キーズブズブズブ・・・ギャギャギャドド 三分だけ、あなたの側にこのラヴ・ソングを!

今回、ついに3年ぶりとなる待望のアルバムをリリースするLimited Express(has gone?)。2008年4月に関東進出を果たしてからは、「DO IT」や「廃校FES」、「東京ボアダム」など数々のインデペンデント・フェスに出演しながら、自らのコーディネートする「eetee」や「ボロフェスタ」まで、まさにDIYと名のつくところに必ず彼らの姿があるといっても過言ではない存在として認識されている。
そんな彼らのニュー・アルバムは、前作がベスト盤であったことを考えると丸4年以上ぶりのリリースとなる。今作では、2009年ベスト・アルバムの予感がビシビシしている『Question』を叩き出したKIRIHITOの竹下圏と、日本のパンク・シーンの最重要人物younGSoundsの谷口順という日本のオルタナティヴ/ハードコア・シーンど真ん中2バンドのダブル・プロデュース作品。それだけで2009年の記念碑的作品と言えるものになっているのだが、「どんな記念碑なんかよりあなたが生きている今日が素晴らしい」の名に恥じることのない、日本のオルタナティヴ/パンク・ロック・シーンの今を真空パックし、それをさらに加速させたような正にロックの未来を示すアルバムとなっている。高速の特急列車は、今でも見えない銃を撃ちまくっていたのだ。

今日を生きるオルタナ・バンドを挙げるとしたら、もはや彼らの名は欠かすことはできないだろう。アメリカやオーストラリア・ツアーの大成功がある一方で、初期メンバー・奈良崎の脱退〜新ドラマーJoshの加入〜バンド自体の解体と、全てが順風満帆に流れてきたというわけではない彼らだが、どれも嘘をつくことなく真摯に自らのスタイルに挑んできたが故の出来事と言えよう。その結果として、常に新陳代謝を繰り返し、どうしようもなくリミテッドな上に、今までとは違う音を鳴らすことが今作で可能になったのである。

あまり語られることのない結成当時の話を振り返ってみたいと思う。彼らはもともと1998年に立命館大学ロック・コミューン(くるりやキセル、ママスタジオやシゼンカイノオキテを輩出したサークルとして有名)にて結成され、その時から既にありったけのオルタナティヴネスとメジャーへの反抗心、初期衝動に満ちたライブを展開するバンドとして認知されていた。(初期のマキシ・シングル「功夫少女」での岸田繁による帯推薦文参照。)
 自分が初めてLimited Express(has gone?)を観たのは2002年、同大学の文化祭に学外ゲスト(2002年に彼らは卒業していた)として招かれていたライブだったと思う。文化祭といっても野外の大ステージで行われるライブではなく、この時も手作りでサークルが運営する学生会館でのイベントの出演であった。このあたりも既に、彼らの活動を象徴するライブであったと記憶している。この日は座席ありのイベントだったのだが、なにもかもカラフル且つポップなノイズでなぎ倒すようなライブを観て、ただただ呆気にとられるしかなかった。最近で言うと、廃校FESでのヘッド・ライナーだった、younGSoundsのステージに近いかもしれない。(※ライブの記録としては、ベスト盤「THE BEST IS COMING」のDisc2もしくはDODDODOとのSPLITの特典DVD-R(既に入手不可かも?)を参照いただきたい。)

パンクの初期衝動やオルタナティヴのなんだこりゃ!? という衝撃、原色の絵の具で全てを塗りつぶしたポップ・ミュージックのカラフルさとそれに混ぜ合わされる爆音のノイズ。「ベアーズぽいね〜」とか「初期ボアダムズだよね」などと嘯くひとたちのコメントは誰から伝え聞いた言葉なのかしらないが、疑わしくて仕方がない。この作品がヒット間違いなし!と手放しに喜ぶつもりはさらさらないが、ジャケットやサウンドからも匂い立ち、聴き手にぶち当たってくるような「あらゆる対象への無条件な挑戦」こそが、彼らの手加減なしの(それでいて手に負えない)メッセージであり、今の音楽シーンにおいて価値あるものなのではないだろうか。

立命館大学学生会館でのライブ以外にも様々な場所で彼らを観たが、演奏している場所がどこであろうと彼らの姿勢は変わらない。西院ウーララでのレコ発、下北シェルターでのワンマン・ライブ、金沢メロメロポッチでのスプリット・ツアー、ディアフーフ、ノー・エイジやオブ・モントリオールとの共演、京大西部講堂でのLIVE JUNK、SAL CULTUREでの野音ヘッドライナー出演、ボロフェスタでの10分弱の嵐のようなライブ・・・ その全てがこの作品を作るための必然だったのだと思えてならない。オーディオやパソコンの前でリミテッドの音源と出会おうとしている人たち、このLTDというDIYの塊のような問題作には、手加減なし・ぬかりなく対峙してほしい。次の作品もそのまた次の作品も、どこまでも走り続けてほしいと思えるはずだ。(text by 南日久志)

→「Heavenly」のフリー・ダウンロードはこちら (期間 : 9/24〜10/2)

NEW ALBUM 『LTD』

プロデューサーに竹久圏(KIRIHITO)と谷口順(UG MAN / younGSounds)、エンジニアに松本健一とTaichi(stim)を迎えて制作された、約5年ぶりのフル・アルバムが10月10日(土)にリリースされます。

『LTD』 / Limited Express(has gone?)
2009年10月10日(土)発売
品番 : LTD-999
1. Shut up to go
2. D.N.A
3. Heavenly
4. ジャンク・ファイト
5. I am deading
6. Rhythm & Balance
7. I wanna sing all of my heart
8. ササササイキック
9. Star light-IEDE
10. Check the MICROPHONE
11. ハリウッドはどこだ?

LIVE SCHEDULE

  • 【東京ボロフェスタ×eetee】9月26日(土)@下北沢CLUB251+440(four forty)+BASEMENT BAR
  • 【BOROFESTA】10月17日(土)@京都KBSホール
  • 【DRIVE TO 2010】11月6日(金)@新宿LOFT

Australia tour with Ni-Hao!

  • 23rd of October (Friday): Limited Express (has gone?) @ Valley Fiesta, Brisbane (main stage)
  • 24th (Saturday): Ni-Hao! @ Valley Fiesta, Brisbane (second stage)
  • 25th (Sunday): Limited Express (has gone?) @ Valley Fiesta (second stage)
  • 28th (Wednesday): Limited Express (has gone?) and Ni-Hao! @ Hopetoun Hotel, Sydney
  • 29th (Thursday): Limited Express (has gone?) and Ni-Hao! @ another sydney venue, to be confirmed.
  • 30th (Friday): Fly to Melbourne - Limited Express (has gone?) and Ni-Hao! @ The East Brunswick Club, Melbourne
  • 31st (Saturday): Second Melbourne show - Halloween party!

『LTD』Release party!

  • 11月15日(日)@六本木SuperDelux
w / あふりらんぽ and more・・・

PROFILE

Limited Express (has gone?)
2003年、US、ジョン・ゾーンのTZADIKから1st albumをリリースし、15カ国以上を飛び回る。その後、高橋健太郎主催のmemory labより、2nd album、best albumをリリース。WHY?、NUMBERS、そしてダムドの日本公演のサポートを行うなど、名実共に日本オルタナ・パンク・シーンを率先するバンドになるも、2006年突然の解散宣言。半年後、突然の復活宣言。なんとニュー・ドラマーには、日本が誇るPUNK BAND、JOYのドラマーTDKが正式加入!!! メンバーのJJは、ボロフェスタを主催。YUKARIは、ニーハオ!のリーダー等、各人の活動は多岐にわたる。2008年6月11日DODDODOとのsprit albumをLess Than TVからリリース。そして2009年、待望の3rd albumをリリースする。

ALTERNATIVE IS THIS


Question / KIRIHITO
『LTD』のプロデューサーの一人でもある竹久圏と、GAKIDEKA、高品格でも活動する早川俊介による、ジャンクでテクノなファンキー・パンキー・ハイパー・ポップ・デュオ。アクロバティックなライヴ・パフォーマンスの楽しさも然ることながら、ポップでダンサブルでありながらもキテレツかつ凶暴なその音楽は、まさにワン&オンリー。9年ぶりとなる今作は、相変わらず未知のサウンドとグルーヴを醸し出しています。
KIRIHITO特集ページ

MINIATURES / PANIC SMILE
博多出身の変拍子変態バンドの5作目。初期衝動のままに音を叩きつけたような直情型パンク的な作品で、短い曲でもこのバンド特有の変拍子や激しく変わる展開はそのままで、時折入るメロディーがやけにポップだったり、現代音楽的な手法も導入するなど、多彩なアイデアが詰め込まれています。ストレートなだけに、彼らのありのままのセンスが遺憾なく発揮された作品。ノー・ウェイヴ~ポスト・パンクの最良の発展形であり、真にオルタナティヴな意志が貫かれた傑作です。

天国よりマシなパンの耳 / ECD
精力的にライブを続け、いままでのファンはもちろん、日本語ラップを全く知らない若者達からも続々と熱狂的なリスナー達を生み出し、有名、インディー、 HIPHOP、ROCK,JAZZ,現代音楽、等々、ジャンル、人種問わず、あらゆる音楽家達からもリスペクトされ続けているECDのニュー・アルバム。リリック、リフ、ともにキャッチーでありながら不穏! アブストラクトかつ超POPな、捨て曲全く無しな全10曲。音楽HEADZなら素通り出来ない超問題作です。
ECD特集ページ

この記事の筆者