京都の最強JAMセッション・至宝のインプロヴィゼーション・バンド、SOFT。5年振りに新たな領域に到達し、次の次元に突き抜ける灼熱のグルーヴ!


関西の音楽シーンが日本でも特殊だということは具体的なアーティスト名を挙げるまでもなく、日本のロック史を少しでも紐解いたことがある人たちにとっては周知の事実である。とりわけ京都はその中でもかなり特殊な部類に入る。時に外部の人から「内輪である」とか、「外に出ていかない」という意味のことを揶揄されることがあり、それはどこかで当てはまる面もあるし、反対にイメージだけで語られている場合もある。
この理論を闘わせるだけで日が暮れてしまいそうな話題なのだが、そこにあるのが絶対的に素晴らしい音楽である限り、身内だろうとそうでなかろうと関係ない、それが真実であるはずだ。SOFTは京都の音楽シーンの代名詞であり、SOFTがわかれば京都がわかる。なぜなら、京都は本当にわからない街だからだ。雑多なビル街を含む木屋町商店街、ちょっと歩けば世界遺産級の建造物に国宝級のライブ・ハウス。わからないから、より深みに嵌っていく。シーンのトップに君臨し、頂点を極めたものだけが手にした灼熱のグル—ヴ、貴重なインタビュー証言をレコミュニでお届け! !
インタビュー & 文 : 南日久志



INTERVIEW

—まずタイトルについてお聞きしたいのですが、『the whole world is sacred sound MUSIC TOUCHES YOU』とは、どういった意味なのでしょうか?
SIMIZ : 前回のアルバムから5年、今回のアルバムの最初のレコーディング・セッションから3年もかかってしまったんですが、途中パーカッションのプリティーがカナダに移住してメンバー・チェンジしたり、みんな結婚したり子どもができたり、本当にいろいろ状況が変わりました。そんな中でも音楽を演奏することに対してどんどんシンプルで本質的な方向に向かっていると思います。そんな音楽がたくさんの人に届けば良いなと思って今回のタイトルになりました。
—今回Tama(トランペット)、Taroo(Bata/パーカッション)、KND(エフェクト)を正式メンバーに迎えた初作品となったそうですが、どういった経緯でメンバーに加入されたのでしょうか。
SIMIZ : Tamaちゃんは何度もいろいろな所で演奏を聞いていて、むちゃくちゃかっこええ音出す人やなと思ってました。レコーディングに参加してもらい、ライブもゲスト参加してもらっているうちにメンバーになりました。SOFT初の女性メンバーですね。Tamaちゃんが入ってから音楽の次元が上昇した感じはありますね。Tarooは前回のUSツアーにもついてきて、そのままキューバに太鼓留学に行ってました。ちょうどTarooが帰ってくるころにパーカショニストを探していて、日本に帰ってきた次の日からリハーサル、ライブと活動を共にしてます。KNDはもともとレコーディングのエンジニアとしていろいろ助けてもらってました。今回のアルバムのミックスも彼がやってくれて、KNDがいてなかったらアルバムの完成はなかったかもしれないですね。彼の音に対する姿勢とかは本当に素晴らしいです。
—これまで多彩なミュージシャンを迎えられたり、打ち込みを取り入れたり様々な実験をしておられますが、音楽を作る上で、なにか決まりごとは最初にあるのですか? 例えば全員でスタジオに入ったときにこういった風にしよう、など。「メタモルフォーゼ」という言葉の似合う日本でも特別なバンドだと思うので、どうやって曲作りをされるのか、非常に興味深いです。
SIMIZ : 基本的にはスタジオでのジャム・セッションから曲に発展していくことが多いですね。スタジオでの演奏を録音して後からそれを聴いてなんかひっかかるとこがあれば、それを元に曲をつくって行く感じですね。メンバー同士では色とか景色とかで音のムードを伝えることはよくあります。最近は核になるビートだったりリフだったりを持ってくることもありますが、作曲というより基本はライブで演奏して楽しめるネタ作りって言うほうが正しいかもしれません。



—既存の曲が、ライブで進化を遂げることはありますか? 最近おなじタイミングで、デレク・ベイリーの「インプロヴィゼーション—即効演奏の彼方へ」を読んだのですが、SOFTのライブでは、スタジオ盤を聴いているとなおさら、そういったインプロの面白さを体験できそうだなと勝手に想像してしまいました。
SIMIZ : ライブでは曲の再生とか再現よりも、DJのミックスみたいにどんどん曲が変わっていく感じとか、すごく高い所から低い所へ落ちる感じとか、どんどん上昇する感じとか、1時間でひとつの流れを作ろうとはしてますね。その結果、曲がどんどん変化していって、常にライブが最新の音ですね。
—結成16年ということで、僕がSOFTを知ったのはここ数年なのですが、昔からよく知る人からは初期はハードコアからはじまったとの話も聞きます。これだけひとつのバンドで音楽性が変異してきていることには理由があると思うのですが、キャリアを振り返ってみてどうですか? なにかをきっかけに音楽性が変わっているのでしょうか?
SIMIZ : もともとハードコアやろうとか、こんなジャンルの音楽やろうとかって集まったんではないですね。ただみんな音楽がすごく好きで、いろいろ雑食的に聴きまくっていてどんどん興味をもつ範囲が広がっていって、そういうのが音楽性の変化につながっていっているのかもしれないですね。基本的にはその時一番気持ちのよいところに向かってるとは思います。
—レコミュニでは、これまでSOFTの音楽を知らなかった人にも、興味をもってもらいたいと思っています。近年、自分たちの音楽と共通項を感じるとしたら、どういった音楽になりますか? 具体的なアーティスト名でもジャンルでも、もしあれば音楽以外のカルチャーでも構いません。
SIMIZ : マイルス・デイビス、ファラオ・サンダース、テリー・ライリー、初期オーブ。ラテン・ミュージック。札幌のクニユキ、juzu aka mochy、風の谷のナウシカ、火の鳥、ブレード・ランナー。
—活動の拠点として東京でなく京都を選んでいるのは、やはり自分たちの発祥の地として思い入れが強いというところからきているのでしょうか?
SIMIZ : 生まれも育ちも関西なんで、単純に東京に住むっていうアイデアがなかっただけですね。最近の京都はかなりおもしろいことになってきたな、と感じることは多いですね。京都でライブすると最近オーディエンスというよりサポーターに近い感じですね。



山本精一さんが最近京都に行かれて、YOSHIMIさんもooioo、yoshimioなどコンスタントに活動されていると思います。同じオルタナティブな音楽を作るアーティストが地域に根差して音楽を作っていることに対してどう思いますか?
SIMIZ : 東京はビジネスと直結していてうらやましいな、と思う部分もあるんですが、今は情報も簡単に手に入るし、時間をかけて音楽を作るっていうことでは関西にいてるほうが自分達にとってはいろいろ都合いいですね。最近地方にいけばそれぞれのエリアでみんなしっかりとシーンみたいなものを作って楽しんでるなと思います。ミュージシャンのレベルはさすがに東京は高いなと思います。
SOFTのような音楽はどういったところから生まれているのか皆が興味のあるところだと思います。一番最近聴いた音楽、または最近もっともよく聴いた音楽はなんですか? (ipodでも、CDプレイヤーに入っているものでも、ターンテーブルに置いてあるアナログ盤でも)
SIMIZ : ターンテーブルにのってるのはALOE BLACC『 I'm Beautiful』。CDJに入ってたのはThe Rh Factor『Hard Groove』でした。
SOFTの曲は、独特のグル—ヴ感がありますよね。専門的なことはわからないのですが、変拍子やポリリズムではじまり難解そうな曲に思わせて、実はすごく踊りやすい音楽だったりします。聴き手の裏をかいてとことん裏切ることを狙っているタイプのバンドでは無い、のだと感じました。難解さだけを追求するのではなく、楽曲とオーディエンスが一体となって生まれるテンションの高さを求めて煮詰めていく感じなのかなと。そういう意味だと、オーディエンスも含めて『SOFTRIBE』という民族音楽なのでしょうか? その辺は意識して作っておられますか?
SIMIZ : お客さん大事ですね。みんな踊って楽しそうにしてると本当にエネルギーもらってると感じます。できたら盆おどりとかサンバ・カーニバルとかそういう次元にまでいけるといいですね。同時に大勢の人と音楽を共有できて同じ気持ちになるって最高ですね。リリース・ツアーがはじまるんですが、是非会場に遊びにきてください。ニュー・アルバム、自信作なんで楽しんでください。ありがとうございます。

PROFILE

結成16周年を迎える京都のカリスマ・バンドSOFT。様々な音楽を昇華したそのライブは時々のヴァイブレーションに応じて柔から剛まで刻々と変化していく。 2009年夏、遂に約5年ぶりとなるニュー・アルバム『the whole world is sacred sound MUSIC TOUCHES YOU』をリリース。

【MEMBER】
UKON (Bass)
SHIMIZ (Guitar)
PON2 (Drums)
Sab (Synth)
Tama (Tp)
Taro (Bata,Per)
KND (effects)

LIVE SCHEDULE

  • 7/04 (土) チボチボ@和歌山 PREGO
  • 7/10 (金) @岐阜 なんや友雑穀
  • 7/11 (土) Nbsa@東京 Unit
  • 7/20 (月) totalsolareclipsefestival@奄美大島

これを聴いてぶっ飛べ!!!

X-GAME

PARA

Album ¥617


PARA 『X-GAME』
2001年に山本精一(ROVO、想い出波止場)が結成した室内楽的グルーヴ・ユニットのファースト・アルバム。山本精一氏と故CHINAにより結成されたというPARA、ギターにYOSHITAKE EXPE、ボアダムスにも加入したドラムの千住宗臣とシンセ2台西滝太、家口成樹の5人編成でのアルバム・リリース。変拍子なのにそれを感じさせないような統制されたグルーヴで繰り広げられるほんとミラクルな作品! お薦めです!


犬式a.k.a.Dogggystyle 『Life is Beatfull』
2005年発表、記念すべき犬式のファースト・アルバム。ヒット曲「月桃ディスコ」、「Life is Beatfull」やLiveでの定番曲「真冬のラスタファリズム」、「太陽の女」を含む全11曲。


poodles 『OTHER SIDE』
アーシーなリズムに、サイケデリック・オリエンタル・サウンドが炸裂する、poodlesの1stアルバム。ジェンベ、コンガ、ボンゴなど様々な太鼓が揺り動かす魂の鼓動。忘れられた細胞の記憶が呼び起こされる。Tetsuya Okamura(BLAST HEAD)によるリミックスを収録。

CLOSE UP : 環ROY×DJ YUI

CLOSE UP : HARCO

CLOSE UP : 打首獄門同好会

CLOSE UP : SOUR

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インタヴュー

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・2017年12月11日・ATAK過去作配信第4弾、今回はパン・ソニックや灰野敬二のライヴを収めた初の動画作品も 2017年9月11日より、毎月11日に、半年に渡って渋谷慶一郎が主宰レーベルのATAK過去作品を配信リリース。OTOTOYでは各作品に関して、毎回、ライター、八木皓平による渋谷慶一郎本人へのインタヴューを行い解説をお送りします。第4弾は、2006年リリースの渋谷慶一郎、中村としまる、ノルベルト・モスランによるスリリングなライヴを収録した『ATAK008』。2007年リリース、渋谷慶一郎の、世界初の三次元立体音響を実現したヘッドフォンによるリスニング専用の作品『ATAK010 filmachine phonics』。そしてレーベル初の映像作品となったライヴ作品『ATAK011 LIVE DVD ATAK NIGHT 3』(動画データを配信)の3作品となっている。インタヴュー : 八木皓平ATAK配信作品のまとめページはコチラ 曲に聴こえるけどこうは作曲できない、僕にとってそこが即興の醍醐味 今回は『008』からだっけ? ──ですです。今回は『ATAK008 Keiichiro Shibuya+Norbert Moslan
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