Aureole、タワレコ渋谷店をジャック!?ーー全曲ライヴ・アレンジのベスト・アルバムとともに高野修平が仕掛けたマーケティングに迫る
kilk recordsを主宰する森大地が率いるAureoleが、ライヴ・アレンジでリテイクしたベスト・アルバムをタワーレコード渋谷店限定でリリース。全曲1発録りで作られた本作は、ポストロック、エレクトロニカの枠を大きく越え、全音楽ファンに突き刺さる内容になっている。同作のリリースに伴い、タワーレコード渋谷店内に様々な仕掛けが登場。アルバム名「Awake」にちなんだ9種類のハッシュタグが店内の床や壁のいたるところに設置。コミュニケーション・デザイナー / クリエイティブ・ディレクター高野修平によるリアルとデジタルを掛けあわせたO2O施策「Hashtag Awake」で、来店したお客さんの意識をAureoleに結びつけていく。それを聞きつけたOTOTOYはタワレコ渋谷店に潜入し、すべての企画を体験。その様子を写真とレポートでお送りする。リアルとデジタルを掛けあわせた体験ができるのは3月16日まで!! 情報過多を逆手に取った体験を味わってみてはいかがだろう!!
Aureoleが新作『Awake』でタワレコ渋谷店をジャック!?
2年半ぶりとなる新作『Awake』をタワーレコード渋谷店限定でリリースしたAureoleが、前代未聞のハッシュタグを活用したプロモーション「Hashtag Awake」を3月10日からタワーレコード渋谷店内でおこなっている。今回はその模様をお届けしよう。
Aureoleというバンドに気付いてもらいたいんです
思えば、Aureoleのリーダー・森大地がオーナーを務めるkilk recordsは他レーベルやアーティストとの差別化を図る独特の企画を次々と打ち出してきた。2013年のライヴハウス「ヒソミネ」のオープンを皮切りに、昨年はソーシャルTV局「2.5D」と「ヒソミネ」とのコラボ・プロジェクトでバンド生演奏の定期番組プロジェクト「2.5D×ヒソミネ」を開始。しばらくライヴ活動に専念していた感のあるAureoleも、一晩で1000以上のDL数を獲得したフリーの配信限定シングル「Ghostly Me / The House Of Wafers」のリリース、“誰でもAureoleと対バンできる”「Shuffle Play」を企画するなど、よりアグレッシヴに活動を活発化してきた。そして今回はタワーレコード渋谷店限定リリースによる新作『Awake』の発売を記念したプロモーションということで、早速足を運んでみた。
店内に入ると、まず1Fフロアに『Awake』のCDが展開されていた。ジャケット、バンドのアー写で構成されたポップが並び、横には試聴機が。ここまでは他のアーティストと同じだが、足元を見ると何やらシールが複数貼られている。良く見ると「#動画で目覚める?」「#ニュー・アルバムで目覚める?」などアルバム名『Awake』にちなんだ“目覚める”というキーワードが書かれている。このハッシュタグをTwitterで検索すると、それぞれのハッシュタグに応じて、Aureoleの限定トラックを試聴できたり、バンド情報、ミュージック・ビデオなど見る事ができるようになっているのだという。これは昨年OTOTOYで森と対談をおこない意気投合、フリー配信と「Shuffle Play」も手掛けた高野修平(株式会社トライバルメディアハウス)をコミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクターとして迎え「今回、ガッツリ組んでプロモーションをやろうということで」生まれた企画とのこと。
Twitterってタイムラインを眺めていくものですけど、ハッシュタグは自発的に検索するという、本来のTwitterとは逆のものだと思うんです。このハッシュタグで流れて行くばかりのTwitterのTLを止めて、今まで知らなかった人にもAureoleというバンドに気付いてもらいたいんです。(森)
タワレコ店内にはありとあらゆるアーティストのポップが飾られ、情報が溢れている。その中で一般的には無名に近い存在のAureoleが競ってみても、他アーティストとの差別化は難しいのが現実だ。そこで高野が考えたコンセプトは、情報があふれているリアルと違い“無数の空白地帯がある”デジタルの世界でポップを展開する「デジタルポップ」。そこへ導く方法のひとつとして、あらゆる場所に張り巡らせたハッシュタグにより、店内を歩くお客さんの「無意識的だった視認」を「意識的に視認する」状態に導くこと、『Awake』というアルバム・タイトルが示す通り「Aureoleという存在に“目覚めて”ほしい」というのが今回の施策の主な目的だという。
“このハッシュタグはなんなんだ? Aureole? どんなバンドだろう”っていう気付きが大事だと思ったんで、ゼロからのスタートで、目に留めてもらうのがそもそもの目的ですね。そこからCDなりライヴに繋がってくれたらなと思っています。(森)
ベスト・アルバムでありながら現在進行形のバンドの姿が切り取られた作品
渋谷店のSNS担当者、清水真広氏によると「タワーレコードは良い意味で各店舗ごとに裁量を与えられている」とのことで、今回の企画に非常に興味を持ったことで渋谷店独自の展開としてプロモーションを実施したようだ。
また、ハッシュタグ以外の仕掛けも。CD試聴機にはモニターとサングラスが設置されている。しかしモニターには何も映し出されていない。ところが試聴しつつサングラスをかけてみると楽曲のMVがサングラス越しに出現。こうした仕掛けによる驚きがAureoleの音楽を知り、その場でCDを手に取るきっかけになってくれそうだ。
さらに、2Fフロアに上がるとエスカレーターの踊り場にAureoleのパネルが設置されている。インディーズ・アーティストがこうした撮影用のパネルを展開するのは異例のことのようで、大きくパネルになった自分たちの姿を前にテンションが上がるメンバーたち。順番にサインを入れて記念撮影。
3FのJ-POP売り場にも新譜が置かれる場所に大きく展開されている『Awake』。かなり目立つ位置にあり、もちろんその足元にもハッシュタグが貼られているので、興味深げに眺めているお客さんも見受けられた。さらに、店舗入り口の大きなビジョンでもMVが流されており、訪れたメンバーたちも興奮した様子だった。ところで、初めてAureoleの作品と出会う人も多くなるであろう『Awake』は新曲1曲プラス既発曲をライヴ・アレンジで全曲リテイク、一発録りしたベスト・アルバムとのこと。いったいどんな想いが込められている作品なのだろう?
僕らのライヴを観て“良かった”って言ってくれるお客さんから“音源でこんなに良いと思わなかった”って言われたがあって(笑)。何か問題があるのかな? って見つめ直したんです。でも確かにライヴの形も段々変わってきたんで、改めて音源を聴くと“あれ? こんなだったんだ?”って思うことが僕ら自身にもあって。だったら今のライヴ・アレンジを一度パッケージ化してみるのも面白いかなと思ったんです。(森)
常に進化を続けているAureoleらしい、ベスト・アルバムでありながら最新型、現在進行形のバンドの姿が切り取られた作品といえるだろう。
インディーズ・バンドとしては異例の大きな店舗プロモーションとなった今回の「Hashtag Awake」。情報が溢れる世の中でバンドの存在に気が付いてもらうためには、看板やポスターやビジョンの映像、平台を使ったリアルな仕掛けと、Twitterなどのデジタルを両方掛け合わせることで完成されるプロモーションのように、アイデアとチャレンジをアーティスト自身がより積極的に実行していくべきなのかもしれない。今回、「Hashtag Awake」でAureoleの音楽と出会うことが出来るハッシュタグは全9種類。中には、6月に発売されるニュー・アルバムの情報や先行試聴もできるハッシュタグもあるので、あなたも是非“人生を変えてしまうほどの音楽との出会い”に目覚めてみては?
取材・文 : 岡本貴之
写真 : ameshiba
いますぐタワレコ渋谷店に走れ!!
Aureole / Awake
【販売価格】
2,138円(税込み)
※OTOTOYでの配信はありません。タワーレコード渋谷店にてお求めください。
【リリース日】
2015年3月11日(水)
【Track List】
1. Core
2. Live Again
3. The House Of Wafers
4. World As Myth
5. Windfall
6. Miz
7. Dell
8. Disappear
9. Suicide
Aureoleのワンマン・ライヴが決定!!
Aureole "Spinal Reflex” Release Party
2015年7月2日(木)@代官山UNIT
時間 : 18:30 OPEN / 19:30 START
料金 : 前売 2,800円 / 当日 3,300円(1DRINK 別途)
出演 : Aureole
問い合わせ先 : UNIT(03-5459-8630)
チケット予約 :
Aureole公式ページ http://goo.gl/19YfmA
プレイガイド(ぴあ / ローソン / e+)の発売は後日発表
Aureoleの作品アーカイブはこちらから
>>『Reincarnation』リリース時インタヴュー・前編
>>『Reincarnation』リリース時インタヴュー・後編
LIVE INFORMATION
2015年4月10日(金)@タワーレコード渋谷1F
時間 : 20:00 START
※ライヴは観覧フリー。ライヴ後のサイン会は『Awake』購入特典のチケットを持っている方のみ参加ができます。
2015年4月30日(木)@タワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」
時間 : 20:00 START
※『Awake』購入特典のチケットを持っている方のみ入場できます。
Aureole "Spinal Reflex” Release Party
2015年7月2日(木)@代官山UNIT
時間 : 18:30 OPEN / 19:30 START
料金 : 前売 2,800円 / 当日 3,300円(1DRINK 別途)
出演 : Aureole
問い合わせ先 : UNIT(03-5459-8630)
チケット予約 :
Aureole公式ページ http://goo.gl/19YfmA
プレイガイド(ぴあ / ローソン / e+)の発売は後日発表
PROFILE
Aureole
2007年結成。森大地(Vo/Gt/Prog)、岡崎竜太(B)、中村敬治(Gt)、中澤卓巳(Drs)、saiko(Syn&Flute)、佐藤香(Vibs&Glocken)の6人組バンド。都内を中心にライヴ活動を行っている。ポストロック、エレクトロ、クラシカル、ミニマル、プログレ、サイケ、民族音楽、ダブステップなどを通過した奥深いサウンドと「歌モノ」としての側面、この二つの要素が違和感なく融合したサウンドが特徴。2009年にNature Blissよりデビュー・アルバム『Nostaldom』をリリース。青木裕(downy、unkie) をゲストに迎えたこの作品は、各方面から多くの支持を得た。2010年にはVoの森大地が主宰するレーベル、kilk recordsより2ndアルバム『Imaginary Truth』を発表。『今後の日本の音楽シーンのキーマン』と称され、一層の注目を集めた。2012年には3rdアルバム『Reincanation』をリリース。同作品のレコ発ライヴとなる渋谷o-nestワンマン公演ではソールドアウトを記録。2014年11月には2年ぶりとなるフリーの配信限定シングル『Ghostly Me / The House Of Wafers』をリリース。一晩で1000以上のダウンロード数を獲得する。2015年3月、ライヴ・アレンジでリテイクしたベスト・アルバム『Awake』をタワーレコード渋谷店限定でリリース。タワーレコード渋谷店をジャックした前代未聞のハッシュタグを活用したO2O施策「Hashtag Awake」が大きな反響を呼んだ。