリノ)のファースト・アルバム『100 oraction』を耳にするとこうした諸要素が見当たるはずだ。だがこれを今でもポストとかオルタナといった言葉で整理してしまうのはさすがに怠惰だと思うし、おそらくそれではこのバンドが持つ現代的なセンスを見逃すことになるだろう。そこでまずはこの作品を2012年におけるスタンダードなポップスのひとつとして捉えるところから始めたい。
2007年に都内で結成され、何度かのメンバー・チェンジを経て現在の4人編成になったというこのバンド。メンバーの年齢はクレジットにないが、彼らの音楽的バックボーンが90年代よりも00年代の前半に寄っていることはサウンドを聴けば想像に難くない。つまりこのバンドが直系で引き継いでいるのは、シューゲイズでもシカゴ音響派でもなく、それ以降の主に北欧から生まれた、よりプログレッシヴな指向性を持つバンドにあると見ていいだろう。中でもシガー・ロスからの影響はかなり顕著だ。アイスランドから飛び火した幽玄なフィードバック・サウンドが、10年以上の歳月をかけて、もはやここ日本のインディ・ポップでも血肉化されたことを『100 oracion』を聞くと実感させられる。
しかし、たとえば彼らが同系列で語られるだろう上の世代が、90年代以降に生まれた先鋭的なサウンドを取り入れつつ、ポップ化していく流れでフュージョンやジャズなどを取り入れて都会的な洗練を試みていたことを考えると、このバンドからそうしたアーバンなムードがそれほど感じられないのは興味深く思える。サウンドが醸し出すアトモスフィアから見ても、nemlinoは影響源にある音楽にかなり忠実だ。つまりここには日本独自のポスト~オルタナティヴ路線を目指すのではなく、彼方から届いた音楽で得た幻想を、幻想のままポップ化して鳴らしてしまうような面白さがあるのだ。00年代前半の咀嚼がすでに始まっていることを告げる作品。この先に彼らがドラスティックな変化を迎える可能性を踏まえつつ、まずは『100 oracion』をそう位置づけてみてもいいかもしれない。(text by 渡辺裕也)
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北欧の小さな島国、アイスランド。その首都であるレイキャビクで生まれ、レイキャビクで育ち、レイキャビクで音楽活動にいそしむ双子姉妹のデュオがいる。彼女たちの名前はPascal Pinon(パスカル・ピノン)。2012年3月30日より4月8日までジャパン・ツアーのために来日を果たす予定。そのツアーに先駆けて、彼女たちは日本特別盤を制作。
二人組の歌ものエレクトロニカ・ユニット、Lööf(レーフ)。これまではネットを通じ、主に海外より評価され続けてきた彼ら。まさしく待望のデビュー作とも言えるフル・アルバムがついに完成した。彼らを語る上でまず特筆すべきは、チヒロのヴォーカルであろう。その場の空気を変える力を持った淡く美しい歌声である。
Rayons / After the noise is gone
サティやドビュッシーを思い起こさせる美しく危ういピアノの響きを主体に、ファンタジーとダークネスが交差する独自のサウンドに仕上がっている。ときにドラマチックなストリングスや、琴線に触れずにはいられない繊細なピアノの響きは、聞く者を短編映画を見ているような感覚にさせる。今、最も話題を集めている女性シンガー・ソングライター"Predawn"がヴォーカルで参加。また、ピアノとストリングスによる静謐で瑞々しいサウンドは、Rayons・中井雅子の音楽家としての力量と、Predawnのシンガーとしての新たな魅力と可能性を感じさせてくれる。
>>>Rayons『After the noise is gone』特集はこちら
PROFILE
nemlino
2007年4月、東京都で結成。2010年12月に現在の編成となる。田村文人(vo/gt)、金井晋作(ba)、川嶋成美(key/vo)、酒井秀利(dr)の4名によるバンド。田村のハイトーンで透き通った歌声と童話のような物語を連想させるバック・トラックとが混ざり合い、地上のものとは思えない多幸感あふれるドラマチックなサウンドを作り出している。2011年より都内を中心に本格的にライヴ活動を開始。ライヴ会場やウェブサイトで配布していたデモ音源が国内、海外共に非常に高い評価を得ており、初の全国流通作品となる今作「100oracion」はファンにとって正に待望のリリースとなった。