ゆるめるモ!プロデューサー、田家大知が見つめるその先──白熱のトーク・イベントの模様をレポート!
今年で結成から5周年を迎え、ベスト盤やEPのリリースなど精力的な活動を続ける4人組ガールズ・ニューウェーブ・グループ、ゆるめるモ!。現在新作『NEVER GIVE UP DRUNK MONKEYS EP』を提げての全国ツアーを敢行中の彼女たちですが、残りはファイナル公演のZepp TokyoとZepp Nambaを残すのみ! そんな中、OTOTOYでは今年1年彼女たちの活動と併せて各地で行われていたプロデューサー田家大知の「もっとゆるめるモ! を広げたい!」という熱い想いから生まれたキャンペーン、〈ゆるめるモ! の音楽よもっと回れ!!~たけPのどこでも行くよ!~〉の番外編として企画、2018年10月27日(土)に開催されたトーク・イベントの模様を掲載! 普段なかなか直接聞くことのできない、ファンからの様々な質問に熱く答える貴重なイベントとなったこの日。ツアー・ファイナル前にぜひ一読を!
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ゆるめるモ!の音楽よもっと回れ!!番外編~たけPとゆるめるモ!を深めるモ!~
文 & 構成 : 岡本貴之
写真 : 大橋祐希
2018年10月27日(土)、東京・池尻大橋のレストラン「音肉バルagehas」にて、ゆるめるモ!のプロデューサー・田家大知によるトーク・イベント〈ゆるめるモ!の音楽よもっと回れ!!番外編~たけPとゆるめるモ!を深めるモ!~〉が行われた。
このイベントは、「もっとゆるめるモ!を広げたい! 届けたい! 売りたい!」という想いから、田家プロデューサー(以下・たけP)がゆるめるモ!のことについて講演をしてまわる〈ゆるめるモ!の音楽よもっと回れ!!~たけPのどこでも行くよ!~〉キャンペーンの番外編として企画されたもの。司会にゆるめるモ!ファンのA氏をMCに迎え、たけPがファンからの質問に答える形で行われた。
午前11時、参加者を前にたけPが紹介されると、大きな拍手で迎えられた。
「今日は朝早くからお集まりいただき、ありがとうございます! この企画をやろうと思ったのは、僕がフットワーク軽く動くことでゆるめるモ!が少しでも今まで届いたことのないような色んなところに広まれば良いと思ったからです。せっかくみなさんにお越しいただいたので、普段話せないような話とかをお届けできればなと思っております。よろしくおねがいします」
また、田家が手がけたアイドルグループ・レッツポコポコ(2018年1月に解散)の初期メンバーであり、ゆるめるモ!好きであると語る二階堂はるが「華やぎ担当ゲスト」としてステージ横で見守ることが紹介された。
「僕は喋りがあんまり得意ではないので気持ちで喋ります」と謙虚に前置きした田家だが、いざトークが始まると、身振り手振りを交えて、熱心にトークを繰り広げた。
ゆるめるモ!の活動を支えているのは、炭酸水?
冒頭「好きな食べ物」を訊かれたたけPは「僕は“もりもり食べてどんどん動いて元気になっていこう!”みたいな人間でして、メンバーとごはんに行くと、大盛りを頼んでさらにメンバーが残したものも食べるほど、たくさん食べております。嫌いな食べ物はまったくないです」と、ゆるい感じのトークからスタート。
また、テーブル上に大量に置かれた炭酸水はたけPには欠かせないアイテムのようで、「ゆるめるモ!の活動を支えているのは、炭酸水です」と告白する一幕も。
──若くして世界一周しているそうですが、人生観を変えたエピソードや活動に活かされていることは?
「僕は21歳~22歳の頃に世界を一周しているんですけど、フラッと行ったというか、やればなんとかなると思っている性格で、実際に世界を回ってそれをより裏づけた感じ、“世界って近いんだ”と思った感じです。僕の世界一周は音楽と共にあって、海外のバンドのライヴも観に行きました。色んなバンドを観て、帰ったら音楽をやろうかなって思ったんです。前から音楽活動をやってみたい気持ちはあったんですけど、世界を回って、音楽の素晴らしさをさらに知ることになったエピソードがいっぱいあって。その1つが、僕はグラスゴーの3人組バンドbis(※WACK所属のアイドルBiSとは別のグループ)というバンドがすごく好きで、ニューヨークでライヴを観たんです。彼らは僕より年下なんですけど、ニューヨークの若者を熱狂させていて。「イギリスから来た若者がこんなにニューヨークの若者を熱狂させているなんてすげえ!」と思って、自分も帰国したら音楽をやろうと思ったというのが結構大きかったですね」
──芸能事務所・レコード会社に無所属のまま、6年間活動しているバイタリティの源とは?
「たぶん、そこはみなさんが外から観ている以上に、中は波乱万丈で。自分で言うのもなんですけど、ちょっとやそっとの情熱ではできなくて。自分をぶち破るくらいの情熱を常に持っていないと、続けてこれないんですけど。でもそれは、僕がアホなくらいの夢想家で。イメージして“いける”と思ったら、できるとしか信じられなくて、何の躊躇や恐れもなくやるしかないと思ってしまうので。それは世界一周で得たことなんですけど、ゆるめるモ!でこういう景色をみんなに見せられる、こういう世界が作れるっていうことを僕は信じこんじゃっているので、それはもう止まらないというか」
「ネバギバ酔拳」制作秘話
『NEVER GIVE UP DRUNK MONKEYS EP』収録の「ネバギバ酔拳」について
「「ネバギバ酔拳」のサウンドがどうしてこのタイミングできたかと言いますと、縦ノリでオイオイ! ワー! みたいな曲って、その場では盛り上がるんですけど、横ノリでみなさんの生活とか脳内にジワジワ広がったりする方が、ライヴとしての耐久性が強くなるかなって以前から思っていて。ここ最近、横ノリをすごくできるようになるといいなと思って、ちょっと前からやっていて。『HIPPY MONDAYS EP』なんかは特にそうなんですけど。それまでの『YOUTOPIA』の「ごろごろ物思い」とかもそうですね。こういう横ノリの感じを、メンバーの中に血となり肉となり、植え付けていければいいなと思っていたら、本当にだんだん植え付けられていったので、じゃあこのタイミングで、横ノリの感じをもうちょっとロックっぽいサウンドでやれたらいいんじゃないかって。日本人の持っている演歌感、フォーク感、こぶし感というか」
と、演歌歌手がこぶしをまわす風なアクションをしながら語るたけP。先ほどから、ずっと立ち上がったままでパフォーマンスをするようにしゃべり続けている。
「それでこの動きをクネクネとひたすらやってたら、「あ、これは酔拳…??」みたいに思って(笑)。酔拳の、のらりくらり感とか、逃げても何度も戦う、直球の正面突破で玉砕するのではなく変化球のゲリラ戦でも戦い続けられるような、ちょっと一筋縄ではいかない感じが、ゆるめるモ!に合ってるかなと思ったんです。メンバーのみんなも、映画の『酔拳』自体は観たことはないけど、存在は知っていて「面白そう」って、反応は良かったので。じゃあこれは上手くいくかもなって」
なんと、日本人に馴染みのあるグルーヴの動きを再現していたら、「酔拳」の動きにたどり着いたという。
「それで、映像も見えてきたというか。映像とかも含めて面白い、今までに届いたことのないところに届くんじゃないかなって。僕らはジャッキー・チェンさん世代で、もちろんヒーローで神様のような存在なんですけど、メンバーに訊いたら、今の若い子にはあんまり届いていなかったので、じゃあジャッキー・チェンさんの素晴らしさをさらに伝えるきっかけにもなるなって、改めてジャッキー・チェンさんのことを調べて、笑ってパンク・ロックしている感じとかが、おこがましいとは思うのですがゆるめるモ!と似ているなって。従来のカンフー映画の常識をぶち壊して、コミカルに大衆的に伝えようとして来たところも合ってるなって思ったんです。やっぱり、『酔拳』っていうことで、忘年会シーズンまで盛り上がってくれるといいなというのもあって。最近ライヴで「ネバギバ酔拳」のリミックスをかけたりしているんですけど、今後タイミングを見て、フルとかを出したいなと。あれも、今までの届いたことのないパリピな人とか、ウェイな人たちとかにも面白い広がり方をすればいいなって。例えばホストクラブでかかるとか(笑)、DJの方がクラブでかけるとか、飲み会で大学生が歌うとか、ウーハーの効いた車で爆音でかけるとか。そういう盛り上がり方をすればいいなって思いますね」
また、「ネバギバ酔拳」の執拗に繰り返すギターリフはどのような意図があったのか。
「全体的には、若かりし頃のウィーザーが悪ノリな爆音で演歌ロックをやって踊らせているようなイメージなのですが、こんな曲調の中にトランス感とトリップ感を出すために、延々とテロテロした単音リフでひたすら踊らせられたらいいなと」
『NEVER GIVE UP DRUNK MONKEYS EP』収録の他の曲について
「「ネバギバ酔拳」以外の曲ですと、「ダリア」は間口をさらに広げるロック・チューンが今必要だなと思って、M87さんにこんな感じの曲でお願いしますと依頼して、小林さんにもそのような意図を伝えて、キャッチーに仕上がりましたね。MVのゾンビは、監督の加藤マニさんと、映像はちょっと変化球な感じがいいと思うと話していたら、ゾンビという案が出てきて、面白いなと。」
「命あってのものだね」は、「ネバギバ酔拳」がコミカル寄りかなと思ったので、バランスとるために、普遍的なテーマでひたむきな曲もありかなと思って入れました。大きな会場のフェスとかで、会場全体が「命、命」と合唱したら明るい宗教トランス空間が生み出せるかなと思って作りました。そんな曲も他にないかなと思って。いろんな形の宗教感は常に狙ってます。音とか、言葉とか、リフとか色々で」
「良い曲を出しました」では広がらない時代だっていうことは、重々わかっているので
初期は音楽のオマージュがマイナーなところも含めてあったが、最近では音楽以外のところもフィーチャーすることでより広げていこうという発想になっているという。
「一見音楽とは関係ない色んなことをやってるように見えると思うんですけど、すべてはゆるめるモ!の音楽を広めるための道だと思ってもらいたいです。ただ「良い曲を出しました」では広がらない時代だっていうことは、重々わかっているので。そのために色んな複合的な展開作りや広め方をしないといけないので。空振りに終わるときもありますし、ときには、今までの選択肢にはなかったことをやるかもしれないですけど、すべては音楽に通じる道なので。根底にあるのは気合いしかないです。常に裸一貫で槍を持って、戦車に立ち向かってる感覚です」
──今後の音楽性はどうなっていくのですか?
「そこは「アンダーグラウンドにぶっちぎって、誰も聴いたことのない音楽を生み出したい」みたいなことと、「売れないと続けていけない」ということの激しいせめぎあいなんですよ。みなさん、どう思っているかわからないですけど、本当にアホみたいに今の100倍くらい売れないと今まで作ってきた苦労が泡と消えてしまうので。これまで攻めたことのない方向にハンドルを切らないと行けないこともあるし、可能性のある手はどんどん打って行かないと。どこで出すかわからないですけど、みなさんがビックリするような童謡とか子ども向けの音楽とか、クラシックとか演歌とかEDMとかそういうことをやるアイデアも可能性もありますし、それはタイミングを間違えないように、メンバーの現在地とか世間の匂いを嗅ぎながらですね。それこそ、初期みたいな攻め攻めの前衛ニューウェーブの曲とかオルタナ・ハードコア魂がむき出しの曲が飛び出てくるかもしれないですし、とてつもない“ザ・J-POP!”みたいなものも出てくるかもしれないですけど、その後ろには、広めていくための作戦と戦略があるということを、みなさんなりに理解していただけたらと思います。ポップ・ミュージックの世界では遊び方は無限なので。ゆるめるモ!にしかできないことがあると言うことをわかっていて、その使命感があるからこそ、何が何でも息絶えてはいけないと思う訳ですし、もちろんそんな中で、常に自分たちにしかできないものは突き詰めて、文化と歴史を作って行こうとしております」
──メンバーが4人になってプロデュースにも関わり出しましたが、それまではあまり関わることはなかったんですか?
「4人になって、メンバー自身の意識が生まれたことプラス、(ディレクションをすることで)そっちの方が出来てくるものが有機的になっていくというのが実感としてわかったので、今はサウンドについてキャッチボールしていく中で、メンバーからアイデアがあれば取り入れたりもします」
2018年8月~9月にかけて行われた「夏休モ!~ゆるめるモ!#平成最後の夏 関東ツアー~」でのメンバー・プロデュース公演について、MCより「毎回かなり毛色が違って、メンバー各々のプロデュース能力が高いと感じた」との感想を聞くと、
「やっぱり、この2年くらいでみんな鍛えられたのかなって思います。メンバー・プロデュース公演は今後もバンバンやっていきたいですね。それと、対バンのオファーをする基準は、みんなで話し合って決めています。(対バンが変わってきたという声に対し)最初は僕がやりたい人を中心にオファーしていたんですけど、そこばっかり押し出してもなって。あとはやっぱり、僕の世代が喜ぶ対バンと、若い世代が喜ぶ対バンって違うので。YouTuberの方とかはメンバーよりもさらに下の世代の人たちには喜ばれると思うんですけど、それはもう、僕らの世代には理解ができないので、一生懸命耳を傾けるようにしています」
あのがテイトウワの曲に参加(TOWA TEI「REM with あの」)、対バンではMIYAVI、氣志團、ヒカシューなど、豪華なアーティストとの共演も増えているが、コラボを期待する声に対して、
「もちろん、タイミングや条件等、諸々が合えばやりたいです。(ゆるバンドの曲は出さない?)出したいですよ。バンドで1回しかやってない曲もあるので、出したいです。リミックス・アルバムとかも出したいですよ。タイミングと費用対効果というか、そのあたりですね(ようなぴがソロCD『Return To My Innocence』『Welcome To YO(u)NAP! World!』をリリースしたが、他のメンバーのソロは?)それはすべて、色んなところに時間がかかったりしているだけなので、「これはやらない」ということはないです」
何か変な汁とか煙が“ジュワ〜”って出てる人が基準
──たけPは、どういう基準でアイドル・メンバー選びをしているんですか?
「ゆるめるモ!は、僕が街頭スカウトで300人ぐらいの女の子に声をかけて集めたのが発端なんですけど、例えば、ファッションとか見せ方とかすでに完成されてる方は、こっちで何かをする必要がないと思うんですけど、「ちょっと面白いのにそれが今出ていない」みたいな人に、僕が気付ける場合が基準でしたね。派手じゃなくていいんですけど、「何か変な汁がちょっと出てる」ような人、「変な煙が“ジュワ〜”」って出てる人。その“ジュワ〜”がやっぱり僕は愛らしくてとてもいいなと思うので」
と語るたけPに、客席からこの日一番の笑いが起きた。
「ちょっと変な人たちを僕が伝えてあげられればなって思うんですけど、ゆるめるモ!に関してはそういう基準で、ネットで1回募集したとき、5人が入ってきたときも「ちょっといじったら面白そうだな」っていう感覚で選びました。レッポコに関しても、同じですね」
と、ステージ横でトークを聞いていた元レッポコのはるを選んだ際も、「明らかに変な人オーラが溢れ出ていた」と紹介。一方はるは、たけPの第一印象を「派手な服を着た挙動不審なおじさんでした(笑)。でもすごくちゃんと話を聞いてくれました」と語るなど、トークは一気に華やいだ雰囲気に。見事に「華やぎ担当」の重責を果たした。
これが続いていることは色んな意味で奇跡だと思ってください
──ゆるめるモ!がここまで続けてこれた理由は?
「本当に紙一重、いつも首の皮一枚みたいな感じなんですけど、やっぱりそこには、僕だけじゃなくて、メンバー、スタッフたちの熱意、情熱の炎が消えていないからだと思います。解散の話も一度出たんですけど、その中で4人は「続けたい!」って言って、ゴゴゴーッてアクセルを踏んでくれて、意識を強く持って続けてるから今があると思います。安定しているかというと、常に波乱万丈なんですけど(笑)。みなさん、これが続いていることは色んな意味で奇跡だと思ってください」
──各自が加入から5年ないし6年経った現在、新たに生まれたメンバーの魅力、ここに注目してあげてほしい! みたいなポイントは?
「けちょんは最初から続けて来れてることが本当に凄いし、その偉大さがもっと伝わってほしい。最初からの歴史を見ていたことをもっと誇りに思えるように売れないといけないなと思います。飲み込みが早くて何事にも器用で、元々持っている独自の間合いとかリズムも、もっと注目されてほしいですね。しふぉんは、ここ数年で三枚目のコミカル感と少年感をどんどんつかめて来てますし、あれだけ幅広い層から親しみやすく愛されるキャラはなかなかないのでもっと色んな仕事や分野につなげて伸ばしていければいいなと思います。トークのスキルも光の速さで伸びてますよね。ようなぴは不器用で無骨ながら、ゴツゴツと壁にぶち当たりながらも進み続ける突進力に長けているし、自分なりの世界を広げて、世間への影響力をもっとジワリジワリと強めて行ってほしい。皆さんからも見ての通り、体力とフットワークの軽さは常人離れした超人級ですから。あのは色々とまだ解禁前の仕事もあるのですが、皆さんの想像以上にヘヴィでタフな戦いを常に繰り広げていますし、自己プロデュース能力の高さと視野の広さはもちろんながら、表にはあまり出てこない熱い魂(ソウル)と包容力を見ていてほしいですね」
ゆるめるモ!の音楽が人々の生活に浸透して、その時代と共にありたい
──ゆるめるモ!が最終的に目指しているところは?
「人々の生活に浸透して、その支えというか、色んな人に届いてその時代と共にありたいというか。僕は子どもがいるから、子どもが好きな音楽とかも探るんですけど、星野源さんの「ドラえもん」とか、めちゃくちゃ楽しそうに歌って覚えるんですよ。こういう風に子どもに浸透して、おばあちゃんもおじいちゃんも知っていて、主婦の人も知っていたり、生活に浸透しているっていうのが目標ですね。とにかく時代を代表するヒット曲を。ヒット曲が難しい時代といくら言われても、必ずや突破口はある。もっと野望を言うと、そこから世界に出て行って、日本の若い人たちにとって海外への架け橋になれたらいいと思うし、海外の若い人たちにとっても日本が身近になればいいなと思います。だから、ピコ太郎さんは本当に素晴らしいなって思うんですけど、たぶんあれはアフリカで携帯電話を持っている子でも楽しいじゃないですか? それぐらい楽しめるものができればいいなって思います。もちろん、フジロックに出たいとかっていう気持ちも引き続きありますし、めちゃくちゃ売れないとそれは成し遂げられないと思うので。メジャー・デビューの話については、ご縁があれば。どう転がるかわからないので。ただ、自分たちが「インディーズ原理主義者」みたいなことではないです(笑)。良い出会いがあれば、どういう形でもいいなとは思っています」
──今後の展開はどう考えていますか?
「ツアー・ファイナルのZepp Tokyo(2019年1月5日)Zepp Namba(2019年1月26日)では、内容も違いますし、かつてやったことないくらいの壮大なスペクタクルに挑戦するし、両方観ていただけるとより楽しめると思います。今年1月のZepp Tokyoを超えるものを見せられると思いますし、ゆるめるモ!なりのエンターテインメントを追求したいですね。お客さんにとっても、我々にとっても、絶対あきらめられない戦いになればと。ぎゃああ! やべえ!! ってくらいのものをお届けできるかと思います(笑)。その先の展開は、なかなか理想と現実がフィットしないところもあって。売れるのって、どういうきっかけがあるかわからないですけど、色んな仕掛けているときって、毎回希望しかないんですよ。でもだいたいかすって終わっちゃうっていう。メジャーレーベルに所属してないからつながりも少なく、弱い部分があるっていうのは、仕方がないですし、めぐりあわせもありますし。ただ気合いだけはどんな巨大な組織にも負けないように頑張ります。」
トーク・イベント開始から1時間半ほど経過したあたりで、この日会場に集まった人たちだけが聴けるスペシャルな未公開音源が公開された。中には、たけP自身が仮歌を入れた既発曲のデモ音源もあり。最後は、徐々にテンションが上がった様子のたけPが歌なしのオケに合わせて延々と歌い踊る姿を、会場内にいる全員が静かにじっと見守り続けるシュールな光景が繰り広げられ、予定を30分以上オーバーしてイベントは終了となった。
長時間にわたり、身振り手振りを交えて熱心にノンストップでトークした、たけP。「すべては音楽のため、ゆるめるモ!の音楽を届けるため」と、繰り返し強調していたのが印象的だった。
ゆるめるモ! LIVE SCHEDULE
酔拳ツアーWファイナル 東京・龍の乱
2018年1月5日(土)@Zepp Tokyo
開場 16:00 開演 17:00
前売 ¥5,500(ドリンク代別)
酔拳ツアーWファイナル 大阪・虎の乱
2018年1月26日(土)@Zepp Namba
開場 16:00 開演 17:00
前売 ¥5,500(ドリンク代別)
ゆるめるモ! 過去作はこちら
OTOTOY EXCLUSIVE
PROFILE
ゆるめるモ!
「(窮屈な世の中を)ゆるめる」、「You‘ll Melt More!(あなたをもっとトロけさせたい)」という意味をこめて命名された 4人組ガールズニューウェーブグループ。街頭スカウトで集めたメンバーで2012年10月4日結成(けちょんは唯一のオリジナルメンバー)。2013年9月にしふぉん・ようなぴ・あのが加入して現メンバー4人全員がグループ内に揃う。ニューウェーブを軸にエレクトロ、クラウトロック、シューゲイザー、ハードコア、ヒップホップ、アンビエント、テクノ等々、多彩なジャンルを内包した楽曲を展開。2015年には主演映画「女の子よ死体と踊れ」が全国公開され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に正式出品された。海外での人気も高く、ベトナム・台湾・上海・香港・バンコク・韓国といった海外での公演も計10回に渡って実施。10月10日にはジャッキー・チェンと酔拳をリスペクトした楽曲「ネバギバ酔拳」を含むニューシングル『NEVER GIVE UP DRUNK MONKEYS EP』をリリースし、1月5日のZepp Tokyo、1月26日のZepp NambaでWツアーファイナルを開催する。
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