ヒューマン・ビートボックス meets ポスト・ハードコア!? 神戸発の5人組、Quによる名刺代わりの1stをハイレゾで聴け!!

ヒューマン・ビートボックスをフロントに据えた神戸出身の5人組インスト・ロック・バンド、Qu(キュー)。彼らの名刺代わりとなる1stアルバムが、kilk recordよりリリースされた。プログレッシヴ・ロック、マス・ロックの流れを汲んだ変拍子・ポリリズムの要素を用いたビートを中心に、グランジ直系のギター、多弦ベース、エレピ、サンプラー、シンセサイザー、ヴォイス・ワークが縦横無尽に飛び交う重厚で立体的なサウンドは圧巻。このたびOTOTOYでは、ヒップホップ、エレクトロニカ、アンビエント、ハードコア、ヘヴィ・ロック、エモ… 様々な要素が、想像を超えた次元でミックスされた本作をハイレゾで配信スタート!! それを記念し、タイトル・トラック「switch」をフリー・ダウンロードでお届けする。メンバー5人へのインタヴューとともに、彼らのサウンドに足を踏み入れてみてはいかがだろう。
>>>「switch」のフリーダウンロードはこちら
Qu、名刺代わりの1stアルバムをハイレゾ配信!!
Qu / switch
ALAC / FLAC / WAV(24bit/48kHz) : 単曲 200円(税込) / まとめ価格 1,500円(税込)
mp3 : 単曲 150円(税込) / まとめ価格 1,300円(税込)
【収録曲】
1. absolute / 2. switch / 3. escape
4. echoes / 5. mobile / 6. No.
7. strawberry tree / 8. カンナガラ / 9. new world
『switch』ダイジェスト『switch』ダイジェスト
INTERVIEW : Qu
ここ数年、インスト・バンドがおもしろい。これまで歌物のバンドしか聴いていなかったけれども、フェス等で出会うことでインストを聴くようになった音楽ファンもたくさんいるのではないだろうか。ただし、言葉がない分、楽曲や演奏の表現力によほどの個性がないとリスナーの耳を惹きつけることは難しいだろうし、なんとなくBGM的に流れている分には、どれを聴いても同じに感じてしまうのも事実だ。kilk recordsから初めての音源をリリースする5人組バンドQuのアルバム『switch』に収録された楽曲たちは、1曲のなかで目まぐるしく展開する構成により、聴く者を飽きさせない。曲ごとにスリリングなインプロヴィゼーションを繰り広げているようなリズム隊と、ハードコア、ミクスチャー・ロック的な鋭いギター、エレクトロニカ要素とアート・ロック的なエレピのサウンドを同時に持ちこんでいる鍵盤、そしてそこに楽器の一部として加わるヒューマン・ビートボックス。こんなに耳にひっかかる立体的な音像を表現しているバンドがまだ結成1年ほどしか経っていないというのだから驚きだ。インストにこだわっているわけではないという5人の集合体、Quの初インタヴューをどうぞ。
インタヴュー & 文 : 岡本貴之
Quはどのように結成されたか
ーーみなさんは関西を拠点に活動しているということですが、バンドの成り立ちから教えてもらえますか?
みさきまさゆき(Dr.) : 一番初めはyone(G)と自分の2人で実験的なライヴをやっていて、もともと知っていたマツヤマシンヤ(B)のバンドが休止になったんで、じゃあうちでやらないかということで誘って、3人でインストをやってたんです。
ーーそのときはどんな音楽をやっていたんでしょうか。
みさき : 基本的には今とあんまり変わらないです。今をもっとさみしくした感じ(笑)。
一同 : (笑)。
みさき : 曲を作っていたのは僕なんで、この3人で核みたいなものは出来ていたんですけど、自分の中でもう少し音が欲しいなというのがあって、付け足していったような感じですね。メロディがない感じでずっとリズムだけのような感じです。
古庭千尋(E.piano, laptop) : 今の原型はもう作ってたんだよね。
ーー土台はもう出来ていたんですね。ちなみにバンド名の「Qu」はどんな意味で付けたんですか?
yone : あんまり意味はないですね(笑)。響きで決めました。
みさき : 最初は今回のアルバムに入っている曲「カンナガラ」がバンド名になるはずだったんですけど、夜中にyoneが「Quってどうですか?」っていうんで、「じゃあそれで」って(笑)。僕は基本的に名前とか無頓着なんで。
ーー現メンバーの5人になったのが2013年ということですが、結成して1年でアルバムが出るって早いですよね。みさきさんが5人編成にするときに欲しかった音ってどんなイメージだったんでしょう。
みさき : 3人でやってたときは、リズムだけで縦を合せるようなライヴで、音楽に緊張感しかない感じだったんで間口が狭いなと。もう少し間口を広げるために上モノを入れてちょっとメロディ的な横の流れが入って来るといいなと思って、ビートボックスと鍵盤を入れたんです。
古庭 : 本当に今やってる曲から上モノを抜いた感じでしたね。ギターもリズム重視で、私が入る前は色がないモノクロな感じだなって思っていたんです。でもそれはそれでかっこよかったんで、せっかくこのモノクロな感じがあるのに、色を付けちゃって良いのかなって、加入する上でだいぶ悩みました。先にバンドに入ったのはGINE君なんですけど。

ーーGINEさんはそれまでどんな活動をしていたんですか?
GINE(Human Beat Box) : もともとソロでマイク1本でビートボックスをしていたんですけど、Quが3人でライヴに出ていたときに転換DJみたいな感じで、バンドさんが30分やって、僕がビートボックスで5分~10分繋ぐというのをやってたんです。そこで出会って声を掛けてもらったのがきっかけですね。
みさき : ビートボックスってクラブのイメージがあったんですけど、ライヴ・ハウスに出ているんやったら、バンドにも興味があるかなと思ったんです。
ーーGINEさんはバンド経験はなくて、1人でライヴハウスに出ていたんですか?
GINE : そうですね。とりあえず場数を踏もうと思っていたんで、ちょくちょくそのハコではやらせてもらってたんですけど。誰かと音作りをしてみたいなと思っていたのがたまたまその時期だったんで、じゃあスタジオに入りましょうか、と。
ーー4人になって時点ではまだリズム主体のバンドですよね。そこに古庭さんが加わったということですが、古庭さんもソロで活動をしていらっしゃったんですか。
古庭 : そうです。今はもうソロはお休みしてQuに専念していますけどね。
ーー古庭さんが入ったことでエレクトロニカの要素が加わったと思うんですが、もともとはクラシックのピアニストだったんですか?
古庭 : まあ、すごく遡ればそうですけどね。子供の頃はクラシックやジャズのピアノを習っていましたし。その後10代の終わりくらいから幼虫社というエレクトロニカのユニットをやっていて、CDも出したりしたんですけど、その後長い間辞めていたんです。そこからソロでやり始めて1、2年経ってからQuと出会った感じです。
“かっこいい”か“かっこよくない”の2種類しかないんで大変ですよ(笑)
ーー曲はすべてみさきさんが作曲していらっしゃるということですが。ドラマーの方が書いているのは珍しいですよね。
みさき : う~ん、作曲というと語弊があるんですけどね。設計図を作ってる感じです。「こんな感じで」とか。自分の中でイメージがあったりしているんですけど、基本的にアレンジは任せているんで、そこでかっこいいものが出てくれば、自分はこう行きたかったけど、そっちを使おうという風にはなりますね。
古庭 : でも、言葉が“かっこいい”か“かっこよくない”の2種類しかないんで大変ですよ(笑)。「もっとかっこよくして」しか言わないんで。
みさき : あんまり事細かに言いたくないというのもあるんですよ。ちゃんとみんなでやるバンドをやりたかったし、1人ひとりがかっこよくないと嫌なんで。自分がかっこいいと思う最高のものを出せって言うんです。
ーーその結果、なんとも定義しがたい曲が並んでいますよね。例えば「NO.」はスペイシーなEDM風に始まってそのままガーッと4つ打ちで行くかと思いきや、すぐに展開が変わります。
みさき : これは真ん中から出来たんです(笑)。それで曲をどうやってまとめたらいいかわからなくなって、じゃあもっと静かなところを作るかって、後から最初の部分を作りました。
ーー1曲1曲の展開が予断を許さないというか(笑)。最初に聴いたのと終わりの印象が違いますよね。1曲の中で色々構成を変えたいと思って作っているんですか?
古庭 : 飽きさせたくないということはよく言ってますね。
みさき : インストで歌があるわけじゃないんで、展開も歌ありきのバンドよりも多くないといけないし、その展開もわかりやすくないと駄目だと思うんですよ。
ーーそしてトラックが出来たところにGINEさんのビートボックスが乗るんでしょうか。
みさき : それも結構流動的ですね。そういうときもありますし。
GINE : はい、そうですね。そのときどきで違います。

ーービートボックスもあくまで楽器の一部という考え方なんですかね。
みさき : そうですね。歌えないと言ってたんで、彼は(笑)。
GINE : あんまり詞を書いたりということをしたいと思わなくて、どちらかというと音で。歌っていうかDJの言葉のフレーズを使ったようなプレイを模倣しているような感じですね。
ーーもともとGINEさんが自分の表現としてビートボックスを始めたきっかけはなんだったんですか?
GINE : 始めたのは高校生だったんですけど、当時SOUL'd OUTばかり聴いていて、メンバーの1人がビートボックスをしていたんです。それでライヴを観に行ったときにソロで5分間くらいパフォーマンスをしていて「ああ、これおもしろそうやな」って思ったのが出会いですね。そこから聴いて真似し出したのが始まりですね。そこからクラブに遊びに行くようになり、ライヴハウスに出るようになり、という感じです。
ーーGINEをはじめみなさん個性的なプレイヤーだと思うんですが、共有している音楽ってどんなところにあるんですか?
みさき : 関西からこっち来るときとか、車で移動しているときにその間に「これかっこいいよ」とかみんなで聴いてる感じですなんですけど。共有しているものって… メタル(笑)?
マツヤマ : 曲にもよって、参考にしているものとか「この感じ」というのがバラバラですね。
古庭 : 1つの形を目指すというものがあるわけではなくて、みんな許容量が広いというか面白がる間口が広いんで。だから誰かが聴いてる音楽を「それはないわ」っていうことがあんまりないよね?
みさき : ざくっと言ったらプログレになるのかなあ?
古庭 : でも1つのジャンルってないと思う。yone君とか私だったら弾き語りも好きだったりとか、GINE君はやっぱりHIP HOP好きだし、エレクトロニカも好きだしハードロックみたいなのも好きだし。
ーー確かにそうした要素は全部入っている感じですね。最後の「new world」はこの曲で終わるのか!? ってびっくりしたんですけど。
みさき : 駄目すか!?
ーーいや駄目じゃないですけど(笑)。ただ1曲の中での展開の違いと同じでアルバムの冒頭と終わりで印象が変わってるので。曲順ってどうやって決めたんですか?
みさき : それは森さん(森大地、kilk records代表)が決めました(笑)。
古庭 : 外から見てもらった方がいいかなって。中からだと、ちょっと「この曲はこう」みたいな思い込みもあるので、人に決めてもらいたいなと思って。
最近のレーベルの姿勢を象徴しているような気がしておもしろい
ーーアートワークも強烈ですよね。
一同 : ははははは。
古庭 : これは地元の神戸にいるお友達が。
みさき : 絵を描く子がいるんです。

ーージャケットの裏にはいろいろな言葉が書かれていますけど、音楽の中でなくこういうところに言葉を入れたのはなぜなんですか?
古庭 : 言葉が全然なくって、イメージも何もなしで曲は作っているんですけど、やっぱり言葉が欲しいねということになって。アルバム・タイトルが『switch』なんですけど、タイトル・チューンも「switch」で。その曲のイメージでストーリーを書いてって(みさきに)言われたんですよ。私はソロで歌詞も書いているので、「switch」のストーリーを書いて、そこから抜粋した言葉を載せています。
みさき : ショート・ストーリーみたいな物を作ってもらって。
古庭 : 星新一のショートショートみたいな、SFチックなストーリーがあって、抜粋しています。今ポスターを作っていて、そこには全部載っているんですけど、他にもどこかに載せて行きたいとは思っています。PVも作っていて、ストーリーに合わせたイラストも描いてもらっているんですよ。
ーーではアルバム・タイトルを『switch』にした理由は?
古庭 : 一番キャッチーなのが「switch」という曲だなっていうところからタイトルに持ってきました。最初はQuの『Q』で良いんじゃないかっていう話もあったんですけど、そんなの検索したときにひっかかってこないから駄目だって反対して。
ーーなかなか現実的なことを考えてますね(笑)。
古庭 : 私はめちゃくちゃ現実的ですよ(笑)。
ーーライヴの映像を見ると古庭さんの格好はかなり現実離れしていましたけど。シルバーのウィッグを被って。
古庭 : あれは、おでんの国から来た“白滝の妖精”です(笑)。あとああいうのはネオギャルって言うらしいです。「ネオギャル」で検索してみてください。「ああ、古庭さんやわ~」ってなると思いますので(笑)。
ーー(笑)。ライヴはいつもああいう感じなんですか?
古庭 : 白滝になったのは先月からですね(笑)。その前は盛り髪で。なんか私がかわいいと思った髪型にするとみんな「えぇ~?」みたいに。「普通の格好が良いのに」って言われるんですよ。
みさき : 好きにやればいいじゃないのって僕は思いますけど (笑)。
古庭 : 私だけじゃなくてGINE君も格好が変なので。
GINE : まあ今も、常時そうですけど(笑)。
みさき : まあよかれと思ってやってるならやったら? と。
ーー自由なバンドですね(笑)。『switch』は初めてのアルバムですし、バンドのイメージを決定付けるものだと思いますが、手応えとしてはいかがですか? これまでやってきた集大成のようなものになっていますか?
古庭 : 集大成っていうとなんか終わるみたいな感じするんで(笑)。ここから、やっと名刺代わりの物ができた感じですね。
マツヤマ : うん、スタートラインに立った感じですね。
ーー僕は中でもちょっと異色な「strawberry tree」がとても気に入りました。
古庭 : ああ、それは森さんもおもしろがってましたね。どうですか? kilkのイメージとQuはちょっとまた違いますか? 「こういうのもありなの? kilk?」みたいな感じがあるんじゃないかと思うんですが。
ーー最近のkilk recordsは多様なアーティストの音楽をリリースしていると思いますよ。でもQuのようなビートボックスが入ったインスト・バンドっていないと思いますし、最近のレーベルの姿勢を象徴しているような気がしておもしろいなと思います。「strawberry tree」という曲にしてもジャンルが限定されないような、フリー・ジャズっぽい感じもあったりスカのリズムになったりトイトロニカ風だったりしておもしろいですよ。
古庭 : そっか、「strawberry tree」って一番シンプルなイメージがありました、Quの曲の中で(笑)。
みさき : いや、色々やってるよ(笑)。
ーーアルバムに轟音になったりする曲があるんで、かわいらしさが際立ってる感じがしますよ。
みさき : そうですね、あの曲は歪まさずに作ってみようというのがあったんで。
古庭 : ああなるほどね、確かに。
みさき : スカとかも好きなんで、歪みはなしでやろうと。
ーーギターも他の曲は歪ませてる感じが多いですよね。
yone : そうですね、もともとヘヴィ・ロックのバンドをやってたんで。
ーーyoneさんとマツヤマさんがヘヴィな音をバンドに持ちこんでいるような気がしますが、マツヤマさんは5弦ベースを弾いているんですよね。
マツヤマ : そうなんです。ただ録った時はまだ6弦ベースを弾いていたんです。でも変更点が間に入ってしまったんで。こっちの方がいいんじゃないかと。
みさき : 5弦の方がいいんじゃないかって。
古庭 : 前はライヴでもずっと6弦で弾いてたんですけど、録音し出したタイミングで5弦に替えたんですよ。
ーー細かいアンサンブルを緻密にやっていらっしゃるようですね。
みさき : まあ僕はほとんど感覚なんで(笑)。
古庭 : でも棲み分けは難しいですよね。悩むところが多い。
みさき : ここ(鍵盤、ギター、ベース)の棲み分けは3人でやってますね。僕は「もっとガッと出して!」としか言わないんで(笑)。
ーー長嶋監督的な(笑)。
一同 : ははははは!
古庭 : 本当そうです(笑)。
みさき : 「もっと下弾いたら?」とかそんな感じしかわからないんで。
ーーでも出来上がった音は抽象的ではなくてはっきりしていますよね。
古庭 : すごくポップにやりたいというのがみんな共有している部分なんで。難解にやりたいということは全然ないですね。曲が展開していくとか1曲1曲が全然違うのも、飽きさせないように楽しんでもらえるようにと考えている結果ですね。
みさき : でも、数字遊びはみんな好きかもしれない。
古庭 : ああ、マス・ロック的な要素はありますね。
みさき : 3と4を合せたら12発目で頭が合うとか。
古庭 : 曲を作る上で、それがコアになっているところなんですよ。まずどういうリズムの組み合わせでやるか考えてから、そこに上モノを乗せて行くんで。
固定概念を捨てて聴いてほしいですね
ーー「echoes」はHIPHOP調な曲ですが、GINEさんは前に出ている曲とそうでない曲がありますよね。ライヴではあまり前に出ない曲のときはどうしているんでしょうか?
GINE : う~ん、みんな前に出てガーってやるかというとそうでもないので。
古庭 : ライヴだと誰かが前に出る感じはなくてシューゲイザーっぽいんで。私が入る前は本当に4人ともドラムに向かってやってたので、鍵盤が入ってから少し開けたかなと思います。わりとストイックに演奏で聴かせていくタイプですね、全員が。
みさき : 参加型ではないよね、音楽自体が。
ーー「echoes」はオルガンを弾いているんですか? すごく懐かしいような音色に聴こえますが。
古庭 : これはエレピの生の音です。そこはこだわってるところなので、ライヴにもわざわざ持って行きますから、車がパンパンです(笑)。デジタルのピアノじゃなくて、鉄の棒が入っててハンマーで叩いて鳴らしているものなので。世界で50台くらいしかない楽器なんです。
ーーそんな貴重な機材をちゃんと現場に持って行って使うのはすごいですね。
古庭 : そういうことをちゃんとさせてくれるのも、懐の深い、いいバンドだと思いますね。
yone : 僕ら機材少ないですからね(笑)。
みさき : 俺なんかなんでもええからな。最終的にはスティックだけあればいいから。
一同 : (笑)。
ーーなんでもええ(笑)。バンドの懐の深さって、そういうみさきさんのキャラクターから来ているみたいですね。
古庭 : それはありますね~。私が入った頃はスネアもなかったんで(笑)。
みさき : そうそう(笑)。たぶん僕ね、他の人よりドラマードラマーしてないというか、ドラム・セットが叩きたくてしょうがないタイプじゃないんですよ。バンドがかっこよければいいかなと思っているんで。最終的には指揮者みたいなのがしたいんですよ。

ーーアルバムのリリース後はツアーもあるようですが、2014年の11月には台湾でもライヴをおこなっているんですよね。
古庭 : 台湾は2回目だったんですけど、お客さんがヒューヒューとか言ってくれるし(笑)、CDも買ってくれてサインも求められたりとか、反応が熱いですね。
ーー海外に出たいというインスト・バンドの方は多いですけど、やはりQuもそうですか?
みさき : そうですね。もちろん最終的には日本で売れたいですけど。
古庭 : これからもまだあちこち行きたいですね。今回の台湾でも他の国との繋がりも出来たので。今年の春あたりに行きたいと思ってます。今回はアジアですけど、ヨーロッパとかアメリカにも行きたいですね。そういう国から始まっている音楽をやっているので。ただ最後は日本で売れたいです(笑)。
GINE : 僕もどこで売れてもいいんですけど、日本で有名にはなりたいとは思いますけどね。
古庭 : インストだからCMとか映画で流れるとひとつ夢が叶った感じはあるよね。
みさき : 俺はガンダム好きなんでガンダムで曲が使われたいですね(笑)。
ーーではOTOTOY特集ページをご覧のみなさんに一言お願いします。
みさき : 固定概念を捨てて聴いてほしいですね。先入観を持たずに聴いてもらえればと思います。普段インストを聴かない人にも聴いてほしいですし、ギターが“ガ~ッ”てなるのが嫌だっていう人にも聴いてもらいたいですし。
古庭 : インストということにもそんなにこだわりがあるわけじゃなくて、たまたまヴォーカリストに出会わなかったんで今の形態になっているということなんですよ。だからこれから歌を入れていくかもしれないし、誰かが歌うかもしれないし。そこもすごく自由でこだわっていないので。でも5人でやったらQuの音楽なので。新しい音楽に出会いたいと思っている方にはすごくアピールするアルバムなので、そういう方に聴いてもらいたいです。
みさき : うん、とにかくまずは聴いてほしいですね。
RECOMMEND
Lööf / Frog Songs For Whales
Lööf(レーフ)の最新作は日本語をふんだんに取り入れたトイトロニカ・ポップ。前作「Miniature Garden」ではBjörk、Sigur Rós、múm等を彷彿とさせる作風であったが、今作ではさらに外の世界へ飛び出し、新しい形のポップ・ミュージックとして力強く存在している。様々な音を用いながらもあくまでシンプルに描かれた本作は、エレクトロニカやポスト・ロックに抵抗がある方、飽きた方にも純粋に心に浸透していくことであろう。そして、チヒロが歌う印象的な日本語はどこかノスタルジックで不思議な世界観。
Ferri / ∞(インフィニティー)
『a broken carousel』で衝撃的なデビューを果たしてからおよそ2年半、新たな世界への扉を開く作品『∞(インフィニティー)』をリリース。今作はMiliのYamato Kasai、Aureoleの森大地、KASHIWA daisuke、Takahiro Kido、Yuki Murata、AJYSYTZ、üka、cellzcellarなど多くのアーティストとコラボレーションして作り上げている。
AUDIO BOXING / Tried and True
2014年式アプローチでダンスミュージックとバンド・サウンドを独自の配合でミックス。3人組バンド「AUDIO BOXING」がついにデビュー。Modeselektor、Skrillex、Hudson Mohawke、Rustieなどのようなエレクトロニカ〜ダブステップ風のシンセ。エモ、パンク、メタルのようにパワフルで躍動感のあるツイン・ドラム。JAPANのミックカーンのように縦横無尽に動き回るフレットレス・ベース。ライブハウスを中心に活動しているだけあって、とにかくバンド的グルーブ感全開のサウンドに仕上がっている。
LIVE SCHEDULE
Qu 1st. album “switch” release tour
2015年1月10日(土)@横須賀 かぼちゃ屋
2015年1月12日(月)@渋谷 club 乙
2015年1月17日(土)@下北沢 ERA
2015年1月20日(火)@神戸 STAR CLUB
2015年1月23日(金)@大阪 GANZ toi,toi,toi
2015年2月11日(水)@東京 立川BABEL
2015年2月21日(土)@京都 GROWLY
2015年3月6日(金)@大阪 HOKAGE
2015年3月14日(土)@和歌山 GATE
tour final west
2015年3月20日(金)@神戸 ART HOUSE
tour FINAL
2015年3月28日(土)@大宮 hisomine
kilk recordsの連続企画「kilk records session」公開中!
kilk records session vol.1 森大地(kilk records)×虎岩正樹(残響塾)「新しいアーティストの考え方」
kilk records session vol.2 森大地(kilk records)×木戸崇博(Ricco Label)「新しいレーベルの考え方」
kilk records session vol.3 森大地(kilk records)×竹中直純(OTOTOY代表取締役)「新しいメディアの考え方」
kilk records session vol.4 森大地(kilk records)×海保けんたろー(SONALIOドラマー、ワールドスケープ代表取締役)「新しいアーティスト・マネジメント」
kilk records session vol.5 森大地(kilk records)×出川光(CAMPFIRE)「新しいプロモーションの考え方」
kilk records session vol.6 森大地(kilk records)×劔樹人(神聖かまってちゃん、撃鉄マネージャー、あらかじめ決められた恋人たちへ)「新しいマネージメントの考え方」
kilk records session vol.7 森大地(kilk records)×永田純(音楽エージェント / プロデューサー)「新しい人と人の繋ぎ方」
kilk records session vol.8 森大地(kilk records)×高野修平(コミュニケーション・プランナー / サブ・マネージャー)「世の中の動かし方」
kilk records session vol.9 森大地(kilk records)×比留間太一(「2.5D」ディレクター)「日本のポップ・カルチャーをここから世界へ」
PROFILE
Qu
みさきまさゆき(Dr)、yone(Gt)、マツヤマシンヤ(B)、GINE(Human Beat Box)、古庭千尋(key)の5人から成る神戸出身のインスト・バンド。〈ヒューマンビートボックス × ポストハードコア〉なスリリングかつエモーショナルなサウンドが特徴。
2012年、みさきまさゆき、yoneを中心に四人編成で活動を開始。そこから現在まで、東京、大阪を中心に年間50本以上のライヴを行っている。
2013年9月、朝日放送musicるTV@KANSAIに出演。
2014年1月、幼虫社のメンバーであり、ソロ活動でも活躍中の古庭千尋が加入し現在の5人編成となる。
同年4月には初の台湾ツアーを成功させる。
ライヴで販売している自主制作のデモCDはトータルで500枚以上のセールスを記録。地元関西では半年に一度、自主企画イベントを行っている。