DEZOLVEが卓越した技術で描く、12編の物語──新世代インストゥルメンタルバンドの新たな挑戦

新世代を牽引するインストゥルメンタルバンド、DEZOLVE(ディゾルブ)が、8枚目のアルバム『Biblion』を完成させた。今作には、ハード・ロックとフュージョンの要素をふんだんに盛り込んだ“Stray Bullet”や、まるでファミコン時代のゲームの世界を表現したような“Pixel ∞ Mind”など、DEZOLVEとして新たな挑戦となる楽曲が収録されている。これまで積み重ねてきた音楽性をどう更新していくのか。インストゆえに避けられない「違いの伝わりにくさ」とどう向き合うのか。そして、プレッシャーのなかで彼らはどのように自分たちを超えようとしているのか。OTOTOYでは、山本真央樹(Ds)、北川翔也(G)、兼子拓真(B)にインタビューを行い、詳しく話を聞いた。
卓越した技術と才能が結集した驚異のハイパー・サウンド!
アルバム購入で、OTOTOY限定壁紙画像をダウンロードできます。(期間:3/18 0:00 ~ 4/1 23:59)
INTERVIEW : DEZOLVE
10周年を経て、なお更新を続けるインスト・バンド、DEZOLVE。8作目となるアルバム『Biblion』には、これまでの歩みの延長線上にありながらも、確実に“次”を見据えたサウンドが刻まれている。「変わらないこと」と「変わり続けること」はどう両立するのか。メンバーそれぞれの視点から、その制作のリアルに迫った。
インタヴュー・文:ニシダケン
「ああ、DEZOLVEってこういう感じだったな」と僕ら自身が再認識できる曲
──前回は結成10周年記念コンサートの映像作品がリリースされるタイミングでの取材でした。10周年というその節目から先へ進んでいくなかで、どんな感覚で楽曲を制作していますか?
山本:次の20周年に向かうためのスタートを切ったような感覚で曲を作れています。ただ音楽を作るにあたって「ここを変えた」という部分があるわけではなくて、やっていること自体はこれまで通りですね。新たな延長線上を進んでいるようなイメージです。
北川:音楽制作的には、今まで自分たちが経験してきたものが、常に作っている内容に反映されていると思うんです。だからこれまでのバンドの方向性はちゃんと尊重しつつ、新しい音楽を作っている意識ですね。各々の成長が自然と音楽に反映されていくものだと思うので、今までやってきたことをさらにやっていくという意識ですね。
兼子:個人的には「クオリティーが落ちた」と言われないようにしたい、という意識はありますね。今まで守ってきたものと、新しく進化・アップデートされた曲を受け取って、そこにこれまで積み重ねてきたものを注いでいく。その作業自体が、新しい試みなのかなと。新しく生まれてきたものに対して、これまでDEZOLVEが守ってきたものにプラスαして固めていくようなイメージですね。
──先ほど「クオリティーが落ちた」と言われないようにという言葉も出てきましたが、そういうプレッシャーはありますか?
山本:ありますね。楽器の腕だけでなく、曲のクオリティを落とさないようにしたいという意識があります。特に、インストってどうしても「同じように聴こえる」ことがあると思うんです。僕ら的にはメロディーやコード進行、アレンジで違いを出すために、死ぬほど変えているんですけど、たとえばコード進行に「9thがあって11thがあって…」みたいな違いは、わかりづらいんですよね。歌モノなら歌詞が違うので、曲調が似ていても「違う曲だ」と感じてもらえると思うんですけど、インストは音色が基本的に同じなので。そこはいつも頭をひねって考えているところです。
──インスト・バンドならではの悩みですね。
山本:そうですね。それにDEZOLVEの中で、過去にやったことをもう一回やってしまっているんじゃないか、という部分も気にしています。ただそれでも「これはDEZOLVEでしか聴けないよね」という音楽を作りたいという気持ちは強いです。そういう音楽を作るためには、やっぱり今までの自分たちを超えていかなければいけない。その意識はすごくありますね。

──今回新たに8枚目となるニュー・アルバム『Biblion』がリリースされました。DEZOLVEの場合、アルバム制作はどんな流れで進むんでしょう?
山本:制作時期になってから作り始めることが多いです。「アルバムが出ます。この日にレコーディングをするので、それまでに曲を作ってください」という連絡が来て、締切が決まる。そこから作り始める感じですね。
──それぞれが「こういう曲を書こう」と決めて作っていくんですか?
山本:そうですね。早い者勝ちみたいな感じで、「こういう曲作りたい」と思ってワンコーラスが完成したら、メンバーやスタッフさんみんなにデータを一斉送信するんです。そこから何曲か出てきた段階で「明るい曲も入れよう」とか「バラードも入れた方がいいかな」と、アルバム全体のことを考えて曲を追加していきます。でも最初はそれぞれ好きな曲を書き始めることが多いですね。それは初期からあまり変わっていないですね。
──ということは、個々人が最初に作る曲には、「本当にやりたいこと」が出ている感じなんでしょうか。
山本:そうですね。僕の場合は“Pixel ∞ Mind”が最初ですね。そのあとに“Coastal Vibes”を書いて、その次に“When the Light Returns”、“Velvet Mirage”、最後に“Groovity”を書きました。
北川:僕は1曲目の“Stray Bullet”で、ハードロックとフュージョンを合わせたノリのいい曲を書きたかったんです。その次に書いた7曲目“Func and Sync”は親しみやすいポップな曲なんですけど、みんなで同じフレーズを弾く大ユニゾンで、かなりエグいことをやる曲を書きたかったんです。
兼子:僕はもう“Realm”で全てを出し切りました! 僕は前回のアルバムで、ほぼ初めて作曲したんです。かなり友田(ジュン)さんに手伝ってもらったんですけど、今回はひとりで出せるものを全部出し切ろうと思って、やりたいことを詰め込みました。あとは「この3人ならなんとかしてくれるだろう」って任せました。
北川: “Realm”は僕が少しアレンジを手伝ったんですけど、「こういうかっこいい曲を作りたい」という気持ちがストレートに伝わってきました。
山本: 作曲歴としてはまだ浅いのに、このクオリティを仕上げてくるのが本当にすごい(笑)。僕と北川くんと友田くんは、もう10年くらいDEZOLVEをやっているので、ストレートに「これがDEZOLVEです」という音楽を表現することが、少し薄くなっていたんですよね。何かしらプラスアルファの“余計なこと”をしてDEZOLVEを表現しようとするんですよ。
でも、兼子くんはDEZOLVEをリスナーとして聴いてきてくれた人なので、「DEZOLVEってこういう音楽だよね」という解像度がすごく高い。その人が書いた曲だからこそ、“Realm”はすごくDEZOLVEっぽいんです。聴いたときに「ああ、DEZOLVEってこういう感じだったな」と僕ら自身が再認識できる曲でしたね。多分、お客さんが求めていたのもこういう感じだったんだろうなって。だから兼子くんには、「ありがとう」という気持ちですね。




























































































































































































































































































































































