【短期連載】1万人へ。FUNKIST稲佐山ワンマンへの挑戦 Vol.3──信じ続けた音楽とともに、稲佐山へ

染谷西郷(Vo./Gt.)、ヨシロウ(Gt.)、宮田泰治(Gt.)(L→R)
FUNKISTの短期連載もいよいよ最終回を迎える。
2026年5月31日(日)、長崎・稲佐山野外ステージで開催される無料ワンマン・ライブ〈V-ROAD PARADE at稲佐山 -挑戦こそ、聖地で。無料で。-〉まで、いよいよカウントダウンが始まった。全国ツアー〈LIVE IS BEAUTIFUL tour 2026 Road to 稲佐山〉は各地で熱を重ね、その渦の中心にいるFUNKISTは南アフリカ・ツアーへも飛び出し、音楽の地平をさらに広げ続けてきた。
止まることなく進み続けるその歩みは、積み重ねてきた時間と確信に裏打ちされたものだ。リスナー、支援者、そして各地で出会う人々の想いが重なり合いながら、稲佐山へと向かう流れは確かに強さを増している。その原動力にあるのは、やはり音楽への揺るぎない信念。なぜ彼らはここまで“音楽の力”を信じ続けるのか。最終回となる今回は、その核心に迫る。
【FUNKIST 短期連載 Vol.1】
【FUNKIST 短期連載 Vol.2】
バンド史上最大規模に挑戦、長崎・稲佐山野外ステージで無料ワンマン開催!

FUNKISTが、2026年5月31日(日)に長崎・稲佐山野外ステージで野外ワンマンライブを開催する。キャパシティは約1万人。バンド史上最大規模となる挑戦だ。代表曲「V-ROAD」ゆかりの地でもある長崎でのワンマンは、彼らにとってまさに原点回帰とも言える特別なステージ。夢を描き、仲間と歩んできた物語の続きが、この場所で鳴り響く。
これまでの歩みも、これからの未来も全部抱えて挑む大舞台。
その瞬間を、ぜひ一緒に目撃してほしい。
〈V-ROAD PARADE at稲佐山 -挑戦こそ、聖地で。無料で。-〉
【日程】
2026年5月31日(日)
【会場】
長崎市稲佐山公演野外ステージ
〒850-0066 長崎県長崎市大浜町1331
【開催時間】
開場 11:00 / 開演 13:00 / 終演 15:30
【入場料】
無料
⇨ 入場応募フォーム
特設サイト
https://funkist.info/vroad-parade_2026/
クラウドファンディング
https://camp-fire.jp/projects/944275/view
INTERVIEW : FUNKIST
取材・文 : 岡本貴之
撮影(2ページ目以降) : ヤソメユウヤ
「南アフリカでここまで来た」。音楽がつないだ笑顔の景色
――3月末からの南アフリカ・ツアーはいかがでしたか?
染谷西郷(Vo./Gt.)(以下、染谷):すごく実りの多い旅でした。今回はフェスにも出演して、5月の稲佐山に一緒に立つサポートのドラム・Yoco(二人目のジャイアン)、ベースのヨーラも含めたバンド編成で行ったんです。南アフリカはFUNKISTにとってひとつのルーツでもある国なので、その場所で一緒にライブを経験できたことは、稲佐山ライブに向けても大きな収穫になったと思います。
――ラジオ(FM長崎『FUNKIST V-ROAD PARADE RADIO』)で話していましたけど、機内への機材の持ち込みが大変だったみたいですね?
ヨシロウ(Gt.):ドラム・セットやギター・アンプ、ベース・アンプまで全部持ち込もうとしたら、超過料金がとんでもないことになって(笑)。
染谷:103キロオーバーで78万円っていう(笑)。今回、日本からツアーで参加してくれる方が30人くらいいたので、「タムお願いできますか?」「スネア預けてもらえますか?」って、みなさんに協力してもらったんです。荷物の少なそうな女性にバスドラを預けたり(笑)。それぞれ重量制限いっぱいまで使って運んでもらって、なんとか超過料金なしで乗せることができました。

V&Aウォーターフロントにて
――みなさんの協力もあってなんとか乗ることができたんですね。南アフリカは何年ぶりに行ったんですか?
染谷:FUNKISTとしては 8〜9年ぶりくらいです。ヨシロウは11年ぶり。
ヨシロウ:ここまで機材をがっつり持って行くのも初めてだったよね。
染谷:そうだね。今回はなるべく日本でのライブに近い形を現地でも見せたい気持ちが強かったんですよ。
宮田泰治(Gt.)(以下、宮田):僕はアンプから壊れやすい真空管というガラスの部品を取り外して手持ちしようと思っていたのですが、結局時間がなくて真空管差したままアンプ本体を梱包材でぐるぐる巻きにして預けちゃったんですよ。それでフェス会場で鳴らそうとしたら、「ピキュ」って音がして。「あ、これいっちゃってるね」って(笑)。会場にフェンダーのアンプがあったので、それを借りてライブをやりました。帰りにもまたぐるぐる巻きにして持って帰ったんですけど、空港で受け取ったときに「カランカラン」って音がして、中を見たら真空管が全部落ちてました。
――ええ~!?
染谷:使わずにただ壊して持って帰ったという(笑)。

喜望峰 (Cape of Good Hope)にて
――そんなトラブルも乗り越えつつ。ライブはいかがでしたか?
ヨシロウ:ライブはすごかったです。初日に行ったところが、僕らだけじゃ絶対に入れないような治安の悪いエリアで。パトカーが前後について、サイレンを鳴らしながら同行しないと入れないような場所だったんですよ。
染谷:普通に生活していたら、自分たちでは絶対に足を踏み入れないような場所ですよね。でも、そこにいる人たちも“悪人”というわけではなく、犯罪に手を染めるしか生きる術がない人たちなんです。その中に、職業訓練と子供たちへの教育を行っている、唯一の希望みたいな施設があって。
そこでライブをさせてもらったんですけど、下の図書室で勉強していた子供たちが、「日本からバンドが来てるよ!」って集まってきてくれて。初日は、その子たちの本当にいい笑顔から始まったんです。絶望的な環境の中でも、音楽が人を笑顔にできるんだって実感しました。

染谷:2日目は、ネルソン・マンデラが収監されていた刑務所のあるロベン島という世界遺産へ行きました。本来ライブをするような場所ではないんですけど、デイビッドさんという、アパルトヘイト時代に政治犯として5年間収監されていた方がガイドをしてくださって。
当時の話を聞かせてもらう中で、僕らがミュージシャンだという話をしたら、「じゃあここで演奏しな」って言ってくれたんです。それで刑務所の中で歌わせてもらうことになって。僕自身、アパルトヘイトの構造で言えば白人側、つまり加害者側として生きてきたわけで、そこで苦しい思いをされた方々に思いを巡らせながら、アコギの弾き語りで5分くらい歌わせてもらいました。その演奏を聴いたデイビッドさんが、「すごく良かったよ」って拍手してくれたことは、自分の中ですごく大きな出来事でしたね。
――きっと、日本人でそこで歌った人はいないんでしょうね。
染谷:そうだと思います。3日目は、アパルトヘイト時代に黒人居住区だった場所でライブをさせてもらいました。今でも経済的に厳しい状況にある人たちが多いエリアなんですけど、その日は現地の若者たちが「ガンブーツ」というダンスを見せてくれて。


炭鉱で強制労働されていた人たちが辛い日々をちょっとでも前向きになれるように、長靴を打ち鳴らしてリズムを生み出したダンスなんですけど、僕らのライブでもめちゃくちゃ盛り上がってくれたんです。言葉が通じなくても、音楽を通してみんなで笑い合えたことはすごく大きかったですね。そして4日目、5日目がフェスでした。
――そのフェスは南アフリカに植林をすることが目的のフェスなんですよね(Re Forest fes)。
染谷:そうです。もともとは、日本で世界中の植林活動を行っているNPO法人「MAKE HAPPY」が、南アフリカで植林をするツアーを開催していて、僕らも15年前に参加したんです。今回はそれ以来の参加でした。今回そんなMAKE HAPPYが現地の植林団体Green Popと繋がり、出演が決まったGreen Pop主催の野外フェスもめちゃくちゃ良かったですね。
――SNSにアップされた映像を見たら、子どもたちがいっぱい集まっていましたよね。
染谷:最前はほとんど子どもたちでした。いろんな人種の方たちが混ざり合って一緒に音楽で騒げている光景って、自分が子どもの頃の南アフリカでは絶対見られなかった景色で。
すごく個人的なことなんですけど、FUNKISTを始める少し前に宮田と南アフリカにいた時期があったんですよ。その頃は、おじいちゃんやおばあちゃんたちに夜な夜なライブを披露して、「俺たちはプロのバンドになるんだ」って夢を語っていたんです。でも、周りからは「そんなの叶わないよ」って言われていて。
それで日本へ帰る日に、おじいちゃんとおばあちゃんが空港まで見送りに来てくれたんです。そのとき、おじいちゃんに「もう観光や里帰りで南アフリカに帰ってくるのは今日が最後だ」って言われて。「どういう意味?」って聞いたら、「おまえ、泰治(宮田)とプロになるんだろ?だったら次に帰ってくるときはプロのミュージシャンになって仕事で帰ってこい」って言われたんですよね。誰も俺たちがプロになるなんて本気で信じてない中で、初めて信じてくれた人っていうか。
今回、フェスのバックヤードでSEが鳴って、お客さんがワーッと沸いた瞬間に、その言葉を思い出したんです。そこから、本当にフェスに出演できるところまで来たんだなって思ったら、グッと込み上げてくるものがありました。おじいちゃんはもう亡くなってしまったんですけど、何千人もの人たちがFUNKISTの音楽で笑顔になっている光景を見て、「南アフリカでここまで来たぞ」って思えたことがうれしかったです。


染谷:それと、僕たちが主題歌「Snow fairy」を担当したアニメ『FAIRY TAIL』が今年20周年で、記念PVに「Snow fairy」を使ってくださっていたんです。そんな事もあり最終日にライブするバーの店主にFUNKISTのMVを見せていたら、お店のお客さんの中に『FAIRY TAIL』が大好きで、FUNKISTを知ってくれている人がいて。
最終日、その人がお客さんを連れてきてくれて、会場が現地のお客さんでいっぱいになったんです。最後に地元の人たちと盛り上がれたことも含めて、20周年という節目に『FAIRY TAIL』が南アフリカとつないでくれたことに、すごく運命的なものを感じました。
▼ 南アフリカ・ツアー フォトギャラリー
写真提供 : FUNKIST
































































































































































































































![高野寛ライヴ音源DSD独占配信&インタビュ—『Live at VACANT [ONE, TWO, THREE]』](https://imgs.ototoy.jp/feature/image.php/20121009/6.jpg?width=72)































































































