売れるまで寝てらんねえよ!ーー忘れらんねえよ、3rdアルバム完成記念・3回連続単独インタヴュー その①梅津拓也(ベース)
8日間カンヅメ状態で1人で6万個のドミノを並べきり、見事ドミノ日本記録を達成した柴田隆浩がヴォーカルをつとめる3ピース・ロック・バンド、忘れらんねえよが、約1年半ぶりとなる3rdフル・アルバムを完成。2ndアルバム以降、真面目さとバカバカしさの狭間で迷い、売れているバンドたちのエッセンスを取り入れるなど、トライ&エラーを繰り返してきた彼らが辿りついたのは、まさにバンドの原点だった。とことんバカになれ、全力であれ。オーバー30の3人がリミッターを外してやりきった渾身の叫びがここにはある!! 本作を全力で伝えるため、3週に渡り3人に個別インタヴューを敢行。忘れらんねえよの魅力よ、もっと伝わってくれ!!
渾身の3rdフル・アルバムを配信中
忘れらんねえよ / 犬にしてくれ
【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC / mp3 : 単曲 257円 / まとめ価格 1,944円
※ファイル形式について
【Track List】
1. 犬にしてくれ
2. 風に吹かれて(毛が)
3. 愛の無能
4. 絶対ないとは言い切れない
5. 寝てらんねえよ
6. バンドやろうぜ
7. ZERO
8. ここじゃないけどいまなんだ
9. ありのままで受験したら落ちた
10. ばかもののすべて
11. 紙がない
INTERVIEW : 梅津拓也(忘れらんねえよ)
忘れらんねえよ3rdアルバム『犬にしてくれ』リリース目前スペシャル、メンバー個別インタヴューのトップを飾るのは、ベース担当の梅津拓也。3人の中ではもっとも爽やかかつ穏やかなイメージで女性ファンの人気が高いと言われる梅津だが、ひとたびステージに上がると極端にブーストされた低音をまき散らしながら狂ったようなパフォーマンスで観客を扇動することでおなじみのイカれたベーシストだ。そんな彼が語る『犬にしてくれ』制作のエピソードから、昨年休養していた際の心境、音楽マニアぶりが伺える自らのルーツの話、バンドの未来まで。「“ちん毛”って言われたら、やっぱりそういうビリビリな感じで弾こうかな、とか」という話からもわかるように、やっぱりこの人もなんか変。1人目にして結論「忘れらんねえよのメンバーに、まともな人間などいないッ!」。初の単独ロング・インタヴュー、じっくりご堪能ください。
インタヴュー & 文 : 岡本貴之
すごくテンションが上がってレコーディングしたときもありました(笑)
ーー梅津さんは忘れらんねえよ結成前は他のバンドをやっていたんですか?
梅津拓也(以下、梅津) : もともと、大学のときにやっていた3ピース・バンドで柴ちゃん(Vo.Gtの柴田隆浩)と知り合ったんです。そのときは今に近いロックだったんですけど、その後にノイズバンドみたいことをやりだして。ベースとドラムの2人で、僕がノイズ担当で。シルバー・アップルズっていう60年代の2人組で、オシレーター(発振器)という機材を操作して歌ってドラムがビートを刻むバンドがいたんですけど、そのバンドが当時すごく好きだったんで、ぼくもシンセ的なことをやろうかなと思ったんです。全然出来てなかったですけどね(笑)。
ーーでも、そうしたノイズとかをやってきた経験が今のベース・プレイにも繋がっている感じですね。3rdフル・アルバム『犬にしてくれ』はこれまで忘れらんねえよを聴いてきたリスナーにとっては衝撃的なアルバムだと思います。今回、NARASAKIさんがプロデューサーとして参加していますが、どのような影響があったのでしょうか。
梅津 : 僕が好きなベーシストは、元マルコシアス・バンプの佐藤研二さんなんですけど、NARASAKIさんとも特撮などのバンドでよく一緒に演奏されているみたいで。最近、佐藤さんと同じSGベースを使っているんですけど、結構レコーディングの早い段階でNARASAKIさんが「なんでそのベース使ってるの?」って聞いてくれたんで、僕が佐藤さんのことをすごく好きだと話したら、「やっぱりそうだったんだ!?」みたいな感じになって。佐藤さんは音作りもこういう風にやってるとか、僕が憧れているベーシストの裏話をいろいろ教えてくれたんですよ。あとは、単純に音楽の話をたくさんできたので、それが刺激になりましたし、“これで行っていいんだ”っていう自信にもなりました。NARASAKIさんも「今のフレーズ、佐藤さんっぽいよ!」とか言ってくれて。こっちも「本当ですか!?」みたいな感じですごくテンションが上がってレコーディングしたときもありました(笑)。
ーー確かにどの曲もテンションの高さがすごいですよね。
梅津 : 本当に、おっさんたちがムキになって作った作品というか。
ーー今まではどんなにバカなことをやっても道を外れずに歩んでいた気がするんですけど、今回は完全に脱線して突き進んでいるというか、開き直りを感じます。
梅津 : 歌詞の世界観とかは1stのときにちょっと似てるのかなと思いました。うんこの感じとか、ちん毛とか。そういうワードって1stのときの「あんたなんだ」っていう曲で〈うんこ踏んだんだ〉っていう歌詞があったりとか、今回はそういうのを狙ってやってるのかなと思いながら歌詞は見ていたんですけど。もうレコーディングが始まる時期には9割近く歌詞が出来ている状態だったんですよ。だからちょいちょいイメージみたいなものは聞きつつ、「じゃあそういう感じでベースを弾こうかな」と思いながらやっていました。例えば、「ちん毛」って言われたら、やっぱりそういうビリビリな感じで弾こうかな、とか(笑)。
ーー(笑)。うねった感じを表現したんですか?
梅津 : なんかギザギザな感じの音っていうんですか? ああいう感じの音を出そうかなって(笑)。安定しない、「スッ」と行かないベースの音みたいな。直毛じゃない感じで。
ーーなるほどわかりやすい(笑)。ちん毛から着想を得てサウンド・メイキングするバンドって忘れらんねえよだけですよね。
梅津 : そうですよね(笑)。そういう感じでレコーディングしていました、僕は。
下ネタを使わずに下ネタを表現した発明
ーー以前『空を見上げても空しかねえよ』のOTOTOYインタヴューで梅津さんが「ベースでの表現欲求とかはそんなになくて、バンドの一員としてどーんとやりたい」というような発言をしていたのが印象的だったんですが、今はどうですか?
梅津 : あの頃とはモードが変わったというか、このレコーディングの前に、N'夙川BOYSのツアーに呼んでもらって新潟で対バンする機会があったんです。それで打上げのときにバンドのキャラクターみたいな話になって、マーヤさんが「うちらは全員フォワードだから。守りはいなくて全員攻めるから点がガンガン入っちゃうし、それでもまだ攻めるんだ」みたいな話をしていたんですよ。丁度レコーディング前だったんで、今回はそれかもしれないなと思って。要は前のアルバムとかって結構僕とサカタス(Drの酒田耕慈)はちょっと守っていたというか、柴ちゃんの歌に対して僕らはしっかり支えようと思って臨んでいたというか。チームプレーってそういうものだと思っていたんですけど、でも今回は全員で攻めよう、めちゃくちゃになってもいいから怒られるまでやろう、と(笑)。たぶんサカタスも同じモードでした。
ーー完全に振り切った演奏をしている曲が多いですよね。
梅津 : 僕ら3人とも考え過ぎちゃうんですよね。ここのフレーズはモチーフをどれにしようとか、そもそもそのモチーフが見つからないとできない、みたいな感じになって、作業が止まっちゃったりするんですよ。考え過ぎた結果こじんまりとしちゃったりとか。でも今回は「その場で出てきたフレーズはそれでよし」みたいな感じで(笑)。ほとんど一発ですね、今回は。基本的にバンドでいっせーの、で録るのは変わらないんですけど。
ーー「ZERO」はそんな勢いがものすごく伝わってきます。
梅津 : もう、完全にモーターヘッドですよね(笑)。3人で同じブースに入って「オラー!!」みたいな感じで。歌もその場で出てきたフレーズなんですよ。〈いいベースだ!!〉っていうところとか(笑)。僕とサカタスが一緒にブースに入って「ウォ~!!」とか言ってたんで柴ちゃんのテンションも上がっちゃったみたいでますます「ウォ~~!!」みたいな感じになっていて。みんなで爆笑ですよ、歌録りなのに(笑)。
ーー一方でこれまでの忘れらんねえよには全くなかった楽曲が「愛の無能」。これは名曲ですね。
梅津 : この曲に関しては「シティ感」とか(笑)、「夜の首都高」というキーワードが柴ちゃんから出て。そういえば、これはサウンド・チェックの練習テイクがOKテイクになっちゃって(笑)。それを後でNARASAKIさんが持ち帰ってピアノとかシンセも入れて全部作ってくれたんです。頭のピアノが入ってくるところとか最初聴いたときに「うわっハウスだ!」って思いました。この曲で一番グッとくるのはやっぱりこの歌詞ですね。どんなにサウンドが変わっても柴ちゃんの歌詞が乗ればバンドの世界観は変わらないんだなっていうのが改めてわかった曲です。特にサビの“俺に愛される才能をくれ”っていうフレーズは、これは柴ちゃんしか歌っちゃダメでしょっていう。だからこの曲はアルバムの中でも一番好きなくらいで、歌詞はダントツで好きですね。
ーー本当に切実な歌詞ですよね。〈無能〉って何度も叫ぶところは魂の叫びというか。
梅津 : そうなんですよ。常に柴ちゃんのそばにいる自分たちだから、この叫びがより響くというか(笑)。「本当なんだよこの人は! 本当にこういう人なんですよ!」っていう。サウンドはもちろんうちらにとって初めてのものなので、聴く人にとってはビックリしちゃうかもしれないんですけど。
ーー柴田さん自身のことをストレートに表している歌詞なんですね。曲に関しては、特に音楽シーン的に新しいということではないですけど、忘れらんねえよの曲調・アレンジとしては新鮮ですし、梅津さんのベースも無機的な8ビートを弾いていますけど、こうやってシンプルに弾く方が手数多く弾く曲よりも大変そうですね。
梅津 : ああ、そうなんですよ。もともとは複雑に弾いてたんですけど、NARASAKIさんに「この曲はそうじゃなくて淡々と弾いた方が絶対クールだから」って言われて、レコーディングの前にバンドで合わせて弾いたときに「あ、本当だ」って。この淡々とした感じが歌詞のドラマティックさを生むんだなと思いました。これがよすぎてこれだけ別名バンドで「ザ・ワイン」みたいなバンドにしてデビュー・シングルで出しちゃった方が売れるんじゃないかって(笑)、みんな冗談で話してたんですけどね。まあもちろんこれは僕らの曲なんで。
ーーワインといえば、最初に聴いたときはカッコイイなと思って聴いていたんですけどよくよく聴いたら冒頭の歌詞が(笑)。
梅津 : すっげえしょうもないですよね(笑)。一番最初に歌詞ができたときはサビも“赤ワイン語るやつうるせー”っていう歌詞だったんで、全然そのときは良いと思わなかったんですけど(笑)。“俺に愛される才能をくれ”になってから「こう来たか!」って思いましたね。
ーーこれまで柴田さんが書いてきた歌詞でこれは嫌だなあ~みたいなことを感じたことはないんですか?
梅津 : う~ん… 嫌だなとか思ったことはないんですけど、例えば今回のアルバムの中で1曲だけ「紙がない」っていう曲は僕の作曲なんですよ。で、毎回僕の作った曲ってひどい歌詞を乗っけられるなって(笑)。
ーー「あなたの背後に立っていた」もブルース・フィーリングを持ちこんだ曲でしたけど柴田さんが歌詞を付けたら….。
梅津 : ストーカー・ソングになりましたからね(笑)。「紙がない」の原曲は高校のときに作っていて、後に柴ちゃんのバンド「女殺団(にょさつだん)」と僕のやってた3ピース・バンド、魚が乱れると書いて「魚乱」との対バンでよくやっていたんですよ。そのときの曲を柴ちゃんが覚えていて「あの曲やりたい」って言ってくれて。そしたらこういう歌詞に(笑)。
ーー最初聴いたときはどう思いました?
梅津 : やめてくれよって思いましたね(笑)。でもこれくらいやってもらった方が面白いなと思います。
ーーこれまでのアルバムは毎回メッセージ性のある曲で終わっているんで、下ネタ感のあるこの曲でアルバムが終わるのかって思ったんですけど、最後にちゃんとメッセージがあるんですよね。
梅津 : 最後の最後まで聴かないとわからないという(笑)。でもこの曲は昔のバンドのライヴでもよく最後にやっていて、そのイメージも残っていたのか、曲を聴かせた時点でこれを最後にしようというのは歌詞が出来る前から柴ちゃんの中で決まっていたみたいですね。ただ、柴ちゃんも話すと思うんですけど、この曲下ネタワード一回も使ってないんですよ。
ーー本当だ! 確かに改めて歌詞を見るとどこにも下ネタはないですね。勝手に思い込んでました(笑)。
梅津 : そうなんですよ。下ネタを使わずに下ネタを表現した発明だって言ってました(笑)。
すぐには結果は出ないと思っているし、本当はもっと大変なはずかもしれないから
ーー今回のインタヴューは3人それぞれに同じテーマをいくつか訊こうと思っています。まず、これまで色んな面白企画で注目を集めている忘れらんねえよですが、音楽的な部分が伝わっていないんじゃないかというもどかしさみたいなものはなかったですか?
梅津 : まあ、それで音楽を聴くかは別として、認知されるという意味ではドミノとか色んな企画は大事なことだなと思ってます。ただまあムチャしてるなとは思いますけど、僕らは(笑)。でも僕らの場合は、やると何かしら結果がついてくるんですよね。柴ちゃんのドミノも日本一だし、前に「エアバンド選手権」っていうサマソニのちょっとしたイベントみたいな感じのものがあって。そのとき僕は「そんなのやらなくていいよ、いつもエアバンドみたいなことやってるじゃん」って言ってたんですけど、やったら世界一になって(笑)。結果3人のテンションが上がるっていう(笑)。だからやってみると結果よかったなっていつも思います。
ーー全力でやるからそうなるんですよね、忘れらんねえよは。
梅津 : そうなんですよね(笑)。ドミノも本当に感動しましたからね。
ーー昨年、腰痛でツアーを休養していた時期にはどんなことを考えていたんでしょうか? 焦りもありましたか?
梅津 : めちゃめちゃ焦っていましたね。本当に治るのかどうかがわからなかったというのもあるし。あと休む前の座っていた時期がすごく嫌だったんですよ。「もっとやれるのに」みたいな。本当はもっともっと体全部でベースの音を鳴らす感じでやっていたのが、椅子に座って丁寧にやっているっていう。もちろんその場で爆発はしてるつもりだけど、「本当はこんなもんじゃねえんだよ」って。お客さんに対してもそうだし、対バンの人に対しても変に心配されちゃったりするのも嫌でしたね。最近はいい調子で、コルセットも巻かないでライヴをやっているんですけど。今インナーマッスルを鍛えていて。それで腰回りを鍛えているんですけど、やっぱり全然違いますね。
ーーこれまで活動してきた中で、1番達成感を感じた瞬間ってどんなときですか?
梅津 : 僕はこの前のギターウルフとのツーマン・ライヴ(2015年5月31日(日) 浅草KURAWOOD)ですね。もちろん好きなバンドはたくさんいるんですけど、10代の頃にギターウルフを見てこういうスタイルになったんですよ。めちゃめちゃだけど爆発してる、ステージの上で死んじゃうんじゃないかっていう熱をライヴで表現したいなと思うようになったのはギターウルフを観たのがきっかけなんです。もう大好きとか越えたレベルで、セイジさんは神なんです。柴ちゃんにとっての浅井(健一)さんと同じくらい僕にとってのセイジさんはそういう存在で。そのライヴの最後に「この高鳴りをなんと呼ぶ」をやったんですけど、もう感極まっちゃって泣いちゃって(笑)。心の叫びをマイクで叫んじゃったんですよ。「このバンドを信じてきてよかった」って。それくらい興奮してました。
ーーバンドに復帰したときもそこまで感極まることはなかったですか?
梅津 : ああ、あの時のライヴ、ツアー3本(名古屋、大阪、東京)もそうですね。でも正直、今だから言えるんですけど、腰が完治してなかったんですよ。無理矢理復帰したライヴというか、不安もあったんで体いっぱいで喜びを表す感じじゃなかったんです。ただ、お客さんからもらった言葉とか、直接会場で言ってもらえた言葉とかは人生で一番嬉しかったかなというくらいでしたね。あとはサポートしてくれたアベ君(挫・人間)と寺中君(僕のレテパシーズ)とえみそん(おかもとえみ)にはすごく感謝しています。
ーー忘れらんねえよの曲の中で一番バンドを象徴している曲を挙げるとしたらなんでしょうか?
梅津 : 「バンドやろうぜ」だと思います。妬ましい気持ちとか、悔しさとかが滲み出ているけど諦めずに今の自分を肯定してがんばろうぜ、っていう曲で。あとはサウンドでもサビでドカンと来る感じが忘れらんねえよらしいなと思います。
ーー『犬にしてくれ』の中に入ると浮くかと思ったんですけど、より際立って聴こえる気がします。
梅津 : 僕もこの曲入ると思ってなかったんですよ。ただこうして並べてみるとこの曲きっかけで(今作のテーマである)グランジって始まってるのかなっていう気持もあるんですよね。静と動という感じが出ていて。でも僕はもともとこのバンドはそういうバンドだと思っていて、ベースではそういう静と動をずっとやってきたつもりなんですけど。僕の中ではダイナソーJr.みたいなバンドだと思って3人でやってきたんで。それを気付いてくれたのはおとぎ話の有馬君くらいしかいないんですけど(笑)。「ああ、やっぱりわかってくれた」って。
ーー「バンドやろうぜ」は〈あいつのバンドがMステに出てるから今夜もテレビをつけられないでいる〉という歌詞が印象的ですけど、こういう気持は梅津さんにもありますか?
梅津 : いや、全然ないです(笑)。ただ、僕が悔しいと思うのは、例えばですけど坂本慎太郎さんがゆらゆら帝国でやっていたことやソロでやっていることに毎回「うわ、やられた!」みたいに思う、そういう悔しさですね。先にやられたとか思いつかなかったとか。そういう表現的なところで「くそー!」って思うことはありました。「くそー本当に天才すぎる!」とか。もちろん他にもたくさんいますけど、ヘルマン(Hermann H.&The Pacemakers)だってそうだし、ギターウルフの歌詞とかもそうだし。
ーー「冷蔵庫ゼロ」とか(笑)。
梅津 : そうそう(笑)。「そこがあったかー!?」っていう。
ーーじゃあ柴田さんが感じている悔しさみたいな部分からは一歩引いている感じでしょうか。
梅津 : たぶん、柴ちゃんが感じている悔しさって、「これだけ頑張ったのに報われないのかよ」っていうのもある思うんです。でも僕はそんなにすぐには結果は出ないと思うようにしているし、本当はもっと大変なのかもしれないから。
ーー最近、ファンの子に忘れらんねえよのどこが好きなのか訊いてみたんです。曲が好きなのはもちろんなんですけど、ドミノのときに美大の子が出たりとか「24時間バンドやろうぜ」でアマチュア・バンドがたくさん出たりとか、そういうファンを巻き込んでくれるところ、何でもない自分たちにも可能性の手を差し伸べてくれたり、頑張ろうという気持にさせてくれるところが好きだって言ってましたよ。
梅津 : うわ~嬉しいですね、本当に。そういう風に役に立つじゃないですけど、活力になったりそういう風に思ってもらえたらやってる意味もあるし励みになりますね。
ーー今後ミュージシャンとして目指していきたいことがあれば教えてもらえますか?
梅津 : どこどこでライヴをやりたいとかはわりとどうでもよくて、それよりももっともっと面白い音楽を作りたいし、喜んでもらいたいなって思いますね。ドミノとか無観客ライヴとか、ネタ的なことが目立ってしまったりするけど、中身はちゃんと良い音楽をやっているバンドだよっていうことを色んな人に知ってもらって、ライヴに来て一緒に歌ってくれたら良いなと思います。それと僕個人的にはバンドでやってる音楽ももちろん好きなんですけど、それとは別に自分のやりたいことはちゃんと形にしないと駄目だなと思っていて。普段自分が好きで聴いている音楽に対しての答えを自分で出せたら良いなと思います。
忘れらんねえよの過去作はこちら
LIVE SCHEDULE
忘れらんねえよ 3rdアルバムリリース・ワンマン・ツアー
「犬にしてくれ2015」
2015年7月10日(金)@赤坂BLITZ
2015年7月24日(金)@大阪Music Club JANUS
2015年7月29日(水)@名古屋CLUB QUATTRO
JOIN ALIVE 2015
2015年7月19日(日)@いわみざわ公園
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015
2015年8月8日(土)@国営ひたち海浜公園
RUSH BALL 2015
2015年8月30日(日)@泉大津フェニックス
BAYCAMP 2015
2015年9月5日(土)@川崎市東扇島東公園
PROFILE
忘れらんねえよ
ここじゃないけど、今なんだ。
僕たちは、この胸の高鳴りを信じる。
柴田隆浩(ボーカル、ギター)
梅津拓也(ベース)
酒田耕慈(ドラム)